2011/09/17(土) - 09:21
第6ステージは100.8kmのクリテリウム。ゴールは集団スプリントとなりボリス・シュピレフスキ(ロシア、タブリーズ・ペトロケミカル)が3勝目をマーク。愛三工業レーシングチームは盛一大がゴール前で落車し、西谷も集団後方でゴールしている。
シュピレフスキがスプリントで3連勝
重慶壁山城市内で開催されたツアー・オブ・チャイナ第6ステージは、12.6kmの周回コースを8周回する100.8kmのクリテリウム。薄曇りで直射日光こそないものの気温は30℃。ジッとしていると汗ばむ湿気の高い天候下でのレースだった。
総合順位はムラディヤン・ハルムラトフ(ウズベキスタン、ジャイアント・ケンダ)が2位以下に3分25秒ほど単独でリードしている状態で、集団スプリントになるかぎり、リーダージャージの持ち主は変わらない。
序盤からアタックが積極的にかかるも、決定的な逃げグループは形成されずにレースは進んだ。
逃げが決まったのは6周回目。6選手が先行し最大で後続に47秒の差をつけた。しかし、協力に集団をコントロールするタブリーズ・ペトロケミカルや欧米チームの追い上げにより、7周回目に吸収。集団のままでゴールスプリントを迎えた。
この日も先頭でフィニッシュしたのはブルーのポイント賞ジャージを着たボリス・シュピレフスキ(ロシア、タブリーズ・ペトロケミカル)。いとも簡単に3勝目、ハットトリックを達成した。
「チームが一生懸命動いてくれたので、ゴールスプリントに向けて力を温存でき、最後はフレッシュな状態で勝負することができた。今日も素晴らしいレースになったよ」と今大会最強のスプリンターは語る。
集団スプリントのため、この日も総合順位に大きな変動はなく、ハルムラトフがリーダージャージを守った。当初「1日守れればいいと思う」と弱気な発言が目立ったが、ここまで守れたことに「山岳は得意だよ。最終日まで守りたいし、それは可能なことだと思う」と自信を見せる。
ゴール前で盛一大が落車
愛三勢は最終ラップで位置取りをしていた盛一大が集団中盤、ゴールまで残り2km地点で落車。しかし幸いにも軽傷とのことだ。
チームのスプリンター西谷泰治はいい位置に上がることができたが、スプリントに絡めないままレースを終えている。「また明日、勝てるように頑張ります」という言葉を残して選手たちは会場をあとにした。
選手から不満が漏れる6時間の陸路移動
この日もレース後に長い移動が待ち受けていた。レース距離が短く、終了時間が早いとは言え、選手たちは350km、約6時間かけてホテルまで移動をしなければいけない。もちろんツール・ド・フランスで活躍するような快適なチームバスなどなく、窮屈なバンに乗って移動する。そしてチームカーに運転手は付かず、各チームの監督がハンドルを握るのだ。
ちなみに今大会の関係車両は、普通車150台、バス16台、カーゴトラック11台、モト22台、表彰台などの特殊車両4台。第8ステージから第9ステージが開催される天津までの距離は約2,000km。選手たちは飛行機で移動するが、車両に関しては、必要な車両を除いては陸移動をせずに、天津で再度、準備されるという。つまりレースの関係車両の数はさらに多く膨れあがる。
賞金総額約2千万円、総予算はツール・ド・フランスの半分くらい(400ミリオンユーロ)と噂されているほど莫大な金額が動いているツアー・オブ・チャイナ。スポンサー収入を得るために、多くの街、レースを呼びたい街に行くことは大切なことだと思う。しかし、選手からは不満の声が上がっている。一部の選手はジャーナリストに対して「君が主催者側の人間なら、取材には一切応じないよ!それだけこの移動方法に不満があるんだ!」と主催者への怒りを爆発させた。
ツアー・オブ・チャイナ2011 第6ステージ結果
1位 ボリス・シュピレフスキ(ロシア、タブリーズ・ペトロケミカル) 2h08'11"
2位 アレクサンドル・セロフ(ロシア、ロシアナショナル)
3位 グリシア・ヤノルシュケ(ドイツ、ニュートリション)
4位 イワン・コヴァレフ(ロシア、ロシアナショナル)
5位 アレクセイ・マルコフ(ロシア、ロシアナショナル)
6位 カスペール・イーベル(デンマーク、グラッド&マーストランドLPO)
7位 コワ・ホーチン(香港、香港ナショナル)
8位 ローエニング・ヴィンツァー(デンマーク、グラッド&マーストランドLPO)
9位 ジャン・ジャンジェ(韓国、韓国ナショナル)
10位 ローラン・ブール(スイス、アトラスパーソナル・ジャクロー)
30位 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム)
