2009/05/10(日) - 03:41
ジロ・デ・イタリアに参戦中のアスタナが、スポンサーの財政危機により1ヶ月以内にUCIプロツアーライセンスを停止される可能性があることが判明している。
欧州の複数のメディアが伝えるところによれば、現在アスタナは財政上のトラブルによりUCI からプロツアーライセンスを停止される危機にあるという。
ライセンスを失った場合、チームはプロツアーレースや他のメジャーレースへの参加が難しくなってしまう。
アスタナはカザフスタンの複数の国営企業などがスポンサーとなって資金拠出しているチームだが、スポンサーからのチームへの支払いが滞り、現在UCIへ収める保証金が払えない状況にあるという。
UCIプロツアー登録チームの場合、チームは通常、選手とスタッフの給与の未払いを防ぐための保証金(全選手とスタッフの給与の合計額の25パーセント、もしくは約100万スイスフラン)をUCIに納めなくてはならない規定がある。それらは未払いが起こった際にUCIから選手とスタッフに支払われることになるが、ここまでアスタナは複数名の選手に給与未払いがあり、そのなかにはアルベルト・コンタドールも入っていたという。
UCIから選手やスタッフへの保証金の拠出があった後、チームは再びUCIに対して保証金を補填しなくてはならない。UCIはアスタナチームに保証金を再度納めるように督促していたが、その期限が約3週間後だという。
アスタナチームへスポンサーから支払われる資金はカザフスタン自転車競技連盟がまず受け取り、チーム運営母体へと支払われる流れになっているが、世界不況のあおりで経済状態が悪化したカザフスタンではスポンサーの国営企業も経営状態に余裕が無くなり、すでにスポンサーのうちの1企業はチームからの完全撤退を発表している。
必要額は約2百万ドル、残された時間は3週間。現在、カザフ自転車競技連盟と"アスタナプロジェクト"の発起人であり元首相のダニヤル・アフメトフ国防相が政治レベルでスポンサー企業と交渉中と言われている。しかしこのまま未払いが続けば、アスタナはジロ期間中にプロツアーライセンスを失うことになりかねない。
アスタナのヨハン・ブリュイネール監督は「ジロ期間中にスポンサーたちが問題を解決してくれることを希望している。もしそれが見つからなければ我々は別の答えを見つけるだろう」とコメントしている。
アスタナでカムバックしたアームストロングが最近、自身で新たなチームを立ち上げ、マネージャー兼選手としてチームを運営したいという意向があることをメディアに対してコメントしていたが、その背景には今回のチームの財政上の問題があったものと見られている。
トレック・リブストロングU23チームの設立時にも将来的に同チームをプロツアーチームにしたいという意向をアームストロングが表明していることからも、アームストロングがつながりの深いスポンサーに呼びかけて新チームへの体制作りをする可能性がありそうだ。
ジロ・デ・イタリアはヒストリカルレースにあたり、開催期間中にライセンスが切れたとしても途中でチームが除外されるという事態にはならないはずだが、その後のUCIワールドカレンダーのレースにおいては参加自体が認められない可能性が高い。シーズン半ばにしてアスタナのチーム名が変わることになりそうな気配だ。
text:Makoto.AYANO
photo:Kei.TSUJI
欧州の複数のメディアが伝えるところによれば、現在アスタナは財政上のトラブルによりUCI からプロツアーライセンスを停止される危機にあるという。
ライセンスを失った場合、チームはプロツアーレースや他のメジャーレースへの参加が難しくなってしまう。
アスタナはカザフスタンの複数の国営企業などがスポンサーとなって資金拠出しているチームだが、スポンサーからのチームへの支払いが滞り、現在UCIへ収める保証金が払えない状況にあるという。
UCIプロツアー登録チームの場合、チームは通常、選手とスタッフの給与の未払いを防ぐための保証金(全選手とスタッフの給与の合計額の25パーセント、もしくは約100万スイスフラン)をUCIに納めなくてはならない規定がある。それらは未払いが起こった際にUCIから選手とスタッフに支払われることになるが、ここまでアスタナは複数名の選手に給与未払いがあり、そのなかにはアルベルト・コンタドールも入っていたという。
UCIから選手やスタッフへの保証金の拠出があった後、チームは再びUCIに対して保証金を補填しなくてはならない。UCIはアスタナチームに保証金を再度納めるように督促していたが、その期限が約3週間後だという。
アスタナチームへスポンサーから支払われる資金はカザフスタン自転車競技連盟がまず受け取り、チーム運営母体へと支払われる流れになっているが、世界不況のあおりで経済状態が悪化したカザフスタンではスポンサーの国営企業も経営状態に余裕が無くなり、すでにスポンサーのうちの1企業はチームからの完全撤退を発表している。
必要額は約2百万ドル、残された時間は3週間。現在、カザフ自転車競技連盟と"アスタナプロジェクト"の発起人であり元首相のダニヤル・アフメトフ国防相が政治レベルでスポンサー企業と交渉中と言われている。しかしこのまま未払いが続けば、アスタナはジロ期間中にプロツアーライセンスを失うことになりかねない。
アスタナのヨハン・ブリュイネール監督は「ジロ期間中にスポンサーたちが問題を解決してくれることを希望している。もしそれが見つからなければ我々は別の答えを見つけるだろう」とコメントしている。
アスタナでカムバックしたアームストロングが最近、自身で新たなチームを立ち上げ、マネージャー兼選手としてチームを運営したいという意向があることをメディアに対してコメントしていたが、その背景には今回のチームの財政上の問題があったものと見られている。
トレック・リブストロングU23チームの設立時にも将来的に同チームをプロツアーチームにしたいという意向をアームストロングが表明していることからも、アームストロングがつながりの深いスポンサーに呼びかけて新チームへの体制作りをする可能性がありそうだ。
ジロ・デ・イタリアはヒストリカルレースにあたり、開催期間中にライセンスが切れたとしても途中でチームが除外されるという事態にはならないはずだが、その後のUCIワールドカレンダーのレースにおいては参加自体が認められない可能性が高い。シーズン半ばにしてアスタナのチーム名が変わることになりそうな気配だ。
text:Makoto.AYANO
photo:Kei.TSUJI