2011/08/24(水) - 12:06
8月23日、東京千駄ヶ谷・シクロ鳩森スタジオにおいてジャパンカップ&トラックパーティ2011の出場チームと選手を発表する記者発表会が行われた。UCIプロチームからはリクイガス、サクソバンク、ランプレが出場する。バッソ、クネゴ、セレンセン、そしてクリテリウムに別府史之とヴィスコンティが出場する。
8月23日東京・千駄ヶ谷のシクロチャンネル鳩森スタジオで開催された記者発表会
は、ジャパンカップとトラックパーティふたつの出場チームと選手の発表会となった。
20周年記念大会となるジャパンカップ。東北関東大震災と、いまだ収束しない福島第一原発の放射能問題の影響で出場チームが懸念されたが、発表されたチームは豪華なものだった。
まずジャパンカップの出場チームから紹介していこう。
ジャパンカップ2011 出場チーム 暫定選手リスト
国内コンチネンタルチーム
愛三工業レーシング・チーム
西谷泰治、鈴木謙一、品川真寛、伊藤雅和、木守望
チームブリヂストン・アンカー
狩野智也、普久原奨、清水都貴、井上和郎、伊丹健治
マトリックス・パワータグ
真鍋和幸、マリウス・ヴィズィアック、ヴィンチェンツォ・ガロッファロ、永良大誠、向川尚樹
シマノレーシング
畑中勇介、村上純平、鈴木譲、西薗良太、青柳憲輝、鈴木真理(リザーブ)
宇都宮ブリッツェン
柿沼章、廣瀬佳正、中村誠、増田成幸、初山翔、リザーブ:辻善光、片山右京
UCIコンチネンタルチーム
ダンジェロ・アンティヌッチィ・ニッポ
内間康平、小森亮平、佐野淳哉、フオルトゥナート・バリアーニ (イタリア)、アンジェルチャベス・ルビアーノ (コロンビア)
UCIプロチーム
リクイガス・キャノンデール
イヴァン・バッソ、ダニエル・オス、ダヴィデ・チモライ、マウロ・フィネット、クリスティアーノ・サレルノ
リザーブ:ペーター・サガン、ユライ・サガン、アラン・マランゴーニ(ブエルタ後に決定)
サクソバンク・サンガード
クリスアンケル・セレンセン、リッチー・ポルト、ラン・マーガリオット
ランプレISD
ダミアーノ・クネゴ、マヌエーレ・モーリ
バッソ、クネゴ、セレンセンが出場。リザーブにサガン
リクイガス・キャノンデール
リクイガスは1年ぶりの出場となる。2006年と2010年のジロ・デ・イタリア覇者バッソは、2008年ジャパンカップでクネゴやヴィスコンティとデッドヒートを繰り広げて3位に甘んじている。暫定リストでいち早く強力なアシストを発表したリクイガスのジャパンカップ制覇にかける意気込みが感じられる。
リザーブにペーター・サガンの名前が挙がっている。チームによればサガンはブエルタ・ア・エスパーニャを走り、その調子を見てシーズン終盤のスケジュールを決めるため、出場の可能性があることを感じさせるリスト入りだ。また、エリア・ヴィヴィアーニが翌週のトラックパーティに出場する。
サクソバンク・サンガード
セレンセンは2009年のジャパンカップ覇者。ポルトは2010年ジロ・デ・イタリア新人賞獲得選手、ラン・マーガリオットは最近チームに加入したイスラエル出身の有望選手だ。
近年トップレースの山岳ステージで勝負できる実力をつけたセレンセンに加えて、注目度の高いリッチー・ポルトのメンバー入りで、再びのジャパンカップ制覇への意気込みを感じさせる。
チームからのコメント「サクソバンクはいつもジャパンカップ出場を楽しんできました。よって、今年も参加することを嬉しく思います。残念ながら、現時点では、どの選手が出場するかは、まだ、残りのシーズンのレース計画を調整してますので確定することはできません。現時点では、3名をスタートリストに載せます」。
ランプレISD
