2011/05/29(日) - 15:28
ジロで2008年以来のステージ勝利を挙げたベラルーシ出身のヴァシル・キリエンカ(モビスターチーム)は、勝利を今は亡きチームメイトのトンドに捧げた。難しい山岳を独走で逃げきる力の秘密はどこにあるのか? マリアローザを守ったコンタドールは事実上ジロの勝利をここで決めた。
ステージ優勝を挙げたヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、モビスターチーム)
今日の勝利を捧げるのは、もちろん友人だったトンドだ。北の(クラシック)レースで彼のことはよく知っていた。彼はとてもいい奴で、自転車レースを楽しんでいた。自転車レースにある苦しみも愛していた。
彼のことを記憶にとどめる最良の方法は勝つこと。それができてとても嬉しい。彼の死の後、ぼくたちは彼の思い出と情熱を称えるためにジロに残ったんだ。
今日は第20ステージ、そして3年前に勝利したのは第19ステージだった。ここまで距離を乗って結果が出せる。ジロの序盤は、皆のスピードがとてもとても速くて、スプリンターチームも逃げを許さないようにコントロールしてくる。最終週になると僕の持久力で勝負できるから、強みが発揮できる。僕は自分の疲労耐性について理解しているんだ。
-- 君はチェルノブイリの出身だね?
そう。僕は近くの村の出身で、ぼくの兄弟は今もそこで暮らしている。その話がなぜ出てくるの? 僕は父を早くに亡くしたけれど、チェルノブイリとは関係なかった。ロシアには他に解決しなければならない問題が山積みなんだ。
-- トラックレースの経験が生きた?
ぼくはトラックレースのポイントレースを得意種目にしていた。スプリントで勝ったことはないよ。スピードよりも持久力が必要な種目が得意。
近年、ぼくは上りの力がついてきている。ジロでもときどき偉大なチャンピオンたちに近づくことが出来ている。このジロには総合成績を狙ってきたけど、ジャウ峠で危機に陥って、その回復に長く時間がかかってしまった。今日は調子が良いのを感じていたから最初の1kmからからチームにとって理想的な勝ちレースができた。
-- ベラルーシ人の君はどこで生活を送っているの?
ここ3年ほどパンプローナに住んでいる。かつてイタリアに住んでいて、とても気に入っていたけど、パンプローナのほうが気楽にしていられる。そこなら家族も一緒に居られるしね。イタリアでの暮らしはいいけど、ときどき混乱することがある。ぼくにとってはナバラが安息の地だね。
-- 家族について
僕の息子はちょうど歩き始めたばかり。でも長く会っていないんだ。だから明日の夜すぐに家に帰るんだ。ロシアからミンスク(ベラルーシの首都)まで270km移動があるけど、一刻も早く小さな僕の家族に会いたいんだ。
総合優勝をほぼ手中にしたアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)
-- アルベルト、ジロは終わったね?
勝利が近づいた。あとは何事もなければいい。エトナからずっと信じられないぐらいの好調が続いている。
家族に、ファンに、皆に感謝しているよ。
勝利はハードな練習の賜だ。そしてこの2週間、「108番」を頭と心に思い浮かべながら走ったことを強調したいよ。
-- ライバルのニーバリとスカルポーニは2位争いをしているけれど?
ニーバリとスカルポーニの2位争いはすごいものになるだろうね。彼らの力はほぼ同じ。死力を尽くした戦いになるだろうね。
-- 今日のステージはどうだった?フィネストレの感想は?
景色をたくさん楽しんだよ。フィネストレは素晴らしいところだった。写真で見て想像するだけだった。
その他レースのことでは、ペースを守って、頑張りすぎないようにするだけだった。ライバルたちの動きを見ていれば良かった。秒差を稼ぐ必要はなかったから。
-- 明日はステージ優勝に向けてトライする?
僕は自分のカーブを気をつければいいだけだ。ステージ優勝しようと急ぐ必要もない。
例えば23秒差で勝ったツール・ド・フランスや、ブエルタ・ア・エスパーニャのときよりは、ずっと平静でいられるよ。できるだけ速くは走るけど、いまはステージ優勝は考えていない。
最後に向けてすごく集中しているけど、同時にどう祝福するかも楽しみに考えているよ。
-- この3週間で何かが変わった?
今すぐそれを分析するのは難しいね。すべてうまく行ったということは言えるけれど。調子も、チームも、タイム差を稼ぐために状況をうまくコントロールした。そうすれば結果がついてきたとね。
マリアビアンカを守ったロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ) ホテルにヘリコプターで直行
セストリエーレからミラノまで、人生始めてのヘリコプターに乗っているよ!山の眺めが素晴らしくって、とても楽しんでいる。写真を見て! @Yottan(中野喜文マッサー)も空の旅を楽しんでいるよ。ティラ(ティラロンゴ)とアルベルト(コンタドール)も一緒さ。
コンタドール、クロイツィゲル、ティラロンゴの3人とヘリコプターに乗った中野喜文マッサー(アスタナ)
これから生まれて初めてヘリコプターに乗る。しかもクロイツィゲル、ティラロンゴ、コンタドールの3人と私という人恐ろしく場違いな状況。ミラノまで1時間とのこと。到着後すぐマッサージ。
ヘリコプター初のクロイツィゲル、ティラロンゴ、私がはしゃいでいる状況。コンタドールは慣れてるのか落ち着いてます。操縦士が見たい所あれば遠回りすると言ってますが疲れもあるので直行します。携帯電波が入るくらい低空飛行。
個人総合成績争いの裏で、チーム総合優勝争いも実は白熱しています。アスタナは現在1位。チームの全選手にとって最終日のゴールまで気の抜けない戦いになります。
※ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、主催新聞ガゼッタ・デッロ・スポルト紙、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
text:Makoto.AYANO
photo:Kei Tsuji,Riccardo Scanferla,CorVos
ステージ優勝を挙げたヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、モビスターチーム)
今日の勝利を捧げるのは、もちろん友人だったトンドだ。北の(クラシック)レースで彼のことはよく知っていた。彼はとてもいい奴で、自転車レースを楽しんでいた。自転車レースにある苦しみも愛していた。
彼のことを記憶にとどめる最良の方法は勝つこと。それができてとても嬉しい。彼の死の後、ぼくたちは彼の思い出と情熱を称えるためにジロに残ったんだ。
今日は第20ステージ、そして3年前に勝利したのは第19ステージだった。ここまで距離を乗って結果が出せる。ジロの序盤は、皆のスピードがとてもとても速くて、スプリンターチームも逃げを許さないようにコントロールしてくる。最終週になると僕の持久力で勝負できるから、強みが発揮できる。僕は自分の疲労耐性について理解しているんだ。
-- 君はチェルノブイリの出身だね?
