2011/07/25(月) - 20:32
最終日を迎えたツール・ド・フランス2011。シャンゼリゼのゴールを3年連続で制したカヴェンディッシュが、念願のマイヨヴェールを獲得。総合4賞は全員が初受賞。ツールのこれまでとこれからを象徴する光景だった。
ステージ優勝・マイヨヴェールのマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)
僕のチームがどんなに素晴らしい走りを見せるか知っての通りだ。こんな仲間が僕のまわりにいてくれて、とてもラッキーだよ。彼らはレースに勝つことだけに専念してくれて、その犠牲心も高い。まったくまとめる必要すらないので、僕は本当に運のいいことにストレスを感じることもない。僕はこのマイヨヴェールを手に入れた。そして、自分の名前を総合成績表に載せることができた。今日は、僕たちの走りが素晴らしいことを示すのに完璧な一例だよ。
僕たちは逃げ集団を追う必要はなかったんだ。チームメイトのラルス(バク)が逃げに入っていたからね。彼が戻ってきたとき、僕たちの準備はできていた。このチームと一緒なら、僕の失敗はありえないんだ。
今回は確実に自分のなかでベストなツール・ド・フランスだ。そう、僕は2009年にステージ6勝したけど、マイヨヴェールは獲得できなかった。このジャージが欲しかったので、僕はステージ5勝をあげた——そしてトニ・マルティンがチームとして6勝目をあげた。そうして、僕はこのマイヨヴェールを手に入れたんだ。これは今までのどんな結果よりも最高の締めくくりだよ。
この緑のジャージは、僕が長いあいだ目標にしてきたものだ。手に入るなんて信じられない。この勝利はすごい……だって、緑のジャージを手にしたんだよ。今夜は仲間たちと祝いたい。でも、僕らにはまだ目標もあるんだ。ブエルタ・ア・エスパーニャと、その後の今シーズン末の世界選手権だ。
マイヨジョーヌのカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
子供のころ、僕らはいろんな職業に憧れていた。僕は1991年に目撃したツール・ド・フランスでの(ミゲル)インデュラインの圧倒的な強さが、頭の片隅に植え付けられたのが原点だ。その思いが大きくなった。僕には困難な時期もあった——この2年間、僕は優勝にわずかに及ばない不運さを味わった。でも、その経験が今の瞬間をさらに特別なものにしているのだと思う。
(オーストラリア人歌手の)ティナ・アリーナが国家を歌いに来てくれたのは、少し驚いた。すごくありがたい。これはツールに出た選手の究極の夢だと思うよ。シャンゼリゼに立って、オーストラリア人と一緒に国歌を歌うなんて……これは多くのオーストラリア人の叶わない夢だった。この勝利は僕の国のすべての人々のためのものだ。素晴らしい。
すべてがうまく終わろうとしてたけど、フィニッシュラインを越えるまでは気が抜けなかった。ようやくラインを越えた。すべてが終わった。僕は勝った。
何年も熱心に走ってきた。この3週間のあいだに、いろんな瞬間があった。僕らのツールが終わったと感じた瞬間もあった。それでも、まったくの無傷な状態でこの場所に無事に到着した……この事実だけでもひとつの冒険だ。そして、この場でマイヨジョーヌを着ている——僕のチームや母国、僕をとりまく人々のためにね。これは、もう言葉も出ない。
僕らが負けたと思った瞬間はほとんどなかった……昨日のタイムトライアルまではね。今年はやや風変わりなツール・ド・フランスだった。全チームを相手にちょっとした防戦体制に入ってしまい、初めて攻勢に出たのが最後のタイムトライアルだったんだ。
故郷の人々に大きな喜びを届けたい。この場所で国旗を掲げられたことに満足しているし、名誉も感じている。
新人賞のピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)
