ウィリエールの国内担当者キット北村さんが2025年前半を振り返るレポート。1月のイタリア本社でのミーティングを皮切りに、ストラーデ・ビアンケ参戦、台北ショーでのプレゼンテーション、そして服部産業20周年記念のスプラッシュグリーンとピンクのスペシャルカラー開発秘話。東北や四国への遠征、とびしま海道ツアーなど、各地での試乗会の様子を紹介。円安の逆風の中でも、海外レース遠征で生まれた新たな絆を軸に全国各地でブランドの魅力を伝えた1年間だった。その前半レポートをお届けしよう。



ウィリエールの国内担当者、キット北村さん photo:Kitto Kitamura

シクロワイアード読者の皆様、今年も残すところあとわずかになりました。

去年から前半戦と後半戦に分けての掲載と成りまして、今年も濃密なレポートをお楽しみください。それでは前半戦スタートです!

2025年はシクロワイアードの読者の皆様にとってどんな1年でしたか?私は輸入代理店を生業としておりますと、昨今の円安ドル高・ユーロ高で脳みそが爆発しそうでした。スポーツ自転車店や同業ライバル他社も閉業する所が出てきており、どうやってスポーツロードバイクを活性化させることが出来るのか?苦しみ悶えた1年でした。この苦境に対して改善出来る手立てを構築出来ませんでしたが、海外出張や北村個人の海外レース遠征の成果が徐々に表れている事を実感した1年でもありました。

ストラーデ・ビアンケで浅野直也さんと白石真吾さん、二間瀬英利さんにお会いできました photo:Kitto Kitamura

成果① シクロワイアードで絶賛連載中の“モニュメントを制する旅”を読んだ読者が海外レースにチャレンジを始めた事。またグランフォンド・ミラノ~サンレモでキット北村をサポートしたいという一般ユーザーが現れた事
>>>日本全国で試乗会をしていると、私の“モニュメントを制する旅”の記事を見て声をかけてくださる方がとても増えました。大感謝です。

成果② ウィリエール+服部産業20周年コラボ商品
>>>海外レース遠征中にフィランテSLのスプラッシュグリーンカラーやガルダのピンクカラー等のスペシャルカラーを登場させることが出来ました。ウィリエールとの付き合いも早や20年、あっという間でした。

成果③ ヨーロッパに住む日本人サイクリストさんや台湾のパーツ工場の社長さんとのコラボ
>>>海外レース遠征中に偶然出会った在欧の日本人サイクリストの方とお話をするようになり、商品開発のアイディアや日本未入荷のサイクルパーツブランドの話題を頂けるようになりました。また、台湾のパーツ工場の社長さん達と頻繁に飲み会するようになり、オリジナル商品の開発に向けて一歩前進しました。



試乗会&イベントレポート
1月末~2月上旬 イタリア出張

プロロゴのサルヴァトーレGMと京都観光の御礼に豪華レストランで会食 photo : Kitto Kitamura

2026年度モデルのミーティングでイタリアへと渡りました。イタリアでの2026年モデルのミーティングの内容から生まれた製品群の詳細は、シクロワイアードで掲載された“キット北村のモニュメントを制する旅”や“プロロゴの記事”にてご確認ください。

さて、2025年一発目のミーティングは今年もプロロゴです。昨年にサルヴァトーレGM夫妻を京都観光に連れて行った御礼として、ミラノ到着の夜に豪華なレストランに連れて行ってもらいました。しかし、そういったセレブ御用達の高級レストランは苦手です。地元民でごった返しているゴチャゴチャした感じのローカルレストランの方が好みなんです。豪華なレストランは無作法な私は緊張するので、“いつものローカルレストランが良いんです…”とお伝えしましたが、サルヴァトーレGMは即却下。いつも行かないような豪華なレストランに連れて行ってくれた理由の一端はどうも私にお願いがあったようです。

『ウィリエールやミケだけじゃなく、プロロゴ本社にもメディアを連れて来てくれ!』と懇願されました。また、台北ショーのウェルカムパーティーが、毎年変わらぬ形式のプレゼンテーションだったので、2025年はプロロゴのプレゼンテーションに私も参加する事となりました。

