2009/05/11(月) - 11:45
2009年5月10日に開催されたジロ・デ・イタリア第2ステージ。今大会最初のロードステージは、予想通り集団スプリントとなり、アレッサンドロ・ペタッキ(LPRブレークス、イタリア)が復活勝利を飾った。
先頭でこの2名が懸命に逃げている頃、集団後方ではクラッシュが発生。マティアス・ルス(ドイツ、ミルラム)が落車して鎖骨を骨折。担架で運ばれ、今大会初のリタイヤ選手となってしまった。
山岳ポイント手前では、イェーレ・ファネンデルト(ベルギー、サイレンス・ロット)がアタック。これにダビ・ガルシア(スペイン、シャコベオ・ガリシア)、ニキータ・エスコフ(ロシア、カチューシャ)が反応し、ガーミン・スリップストリームの選手が抑えに入る。
そして山岳ポイントはダビ・ガルシア(スペイン、シャコベオ・ガリシア)、エロス・カペッキ(イタリア、フジ・セルヴェット)、アンドレー・グリブコ(ウクライナ、ISD)の順で通過した。
しかしこの逃げもやがて吸収される。
さらに、最後の上りでフィリップ・ジルベール(ベルギー、サイレンス・ロット)が仕掛け、エンリーコ・ガスパロット(イタリア、ランプレ)、フィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)の2名が反応。かなり強力なメンバーでの逃げとなったが、残り約2kmで吸収。
1つの集団に戻り、ゴールに向け緊張感が高まる中、リクイガスのアシスト選手が何度も振り返りイヴァン・バッソ(イタリア)の姿を探す光景が見られた。このとき、バッソやリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)は落車による集団分裂に巻き込まれ、後続に取り残されていたのだ。バッソ、ライプハイマーはこれによりタイムを失うこととなってしまった。
残り1km、エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア)、マーク・レンショー(オーストラリア、チームコロンビア)に引かれ、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)がゴールを目指す。
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)の背後には、ライバルスプリンターのアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、LPRブレークス)、タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・スリップストリーム)、フアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク)の姿があった。
ゴール手前、カヴェンディッシュのアシストのカードが最後の1枚となった。2番手につけていたカヴェンディッシュがこのまま順当に勝利するのかと思われたが、まさにカヴェンディッシュが解き放たれようとする瞬間、左サイドからペタッキが猛然とアタックをかけた。
カヴェンディッシュもすぐさま反応したが、懸命な追い上げは最後まで届かなかった。
そして先行を続けたペタッキが雄叫びを上げてゴールラインを切った。磐石のカヴェンディッシュを力でねじ伏せての勝利だった。
「去年のジロはテレビで見てたよ。つらかったね」とペタッキは語る。
ペタッキは、2007年に持病の気管支喘息の治療略であるサルブタモールの過剰摂取が判明し、2007年のジロの勝利がすべて取り消され、さらに昨年のツール出場も取り消され、チームミルラムを解雇されるなど、不遇の時期が続いていた。
「今回の勝利は、トラブル後初めてのジロでの勝利だ。そういう意味で、僕にとっては非常に大きなステージ優勝だった。この場に戻ってこられて本当にうれしいよ」と語るペタッキ。
他方、マリアローザを守ったものの、表彰台ではまったく笑顔のなかったカヴェンディッシュ。
「チームは本当によくやってくれたと思うよ。完璧だった。ラストを除いては。普通なら僕は早めに仕掛けるんだけど、ちょっと遅れてしまった。スプリントしようと思ったときには遅すぎたんだ。ペタッキは本当に強かったよ」
また、最終局面の落車の影響を受けて、総合争い有力候補のイヴァン・バッソ(リクイガス)とリーヴァイ・ライプハイマー(アスタナ)の二人がともに13秒の遅れを喫することになった。
グラード~ヴァルドッビアーデネの198kmで争われる第3ステージは、レース序盤の最後の平坦ステージだ。この後ピュアスプリンターが活躍できるチャンスは、第9ステージのミラノまでない。
ゴール地点のヴァルドッビアーネの周回コースには標高差100mほどの上りがあるが、あとはほぼ平坦なこのステージ。
ペタッキ、カヴェンディッシュをはじめ、スプリンターの熾烈な争いが再び見られるだろう。勝利は誰の手に?