フィニッシュラインを越えられて満足だ。周回コースで事故が起きないか不安に思っていたとき、チームメイトが僕のまわりにいて、バイク交換の必要などに気を遣ってくれた。この3週間に起こったトラブルは、実にさまざまなものに分類できるよ。今日は、たくさんの選手が集団内で祝福してくれた。アルプ・デュエズでの優勝でのことが、マイヨブランの話題より多かった。あれは僕が勝ったステージじゃなくて、「アルプス」というステージなんだ。誰が強い弱いかは関係なく、あの出来事を大切にしたいと思う。僕はコンタドールに勝ったけど、彼が多くのミスを犯しただけだと思う。もしコンタドールが最後の登りでアタックしていたら、確実に僕に勝っていたと思う。
僕はツールですごいことができる能力を自負していたし、その準備もしていた。1ヵ月前に自分たちの目標を立てるときに、僕は新人賞が欲しいと言ったんだ。ジャンルネ(ベルノドー)監督の答えは「それは大きな願望だ」だったんだ——ロバート・ヘーシンクやレイン・ターラマエなどの強いライバルがいたからね。しばらくのあいだ、僕はこの目標を脇に置いておいたんだ。トマのマイヨジョーヌを守る必要があったからね。彼のマイヨジョーヌは明らかにチームに影響を及ぼした。僕がこのレベルに到達できたのは、その影響でもあるんだ。
ツール・ド・フランスの総合優勝? もちろん目標だよ。でも、僕には優れた自転車の才能があるわけじゃない。僕は熱心に努力するタイプだ。でも、今は僕がそのレベルに到達するまでに、どれだけの犠牲を払えばいいかを想像できない。高い目標に向けてベストを尽くしたいと思うし、現役生活を引退するときに後悔のないようにしたい。僕には、これから10年以上の価値ある時間があるんだ。
総合敢闘賞のジェレミー・ロワ(フランス、FDJ)
敢闘賞を獲得するのは簡単なことじゃない。僕はこの賞を取ると宣言して、今日は(シャンゼリゼでアタックして)この賞の栄誉に預かった。
今年は(第1ステージの)ヴァンデから逃げ始めて、最後のこのシャンゼリゼでも逃げた。でも、まだ勝ててない。
総合2位のアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)
申し分のない出来のツール・ド・フランスだった。でも、優勝できるのはひとりだけなんだ。僕らは序盤からカデル(エヴァンス)がライバルだと知っていたし、彼はこの勝利に値する人物だ。彼はずっと総合優勝のために戦ってきた。僕もそうだったけど、彼のほうが強かった。
僕はここに優勝するために来た。でも、後悔はまったくない。僕は敗者として帰るつもりはない。またここに戻ってくるつもりだ。
総合3位のフランク・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)
僕らは本当にすごいレースをしたと思う。後悔はまったくない。チャンピオンとは、他者より優れた人物をリスペクトして受け入れるべきでもあるんだ。カデルは、それに最適な人物だった。たしかに、僕には若さという味方がいる……それは有利な点だ。彼には残念だが、僕らは必ずここに戻ってきて、再びマイヨジョーヌにチャレンジするつもりだ。
総合2位と総合3位であっても、充分に祝う価値があると思う。だって、僕らはまったく新しいチームで、この結果を出したんだ。僕らは、このチームとスタッフで達成したことを誇りに思う。もし、今回の体験すべてを一語で言い尽くす言葉があるとすれば、「誇り」になるだろう。僕らは誇りに思っているし、満足している。
チーム総合優勝したガーミン・サーヴェロを率いるジョナサン・ヴォーターズ監督
すばらしいツールだった。一番の満足は、われわれが成し遂げたという事実だ。
このチームはチームワーク、犠牲心、そしてユニットとしての行動力に優れている。これが今回のツールを切り抜けた理由だ。われわれは高い目標をいくつか掲げていたが、それ以上の成果を得られた。これは、われわれ全員が協力し、集中し続けたからなんだ。
自分の健闘に驚く総合4位のトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)
もし誰かが、今回のツールの一連の出来事をレース前に書いていたとしたら、僕はそれを絶対に信じられなかったと思うよ。
