2011/07/01(金) - 22:38
ツール・ド・フランス山岳最強の証、それがマイヨブラン・ア・ポワ・ルージュ(略してマイヨアポワ)。他の3賞ジャージが単色であるのに対して、このマイヨアポワはホワイトジャージに赤玉を配した奇抜なデザイン。プロトンの中でも判別は容易だ。
スプリントポイント同様、今年は山岳賞のポイント配分にも手が加えられた。簡単に言うと、カテゴリー山岳でポイントを獲得する人数が減少。昨年までは上位10名にポイントが与えられていたが、今年からは上位6名に絞られる。4級山岳に至っては、ポイントが与えられるのは先頭通過の選手のみ。
つまりマイヨアポワを狙うためには、単純に、積極的に難易度の高いカテゴリー山岳を狙わなければならない。超級山岳を先頭通過した選手には20ポイント。超級山岳の頂上ゴールのポイントが2倍計算になるシステムは昨年までと変わらない。
カテゴリー山岳のポイント配分(第12、14、18、19ステージのゴールはポイント2倍)
・超級山岳 1位20ポイント、2位16ポイント、3位12ポイント、4位8ポイント、5位4ポイント、6位2ポイント
・1級山岳 1位10ポイント、2位8ポイント、3位6ポイント、4位4ポイント、5位2ポイント、6位1ポイント
・2級山岳 1位5ポイント、2位3ポイント、3位2ポイント、4位1ポイント
・3級山岳 1位2ポイント、2位1ポイント
・4級山岳 1位1ポイント
昨年、6年ぶりにマイヨアポワをフランスにもたらしたアントニー・シャルトー(フランス、ユーロップカー)は、もちろんタイトル防衛を狙っている。今シーズンは登坂力の強化に取り組んだというシャルトー。連覇のためには、ポイント2倍の超級山岳頂上ゴールで上位に絡む走りが要求される。
チームメイトのクリストフ・ケルヌ(フランス)はクリテリウム・ドゥ・ドーフィネの山岳ステージで優勝しており、チームとして山岳賞を狙う体制が整っている。
ツールの山岳ステージ通算2勝を飾っているダヴィ・モンクティエ(フランス、コフィディス)は2年ぶりの出場。山岳で輝きを放つ(平地では全く動かない)モンクティエは、2008年から3年連続ブエルタ・ア・エスパーニャで山岳賞を獲得している。総合成績には目もくれず、山岳での活躍を虎視眈々と狙っているはずだ。
レミ・ディグレゴリオ(アスタナ)やサンディ・カザール(FDJ)ら、地元フランスからは多くのクライマーが出場する。スペイン勢としては、バスク出身のエゴイ・マルティネス(エウスカルテル)らが有力だ。
そして、今回山岳賞争いの台風の目になり得るのがダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD)だ。2004年のジロ・デ・イタリア初制覇後、クネゴはオールラウンダーとして伸び悩んでいたが、今年のツール・ド・スイスで息を吹き返した。苦手な個人タイムトライアルで逆転されて総合2位に終わったものの、山岳では抜群の登坂力を発揮。カラダも絞れており、山岳ステージではその存在感を見せてくれるに違いない。
2010年ツールの山岳賞ランキング(チーム名は当時の所属チーム)
1位 アントニー・シャルトー(フランス、Bboxブイグテレコム) 143pts
2位 クリストフ・モロー(フランス、ケースデパーニュ) 128pts
3位 アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク) 116pts
4位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ) 112pts
5位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ) 99pts
6位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル) 96pts
7位 サンディ・カザール(フランス、フランセーズデジュー) 93pts
8位 ジェローム・ピノー(フランス、クイックステップ) 92pts
9位 トマ・ヴォクレール(フランス、Bboxブイグテレコム) 82pts
10位 ピエリック・フェドリゴ(フランス、Bboxブイグテレコム) 72pts
歴代のマイヨアポワ受賞者
2010年 アントニー・シャルトー(フランス)
2009年 フランコ・ペッリツォッティ(イタリア)ドーピング違反により失格
2008年 ベルンハート・コール(オーストリア)ドーピング違反により失格
2007年 マウリシオ・ソレール(コロンビア)
2006年 ミカエル・ラスムッセン(デンマーク)
2005年 ミカエル・ラスムッセン(デンマーク)
2004年 リシャール・ヴィランク(フランス)
2003年 リシャール・ヴィランク(フランス)
2002年 ローラン・ジャラベール(フランス)
2001年 ローラン・ジャラベール(フランス)
2000年 サンティアゴ・ボテーロ(コロンビア)
1999年 リシャール・ヴィランク(フランス)
1998年 クリストフ・リネロ(フランス)
1997年 リシャール・ヴィランク(フランス)
1996年 リシャール・ヴィランク(フランス)
1995年 リシャール・ヴィランク(フランス)
1994年 リシャール・ヴィランク(フランス)
1993年 トニー・ロミンガー(スイス)
1992年 クラウディオ・キャプッチ(イタリア)
1991年 クラウディオ・キャプッチ(イタリア)
1990年 ティエリー・クラヴェロラ(フランス)