73位 伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)
74位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)
97位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)
114位 盛一大(愛三工業レーシングチーム)
115位 中島康晴(愛三工業レーシングチーム)
個人総合成績(イエロージャージ)
1位 ムラディヤン・ハルムラトフ(ウズベキスタン、ジャイアント・ケンダ)19h11'19"
2位 イワン・コヴァレフ(ロシア、ロシアナショナル)+3'20"
3位 アレクサンドル・セロフ(ロシア、ロシアナショナル)+3'22"
4位 ジャン・スンジェ(韓国、韓国ナショナル)+3'23"
5位 パブロ・ルシュガ(スペイン、アンダルシア・カハグラナダ)+3'31"
6位 マテイ・ムジェルリ(スロベニア、プルティニナ)+3'33"
7位 クリスター・レイク(ノルウェー、ジョーカー・メリダ)
8位 ベルナールド・スルズベガー(オーストラリア、Vオーストラリア)+3'34"
9位 ピルミン・ラング(スイス、アトラスパーソナル・ジャクロー)+3'35"
10位 ディルク・ミューラー(ドイツ、ニュトリキシオン)
41位 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム)+3'49"
51位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)+7'54"
66位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)+8'
74位 中島康晴(愛三工業レーシングチーム)
89位 伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)+8'15"
99位 盛一大(愛三工業レーシングチーム)+10'39"
ポイント賞(ブルージャージ)
ボリス・シュピレフスキ(ロシア、タブリーズ・ペトロケミカル)
山岳賞(ポルカドットジャージ)
ロシェ・ディオン(オーストラリア、チャンピオンシステム)
チーム総合成績
ジョーカー・メリダ
photo&text:Sonoko.Tanaka
シュピレフスキがスプリントで3連勝
重慶壁山城市内で開催されたツアー・オブ・チャイナ第6ステージは、12.6kmの周回コースを8周回する100.8kmのクリテリウム。薄曇りで直射日光こそないものの気温は30℃。ジッとしていると汗ばむ湿気の高い天候下でのレースだった。
総合順位はムラディヤン・ハルムラトフ(ウズベキスタン、ジャイアント・ケンダ)が2位以下に3分25秒ほど単独でリードしている状態で、集団スプリントになるかぎり、リーダージャージの持ち主は変わらない。
序盤からアタックが積極的にかかるも、決定的な逃げグループは形成されずにレースは進んだ。
逃げが決まったのは6周回目。6選手が先行し最大で後続に47秒の差をつけた。しかし、協力に集団をコントロールするタブリーズ・ペトロケミカルや欧米チームの追い上げにより、7周回目に吸収。集団のままでゴールスプリントを迎えた。
この日も先頭でフィニッシュしたのはブルーのポイント賞ジャージを着たボリス・シュピレフスキ(ロシア、タブリーズ・ペトロケミカル)。いとも簡単に3勝目、ハットトリックを達成した。
「チームが一生懸命動いてくれたので、ゴールスプリントに向けて力を温存でき、最後はフレッシュな状態で勝負することができた。今日も素晴らしいレースになったよ」と今大会最強のスプリンターは語る。
集団スプリントのため、この日も総合順位に大きな変動はなく、ハルムラトフがリーダージャージを守った。当初「1日守れればいいと思う」と弱気な発言が目立ったが、ここまで守れたことに「山岳は得意だよ。最終日まで守りたいし、それは可能なことだと思う」と自信を見せる。
ゴール前で盛一大が落車
愛三勢は最終ラップで位置取りをしていた盛一大が集団中盤、ゴールまで残り2km地点で落車。しかし幸いにも軽傷とのことだ。
チームのスプリンター西谷泰治はいい位置に上がることができたが、スプリントに絡めないままレースを終えている。「また明日、勝てるように頑張ります」という言葉を残して選手たちは会場をあとにした。
選手から不満が漏れる6時間の陸路移動
