2011/08/30(火) - 00:12
世界のダウンヒルレースを回る末政美緒(Team FUNFANCY/INTENSE)のワールドカップ参戦レポートをお届けする。怪我から復帰した末政はワールドカップ最終戦イタリア・ヴァルディソーレ大会に出場。決勝を15位で終え世界選手権スイス・シャンペリーに挑む。
イタリア・ヴァルディソーレのコースはとにかく難易度が高く、男子トップクラスの選手でも攻略が難しい。末政は怪我でまだ本調子ではないものの、決勝で15位という好結果を残した。
末政は言う。「来週には世界選手権がスイスにて開催される為、現在ヨーロッパに滞在中です。年に一度しかない世界選手権、悔いのない走りをしたいと思います」。
MTBワールドカップ最終戦を15位で終えた末政美緒 photo:HALE15photography
末政実緒(Team FUNFANCY/INTENSE) 末政美緒レポート
MTBワールドカップ最終戦を15位で終える
全日本選手権後、カナダで負傷した肩のリハビリの為8月初旬にあったワールドカップ・フランス大会は欠場し、ワールドカップ最終戦のイタリア大会から再び海外遠征へと向かいました。
今回の遠征にはヨーロッパ主要28都市へ飛んでいるエミレーツ航空を利用し、南アフリカ大会同様に手荷物重量のご協力をしていただける事になり、今回の遠征の強い味方となりました。
ワールドカップの定番コースとなったヴァリデソーレのコースの印象は、所々急斜面で晴れると土がパサパサに乾燥し滑りやすく、荒れて深い穴が無数に掘れてしまい、雨が降ると網の目のように張り巡った木の根と石で滑り走るのがとても難しく、天候がどちらでも難易度が高くこれぞワールドカップといったコース。
イタリアは毎日快晴。これ以上ないお天気恵まれコースは乾燥しきっていました。
砂埃が激しく、砂はパウダースノーのようになっていてブレーキをかけても滑ってしまうほど。
急斜面のコースでスピードが出るのにブレーキが利かず急ブレーキが多いので、コースはみるみるうちに掘れ、埋まっている石がどんどん出て来て、ライン上に何があるかが分からず緊張の連続でした。
そして、荒れているのでリズムがつかみづらく、一度ミスをすると失速しやすく攻略がとても難しいコースでした。
予選
いつもならランキングが10位以内で予選シード権がありますが、今回はランキング15位でプロテクトなし。
少し緊張していましたが、いつも通り平常心を保つよう心がけました。
前半がいつもリズムがつかめずにいたセクションが予選でも手こずり、後半巻き返しに行きました。
しかしだんだんと腕が疲れ始め、練習では入れていたラインや失敗した事がなかった所でミスが多くなり、終盤の急斜面のタイトなクランク上のコーナーでフロントタイヤが滑り転倒。
やってしまった!と思いながらも、必死にバイクを起こし走り始めました。
しかも、傷めている肩が少し痛みがぶり返してしまい焦りましたが、走り続ける事が出来たので少しホッとしました。
そしてゴール。予選20位までの所16位でゴールし決勝に進みました。
1. Floriane Pugin
2. Myriam Nicole
3. Rachel Atherton
4. Tracy Moseley
5. Emmeline Ragot
16. 末政実緒
決勝
予選で250人以上のライダーが走り、予選の翌日半日練習があったこともあり決勝日はいつにも増して荒れ、朝の試走から転倒するライダー続出。
昨日までのラインを走っているのに、昨日までとはまるで違うコースに感じるほど変わっていてどうするべきか?と考えましたが、このコースはふかふかの土で下に何があるか分からず、下手にラインを変えるは危険と思い、練習してきたラインを信じて走ることにしました。
と思いつつも、通しで走ると一つ一つの掘れたバンプが腕に響き、後半には腕はもう棒状態。
バイクを操るというより必死にハンドルにしがみつてゴール。15位で最終戦を終えました。
1. Myriam Nicole
2. Floriane Pugin
3. Rachel Atherton
4. Emmeline Ragot
5. Tracy Moseley
15. 末政実緒
肩の怪我は100%元通りにとまではいきませんでしたが、最終戦で再びワールドカップを走れる事が出来てすごく嬉しかったです。
それにしても、ワールドカップは何度走ってもこれぞという走りが実現することはなかなかありません。
もっと速く走りたいという気持ちと、それ以上スピードに身体が耐え切れないというジレンマ。
自分自身をどれだけ限界まで追い込み、どう大自然に立ち向かい攻略するのか。
これこそダウンヒルの醍醐味であり、ワールドカップの難しさ楽しさだといつもながら思います。
次のレースは、スイスで開催される年に一度だけの世界選手権大会です。