ジロ・デ・イタリア2009第2ステージ結果
1位 アレッサンドロ・ペタッキ(LPRブレークス、イタリア) 3h43'07"
2位 マーク・カヴェンディッシュ(チームコロンビア、イギリス) +0"
3位 ベン・スウィフト(カチューシャ、イギリス) +0"
4位 アラン・デーヴィス(クイックステップ、オーストラリア) +0"
5位 タイラー・ファラー(ガーミン・スリップストリーム、アメリカ) +0"
6位 オスカル・ガット(ISD、イタリア) +0"
7位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(ランプレ、イタリア) +0"
8位 ダヴィデ・ヴィガーノ(フジ・セルヴェット、イタリア) +0"
9位 マヌエーレ・モーリ(ランプレ、イタリア) +0"
10位 ドリス・デヴェナインス(クイックステップ、ベルギー) +0"
個人総合成績
1位 マーク・カヴェンディッシュ(チームコロンビア、イギリス) 4h04'43"
2位 マーク・レンショー(チームコロンビア、オーストラリア) +14"
3位 マイケル・ロジャース(チームコロンビア、オーストラリア) +14"
4位 トーマス・ロヴクヴィスト(チームコロンビア、スウェーデン) +14"
5位 イドヴァルド・ボアッソン(チームコロンビア、ノルウェー) +14"
6位 タイラー・ファラー(ガーミン・スリップストリーム、アメリカ) +16"
7位 アレッサンドロ・ペタッキ(LPRブレークス、イタリア) +16"
8位 クリスティアン・ヴァンデヴェルデ(ガーミン・スリップストリーム、アメリカ) 20"
9位 ブラドレー・ウィギンズ(ガーミン・スリップストリーム、イギリス) +20"
10位 ランス・アームストロング(アスタナ、アメリカ) +27"
ポイント賞 マリアチクラミーノ
アレッサンドロ・ペタッキ(LPRブレークス、イタリア)
山岳賞 マリアヴェルデ
ダビ・ガルシア(スペイン、シャコベオ・ガリシア)
新人賞 マリアビアンカ
マーク・カヴェンディッシュ(チームコロンビア、イギリス)
チーム総合成績
チームコロンビア
先頭でこの2名が懸命に逃げている頃、集団後方ではクラッシュが発生。マティアス・ルス(ドイツ、ミルラム)が落車して鎖骨を骨折。担架で運ばれ、今大会初のリタイヤ選手となってしまった。
山岳ポイント手前では、イェーレ・ファネンデルト(ベルギー、サイレンス・ロット)がアタック。これにダビ・ガルシア(スペイン、シャコベオ・ガリシア)、ニキータ・エスコフ(ロシア、カチューシャ)が反応し、ガーミン・スリップストリームの選手が抑えに入る。
そして山岳ポイントはダビ・ガルシア(スペイン、シャコベオ・ガリシア)、エロス・カペッキ(イタリア、フジ・セルヴェット)、アンドレー・グリブコ(ウクライナ、ISD)の順で通過した。
しかしこの逃げもやがて吸収される。
さらに、最後の上りでフィリップ・ジルベール(ベルギー、サイレンス・ロット)が仕掛け、エンリーコ・ガスパロット(イタリア、ランプレ)、フィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)の2名が反応。かなり強力なメンバーでの逃げとなったが、残り約2kmで吸収。
1つの集団に戻り、ゴールに向け緊張感が高まる中、リクイガスのアシスト選手が何度も振り返りイヴァン・バッソ(イタリア)の姿を探す光景が見られた。このとき、バッソやリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)は落車による集団分裂に巻き込まれ、後続に取り残されていたのだ。バッソ、ライプハイマーはこれによりタイムを失うこととなってしまった。
残り1km、エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア)、マーク・レンショー(オーストラリア、チームコロンビア)に引かれ、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)がゴールを目指す。
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)の背後には、ライバルスプリンターのアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、LPRブレークス)、タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・スリップストリーム)、フアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク)の姿があった。