ヴィットリアのオフィスでウィリエール・ヴィットリアMTBチームのプレゼンテーションに参加 photo : Kitto Kitamura

日本に遊びに来たことのあるウィリエール新入社員夫婦と夕食 photo : Kitto Kitamura
バッサーノ・デル・グラッパのイタリア人友達家族宅でハシゴ酒 photo : Kitto Kitamura



プロロゴ社でのミーティングが終えると、毎度半日かけてローカル電車を何本か乗り継いで、ウィリエール社のあるヴェネト州へと移動するのですが今年は違いました。たまたま、プロロゴオフィスからそんなに遠くないヴィットリアのオフィスでMTBレーシングチーム:ウィリエール・ヴィットリアのプレゼンテーションがあるそうなので、私の身柄はヴィットリアオフィスでウィリエール側に引き渡される事になりました。私のイタリア出張のタイミングがいつも1月なので、高確率でプロチームのプレゼンテーションに出席しております。このMTBチームはヨーロッパで大活躍しておりメディアにも結構露出しているのですが、残念ながら日本のMTB市場には影響がありません!(涙)

チームプレゼンテーションで登壇していたウィリエールの社長3兄弟ですが、ヴィットリアの幹部の方々とのお話が忙しくキット北村に構っている暇が無さそうなので、ミケのグレゴリーGMにヴェネト州まで運んでもらいました。2時間ほどの運転で、いつものバッサーノ・デル・グラッパの宿に到着すると、日本に遊びに来たことのあるウィリエールの新入社員夫婦が待ち構えていました。新入社員夫婦と夕食を共にした後で、今度はイタリア人の友達家族の家での飲み会とハシゴ酒しました。翌日から3日間は、午前中はウィリエールそしてミケの工場を見学、午後から会議に出席し、珍しく夜は大人しくしていました。


3月 ストラーデ・ビアンケ参戦から台北ショーへ

ストラーデ・ビアンケのゴール付近でイタリア人ファンと記念撮影 photo : Kitto Kitamura
スポルティブブレイクスのツアーを共にした仲間達とメダルをもらって記念撮影 photo : Kitto Kitamura



2月上旬、レースエントリーが前年10月には締め切られているので、スポルティブブレイクス社にお願いしてチケットと宿を手配してもらいました。(ストラーデ・ビアンケの詳細は“キット北村のモニュメントを制する旅”をご覧ください。)そして、3月上旬にストラーデ・ビアンケのプロレースでイタリア人メディア友達のポッドキャストに出演し、キット北村のイタリア人ファン(残念ながらイタリア人女性ファンは1人もいなかった…)と交流したり、グランフォンド・ストラーデ・ビアンケをスポルティブブレイクス社のツアーに集まった仲間達と白い道を堪能しました。

ストラーデ・ビアンケから帰国し、イタリアの興奮そのままに(毎年恒例)台北ショー会場近くのヴェロ・ウェルゴパーティーへと向かいます。1月末~2月上旬のイタリア出張中に約束したキット北村によるプロロゴのプレゼンテーションです。世界各国の自転車界の要人の前でのスピーチは大変緊張しました。

プレゼンテーションを無事に終えると、いつもキット北村の無茶ぶりに翻弄されているプロロゴのために、感謝の気持ちとして『獺祭 磨き その先へ』をプレゼントしました。この大吟醸はヨーロッパでは690ユーロ(ネットで調べたらどこぞの酒屋さんで出てきた値段です。正式なヨーロッパでの販売価格がいくらなのか?国によって異なるでしょうし、はっきりとした価格は分かりません。)で売られているようで、その値段を聞いたプロロゴのスタッフ達が『サルヴァトーレGM、決して独りで飲まないで下さい!イタリアに持って帰ってから皆で飲みましょう!』とサルヴァトーレGMが酒を勝手に一人で飲まないように釘を刺していました。

台北ショーのヴェロ・ウェルゴパーティーでヨーロッパクラシックレース挑戦を語る photo : Kitto Kitamura
プロロゴへの感謝を込めてサルヴァトーレGMに獺祭の『その先へ』をプレゼント photo : Kitto Kitamura


台北ショーでパーツ工場の社長達との飲みニケーション photo : Kitto Kitamura
ウィリエールとミケのエンジニア達と新製品情報を仕入れる飲み会も開かれました photo : Kitto Kitamura