日本代表として全力で挑みたいと思います。応援ありがとうございました。
末政実緒(Team FUNFANCY/INTENSE)
イタリア・ヴァルディソーレのコースはとにかく難易度が高く、男子トップクラスの選手でも攻略が難しい。末政は怪我でまだ本調子ではないものの、決勝で15位という好結果を残した。
末政は言う。「来週には世界選手権がスイスにて開催される為、現在ヨーロッパに滞在中です。年に一度しかない世界選手権、悔いのない走りをしたいと思います」。
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MTBワールドカップ最終戦を15位で終える
全日本選手権後、カナダで負傷した肩のリハビリの為8月初旬にあったワールドカップ・フランス大会は欠場し、ワールドカップ最終戦のイタリア大会から再び海外遠征へと向かいました。
今回の遠征にはヨーロッパ主要28都市へ飛んでいるエミレーツ航空を利用し、南アフリカ大会同様に手荷物重量のご協力をしていただける事になり、今回の遠征の強い味方となりました。
ワールドカップの定番コースとなったヴァリデソーレのコースの印象は、所々急斜面で晴れると土がパサパサに乾燥し滑りやすく、荒れて深い穴が無数に掘れてしまい、雨が降ると網の目のように張り巡った木の根と石で滑り走るのがとても難しく、天候がどちらでも難易度が高くこれぞワールドカップといったコース。
イタリアは毎日快晴。これ以上ないお天気恵まれコースは乾燥しきっていました。
砂埃が激しく、砂はパウダースノーのようになっていてブレーキをかけても滑ってしまうほど。
急斜面のコースでスピードが出るのにブレーキが利かず急ブレーキが多いので、コースはみるみるうちに掘れ、埋まっている石がどんどん出て来て、ライン上に何があるかが分からず緊張の連続でした。
そして、荒れているのでリズムがつかみづらく、一度ミスをすると失速しやすく攻略がとても難しいコースでした。
予選
いつもならランキングが10位以内で予選シード権がありますが、今回はランキング15位でプロテクトなし。
少し緊張していましたが、いつも通り平常心を保つよう心がけました。
前半がいつもリズムがつかめずにいたセクションが予選でも手こずり、後半巻き返しに行きました。
しかしだんだんと腕が疲れ始め、練習では入れていたラインや失敗した事がなかった所でミスが多くなり、終盤の急斜面のタイトなクランク上のコーナーでフロントタイヤが滑り転倒。
やってしまった!と思いながらも、必死にバイクを起こし走り始めました。
しかも、傷めている肩が少し痛みがぶり返してしまい焦りましたが、走り続ける事が出来たので少しホッとしました。
そしてゴール。予選20位までの所16位でゴールし決勝に進みました。
1. Floriane Pugin
2. Myriam Nicole
3. Rachel Atherton
4. Tracy Moseley
5. Emmeline Ragot
16. 末政実緒
決勝
予選で250人以上のライダーが走り、予選の翌日半日練習があったこともあり決勝日はいつにも増して荒れ、朝の試走から転倒するライダー続出。
昨日までのラインを走っているのに、昨日までとはまるで違うコースに感じるほど変わっていてどうするべきか?と考えましたが、このコースはふかふかの土で下に何があるか分からず、下手にラインを変えるは危険と思い、練習してきたラインを信じて走ることにしました。
と思いつつも、通しで走ると一つ一つの掘れたバンプが腕に響き、後半には腕はもう棒状態。
バイクを操るというより必死にハンドルにしがみつてゴール。15位で最終戦を終えました。
1. Myriam Nicole
2. Floriane Pugin
3. Rachel Atherton
4. Emmeline Ragot
5. Tracy Moseley
15. 末政実緒
肩の怪我は100%元通りにとまではいきませんでしたが、最終戦で再びワールドカップを走れる事が出来てすごく嬉しかったです。
それにしても、ワールドカップは何度走ってもこれぞという走りが実現することはなかなかありません。
もっと速く走りたいという気持ちと、それ以上スピードに身体が耐え切れないというジレンマ。
自分自身をどれだけ限界まで追い込み、どう大自然に立ち向かい攻略するのか。
これこそダウンヒルの醍醐味であり、ワールドカップの難しさ楽しさだといつもながら思います。
次のレースは、スイスで開催される年に一度だけの世界選手権大会です。
日本代表として全力で挑みたいと思います。応援ありがとうございました。
末政実緒(Team FUNFANCY/INTENSE)
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