ジャパンカップおなじみのチームだが、2年ぶりの出場となる。まだシーズン後半の各選手のスケジュールが確定しない中、2005・2008年ジャパンカップ覇者クネゴと、2007年覇者モーリという、ともにかつてのジャパンカップ優勝者をリストアップ。20周年のジャパンカップへのリスペクトを見せてくれた。
チームからのコメント「日本で起きたことは、本当に悲劇です。ランプレISDは、自転車を通じ、日本のファン皆さんへ喜びと平穏をもたらすため、ジャパンカップに喜んで参加させて頂きます。現時点で2名の選手をスタートリストにアップします。
2004年大会2位、2005年大会と2008年大会のチャンピオンで、ジャパンカップと縁の深いダミアーノ・クネゴ。2007年大会のチャンピオン、マヌエーレ・モーリです」。
チームとの交渉は継続中。出場チームは今後追加されてゆく
8月23日現在もジャパンカップ実行委員会では数チームと出場交渉中だという。実行委員会のプロデューサー、清水正雄さんによれば、この発表会で発表する段階に至らなかったチームがいくつもあるという。
まず主要なUCIプロチームおよびプロコンチネンタルチーム数チームとも交渉を継続中であるという。
そしてジャパンカップの開催される10月23日の1週間前にオーストラリアで開催されるジャイコ・ヘラルドサンツアーに出場するチームとは、地理的に近いオーストラリアから日本への転戦の可能性を打診しているという。大会同士のコラボレーションにより移動の労力やコストをシェアする話し合いも同時に進んでいるという。
そのため、出場チームはこの後続々と追加されていくということだ。それらの発表は大会公式サイトやプレスリリースで伝えられる。
UCIプロチームがひとつ追加される
清水プロデューサーによれば、発表会開催中にもうひとつのUCIプロツアーチームの出場が決まったが、その場では発表することができなかったという。初出場となるそのチームは契約が締結され次第発表があるだろう。
震災と原発の影響で出場を躊躇するチームが続出
ここまでの出場交渉を難航させたのが震災と原発による放射能の影響だ。海外の報道による情報不足や選手の健康を心配するチームが出場を躊躇し、出場決定に至らなかった例が続出した。ガーミン・サーヴェロ、レオパード・トレック、チームスカイ、HTCハイロード、オメガファーマ・ロットなどが震災前にはジャパンカップ出場への意思を表明していたが、その後の交渉でキャンセルする例が相次いだという。
ジャパンカップ実行委員会では開催地・宇都宮市の放射能の状況などを伝えながら交渉を続けていたという。
昨年の優勝チーム、ガーミン・サーヴェロのコメント
「残念ながら、2011年、私たちは選手を日本へ行かす事は出来ない、という決定になりました。大変申し訳ないのですが、取締役でもミーティングを行い、このような結論に達しました。放射線量が低いと知っていても、日本へ行くことを強制できないことを理解して頂きたいです。回答が違うものであることを願っておりましたが、あなた方、日本の皆さんをサポートしたかったのですが、簡単ではありませんでした。2012年、チームが招待されますこと切に願っています」。
その他のチームとは現在も交渉を継続中。これまでの例で言えばプロチーム枠はまだ1または2つある。もちろんプロコンチネンタルチーム枠も残されている。この後決定する出場チームに関しては、公式HPで随時発表される。
ジャパンカップ・クリテリウム 別府史之とヴィスコンティ出場
今年もクリテリウムにスペシャルチームが出場する。プロロード選手と競輪選手により結成される混成チームだ。別府史之とジョヴァンニ・ヴィスコンティの出場が決定した。
つまり、レディオシャックとファルネーゼヴィーニ・ネーリのチームとしての出場はないということも言えそうだ。
クリテリウム・スペシャルチーム
別府史之(レディオシャック)、ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(ファルネーゼヴィニ・ネーリソットリ)KEIRIN選手より村上義弘、深谷知広、新田祐大