台北ショーが始まると、毎晩食事に誘われます。台湾のパーツ工場の皆さんとの飲みニケーションやウィリエールとミケのエンジニアとの飲みニケーションで、新製品の生産状況や製品のアップデート情報を仕入れます。そして、2026~2027年度に皆が欲しくなる小物を作りたいので根回ししておきます。


4月 プントロッソ東京での大試乗会

プントロッソ東京での大試乗会、エチェオンドやソールスターなど錚々たる顔ぶれ photo : Kitto Kitamura

ビチアモーレの中古車買取ブース、下取りから新車購入へ繋がった photo : Kitto Kitamura
カスクのヘルメット、ユーザーが興味津々で試着中 photo : Kitto Kitamura


ワコーズの丁寧な仕事ぶりが人気、洗車サービスに予約殺到 photo : Kitto Kitamura
マヴィックのメカニックがホイール交換中 photo : Kitto Kitamura



4月上旬、“モニュメントを制する旅:ストラーデ・ビアンケ編”の原稿執筆に四苦八苦しながら、ウィリエールコンセプトストアでの大試乗会です。エチェオンドのサイクルクリエーション、ソールスターのフタバ商会、レイクシューズのキルシュベルク、リマールやスラムのメニーズ、マヴィックジャパン、スコープやカスクの日直商会、中古車売買のビチアモーレ、ワコーズと錚々たる顔ぶれ。

来場されたお客様の中には、ビチアモーレさんで古くなった愛車を下取りに出して、その勢いで新しいウィリエールの新車を買って頂けた方もおられました!ありがたや~!日本人に人気のヘルメットのカスクやリマール、超高級スーパーホイールのスコープやジップの新型にユーザーは興味津々。ワコーズでは丁寧な仕事っぷりが人気で、洗車サービスに予約が殺到。私も愛用しているマビックではメカニックの方がテキパキとディスクローターを取り付け、試乗用ホイールをユーザーの皆様がテストしていました。

クエスト日進試乗会、GTRチームからゼロSLへアップグレードしたユーザーも photo : Kitto Kitamura

リーフ試乗会は生憎の大雨、転職祝いにフィランテSLを購入した女性も photo : Kitto Kitamura

4月中旬、愛知県の日進市のクエスト日進さんと安城市のリーフさんでの試乗会です。クエスト日進さんでは去年GTRチームLEを購入してくれた一般ユーザーさんが奮発してゼロSLにアップグレードしてくれたり、レーシンググラベルのレイブSLRを通勤快速仕様にしてくれた豪気なお客様が来てくれたりと、楽しい試乗会となりました。翌日のリーフさん試乗会は生憎の大雨。毎年奇跡的にリーフさん試乗会は晴れるのですが、今年はお天気運が無かった。雨の中、転職祝いにフィランテSLを買ってくれた女性ユーザーさんがいてくれてありがたかったです。


5月 広島にて

ワイズロード広島店、5月は新入生ユーザーが少なかった試乗会 photo : Kitto Kitamura

例年5月は福井県の試乗会に赴くのですが、今年は広島で試乗会を行いました。例年ワイズロード広島店での試乗会は6月なのですが、この5月は高校・大学の新入生ユーザーさんがとても少なかったです。“5月よりも6月の方が広島では良かったのか?” とちょっと考えさせられました。ワイズロード広島にはフィランテSLRカベンディッシュ号に乗ったお客様と展示用のカベンディッシュ号があるので、実家の近所にあるオークリー広島店に期間限定でカベンディッシュ35勝サイン入りジャージを展示してもらいました。オークリーとカベンディッシュは蜜月の関係ですが、オークリー広島店とワイズロード広島店の夢のコラボです。

5月下旬には、ドイツでサッカー選手の夢を追い続けている中村孝司さんと料理修行中の栁澤楓さんが一時帰国。お二人とも趣味がサイクリングでして、彼らとは2023年のイル・ロンバルディアのゴール付近で一瞬すれ違った事がご縁で連絡を取り合うようになりました。

オークリー広島店に期間限定でカベンディッシュ35勝サイン入りジャージを展示 photo : Kitto Kitamura
ドイツから一時帰国した中村孝司さん・栁澤楓さんと焼肉で再会、ヨーロッパのサイクリング情報交換 photo : Kitto Kitamura



