2011/08/13(土) - 09:10
オランダ南東部ルールモントで行われたエネコ・ツアー第4ステージ・個人タイムトライアル。14.7kmでただ一人18分の壁を破ったジェシー・サージェント(ニュージーランド、レディオシャック)が優勝した。ステージ9位のエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)が総合首位に立っている。
平坦コースが主体のエネコ・ツアーの総合争いにおいて重要なファクターを担う個人タイムトライアル。ドイツとベルギーの国境に近いオランダ・リンブルグ州のルールモントに14.7kmのコースが張り巡らされた。
この日は午後にかけて天候が下り坂。前日の第3ステージを終えた時点で総合93位につけていたジェシー・サージェント(ニュージーランド、レディオシャック)は雨に降られず、ドライコンディションのコースで17分55秒のトップタイムをたたき出した。
サージェントは1988年7月生まれの23歳。ニュージーランドを代表するトラック選手としてジュニア時代から活躍し、2008年の北京五輪では団体追い抜きで銅メダル獲得。昨年から2年連続トラック世界選手権個人追い抜きで銀メダルを獲得している。
昨年までトレックリブストロングU23チームで走り、今年レディオシャックでプロ入り。その持ち前の独走力を活かし、3月の西フランドル3日間レースではプロローグを制し、最終的に総合優勝に輝いている。
UCIワールドツアーレースでの初勝利を掴んだサージェントは「昨日はゴール10km手前でパンクして総合順位を下げてしまった。でもそのおかげでスタート時間が早まり、ドライなコンディションの中を走ることができたんだ。路面が濡れていたら勝てていなかったと思う。でもそれもロードレース。雨が降っていたか降っていなかったかは関係ない。自分にとって初めての大きな勝利を手にしたんだ」とキャリア最大の勝利を祝す。
「まだ自分の得意な距離を掴めていない。ここ数ヶ月でクレーデンから多くのことを学んだよ。彼のアドバイスがTTスペシャリストとしての能力を引き上げてくれた」。TTスペシャリストとして、今後の活躍に期待。チームメイトの別府史之(レディオシャック)は1分30秒遅れの84位で終え、総合35位につけている。
濡れた路面でのレースを強いられた総合上位陣はタイムを伸ばせず。期待されたデーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン・サーヴェロ)は42秒遅れの18位、ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)は27秒遅れの5位に終わる。
リーダージャージを着て走ったフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)は49秒遅れの25位というまずまずのタイム。しかし32秒遅れの9位という成績を残したエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)に総合首位の座を奪われた。
2年ぶり2度目の総合優勝に向けて順調に駒を進めたボアッソン。しかしジルベールとの総合タイム差は12秒であり、決して油断できない。「もちろんこのリーダージャージを手にしたのは喜ばしいこと。でもジルベールとのタイム差が充分とは言えない。(日曜日はジルベールが得意なコースなので)明日は集団スプリントに絡んでボーナスタイムを獲得したい」。
純粋なスプリント力ではボアッソンに分が有る。しかし最終日の第6ステージは、アムステルゴールドレースさながらの起伏に富んだコースであり、ジルベールがタイムを奪い返すことは想像に容易い。なお、ステージ上位3名には10秒、6秒、4秒のボーナスタイム、スプリントポイント上位3名には3秒、2秒、1秒のボーナスタイムが与えられる。まだまだジルベールの逆転は可能だ。
ボアッソンは「チームは全体的に調子が良くて、力強くサポートしてくれる。ジルベールの動きに警戒しながら、彼がもしスプリントに絡むようなら着いていく。決して簡単なタスクじゃないけど、毎日僕の脚の調子は上がっている」と自信を見せる。総合争いは最終日までもつれ込むことになりそうだ。
レース内容と選手コメントは公式サイトならびにストリーミングより。
エネコ・ツアー2011第4ステージ結果
1位 ジェシー・サージェント(ニュージーランド、レディオシャック) 17'55"
2位 アレックス・ラスムッセン(デンマーク、HTC・ハイロード) +14"
3位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +20"
4位 ウラディミール・イサイチェフ(ロシア、カチューシャ) +27"
5位 ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)
6位 イェンス・モーリス(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +30"
7位 マーティン・チャリンギ(オランダ、ラボバンク)
8位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)
9位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ) +32"
10位 ベアト・グラブシュ(ドイツ、HTC・ハイロード) +34"
18位 デーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン・サーヴェロ) +42"
25位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +49"
84位 別府史之(日本、レディオシャック) +1'30"
個人総合成績
1位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ) 13h49'06"
2位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +12"
3位 デーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン・サーヴェロ) +18"
4位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム) +27"
5位 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ラボバンク) +47"
6位 ヨースト・ファンレイエン(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +54"
7位 ドミニク・コルニュ(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン) +57"
8位 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップ) +58"
9位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、レディオシャック) +59"
10位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、レオパード・トレック) +1'03"
35位 別府史之(日本、レディオシャック) +2'03"
ポイント賞
エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
新人賞
エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