スバル・レガシィがプレゼントされるキャンペーン
記者発表冒頭では大会オフィシャルスポンサーのスバル(富士重工株式会社)よりアンケートに答えると抽選で1名にスバル・レガシィがプレゼントされるというキャンペーンが紹介された。
またオフィシャルミネラルウオーターを提供するイオンリテール株式会社から、イオンバイク各店を利用すればジャパンカップ観戦に招待されるキャンペーンが紹介された。これらの詳細はジャパンカップホームページにて確認できる。
トークショー&プレゼンテーション
記者発表では大会オブザーバーの今中大介さん、宇都宮ブリッツェン監督の栗村修さん、大会PRキャラクターの近藤未来さん、そしてMCの絹代さんによるトークセッションが行われた。
トークショーでは栗村修さんが、オーストラリアのジャイコ・ヘラルドサンツアー(UCI 2HC)への宇都宮ブリッツェンの出場を発表。オーストラリアからはジェイコチームをジャパンカップに交換招聘することで交渉が進んでおり、実現すればブリッツェンとしては海外レース初出場となる。
また大会PRキャラクターとしてタレントの近藤未来(みく)さんが紹介された。近藤さんはルコック・スポルティフのサイクルウェアに身を包んで登場。自転車の経験はないがスポーツには長けている近藤さんはフリーランを走る予定だという。
また大会オフィシャルエアラインの日本航空のキャビンアテンダント4人がクリテリウムのパレードランに参加する。記者発表ではJALキャビンアテンダントの岡本亜希子さんが登壇。岡本さんは2009,2010年もフリーランに参加。プロ選手と一緒にコースを走っている。現在ルコック・スポルティフでオリジナルサイクルウェアをデザイン&製作中だという。
近藤未来さん「躍動感あるこの大会を皆さんで楽しんでいただけたらと思います」
栗村さん「世界に誇れるこの大会を盛り上げていきましょう」
今中さん「かつてキャプッチ選手の走りを見た子供たちが、今は選手で走っているんです。20年の歴史を感じますね。盛り上げましょう!」
TRACK PARTY 美酒&グルメで楽しむ6日間レースの雰囲気
ジャパンカップ翌週末、10月29日に開催されるTRACK PARTY(トラックパーティ)。「CYCLING IS ONE」をキャッチフレーズに、海外と国内のトップレーサーを招待して開催される。
このイベントは欧州で人気の「6日間レース」をもとに発案された室内大会で、10月に伊豆・日本サイクルスポーツセンターの敷地内にオープンする伊豆ベロドロームのオープン記念イベントとして開催される。
伊豆ベロドロームは10月1日に完成予定の国際規格の250m板張りトラックで、今までに国内になかったトラック競技会待望の室内競技場。
財団法人JKA会長の石黒克巳さんは「日本自転車界待望の国際仕様の250m板張りトラック日本の競技の国際化に一役買ってくれるでしょう」と挨拶。
欧州6日間レースにならって開催されるトラックパーティ。音楽・お酒・食事を楽しみながらトラックレースを楽しむエンターテインメント型のイベントで、ショー的要素が強く、コンサートのようにライトアップされた空間の中で、DJによるパフォーマンスなどで盛り上がりながら世界トッププロの白熱したレースを観戦することができるという。
イベントDJは、世界各地で音楽プロデューサーとして活躍しているクリエイティヴ・ディレクター兼DJの沖野修也(おきのしゅうや)さんが担当する。
ボス、ヴィスコンティ、グアルディーニ、ガット、ヴィヴィアーニ、ニコール・クックら出場
昨年ジャパンカップを直前キャンセルしたテオ・ボスの来日が叶うほか、ジャパンカップではクリテリウムにのみ参戦するヴィスコンティがツール・ド・ランカウィステージ5勝を挙げたスプリンターのアンドレア・グアルディーニ、そしてジロ・デ・イタリアでステージ優勝したオスカル・ガットらと参戦する。