実はキット北村と出会ってから5大モニュメントを意識するようになったそうで、キット北村の後を追ってモニュメント制覇を目指しておられます。しかし、それぞれの縛りが異なっており、キット北村は『プロレースにてチームに帯同する事+グランフォンド完走(距離は問わず)』、中村さん達は『グランフォンド完走(最長距離)のみ』となっています。美味しい焼肉を食べながら、ヨーロッパのサイクリスト情報とトレンドを仕入れました。

そして、何と2026年度はキット北村とクラシックレース参戦して頂けることになりました。来年の“モニュメントを制する旅”に中村さんと栁澤さんも登場する事になりました。

中村孝司さんのブログ→K たぬき大好き|note(https://note.com/tanuki_pokopoko


6月 東北への長期遠征

松戸のシクルマーモット、オルベアジャパンとの合同試乗会で初開催 photo : Kitto Kitamura

埼玉・本庄のファーストバイシクル、佐々木店長は不動産資格も取得した文武両道をいく人 photo : Kitto Kitamura

仙台のベルエキップさんでの試乗会のため、東北試乗会の前週から関東へと向かいます。まずは松戸のシクルマーモットさんでの試乗会です。シクルマーモットさんでのウィリエール試乗会は初めてでした。またオルベアジャパンさんと合同で試乗会を行いました。天気も良くサイクリングロードが目の前なので、最高な試乗会日和でした。

シクルマーモットさんでの試乗会を終えて、埼玉県本庄市のファーストバイシクルさんに向かいます。ファーストバイシクルの佐々木店長はイタリア旅行大好きなのですが、ここ最近ウィリエールのイタリアツアーが開催されず時間の余裕が出来たので、勉強されて不動産関係の資格を取られたもよう。さすが文武両道な早稲田OBです。

仙台のベルエキップで2日間試乗会、グローブライド・ガリウムとの合同開催で多数来場 photo : Kitto Kitamura

ファーストバイシクルさんでの試乗会を終えて、千葉県→茨城県→福島県→宮城県と営業しながら徐々に北上しました。ベルエキップさんでは2日間試乗会を開催しました。試乗会はフォーカス/コラテックのグローブライドさん、スキー・スノーボードのワックス&自転車のワックス系チェーンルブで有名な地元宮城に本拠地を置くガリウムさんとの合同試乗会でした。およそ7~8年ぶりの仙台、沢山のユーザーさんが合同試乗会に来てくれました。大阪からは仙台はやはり遠いので、頻繁には来られませんが東北エリアを盛り上げるために、もう少し東北に来る回数を増やせたらと思います。


7月 徳島、香川、高知にて

徳島のサイクルサイエンス藍住店、スプラッシュグリーンのフィランテSLに一目惚れする女性ユーザーも photo : Kitto Kitamura

香川オリーブサイクル、スプラッシュグリーンのフィランテSLで新たなウィリエール乗り誕生 photo : Kitto Kitamura

梅雨時期ですが近年この時期に雨が降らないので、灼熱の大阪を出て3連休を四国で試乗会で過ごしました。このタイミングで服部産業のウィリエール取り扱い20周年記念カラーであるフィランテSLのスプラッシュグリーンとガルダのピンクのお披露目試乗会と相成りました。

3連休初日は徳島県のサイクルサイエンス藍住店さんです。過去に弊社スタッフが試乗会を行いましたが、キット北村主導のサイクルサイエンスさんでの試乗会は初。徳島のユーザーさんが沢山集まって下さり感謝感激。前年に九州の試乗会で出会った一般ユーザーさんが徳島に引っ越しされて再びお会いできた事にびっくりもしました。またフィランテSLスプラッシュグリーンに一目惚れした女性ユーザーさんが数時間悩んでおられました。

2日目は香川県のオリーブサイクルさんです。ここでもフィランテSLスプラッシュグリーンを見に来るお客様がチラホラ。おかげさまで新たなウィリエール乗りが生まれました。そろそろオリーブサイクルさんの協力を仰いで、第一回ウィリエール讃岐うどんツアーを開催したいですね。

高知サイクリングショップヤマネ、山根店長はMTBマスターズ世界選手権ニュージーランド大会で5か所骨折も出場した強者 photo : Kitto Kitamura

3日目は高知県のサイクリングショップヤマネさんです。山根店長は2025年MTBマスターズ世界選手権ニュージーランド大会で5か所骨折したにも関わらず、レースに出場した強者です。来年には高知サイクリングがてら、仁淀川でカヤックして、太平洋で日本3大怪魚のアカメ釣りを決行したいと思います。


