11月3日、長野県飯山市の長峰運動公園で信州クロス第2戦が行われ、序盤から先頭に立つ積極的な走りを見せた辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー)が追いすがる小坂親子を引き離して優勝。4日前の北陸シクロクロスに続き連勝を収めた。

1周目で先頭に飛び出した小坂光(TeamZenko/宇都宮ブリッツェン)1周目で先頭に飛び出した小坂光(TeamZenko/宇都宮ブリッツェン) photo:Yufta Omata信州クロスで初お目見えとなった飯山・長峰運動公園のコースは、かつてヨーロッパでロードプロとしてベルギーで活躍、シクロクロスにも造詣の深い三船雅彦氏が監修。

本場ヨーロッパのサーキットを知る氏曰く「飯山のコースはスピードが上がるほどに難しさが増す世界標準コース!」に仕立てられたコースは25%の激坂や、テクニカルなマッドエリア、そしてハイスピードコーナーが配置される、休む場所のなさが特徴。

C1 単独で先頭を走る辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー)C1 単独で先頭を走る辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー) photo:Yufta Omata祝日の木曜日開催となり、先日の北陸シクロクロス黒部大会で優勝した辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー)、2位の小坂正則(スワコレーシングチーム)、4位の小坂光(TeamZenko/宇都宮ブリッツェン)らは中3日でのレース。15人がエントリーしたカテゴリー1のレースを引っ張ったのはやはりこの3人だった。

C1 先頭の辻浦を追う小坂光(TeamZenko/宇都宮ブリッツェン)C1 先頭の辻浦を追う小坂光(TeamZenko/宇都宮ブリッツェン) photo:Yufta Omataファーストラップで先頭に立ったのは小坂光。その後ろには小坂正則、辻浦がパックを形成する。4番手争いは合田正之(サイクルクラブ3UP)、兼子博昭(スワコレーシングチーム)、大塚潤(TEAM YOU CAN)の3人がやはりパックを形成。前を行く3名を追う。

C1 レース前半を2番手で走る小坂正則(スワコレーシングチーム)C1 レース前半を2番手で走る小坂正則(スワコレーシングチーム) photo:Yufta Omata2周目に入ると全日本チャンピオン辻浦が前へ。小坂正則、小坂光とそれぞれ数秒差で続き、早くもレースは力と力のぶつかり合いの様相を呈す。先頭を走る辻浦は快調にペースを刻み、激坂や階段セクションを難なくこなしていく。しばらく2位を走行していた小坂正則は、レースが中盤に差し掛かる頃に息子の小坂光にかわされる。

4番手争いのパックで走る兼子博昭(スワコレーシングチーム)、合田正之(サイクルクラブ3UP)、大塚潤(TEAM YOU CAN)4番手争いのパックで走る兼子博昭(スワコレーシングチーム)、合田正之(サイクルクラブ3UP)、大塚潤(TEAM YOU CAN) photo:Yufta Omata先日の黒部では辻浦と小坂正則の一騎打ちだったが、この日辻浦に立ち向かったのは小坂光。一時は10秒まで開いた差を5秒まで詰める気迫の走りを光が見せると、辻浦はさらに踏み込み追いつかせない。

追いつきそうで追いつかない展開のままレースは周回を消化。一周が短めに設定されたため、この日カテゴリー1の選手は14周を重ねることになるが、10周目を迎えたところで辻浦のペースにじりじりと光が離され始める。

C1 優勝は辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー)C1 優勝は辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー) photo:Yufta Omata貫禄すら感じさせる辻浦はミスなくスリッピーな泥の区間をこなし、階段セクションを駆け上る。安定した強さを見せた辻浦が、4日前の黒部に続きシクロクロス2連勝。小坂光は17秒遅れの2位でゴールした。小坂正則は37秒遅れの3位でフィニッシュラインを越えている。

2分33秒遅れの4位争いは大塚と合田のスプリントになり、大塚に軍配。同一周回でのゴールが6位の兼子までという、ハイスピードなレースとなった。レース後はコースの監修者であり、この日マスターズで優勝した三船雅彦氏によるシクロクロスライディングスクールが開かれ、大勢の参加者がコース上で氏のノウハウを乗りながら学んでいた。

優勝した辻浦圭一のコメント
「最近は前半で前に出ることを意識しています。人数を絞ろうと前に出たら、3秒ほど開いたのでそのまま行き、残り9周のところで10秒ほど開くことができた。それでも先が長いことと後ろが親子だから協力するかもしれない、と様子を伺ったんですが、親子2人はちぎり合っている。よし加速しようと思い、踏むポイントを変えてみたら一気に差を開くことができました。

コースはあまり日本にない設定で、一見何でもないんですが、コーナーが大きくとられていて、スピードを上げれば上げるほどバイクコントロールやライン取りのスキルが問われます。ベルギーやオランダを彷彿とさせる難しさがあって、僕は好きで楽しめたコースでした」

レースの模様はフォトギャラリーにて!


信州クロス2011-2012第2戦飯山結果
C1(14周回)
1位 辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー) 1h05'04"
2位 小坂光(TeamZenko/宇都宮ブリッツェン)   +17"
3位 小坂正則(スワコレーシングチーム)      +37"
4位 大塚潤(TEAM YOU CAN)          +2'33"
5位 合田正之(サイクルクラブ3UP)
6位 兼子博昭(スワコレーシングチーム)      +2'55"

CL1(7周回)
1位 相野田静香(CLUB GROW OGK KABUTO)   42'44"

C2(8周回)
1位 横山航太                   38'12"
2位 山田誉史輝                  +2'56"
3位 松尾純                    +3'28"

CL2(5周回)
1位 山下裕子                   35'03"
2位 藤森なおみ                  30'00"
3位 石井美代子                  30'52"

C3(6周回)
1位 中村龍太郎                  30'45"
2位 山田将輝                   +1'04"
3位 山川遼                    +1'12"

マスター(6周回)
1位 三船雅彦                   30'46"
2位 富田道夫                   +3'14"
3位 横山直樹                   30'46"

text&photo:Yufta Omata