また女子ではSCマリオチポッリーニGIAMBENINIから女子トップレーサーのニコール・クックが出場する。
クックは2008年北京オリンピックロードレース金メダル、世界選手権金メダル、2004年ジロ・デ・イタリア総合優勝、2006年ワールドカップ総合優勝、2009年に大英帝国勲章(MBE)を受章した最強の女子レーサーだ。
TRACK PARTY出場チーム、選手
テオ・ボス(ラボバンク)
2004・2006-2007世界選手権スプリント、 2006世界選手権ケイリン、2005世界選手権1kmタイムトライアルで優勝するなど、数えきれない勝利を挙げている。
当初ジャパンカップへの参戦もアナウンスされたが、ラボバンクの公式行事のためジャパンカップは欠場。しかしトラックパーティのみを走るために来日する。
エリア・ヴィヴィアーニ(リクイガス・キャノンデール)
ファルネーゼヴィニ・ネーリソットーリ
ジョヴァンニ・ヴィスコンティ、アンドレア・グアルディーニ、オスカル・ガット
SCマリオチポッリーニGIAMBENINI
ニコール・クック、ロゼッラ・カローヴィ
エリーヌ・デルーファー(AAドリンク・レオンティン)
JAPANトラックナショナルチーム
永井清史、長塚智広、中川誠一郎、新田祐大、渡邉一成
KEIRIN選手から
浅井康太、佐藤友和、伏見俊昭
長塚智広選手のコメント(トークショーに出演)「6日間レースはオランダで観戦したことがあります。クラブのような、企業の接待にも使えるような、きらびやかな社交の場です。すごいノリノリのBGMを聞きながら、迫力のレースを見る。もう盛り上がらざるをえない環境なんです・笑。元気が出ますよ。選手が本当に近いんです。
中野浩一さんのコメント「観客と選手の、中と外は完全に別です。観客は楽しく・美味しく。選手は真剣に走らないと落っこっちゃいますからね。もう真剣勝負のレースだから面白い」
text:Makoto.AYANO
8月23日東京・千駄ヶ谷のシクロチャンネル鳩森スタジオで開催された記者発表会
は、ジャパンカップとトラックパーティふたつの出場チームと選手の発表会となった。
20周年記念大会となるジャパンカップ。東北関東大震災と、いまだ収束しない福島第一原発の放射能問題の影響で出場チームが懸念されたが、発表されたチームは豪華なものだった。
まずジャパンカップの出場チームから紹介していこう。
ジャパンカップ2011 出場チーム 暫定選手リスト
国内コンチネンタルチーム
愛三工業レーシング・チーム
西谷泰治、鈴木謙一、品川真寛、伊藤雅和、木守望
チームブリヂストン・アンカー
狩野智也、普久原奨、清水都貴、井上和郎、伊丹健治
マトリックス・パワータグ
真鍋和幸、マリウス・ヴィズィアック、ヴィンチェンツォ・ガロッファロ、永良大誠、向川尚樹
シマノレーシング
畑中勇介、村上純平、鈴木譲、西薗良太、青柳憲輝、鈴木真理(リザーブ)
宇都宮ブリッツェン
柿沼章、廣瀬佳正、中村誠、増田成幸、初山翔、リザーブ:辻善光、片山右京
UCIコンチネンタルチーム
ダンジェロ・アンティヌッチィ・ニッポ
内間康平、小森亮平、佐野淳哉、フオルトゥナート・バリアーニ (イタリア)、アンジェルチャベス・ルビアーノ (コロンビア)
UCIプロチーム
リクイガス・キャノンデール
イヴァン・バッソ、ダニエル・オス、ダヴィデ・チモライ、マウロ・フィネット、クリスティアーノ・サレルノ
リザーブ:ペーター・サガン、ユライ・サガン、アラン・マランゴーニ(ブエルタ後に決定)
サクソバンク・サンガード
クリスアンケル・セレンセン、リッチー・ポルト、ラン・マーガリオット
ランプレISD
ダミアーノ・クネゴ、マヌエーレ・モーリ
バッソ、クネゴ、セレンセンが出場。リザーブにサガン