来年のリベンジに意欲を見せる総合5位のアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)
来年はツールに戻ってきて勝つつもりだ。このレースだけに集中する。ツールは一番重要なレースだ。だからジロには出場しない。ジロへの出場はもう二度とない。
今年のツールの期間中はずっとスムーズに走れなかった。早い段階でトラブルもあったし、ジロの疲れも残っていた。このツールの期間中は決してベストな状態ではなかった。でも、最後まで戦い続けることにした。表彰台で最後を迎えたかった。勝つためにここに来たけど、僕には良い経験となった。
(第20ステージのタイムトライアルで3位になったのは)力を多く使いすぎると、それを実感するのは翌日なんだ。あのときはツールでステージ優勝を目指すよりも、沿道の観客からの声援が力になった。ホテルの部屋に戻ったとき、僕の携帯電話はバッテリーがほとんど切れかけていた。僕の努力をねぎらうメールを絶え間なく受信し続けていたんだ。
母国のテロに心を痛めるトル・フースホフト(ノルウェー、ガーミン・サーヴェロ)
ステージ2勝は驚くべき結果だし、それにチーム総合優勝もした。すばらしいツール・ド・フランスだった。この数日間ノルウェーは辛い状況にある。この2日間のレースは、ノルウェーでの出来事に比べて、意味がないように感じたんだ。今はノルウェー全土と、今回の悲劇に巻き込まれた人々の家族や友人たちすべてを遺憾に思っている。
ノルウェーのような平和な国で、こんな事態が起きるとは予想もしてなかった。小さいけれど誇り高い国なんだ。だからこそ、この事態には動揺せずにはいられない。
これまでもツール・ド・フランスでベストを尽くしてきただけに、この結果は信じられない。去年、世界選手権で勝ったのが最大の勝利だった。でも、ツール・ド・フランスでアルカンシェルを着て、この結果を残せたことは、さらに格別な思いがある。
ソースは現地取材、記者会見、主催者公式サイト、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation&text:Taiko YAMASAKI + Seiya YAMASAKI
ステージ優勝・マイヨヴェールのマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)
僕のチームがどんなに素晴らしい走りを見せるか知っての通りだ。こんな仲間が僕のまわりにいてくれて、とてもラッキーだよ。彼らはレースに勝つことだけに専念してくれて、その犠牲心も高い。まったくまとめる必要すらないので、僕は本当に運のいいことにストレスを感じることもない。僕はこのマイヨヴェールを手に入れた。そして、自分の名前を総合成績表に載せることができた。今日は、僕たちの走りが素晴らしいことを示すのに完璧な一例だよ。
僕たちは逃げ集団を追う必要はなかったんだ。チームメイトのラルス(バク)が逃げに入っていたからね。彼が戻ってきたとき、僕たちの準備はできていた。このチームと一緒なら、僕の失敗はありえないんだ。
今回は確実に自分のなかでベストなツール・ド・フランスだ。そう、僕は2009年にステージ6勝したけど、マイヨヴェールは獲得できなかった。このジャージが欲しかったので、僕はステージ5勝をあげた——そしてトニ・マルティンがチームとして6勝目をあげた。そうして、僕はこのマイヨヴェールを手に入れたんだ。これは今までのどんな結果よりも最高の締めくくりだよ。
この緑のジャージは、僕が長いあいだ目標にしてきたものだ。手に入るなんて信じられない。この勝利はすごい……だって、緑のジャージを手にしたんだよ。今夜は仲間たちと祝いたい。でも、僕らにはまだ目標もあるんだ。ブエルタ・ア・エスパーニャと、その後の今シーズン末の世界選手権だ。
マイヨジョーヌのカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
子供のころ、僕らはいろんな職業に憧れていた。僕は1991年に目撃したツール・ド・フランスでの(ミゲル)インデュラインの圧倒的な強さが、頭の片隅に植え付けられたのが原点だ。その思いが大きくなった。僕には困難な時期もあった——この2年間、僕は優勝にわずかに及ばない不運さを味わった。でも、その経験が今の瞬間をさらに特別なものにしているのだと思う。
