2011/07/14(木) - 12:47
ツール・ド・フランス2011第11ステージは、山岳連戦を前にした最後のスプリントステージ。完璧なリードアウトでカヴェンディッシュが制し、マイヨヴェールも獲得。活躍が期待されたペタッキは12位に沈んだ。
ステージ優勝と念願のマイヨヴェールを獲得したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)
昨日も言ったんだけど、実際にはここまでに4勝か5勝できててもいいんだ。でも、後悔はないよ。タイラー(ファラー)が勝った最初(スプリント)ステージは、自分に適していた。グライペルが僕を破った昨日のステージ——これも勝てるはずだった。
今日アンドレ(グライペル)と話して、こう言ったんだ。「専門的にいっても、昨日のスプリントは、ぼくが見た現役スプリンターによる最大級にまともなスプリント合戦だった」 彼の走りは完璧だった。だから自分の昨日の結果は失望していないんだ。
昨日は踏み込めなかった。踏み込む前にちょっと空回りした。だから今日は確実に踏み込んだ。マーク(レンショー)のリードアウトがよかった。僕は残り250mまで牽いてもらって、そこから加速して、その勢いを維持できた。
完璧なリードアウトをしてもらった。これで僕らが集団のなかではスプリントの最強チームであることを示せた。一日中、そのために走った。(今日は)6名の逃げがあった。僕らは2名を追走集団の前に出して、逃げとの差を3分以内に収めたんだ。
最後には他のチームの助けも少しあったけど、僕らは総合10位につける2名を送り込んだんだ——トニ・マルティン(総合6位)とピーター・ベリトス(総合7位)だ。ふたりは僕のために最後までがんばって、逃げ集団をつなぎ止めてくれた。
僕のまわりにいてくれるのは、信じられないほどすごいやつらなんだよ。
昨日言ったのは、自分ががっかりしてるのは、みんなが一日中働いたのに勝てなかったからだ。だから今日は埋め合わせしなきゃいけなかった。彼らが準備してくれた仕事をしっかりとやり遂げたよ。
今年はマイヨヴェールを維持できればと思う。ずっとこのジャージのために戦ってきた。すべての中間スプリントポイントを狙ったし、ゴールも狙った……。15ポイント(訳註:実際は16ポイント)の差はごくわずかだから、戦い続けるよ。
ラルスイティング・バクは機械みたいだ。彼の走りは見たことあるだろう? 僕はバクが好きなんで、今年のツール・ド・フランスにメンバーに入れてもらうように必死で頼んだんだ。だって、彼は当てに出来る戦力なんだ。晴れでも雨でも、一日中走ってくれる。そのうえ、夕食のテーブルでは、すばらしい実力を発揮するんだ。
マイヨジョーヌを維持したトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)
かなりピリピリしていた。これが今日の主な問題だった。身体がキツかったわけじゃなくて、不安のせいで問題に感じてたんだ。誰もが落車を回避したがっていて、集団内でいい位置に付けたがっていた。だから、ピリピリした雰囲気になっていたんだ。
がんばりはするけど、正直なところ明日はこのジャージを失いそうだ。もう戦わないという意味じゃないよ。様子見だよ……。
僕たちのチームのうち、3名がツール・ド・フランス初出場なんだ。それにレースの序盤でクリストフ・ケルヌを欠いてしまった。彼は重要なメンバーでとくに山岳で期待されていた。まだアントニー・シャルトーやピエール・ロラン、シリル・ゴティエが山岳向きのメンバーは残っている。でも、クリストフがいなくて残念なのは本当なんだ。
新人賞のロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)
ラース(ボーム)は残念だった。ほとんど一日中逃げ集団にいて、集団に戻ってきたのは、残り約2kmのところだった。ボームにとっては、ほぼ完璧な一日だったけど、僕らにとっては危険な一日だった。なんとか切り抜けた。
ピレネーでもツールに残っていたい。だけど、そこでの調子について、まったく自信がないんだ。でも、山岳で自分の力を見せたい
28位に沈んだアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)