リクイガス・キャノンデール
リクイガスは1年ぶりの出場となる。2006年と2010年のジロ・デ・イタリア覇者バッソは、2008年ジャパンカップでクネゴやヴィスコンティとデッドヒートを繰り広げて3位に甘んじている。暫定リストでいち早く強力なアシストを発表したリクイガスのジャパンカップ制覇にかける意気込みが感じられる。
リザーブにペーター・サガンの名前が挙がっている。チームによればサガンはブエルタ・ア・エスパーニャを走り、その調子を見てシーズン終盤のスケジュールを決めるため、出場の可能性があることを感じさせるリスト入りだ。また、エリア・ヴィヴィアーニが翌週のトラックパーティに出場する。
サクソバンク・サンガード
セレンセンは2009年のジャパンカップ覇者。ポルトは2010年ジロ・デ・イタリア新人賞獲得選手、ラン・マーガリオットは最近チームに加入したイスラエル出身の有望選手だ。
近年トップレースの山岳ステージで勝負できる実力をつけたセレンセンに加えて、注目度の高いリッチー・ポルトのメンバー入りで、再びのジャパンカップ制覇への意気込みを感じさせる。
チームからのコメント「サクソバンクはいつもジャパンカップ出場を楽しんできました。よって、今年も参加することを嬉しく思います。残念ながら、現時点では、どの選手が出場するかは、まだ、残りのシーズンのレース計画を調整してますので確定することはできません。現時点では、3名をスタートリストに載せます」。
ランプレISD
ジャパンカップおなじみのチームだが、2年ぶりの出場となる。まだシーズン後半の各選手のスケジュールが確定しない中、2005・2008年ジャパンカップ覇者クネゴと、2007年覇者モーリという、ともにかつてのジャパンカップ優勝者をリストアップ。20周年のジャパンカップへのリスペクトを見せてくれた。
チームからのコメント「日本で起きたことは、本当に悲劇です。ランプレISDは、自転車を通じ、日本のファン皆さんへ喜びと平穏をもたらすため、ジャパンカップに喜んで参加させて頂きます。現時点で2名の選手をスタートリストにアップします。
2004年大会2位、2005年大会と2008年大会のチャンピオンで、ジャパンカップと縁の深いダミアーノ・クネゴ。2007年大会のチャンピオン、マヌエーレ・モーリです」。
チームとの交渉は継続中。出場チームは今後追加されてゆく
8月23日現在もジャパンカップ実行委員会では数チームと出場交渉中だという。実行委員会のプロデューサー、清水正雄さんによれば、この発表会で発表する段階に至らなかったチームがいくつもあるという。
まず主要なUCIプロチームおよびプロコンチネンタルチーム数チームとも交渉を継続中であるという。
そしてジャパンカップの開催される10月23日の1週間前にオーストラリアで開催されるジャイコ・ヘラルドサンツアーに出場するチームとは、地理的に近いオーストラリアから日本への転戦の可能性を打診しているという。大会同士のコラボレーションにより移動の労力やコストをシェアする話し合いも同時に進んでいるという。
そのため、出場チームはこの後続々と追加されていくということだ。それらの発表は大会公式サイトやプレスリリースで伝えられる。
UCIプロチームがひとつ追加される
清水プロデューサーによれば、発表会開催中にもうひとつのUCIプロツアーチームの出場が決まったが、その場では発表することができなかったという。初出場となるそのチームは契約が締結され次第発表があるだろう。
震災と原発の影響で出場を躊躇するチームが続出
ここまでの出場交渉を難航させたのが震災と原発による放射能の影響だ。海外の報道による情報不足や選手の健康を心配するチームが出場を躊躇し、出場決定に至らなかった例が続出した。ガーミン・サーヴェロ、レオパード・トレック、チームスカイ、HTCハイロード、オメガファーマ・ロットなどが震災前にはジャパンカップ出場への意思を表明していたが、その後の交渉でキャンセルする例が相次いだという。