そう。僕は近くの村の出身で、ぼくの兄弟は今もそこで暮らしている。その話がなぜ出てくるの? 僕は父を早くに亡くしたけれど、チェルノブイリとは関係なかった。ロシアには他に解決しなければならない問題が山積みなんだ。
-- トラックレースの経験が生きた?
ぼくはトラックレースのポイントレースを得意種目にしていた。スプリントで勝ったことはないよ。スピードよりも持久力が必要な種目が得意。
近年、ぼくは上りの力がついてきている。ジロでもときどき偉大なチャンピオンたちに近づくことが出来ている。このジロには総合成績を狙ってきたけど、ジャウ峠で危機に陥って、その回復に長く時間がかかってしまった。今日は調子が良いのを感じていたから最初の1kmからからチームにとって理想的な勝ちレースができた。
-- ベラルーシ人の君はどこで生活を送っているの?
ここ3年ほどパンプローナに住んでいる。かつてイタリアに住んでいて、とても気に入っていたけど、パンプローナのほうが気楽にしていられる。そこなら家族も一緒に居られるしね。イタリアでの暮らしはいいけど、ときどき混乱することがある。ぼくにとってはナバラが安息の地だね。
-- 家族について
僕の息子はちょうど歩き始めたばかり。でも長く会っていないんだ。だから明日の夜すぐに家に帰るんだ。ロシアからミンスク(ベラルーシの首都)まで270km移動があるけど、一刻も早く小さな僕の家族に会いたいんだ。
総合優勝をほぼ手中にしたアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)
-- アルベルト、ジロは終わったね?
勝利が近づいた。あとは何事もなければいい。エトナからずっと信じられないぐらいの好調が続いている。
家族に、ファンに、皆に感謝しているよ。
勝利はハードな練習の賜だ。そしてこの2週間、「108番」を頭と心に思い浮かべながら走ったことを強調したいよ。
-- ライバルのニーバリとスカルポーニは2位争いをしているけれど?
ニーバリとスカルポーニの2位争いはすごいものになるだろうね。彼らの力はほぼ同じ。死力を尽くした戦いになるだろうね。
-- 今日のステージはどうだった?フィネストレの感想は?
景色をたくさん楽しんだよ。フィネストレは素晴らしいところだった。写真で見て想像するだけだった。
その他レースのことでは、ペースを守って、頑張りすぎないようにするだけだった。ライバルたちの動きを見ていれば良かった。秒差を稼ぐ必要はなかったから。
-- 明日はステージ優勝に向けてトライする?
僕は自分のカーブを気をつければいいだけだ。ステージ優勝しようと急ぐ必要もない。
例えば23秒差で勝ったツール・ド・フランスや、ブエルタ・ア・エスパーニャのときよりは、ずっと平静でいられるよ。できるだけ速くは走るけど、いまはステージ優勝は考えていない。
最後に向けてすごく集中しているけど、同時にどう祝福するかも楽しみに考えているよ。
-- この3週間で何かが変わった?
今すぐそれを分析するのは難しいね。すべてうまく行ったということは言えるけれど。調子も、チームも、タイム差を稼ぐために状況をうまくコントロールした。そうすれば結果がついてきたとね。
マリアビアンカを守ったロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ) ホテルにヘリコプターで直行
セストリエーレからミラノまで、人生始めてのヘリコプターに乗っているよ!山の眺めが素晴らしくって、とても楽しんでいる。写真を見て! @Yottan(中野喜文マッサー)も空の旅を楽しんでいるよ。ティラ(ティラロンゴ)とアルベルト(コンタドール)も一緒さ。
コンタドール、クロイツィゲル、ティラロンゴの3人とヘリコプターに乗った中野喜文マッサー(アスタナ)
これから生まれて初めてヘリコプターに乗る。しかもクロイツィゲル、ティラロンゴ、コンタドールの3人と私という人恐ろしく場違いな状況。ミラノまで1時間とのこと。到着後すぐマッサージ。
ヘリコプター初のクロイツィゲル、ティラロンゴ、私がはしゃいでいる状況。コンタドールは慣れてるのか落ち着いてます。操縦士が見たい所あれば遠回りすると言ってますが疲れもあるので直行します。携帯電波が入るくらい低空飛行。
個人総合成績争いの裏で、チーム総合優勝争いも実は白熱しています。アスタナは現在1位。チームの全選手にとって最終日のゴールまで気の抜けない戦いになります。
※ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、主催新聞ガゼッタ・デッロ・スポルト紙、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
text:Makoto.AYANO
photo:Kei Tsuji,Riccardo Scanferla,CorVos
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