チーム総合成績
レディオシャック
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
平坦コースが主体のエネコ・ツアーの総合争いにおいて重要なファクターを担う個人タイムトライアル。ドイツとベルギーの国境に近いオランダ・リンブルグ州のルールモントに14.7kmのコースが張り巡らされた。
この日は午後にかけて天候が下り坂。前日の第3ステージを終えた時点で総合93位につけていたジェシー・サージェント(ニュージーランド、レディオシャック)は雨に降られず、ドライコンディションのコースで17分55秒のトップタイムをたたき出した。
サージェントは1988年7月生まれの23歳。ニュージーランドを代表するトラック選手としてジュニア時代から活躍し、2008年の北京五輪では団体追い抜きで銅メダル獲得。昨年から2年連続トラック世界選手権個人追い抜きで銀メダルを獲得している。
昨年までトレックリブストロングU23チームで走り、今年レディオシャックでプロ入り。その持ち前の独走力を活かし、3月の西フランドル3日間レースではプロローグを制し、最終的に総合優勝に輝いている。
UCIワールドツアーレースでの初勝利を掴んだサージェントは「昨日はゴール10km手前でパンクして総合順位を下げてしまった。でもそのおかげでスタート時間が早まり、ドライなコンディションの中を走ることができたんだ。路面が濡れていたら勝てていなかったと思う。でもそれもロードレース。雨が降っていたか降っていなかったかは関係ない。自分にとって初めての大きな勝利を手にしたんだ」とキャリア最大の勝利を祝す。
「まだ自分の得意な距離を掴めていない。ここ数ヶ月でクレーデンから多くのことを学んだよ。彼のアドバイスがTTスペシャリストとしての能力を引き上げてくれた」。TTスペシャリストとして、今後の活躍に期待。チームメイトの別府史之(レディオシャック)は1分30秒遅れの84位で終え、総合35位につけている。
濡れた路面でのレースを強いられた総合上位陣はタイムを伸ばせず。期待されたデーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン・サーヴェロ)は42秒遅れの18位、ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)は27秒遅れの5位に終わる。
リーダージャージを着て走ったフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)は49秒遅れの25位というまずまずのタイム。しかし32秒遅れの9位という成績を残したエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)に総合首位の座を奪われた。
2年ぶり2度目の総合優勝に向けて順調に駒を進めたボアッソン。しかしジルベールとの総合タイム差は12秒であり、決して油断できない。「もちろんこのリーダージャージを手にしたのは喜ばしいこと。でもジルベールとのタイム差が充分とは言えない。(日曜日はジルベールが得意なコースなので)明日は集団スプリントに絡んでボーナスタイムを獲得したい」。
純粋なスプリント力ではボアッソンに分が有る。しかし最終日の第6ステージは、アムステルゴールドレースさながらの起伏に富んだコースであり、ジルベールがタイムを奪い返すことは想像に容易い。なお、ステージ上位3名には10秒、6秒、4秒のボーナスタイム、スプリントポイント上位3名には3秒、2秒、1秒のボーナスタイムが与えられる。まだまだジルベールの逆転は可能だ。
ボアッソンは「チームは全体的に調子が良くて、力強くサポートしてくれる。ジルベールの動きに警戒しながら、彼がもしスプリントに絡むようなら着いていく。決して簡単なタスクじゃないけど、毎日僕の脚の調子は上がっている」と自信を見せる。総合争いは最終日までもつれ込むことになりそうだ。
レース内容と選手コメントは公式サイトならびにストリーミングより。
エネコ・ツアー2011第4ステージ結果
1位 ジェシー・サージェント(ニュージーランド、レディオシャック) 17'55"
2位 アレックス・ラスムッセン(デンマーク、HTC・ハイロード) +14"
3位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +20"
4位 ウラディミール・イサイチェフ(ロシア、カチューシャ) +27"
5位 ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)
6位 イェンス・モーリス(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +30"
7位 マーティン・チャリンギ(オランダ、ラボバンク)
8位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)
9位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ) +32"
10位 ベアト・グラブシュ(ドイツ、HTC・ハイロード) +34"
18位 デーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン・サーヴェロ) +42"
25位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +49"
84位 別府史之(日本、レディオシャック) +1'30"
個人総合成績
1位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ) 13h49'06"
2位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +12"
3位 デーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン・サーヴェロ) +18"
4位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム) +27"
5位 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ラボバンク) +47"
6位 ヨースト・ファンレイエン(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +54"
7位 ドミニク・コルニュ(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン) +57"
8位 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップ) +58"
9位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、レディオシャック) +59"
10位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、レオパード・トレック) +1'03"
35位 別府史之(日本、レディオシャック) +2'03"
ポイント賞
エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
新人賞
エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
チーム総合成績
レディオシャック
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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