(オーストラリア人歌手の)ティナ・アリーナが国家を歌いに来てくれたのは、少し驚いた。すごくありがたい。これはツールに出た選手の究極の夢だと思うよ。シャンゼリゼに立って、オーストラリア人と一緒に国歌を歌うなんて……これは多くのオーストラリア人の叶わない夢だった。この勝利は僕の国のすべての人々のためのものだ。素晴らしい。
すべてがうまく終わろうとしてたけど、フィニッシュラインを越えるまでは気が抜けなかった。ようやくラインを越えた。すべてが終わった。僕は勝った。
何年も熱心に走ってきた。この3週間のあいだに、いろんな瞬間があった。僕らのツールが終わったと感じた瞬間もあった。それでも、まったくの無傷な状態でこの場所に無事に到着した……この事実だけでもひとつの冒険だ。そして、この場でマイヨジョーヌを着ている——僕のチームや母国、僕をとりまく人々のためにね。これは、もう言葉も出ない。
僕らが負けたと思った瞬間はほとんどなかった……昨日のタイムトライアルまではね。今年はやや風変わりなツール・ド・フランスだった。全チームを相手にちょっとした防戦体制に入ってしまい、初めて攻勢に出たのが最後のタイムトライアルだったんだ。
故郷の人々に大きな喜びを届けたい。この場所で国旗を掲げられたことに満足しているし、名誉も感じている。
新人賞のピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)
フィニッシュラインを越えられて満足だ。周回コースで事故が起きないか不安に思っていたとき、チームメイトが僕のまわりにいて、バイク交換の必要などに気を遣ってくれた。この3週間に起こったトラブルは、実にさまざまなものに分類できるよ。今日は、たくさんの選手が集団内で祝福してくれた。アルプ・デュエズでの優勝でのことが、マイヨブランの話題より多かった。あれは僕が勝ったステージじゃなくて、「アルプス」というステージなんだ。誰が強い弱いかは関係なく、あの出来事を大切にしたいと思う。僕はコンタドールに勝ったけど、彼が多くのミスを犯しただけだと思う。もしコンタドールが最後の登りでアタックしていたら、確実に僕に勝っていたと思う。
僕はツールですごいことができる能力を自負していたし、その準備もしていた。1ヵ月前に自分たちの目標を立てるときに、僕は新人賞が欲しいと言ったんだ。ジャンルネ(ベルノドー)監督の答えは「それは大きな願望だ」だったんだ——ロバート・ヘーシンクやレイン・ターラマエなどの強いライバルがいたからね。しばらくのあいだ、僕はこの目標を脇に置いておいたんだ。トマのマイヨジョーヌを守る必要があったからね。彼のマイヨジョーヌは明らかにチームに影響を及ぼした。僕がこのレベルに到達できたのは、その影響でもあるんだ。
ツール・ド・フランスの総合優勝? もちろん目標だよ。でも、僕には優れた自転車の才能があるわけじゃない。僕は熱心に努力するタイプだ。でも、今は僕がそのレベルに到達するまでに、どれだけの犠牲を払えばいいかを想像できない。高い目標に向けてベストを尽くしたいと思うし、現役生活を引退するときに後悔のないようにしたい。僕には、これから10年以上の価値ある時間があるんだ。
総合敢闘賞のジェレミー・ロワ(フランス、FDJ)
敢闘賞を獲得するのは簡単なことじゃない。僕はこの賞を取ると宣言して、今日は(シャンゼリゼでアタックして)この賞の栄誉に預かった。
今年は(第1ステージの)ヴァンデから逃げ始めて、最後のこのシャンゼリゼでも逃げた。でも、まだ勝ててない。
総合2位のアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)
申し分のない出来のツール・ド・フランスだった。でも、優勝できるのはひとりだけなんだ。僕らは序盤からカデル(エヴァンス)がライバルだと知っていたし、彼はこの勝利に値する人物だ。彼はずっと総合優勝のために戦ってきた。僕もそうだったけど、彼のほうが強かった。
