ゴールまで残り15kmのアタックを敢行し、ベルガモまで逃げ切ったカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、チームコロンビア)。2004年U23世界選手権チャンピオンは、2008ツアー・オブ・ジョージア以来の大勝利を挙げた。

表彰台に向かうカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、チームコロンビア)表彰台に向かうカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、チームコロンビア) photo:Kei Tsujiカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、チームコロンビア)

これが今までのキャリアの中で最高の勝利。世界選手権(U23)での勝利よりも、昨年のツアー・オブ・ジョージアの勝利よりも。それら今までの2つの勝利はどちらもメジャーなレースでの勝利だったけれど、初めて妻が見ている前で勝つことができた。すぐに妻に抱きついたよ。だから最高の勝利になったんだ。

このあたりの数キロ離れた湖畔に数年住んだことがあるからコースのことは知っていた。ラスト15kmでのアタックは正しいタイミングだった。ガルゼッリが以前セッティマナ・ロンバルダのレースで勝ったとき、似たレースになった。そして頂上を数秒差を持って越えれば確実に勝てることは証明されていたんだ。ヴァレリオ・ピヴァ(監督)が「差は20秒ある」と教えてくれたから、下りは慎重に行った。

チームは強くて万全の体制だ。スプリントに強いマーク(カヴェンディッシュ)、トーマス(ロヴクヴィスト)とマイケル(ロジャース)は総合を狙う、エドワルドは昨日のようなステージに、そして今日は僕が勝った。でも多分、他のチームメイトがこの後のステージでも勝つと思う。


ボブ・ステイプルトン監督(チームコロンビア)ボブ・ステイプルトン監督(チームコロンビア) photo:CorVos

ボブ・ステイプルトン監督(チームコロンビア)


選手たちは昨年皆でどうやればレースに勝てるかを学んだ。今年のチームの目標は、全てのメジャーレースで戦闘的に闘えること。グランツールでは世界中の注目を浴びる。ここで、そしてツール・ド・フランスでも、どう走れるかは重要だ。

選手たちは今日とくにやる気になっていた。彼らのうち何人かはこの近くに住んでいるし、
シウトソウは妻がゴール地点に来ていた。数ヶ月うちに子供ができるんだ。彼にとってステキな記念だね。

マーク(カヴェンディッシュ)がまた日曜には世界最速のスプリンターであることを見せてくれると思う。ミラノのコースは確実に彼向きだ。もっと勝利して、この成功を続けたい。

アラン・パイパー監督(チームコロンビア)


彼がガッツのある選手だ。皆、彼が昨年のツールをアシストとして17位でフィニッシュしているのを覚えていないんだ。彼は(U23)世界チャンピオンだし、ツアー・オブ・ジョージアでライプハイマーを打倒したことを忘れちゃならないよ。


集団スプリントに絡み、ステージ3位に入ったマリアローザのダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)集団スプリントに絡み、ステージ3位に入ったマリアローザのダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス) photo:Kei Tsuji

マリアローザを守ったダニーロ・ディルーカ


チームはアタックに良く対処した。僕等はパニックにはならなかった。ゴールまではまだ距離があったし、サーヴェロ、ディキジョバンニ、ラボバンクらたくさんのチームが助けてくれた。
アスタナは多分、僕が困難な状況になるのが見たくてアタックしたんだろう。僕はライプハイマーがアタックしたときもパニックにはならなかった。僕は冷静だった。それが自然な僕だ。そして僕にはいいチームがある。彼らは僕のことを知らなかったんだろう。

僕は調子がいいということをいったはずだよ。それは本当だ。そしていいスタートを切った。今までのいい成績を楽しんでいる。そしてこれから起こることを楽しみにしているよ。この先もっといいことがある。ローマでマリアローザを着たい。僕には自信がある。




ヨハン・ブリュイネール監督(アスタナ)


今日のプランは総合有力候補たちと一緒にいることと、トラブルを避けることだった。でも突然小さな逃げグループができて、ホーナーがそのなかに入った。ロジャースも入った。

リーヴァイ(ライプハイマー)はLPRがそんなに強くないと思ったんだろう、彼はひとりで前に合流するようにブリッヂをかけた。それは賢い動きだったと思う。バッソとディルーカはいなかった。もう少し運があればゴールまで逃げ切ってタイム差を稼げたかもしれない。それは誰も分からないだろう?そんなにエネルギーを使わない、いいトライだった。賢い動きだったと私は思うね。



崖から転落したペドロ・オリッリョ(ラボバンク)がヘリで救助される崖から転落したペドロ・オリッリョ(ラボバンク)がヘリで救助される photo:CorVos

崖から転落したペドロ・オリッリョ(ラボバンク)についてチームドクターのコメント



状況は深刻だが、60m転落したことを考えると一命を取り留めたのは幸いだったといえるのかもしれない。肋骨の骨折が肺を突き破った。病院に着いたときには彼は昏睡状態にあったが、今はその状況は脱している。彼は起き上がろうとしたが医師はそれを止めている。24時間、ベストを尽くす状態だ。
いい知らせは、スキャンの結果、脳には異常が無かったこと。彼の様態がよくなるのを待つことにする。



text:綾野 真、辻 啓
photo:辻 啓,CorVos

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