ジャパンカップ実行委員会では開催地・宇都宮市の放射能の状況などを伝えながら交渉を続けていたという。
昨年の優勝チーム、ガーミン・サーヴェロのコメント
「残念ながら、2011年、私たちは選手を日本へ行かす事は出来ない、という決定になりました。大変申し訳ないのですが、取締役でもミーティングを行い、このような結論に達しました。放射線量が低いと知っていても、日本へ行くことを強制できないことを理解して頂きたいです。回答が違うものであることを願っておりましたが、あなた方、日本の皆さんをサポートしたかったのですが、簡単ではありませんでした。2012年、チームが招待されますこと切に願っています」。
その他のチームとは現在も交渉を継続中。これまでの例で言えばプロチーム枠はまだ1または2つある。もちろんプロコンチネンタルチーム枠も残されている。この後決定する出場チームに関しては、公式HPで随時発表される。
ジャパンカップ・クリテリウム 別府史之とヴィスコンティ出場
今年もクリテリウムにスペシャルチームが出場する。プロロード選手と競輪選手により結成される混成チームだ。別府史之とジョヴァンニ・ヴィスコンティの出場が決定した。
つまり、レディオシャックとファルネーゼヴィーニ・ネーリのチームとしての出場はないということも言えそうだ。
クリテリウム・スペシャルチーム
別府史之(レディオシャック)、ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(ファルネーゼヴィニ・ネーリソットリ)KEIRIN選手より村上義弘、深谷知広、新田祐大
スバル・レガシィがプレゼントされるキャンペーン
記者発表冒頭では大会オフィシャルスポンサーのスバル(富士重工株式会社)よりアンケートに答えると抽選で1名にスバル・レガシィがプレゼントされるというキャンペーンが紹介された。
またオフィシャルミネラルウオーターを提供するイオンリテール株式会社から、イオンバイク各店を利用すればジャパンカップ観戦に招待されるキャンペーンが紹介された。これらの詳細はジャパンカップホームページにて確認できる。
トークショー&プレゼンテーション
記者発表では大会オブザーバーの今中大介さん、宇都宮ブリッツェン監督の栗村修さん、大会PRキャラクターの近藤未来さん、そしてMCの絹代さんによるトークセッションが行われた。
トークショーでは栗村修さんが、オーストラリアのジャイコ・ヘラルドサンツアー(UCI 2HC)への宇都宮ブリッツェンの出場を発表。オーストラリアからはジェイコチームをジャパンカップに交換招聘することで交渉が進んでおり、実現すればブリッツェンとしては海外レース初出場となる。
また大会PRキャラクターとしてタレントの近藤未来(みく)さんが紹介された。近藤さんはルコック・スポルティフのサイクルウェアに身を包んで登場。自転車の経験はないがスポーツには長けている近藤さんはフリーランを走る予定だという。
また大会オフィシャルエアラインの日本航空のキャビンアテンダント4人がクリテリウムのパレードランに参加する。記者発表ではJALキャビンアテンダントの岡本亜希子さんが登壇。岡本さんは2009,2010年もフリーランに参加。プロ選手と一緒にコースを走っている。現在ルコック・スポルティフでオリジナルサイクルウェアをデザイン&製作中だという。
近藤未来さん「躍動感あるこの大会を皆さんで楽しんでいただけたらと思います」
栗村さん「世界に誇れるこの大会を盛り上げていきましょう」
今中さん「かつてキャプッチ選手の走りを見た子供たちが、今は選手で走っているんです。20年の歴史を感じますね。盛り上げましょう!」
TRACK PARTY 美酒&グルメで楽しむ6日間レースの雰囲気