ゴール手前、カヴェンディッシュのアシストのカードが最後の1枚となった。2番手につけていたカヴェンディッシュがこのまま順当に勝利するのかと思われたが、まさにカヴェンディッシュが解き放たれようとする瞬間、左サイドからペタッキが猛然とアタックをかけた。
カヴェンディッシュもすぐさま反応したが、懸命な追い上げは最後まで届かなかった。
そして先行を続けたペタッキが雄叫びを上げてゴールラインを切った。磐石のカヴェンディッシュを力でねじ伏せての勝利だった。
「去年のジロはテレビで見てたよ。つらかったね」とペタッキは語る。
ペタッキは、2007年に持病の気管支喘息の治療略であるサルブタモールの過剰摂取が判明し、2007年のジロの勝利がすべて取り消され、さらに昨年のツール出場も取り消され、チームミルラムを解雇されるなど、不遇の時期が続いていた。
「今回の勝利は、トラブル後初めてのジロでの勝利だ。そういう意味で、僕にとっては非常に大きなステージ優勝だった。この場に戻ってこられて本当にうれしいよ」と語るペタッキ。
他方、マリアローザを守ったものの、表彰台ではまったく笑顔のなかったカヴェンディッシュ。
「チームは本当によくやってくれたと思うよ。完璧だった。ラストを除いては。普通なら僕は早めに仕掛けるんだけど、ちょっと遅れてしまった。スプリントしようと思ったときには遅すぎたんだ。ペタッキは本当に強かったよ」
また、最終局面の落車の影響を受けて、総合争い有力候補のイヴァン・バッソ(リクイガス)とリーヴァイ・ライプハイマー(アスタナ)の二人がともに13秒の遅れを喫することになった。
グラード~ヴァルドッビアーデネの198kmで争われる第3ステージは、レース序盤の最後の平坦ステージだ。この後ピュアスプリンターが活躍できるチャンスは、第9ステージのミラノまでない。
ゴール地点のヴァルドッビアーネの周回コースには標高差100mほどの上りがあるが、あとはほぼ平坦なこのステージ。
ペタッキ、カヴェンディッシュをはじめ、スプリンターの熾烈な争いが再び見られるだろう。勝利は誰の手に?
ジロ・デ・イタリア2009第2ステージ結果
1位 アレッサンドロ・ペタッキ(LPRブレークス、イタリア) 3h43'07"
2位 マーク・カヴェンディッシュ(チームコロンビア、イギリス) +0"
3位 ベン・スウィフト(カチューシャ、イギリス) +0"
4位 アラン・デーヴィス(クイックステップ、オーストラリア) +0"
5位 タイラー・ファラー(ガーミン・スリップストリーム、アメリカ) +0"
6位 オスカル・ガット(ISD、イタリア) +0"
7位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(ランプレ、イタリア) +0"
8位 ダヴィデ・ヴィガーノ(フジ・セルヴェット、イタリア) +0"
9位 マヌエーレ・モーリ(ランプレ、イタリア) +0"
10位 ドリス・デヴェナインス(クイックステップ、ベルギー) +0"
個人総合成績
1位 マーク・カヴェンディッシュ(チームコロンビア、イギリス) 4h04'43"
2位 マーク・レンショー(チームコロンビア、オーストラリア) +14"
3位 マイケル・ロジャース(チームコロンビア、オーストラリア) +14"
4位 トーマス・ロヴクヴィスト(チームコロンビア、スウェーデン) +14"
5位 イドヴァルド・ボアッソン(チームコロンビア、ノルウェー) +14"
6位 タイラー・ファラー(ガーミン・スリップストリーム、アメリカ) +16"
7位 アレッサンドロ・ペタッキ(LPRブレークス、イタリア) +16"
8位 クリスティアン・ヴァンデヴェルデ(ガーミン・スリップストリーム、アメリカ) 20"
9位 ブラドレー・ウィギンズ(ガーミン・スリップストリーム、イギリス) +20"
10位 ランス・アームストロング(アスタナ、アメリカ) +27"
ポイント賞 マリアチクラミーノ
アレッサンドロ・ペタッキ(LPRブレークス、イタリア)
山岳賞 マリアヴェルデ
ダビ・ガルシア(スペイン、シャコベオ・ガリシア)
新人賞 マリアビアンカ
マーク・カヴェンディッシュ(チームコロンビア、イギリス)
チーム総合成績
チームコロンビア
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