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
スプリントポイント同様、今年は山岳賞のポイント配分にも手が加えられた。簡単に言うと、カテゴリー山岳でポイントを獲得する人数が減少。昨年までは上位10名にポイントが与えられていたが、今年からは上位6名に絞られる。4級山岳に至っては、ポイントが与えられるのは先頭通過の選手のみ。
つまりマイヨアポワを狙うためには、単純に、積極的に難易度の高いカテゴリー山岳を狙わなければならない。超級山岳を先頭通過した選手には20ポイント。超級山岳の頂上ゴールのポイントが2倍計算になるシステムは昨年までと変わらない。
カテゴリー山岳のポイント配分(第12、14、18、19ステージのゴールはポイント2倍)
・超級山岳 1位20ポイント、2位16ポイント、3位12ポイント、4位8ポイント、5位4ポイント、6位2ポイント
・1級山岳 1位10ポイント、2位8ポイント、3位6ポイント、4位4ポイント、5位2ポイント、6位1ポイント
・2級山岳 1位5ポイント、2位3ポイント、3位2ポイント、4位1ポイント
・3級山岳 1位2ポイント、2位1ポイント
・4級山岳 1位1ポイント
昨年、6年ぶりにマイヨアポワをフランスにもたらしたアントニー・シャルトー(フランス、ユーロップカー)は、もちろんタイトル防衛を狙っている。今シーズンは登坂力の強化に取り組んだというシャルトー。連覇のためには、ポイント2倍の超級山岳頂上ゴールで上位に絡む走りが要求される。
チームメイトのクリストフ・ケルヌ(フランス)はクリテリウム・ドゥ・ドーフィネの山岳ステージで優勝しており、チームとして山岳賞を狙う体制が整っている。
ツールの山岳ステージ通算2勝を飾っているダヴィ・モンクティエ(フランス、コフィディス)は2年ぶりの出場。山岳で輝きを放つ(平地では全く動かない)モンクティエは、2008年から3年連続ブエルタ・ア・エスパーニャで山岳賞を獲得している。総合成績には目もくれず、山岳での活躍を虎視眈々と狙っているはずだ。
レミ・ディグレゴリオ(アスタナ)やサンディ・カザール(FDJ)ら、地元フランスからは多くのクライマーが出場する。スペイン勢としては、バスク出身のエゴイ・マルティネス(エウスカルテル)らが有力だ。
そして、今回山岳賞争いの台風の目になり得るのがダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD)だ。2004年のジロ・デ・イタリア初制覇後、クネゴはオールラウンダーとして伸び悩んでいたが、今年のツール・ド・スイスで息を吹き返した。苦手な個人タイムトライアルで逆転されて総合2位に終わったものの、山岳では抜群の登坂力を発揮。カラダも絞れており、山岳ステージではその存在感を見せてくれるに違いない。
2010年ツールの山岳賞ランキング(チーム名は当時の所属チーム)
1位 アントニー・シャルトー(フランス、Bboxブイグテレコム) 143pts
2位 クリストフ・モロー(フランス、ケースデパーニュ) 128pts
3位 アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク) 116pts
4位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ) 112pts
5位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ) 99pts
6位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル) 96pts
7位 サンディ・カザール(フランス、フランセーズデジュー) 93pts
8位 ジェローム・ピノー(フランス、クイックステップ) 92pts
9位 トマ・ヴォクレール(フランス、Bboxブイグテレコム) 82pts
10位 ピエリック・フェドリゴ(フランス、Bboxブイグテレコム) 72pts
歴代のマイヨアポワ受賞者
2010年 アントニー・シャルトー(フランス)
2009年 フランコ・ペッリツォッティ(イタリア)ドーピング違反により失格
2008年 ベルンハート・コール(オーストリア)ドーピング違反により失格
2007年 マウリシオ・ソレール(コロンビア)
2006年 ミカエル・ラスムッセン(デンマーク)
2005年 ミカエル・ラスムッセン(デンマーク)
2004年 リシャール・ヴィランク(フランス)
2003年 リシャール・ヴィランク(フランス)
2002年 ローラン・ジャラベール(フランス)
2001年 ローラン・ジャラベール(フランス)
2000年 サンティアゴ・ボテーロ(コロンビア)
1999年 リシャール・ヴィランク(フランス)
1998年 クリストフ・リネロ(フランス)
1997年 リシャール・ヴィランク(フランス)
1996年 リシャール・ヴィランク(フランス)
1995年 リシャール・ヴィランク(フランス)
1994年 リシャール・ヴィランク(フランス)
1993年 トニー・ロミンガー(スイス)
1992年 クラウディオ・キャプッチ(イタリア)
1991年 クラウディオ・キャプッチ(イタリア)
1990年 ティエリー・クラヴェロラ(フランス)
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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