この日もレース後に長い移動が待ち受けていた。レース距離が短く、終了時間が早いとは言え、選手たちは350km、約6時間かけてホテルまで移動をしなければいけない。もちろんツール・ド・フランスで活躍するような快適なチームバスなどなく、窮屈なバンに乗って移動する。そしてチームカーに運転手は付かず、各チームの監督がハンドルを握るのだ。
ちなみに今大会の関係車両は、普通車150台、バス16台、カーゴトラック11台、モト22台、表彰台などの特殊車両4台。第8ステージから第9ステージが開催される天津までの距離は約2,000km。選手たちは飛行機で移動するが、車両に関しては、必要な車両を除いては陸移動をせずに、天津で再度、準備されるという。つまりレースの関係車両の数はさらに多く膨れあがる。
賞金総額約2千万円、総予算はツール・ド・フランスの半分くらい(400ミリオンユーロ)と噂されているほど莫大な金額が動いているツアー・オブ・チャイナ。スポンサー収入を得るために、多くの街、レースを呼びたい街に行くことは大切なことだと思う。しかし、選手からは不満の声が上がっている。一部の選手はジャーナリストに対して「君が主催者側の人間なら、取材には一切応じないよ!それだけこの移動方法に不満があるんだ!」と主催者への怒りを爆発させた。
ツアー・オブ・チャイナ2011 第6ステージ結果
1位 ボリス・シュピレフスキ(ロシア、タブリーズ・ペトロケミカル) 2h08'11"
2位 アレクサンドル・セロフ(ロシア、ロシアナショナル)
3位 グリシア・ヤノルシュケ(ドイツ、ニュートリション)
4位 イワン・コヴァレフ(ロシア、ロシアナショナル)
5位 アレクセイ・マルコフ(ロシア、ロシアナショナル)
6位 カスペール・イーベル(デンマーク、グラッド&マーストランドLPO)
7位 コワ・ホーチン(香港、香港ナショナル)
8位 ローエニング・ヴィンツァー(デンマーク、グラッド&マーストランドLPO)
9位 ジャン・ジャンジェ(韓国、韓国ナショナル)
10位 ローラン・ブール(スイス、アトラスパーソナル・ジャクロー)
30位 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム)
73位 伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)
74位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)
97位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)
114位 盛一大(愛三工業レーシングチーム)
115位 中島康晴(愛三工業レーシングチーム)
個人総合成績(イエロージャージ)
1位 ムラディヤン・ハルムラトフ(ウズベキスタン、ジャイアント・ケンダ)19h11'19"
2位 イワン・コヴァレフ(ロシア、ロシアナショナル)+3'20"
3位 アレクサンドル・セロフ(ロシア、ロシアナショナル)+3'22"
4位 ジャン・スンジェ(韓国、韓国ナショナル)+3'23"
5位 パブロ・ルシュガ(スペイン、アンダルシア・カハグラナダ)+3'31"
6位 マテイ・ムジェルリ(スロベニア、プルティニナ)+3'33"
7位 クリスター・レイク(ノルウェー、ジョーカー・メリダ)
8位 ベルナールド・スルズベガー(オーストラリア、Vオーストラリア)+3'34"
9位 ピルミン・ラング(スイス、アトラスパーソナル・ジャクロー)+3'35"
10位 ディルク・ミューラー(ドイツ、ニュトリキシオン)
41位 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム)+3'49"
51位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)+7'54"
66位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)+8'
74位 中島康晴(愛三工業レーシングチーム)
89位 伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)+8'15"
99位 盛一大(愛三工業レーシングチーム)+10'39"
ポイント賞(ブルージャージ)
ボリス・シュピレフスキ(ロシア、タブリーズ・ペトロケミカル)
山岳賞(ポルカドットジャージ)
ロシェ・ディオン(オーストラリア、チャンピオンシステム)
チーム総合成績
ジョーカー・メリダ
photo&text:Sonoko.Tanaka
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