8月 アメリカ『Ride to 獺祭BLUEツアー』をキャンセルし、とびしま海道ツアーへ

今夏の中年のおっさんの修学旅行イベントは、渡米し『Ride to 獺祭BLUEツアー』でニューヨーク→獺祭BLUE工場までのライドを敢行する予定でした。しかし、為替の悪化と世界情勢の不安定さにより、獺祭ライドツアーメンバー全員のモチベーションが上がらず、今年は『とびしま海道ツアー』へと予定変更になりました。参加メンバーはゼロSLR乗りの“サイクルセンターしも”の下さん、フィランテSLR乗りの“ワイズロード新宿本館”の那須さん。アシスト兼雑用係にはチェント10Proディスク乗りの“サイクリングショップヤマネ”の山根さん、参加者唯一のリムブレーキバイク:チェント1SRの私・キット北村の獺祭ライド古参メンバー4人です。

ツアー初日

とびしま海道ツアー初日、広島市内から車で呉へ移動し田舎洋食いせやで昼食 photo : Kitto Kitamura
呉・田舎洋食いせやで、大日本帝国海軍時代から続く名物のカツ丼を堪能 photo : Kitto Kitamura


県民の浜でシュノーケルフィッシング大会 梅田にあるNAVY COMPANYさんが開発した専用釣竿を手に楽しみました photo : Kitto Kitamura
島の宿あこうで1日目の夕食、スズキの舟盛りと美味しい海鮮料理に大満足 photo : Kitto Kitamura



県外メンバーには前日から広島入りしてもらい、早朝から移動を始めた一行は車で呉へと向かいます。呉では北村家4代に渡る行きつけの食事処:田舎洋食いせやに向かいました。幼少の頃から呉のラジコン屋マルタホビーさんにお邪魔→田舎洋食いせやでお昼御飯→フライケーキの店・福住でお土産のフライケーキを買うというのが北村家の定番です。

いせやさんは大日本帝国海軍のコック時代から続く肉ジャガとカツ丼(デミグラスソースにグリーンピースのトッピング)が有名です。今回はいせやさんが初めてのおっさんグループを連れているので、私もカツ丼にしましたが、いつもはビフカツと薩摩汁と御飯(大)とお漬物(現在メニューから無くなっています)です。店主に聞くと残念ながら漬物をこしらえていたおばさんが他界されたので、いせやさん手作りのお漬物はもう食べられないようです。残念です。

お昼御飯を食べ終えると、映画:海猿のロケ地である県民の浜でシュノーケルフィッシング大会です。行きつけのスキューバダイビングショップでシュノーケル用の釣竿を入手し、皆で釣りをしました。ちょっと瀬戸内海の魚には釣針が大きかったのか?餌をつついている感触はあれど、全く釣れませんでした。釣りバカとして大変残念です。

海水浴を終えて、以前から気になっていた超ローカル民宿:島の宿あこうさんに投宿。やはり美味しい魚を食べたかったら、瀬戸内海の島の民宿に泊まるべきですね。スズキの舟盛りと美味しい海鮮の晩御飯を食べたら、夜釣りに向かいます。20年前であればクーラーボックス一杯に釣れていましたが全然釣れません。周りの釣り人に聞いても今夜は釣れていないようなので、早々に諦めて翌朝のサイクリングに備えます。

ツアー2日目

島の宿あこう女将さんと記念撮影、美空ひばりさん似の声が素敵な photo : Kitto Kitamura

島の宿あこうの御主人と女将さんと記念撮影をしてから、とびしま海道ライドがスタートです。女将さんは声が美空ひばりさんにとても似ている素敵な方でした。女将さんのカラオケ18番も美空ひばりさんだそうで、お宿滞在中は愛を込めて女将さんの事を“ひばりさん”とよんでいました。そんな女将さんが私達の自転車の値段を聞いて腰を抜かしていました。そりゃ、今の高級ロードバイクの値段を聞いたら普通は腰抜かしますよね…。