仲間たちがしっかり働いて、カヴェンディッシュのトレインの後ろに僕をつかせてくれた。だから「いいスプリント」ができると確信した。調子もよかった。でも、先頭のスピードが急に落ちてしまった。
おかげで、僕から後ろの選手たちは追いつくだけで終わってしまった。その時点で、今日は店じまいだとわかった。スプリントに加われなかった。
今回もスプリントに加わる機会を逃してしまって残念だ。いい仕事をした仲間たちにも心苦しいね。
山岳前に心境を語るアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)
膝の反応がよくて、とてもうれしく思ってる。でも気をつけないといけない。今日の時点ではまだトゥールマレーに登ってないんだ。まずは脚の調子をみきわめないと。そのうえで、明日の最後の登りでの攻め方を決めたい。
今日は膝はまったく気にならなかった。雨が膝の痛みを和らげてくれたんだ。まるで氷みたいに冷たかったからね。
明日は厳しい一日になるだろう。ツールの厳しさが増す最初の日でもある。有力選手たちは、もう身を潜めることもなく、険しい山岳地帯で自分たちの実力を見せなければならない。僕も自分の脚の調子を確認するのが楽しみだよ。
(今日は)ずっと集団前方に位置取りしたいステージだった。チームがすばらしく優秀だった。登りが続く序盤で、いい位置を保てたんだ。終盤には、雨が降り出して非常に危険だった。ここでもチームのアシストがあって、落車せずに次の日を迎えられることになった。今は1分でも多くの時間を費やして、明日に備えて可能な限り回復したい。
(明日の第12ステージの)リュザルディダンでは誰もが待ち構えていると思う。誰かがレースの口火を切ることになる。おそらくシュレク兄弟だろう。でも、実際のレース展開を見るまでは、なにも言えない。それに天候も大きな影響を及ぼす要因だしね。まだ第1週の落車からの回復途中なんだ。僕の実力が発揮できるのは少し後になるだろう。でも、ピレネーもアルプスも、どちらも等しく重要になると思うよ。
*ソースは現地取材、記者会見、主催者公式サイト、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text : Taiko.YAMASAKI + Seiya.YAMASAKI
ステージ優勝と念願のマイヨヴェールを獲得したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)
昨日も言ったんだけど、実際にはここまでに4勝か5勝できててもいいんだ。でも、後悔はないよ。タイラー(ファラー)が勝った最初(スプリント)ステージは、自分に適していた。グライペルが僕を破った昨日のステージ——これも勝てるはずだった。
今日アンドレ(グライペル)と話して、こう言ったんだ。「専門的にいっても、昨日のスプリントは、ぼくが見た現役スプリンターによる最大級にまともなスプリント合戦だった」 彼の走りは完璧だった。だから自分の昨日の結果は失望していないんだ。
昨日は踏み込めなかった。踏み込む前にちょっと空回りした。だから今日は確実に踏み込んだ。マーク(レンショー)のリードアウトがよかった。僕は残り250mまで牽いてもらって、そこから加速して、その勢いを維持できた。
完璧なリードアウトをしてもらった。これで僕らが集団のなかではスプリントの最強チームであることを示せた。一日中、そのために走った。(今日は)6名の逃げがあった。僕らは2名を追走集団の前に出して、逃げとの差を3分以内に収めたんだ。
最後には他のチームの助けも少しあったけど、僕らは総合10位につける2名を送り込んだんだ——トニ・マルティン(総合6位)とピーター・ベリトス(総合7位)だ。ふたりは僕のために最後までがんばって、逃げ集団をつなぎ止めてくれた。
僕のまわりにいてくれるのは、信じられないほどすごいやつらなんだよ。
昨日言ったのは、自分ががっかりしてるのは、みんなが一日中働いたのに勝てなかったからだ。だから今日は埋め合わせしなきゃいけなかった。彼らが準備してくれた仕事をしっかりとやり遂げたよ。
今年はマイヨヴェールを維持できればと思う。ずっとこのジャージのために戦ってきた。すべての中間スプリントポイントを狙ったし、ゴールも狙った……。15ポイント(訳註:実際は16ポイント)の差はごくわずかだから、戦い続けるよ。