僕はここに優勝するために来た。でも、後悔はまったくない。僕は敗者として帰るつもりはない。またここに戻ってくるつもりだ。
総合3位のフランク・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)
僕らは本当にすごいレースをしたと思う。後悔はまったくない。チャンピオンとは、他者より優れた人物をリスペクトして受け入れるべきでもあるんだ。カデルは、それに最適な人物だった。たしかに、僕には若さという味方がいる……それは有利な点だ。彼には残念だが、僕らは必ずここに戻ってきて、再びマイヨジョーヌにチャレンジするつもりだ。
総合2位と総合3位であっても、充分に祝う価値があると思う。だって、僕らはまったく新しいチームで、この結果を出したんだ。僕らは、このチームとスタッフで達成したことを誇りに思う。もし、今回の体験すべてを一語で言い尽くす言葉があるとすれば、「誇り」になるだろう。僕らは誇りに思っているし、満足している。
チーム総合優勝したガーミン・サーヴェロを率いるジョナサン・ヴォーターズ監督
すばらしいツールだった。一番の満足は、われわれが成し遂げたという事実だ。
このチームはチームワーク、犠牲心、そしてユニットとしての行動力に優れている。これが今回のツールを切り抜けた理由だ。われわれは高い目標をいくつか掲げていたが、それ以上の成果を得られた。これは、われわれ全員が協力し、集中し続けたからなんだ。
自分の健闘に驚く総合4位のトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)
もし誰かが、今回のツールの一連の出来事をレース前に書いていたとしたら、僕はそれを絶対に信じられなかったと思うよ。
来年のリベンジに意欲を見せる総合5位のアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)
来年はツールに戻ってきて勝つつもりだ。このレースだけに集中する。ツールは一番重要なレースだ。だからジロには出場しない。ジロへの出場はもう二度とない。
今年のツールの期間中はずっとスムーズに走れなかった。早い段階でトラブルもあったし、ジロの疲れも残っていた。このツールの期間中は決してベストな状態ではなかった。でも、最後まで戦い続けることにした。表彰台で最後を迎えたかった。勝つためにここに来たけど、僕には良い経験となった。
(第20ステージのタイムトライアルで3位になったのは)力を多く使いすぎると、それを実感するのは翌日なんだ。あのときはツールでステージ優勝を目指すよりも、沿道の観客からの声援が力になった。ホテルの部屋に戻ったとき、僕の携帯電話はバッテリーがほとんど切れかけていた。僕の努力をねぎらうメールを絶え間なく受信し続けていたんだ。
母国のテロに心を痛めるトル・フースホフト(ノルウェー、ガーミン・サーヴェロ)
ステージ2勝は驚くべき結果だし、それにチーム総合優勝もした。すばらしいツール・ド・フランスだった。この数日間ノルウェーは辛い状況にある。この2日間のレースは、ノルウェーでの出来事に比べて、意味がないように感じたんだ。今はノルウェー全土と、今回の悲劇に巻き込まれた人々の家族や友人たちすべてを遺憾に思っている。
ノルウェーのような平和な国で、こんな事態が起きるとは予想もしてなかった。小さいけれど誇り高い国なんだ。だからこそ、この事態には動揺せずにはいられない。
これまでもツール・ド・フランスでベストを尽くしてきただけに、この結果は信じられない。去年、世界選手権で勝ったのが最大の勝利だった。でも、ツール・ド・フランスでアルカンシェルを着て、この結果を残せたことは、さらに格別な思いがある。
ソースは現地取材、記者会見、主催者公式サイト、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation&text:Taiko YAMASAKI + Seiya YAMASAKI
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