しまなみ海道はとても有名なサイクリングルートですが、私はとびしま海道の方が好みです。実家からとびしま海道の方が近いですし、自分が幼少の頃の昭和の匂いがとびしま海道の漁村で感じられるからでもあります。決してしまなみ海道に比べて登りが少ないからではありません。とびしま海道のメインはもちろん広島県ですが、最後の岡村島に向かう橋に広島県と愛媛県の県境があります。そこから少し遠くに目をやるとしまなみ海道が見えます。

瀬戸内海の風情を感じるとびしま海道をひた走ります photo : Kitto Kitamura

とびしま海道2日目、岡村島に渡る橋で広島県と愛媛県の県境を迎える photo : Kitto Kitamura
遠くにしまなみ海道が見える photo : Kitto Kitamura


とびしま海道ハイライト御手洗地区の天保3年建造の石の高燈籠前で記念撮影 photo : Kitto Kitamura

お腹が減ってきたので、岡村島から大崎下島に戻り、とびしま海道のハイライト:御手洗地区でお昼御飯です。ここは明治・大正の匂いを感じる場所で、文化財的な古い建物が残っています。天保3年に作られた石の高燈籠は特に味がありますね。景色を楽しみつつお宿に戻って、お宿のガレージの中の自転車ラックに駐輪。

夕焼けのタイミングを逃せまいと急いで大浴場に向かいます。風呂から上がったら2日目の晩御飯は美味しい広島牛の鉄板焼きと鯛の刺身でした。ホスピタリティーも食事も最高です。とびしま海道でサイクリング旅するなら、島の宿あこうは超オススメですね。

島の宿あこうの大浴場、瀬戸内海を一望できる夕焼けのタイミングを逃すまいと急いで入浴 photo : Kitto Kitamura
とびしま海道ツアー2日目の夕食、島の宿あこうで美味しい広島牛の鉄板焼きと鯛の刺身をいただきました photo : Kitto Kitamura



ツアー3日目

とびしま海道3日目、大崎上島へフェリーで渡る photo : Kitto Kitamura
ウィリエール4台をフェリーのデッキに並べて photo : Kitto Kitamura



大崎下島の港に駐車して、一行はフェリーで小長港→大崎上島の明石港に向かいます。広島帰省中、頻繫にとびしま海道に来る私ですが、実は大崎上島は未開の地。グーグルマップで事前に予習をしていたので、きっと私のロードバイクに装着した細身のグラベルキングSKが役に立つ場面があるはずです。大崎上島の明石港から時計回りに島の外周を走ります。島の真ん中にバイパスが出来て、地元の人が使わなくなった酷道を通るルートなんですが、早速グラベルタイヤが活躍しそうな路面状況でした。

大崎上島の酷道をオフロード大好き山根さんが攻める、グラベルタイヤが活躍する路面状況 photo : Kitto Kitamura

大崎上島の酷道を抜けた所でスローパンク発生、その場でパンク修理開始 photo : Kitto Kitamura

ここでオフロード大好き山根さんが酷道を攻めます。その結果、酷道を抜けた所でスローパンクです。パンク修理してからは帰りの新幹線の時間を気にしていたため、写真も撮らず、わき目もふらず大崎上島を1周し明石港へと戻ります。

新幹線組は小長港で輪行袋に自転車を輪行袋に入れて車の荷台に積み込み、お土産や荷物は宅急便で送ります。帰りしなに豊島にある島の肝っ玉母さん達がやっている“お好み焼きマリちゃん”でお昼御飯を食べて、予約した新幹線に間に合うように無事に広島駅に到着です。那須さん・下さんの新幹線組はとびしま海道で知り合ったクラフトビール醸造所のビール(広島駅で売っていたらしい)で帰りの電車旅を満喫したそうです。

大崎上島のフェリー乗り場で輪行作業、地元の人が見守る中で無事完了 photo : Kitto Kitamura
豊島のお好み焼きマリちゃんで昼食、島の肝っ玉母さん達が作る美味しいお好み焼き photo : Kitto Kitamura


広島駅へ向かう前に輪行袋に自転車を収納、新幹線組は無事に予約した新幹線に間に合った photo : Kitto Kitamura


来年こそニューヨークで獺祭BLUEライドツアーを敢行したいものです。それまでに1ドル130円ぐらいに戻ってくれないかなぁ…円高ドル安に期待する今日この頃。

2025ウィリエール試乗会&イベント報告!全国試乗会行脚2025後半戦へとつづく…

Report:Kitto Kitamura