ラルスイティング・バクは機械みたいだ。彼の走りは見たことあるだろう? 僕はバクが好きなんで、今年のツール・ド・フランスにメンバーに入れてもらうように必死で頼んだんだ。だって、彼は当てに出来る戦力なんだ。晴れでも雨でも、一日中走ってくれる。そのうえ、夕食のテーブルでは、すばらしい実力を発揮するんだ。
マイヨジョーヌを維持したトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)
かなりピリピリしていた。これが今日の主な問題だった。身体がキツかったわけじゃなくて、不安のせいで問題に感じてたんだ。誰もが落車を回避したがっていて、集団内でいい位置に付けたがっていた。だから、ピリピリした雰囲気になっていたんだ。
がんばりはするけど、正直なところ明日はこのジャージを失いそうだ。もう戦わないという意味じゃないよ。様子見だよ……。
僕たちのチームのうち、3名がツール・ド・フランス初出場なんだ。それにレースの序盤でクリストフ・ケルヌを欠いてしまった。彼は重要なメンバーでとくに山岳で期待されていた。まだアントニー・シャルトーやピエール・ロラン、シリル・ゴティエが山岳向きのメンバーは残っている。でも、クリストフがいなくて残念なのは本当なんだ。
新人賞のロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)
ラース(ボーム)は残念だった。ほとんど一日中逃げ集団にいて、集団に戻ってきたのは、残り約2kmのところだった。ボームにとっては、ほぼ完璧な一日だったけど、僕らにとっては危険な一日だった。なんとか切り抜けた。
ピレネーでもツールに残っていたい。だけど、そこでの調子について、まったく自信がないんだ。でも、山岳で自分の力を見せたい
28位に沈んだアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)
仲間たちがしっかり働いて、カヴェンディッシュのトレインの後ろに僕をつかせてくれた。だから「いいスプリント」ができると確信した。調子もよかった。でも、先頭のスピードが急に落ちてしまった。
おかげで、僕から後ろの選手たちは追いつくだけで終わってしまった。その時点で、今日は店じまいだとわかった。スプリントに加われなかった。
今回もスプリントに加わる機会を逃してしまって残念だ。いい仕事をした仲間たちにも心苦しいね。
山岳前に心境を語るアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)
膝の反応がよくて、とてもうれしく思ってる。でも気をつけないといけない。今日の時点ではまだトゥールマレーに登ってないんだ。まずは脚の調子をみきわめないと。そのうえで、明日の最後の登りでの攻め方を決めたい。
今日は膝はまったく気にならなかった。雨が膝の痛みを和らげてくれたんだ。まるで氷みたいに冷たかったからね。
明日は厳しい一日になるだろう。ツールの厳しさが増す最初の日でもある。有力選手たちは、もう身を潜めることもなく、険しい山岳地帯で自分たちの実力を見せなければならない。僕も自分の脚の調子を確認するのが楽しみだよ。
(今日は)ずっと集団前方に位置取りしたいステージだった。チームがすばらしく優秀だった。登りが続く序盤で、いい位置を保てたんだ。終盤には、雨が降り出して非常に危険だった。ここでもチームのアシストがあって、落車せずに次の日を迎えられることになった。今は1分でも多くの時間を費やして、明日に備えて可能な限り回復したい。
(明日の第12ステージの)リュザルディダンでは誰もが待ち構えていると思う。誰かがレースの口火を切ることになる。おそらくシュレク兄弟だろう。でも、実際のレース展開を見るまでは、なにも言えない。それに天候も大きな影響を及ぼす要因だしね。まだ第1週の落車からの回復途中なんだ。僕の実力が発揮できるのは少し後になるだろう。でも、ピレネーもアルプスも、どちらも等しく重要になると思うよ。
*ソースは現地取材、記者会見、主催者公式サイト、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text : Taiko.YAMASAKI + Seiya.YAMASAKI
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