ジャパンカップ翌週末、10月29日に開催されるTRACK PARTY(トラックパーティ)。「CYCLING IS ONE」をキャッチフレーズに、海外と国内のトップレーサーを招待して開催される。
このイベントは欧州で人気の「6日間レース」をもとに発案された室内大会で、10月に伊豆・日本サイクルスポーツセンターの敷地内にオープンする伊豆ベロドロームのオープン記念イベントとして開催される。
伊豆ベロドロームは10月1日に完成予定の国際規格の250m板張りトラックで、今までに国内になかったトラック競技会待望の室内競技場。
財団法人JKA会長の石黒克巳さんは「日本自転車界待望の国際仕様の250m板張りトラック日本の競技の国際化に一役買ってくれるでしょう」と挨拶。
欧州6日間レースにならって開催されるトラックパーティ。音楽・お酒・食事を楽しみながらトラックレースを楽しむエンターテインメント型のイベントで、ショー的要素が強く、コンサートのようにライトアップされた空間の中で、DJによるパフォーマンスなどで盛り上がりながら世界トッププロの白熱したレースを観戦することができるという。
イベントDJは、世界各地で音楽プロデューサーとして活躍しているクリエイティヴ・ディレクター兼DJの沖野修也(おきのしゅうや)さんが担当する。
ボス、ヴィスコンティ、グアルディーニ、ガット、ヴィヴィアーニ、ニコール・クックら出場
昨年ジャパンカップを直前キャンセルしたテオ・ボスの来日が叶うほか、ジャパンカップではクリテリウムにのみ参戦するヴィスコンティがツール・ド・ランカウィステージ5勝を挙げたスプリンターのアンドレア・グアルディーニ、そしてジロ・デ・イタリアでステージ優勝したオスカル・ガットらと参戦する。
また女子ではSCマリオチポッリーニGIAMBENINIから女子トップレーサーのニコール・クックが出場する。
クックは2008年北京オリンピックロードレース金メダル、世界選手権金メダル、2004年ジロ・デ・イタリア総合優勝、2006年ワールドカップ総合優勝、2009年に大英帝国勲章(MBE)を受章した最強の女子レーサーだ。
TRACK PARTY出場チーム、選手
テオ・ボス(ラボバンク)
2004・2006-2007世界選手権スプリント、 2006世界選手権ケイリン、2005世界選手権1kmタイムトライアルで優勝するなど、数えきれない勝利を挙げている。
当初ジャパンカップへの参戦もアナウンスされたが、ラボバンクの公式行事のためジャパンカップは欠場。しかしトラックパーティのみを走るために来日する。
エリア・ヴィヴィアーニ(リクイガス・キャノンデール)
ファルネーゼヴィニ・ネーリソットーリ
ジョヴァンニ・ヴィスコンティ、アンドレア・グアルディーニ、オスカル・ガット
SCマリオチポッリーニGIAMBENINI
ニコール・クック、ロゼッラ・カローヴィ
エリーヌ・デルーファー(AAドリンク・レオンティン)
JAPANトラックナショナルチーム
永井清史、長塚智広、中川誠一郎、新田祐大、渡邉一成
KEIRIN選手から
浅井康太、佐藤友和、伏見俊昭
長塚智広選手のコメント(トークショーに出演)「6日間レースはオランダで観戦したことがあります。クラブのような、企業の接待にも使えるような、きらびやかな社交の場です。すごいノリノリのBGMを聞きながら、迫力のレースを見る。もう盛り上がらざるをえない環境なんです・笑。元気が出ますよ。選手が本当に近いんです。
中野浩一さんのコメント「観客と選手の、中と外は完全に別です。観客は楽しく・美味しく。選手は真剣に走らないと落っこっちゃいますからね。もう真剣勝負のレースだから面白い」
text:Makoto.AYANO
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