2011/05/29(日) - 00:55
格の違いを見せたダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO。札立峠の上りと下りで勝負がついた第2ステージ。ゴールはチームのエースが締めくくった。
5月28日(土)、ツール・ド・熊野第2ステージ熊野山岳コースが行われた。大きな上りは3回、千枚田を2回、札立峠を1回上る109.3km。朝から雨模様で特に下り区間のテクニックが重要なステージになった。
熊野市内のリゾート施設「熊野倶楽部」をスタートした選手たちは、熊野市街地をパレード走行。雨にもかかわらずたくさんの人たちが表に出て手を振る。地元に根付いていることを感じさせる光景だ。
正式スタートが切られていくつかアタックがあり、西薗良太(シマノレーシング)と伊丹健治(チームブリヂストン・アンカー)が抜け出す。伊丹はやがて下がり、メイン集団から山本元喜(鹿屋体育大学)が単独抜け出して西薗に合流。そこから千枚田上りを経て40km強を2人で逃げ続ける。
次の難所、札立峠上り口で逃げていた2人が吸収され、代わってフォルトゥナート・バリアーニ(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)がアタック、差を広げる。後続は札立峠頂上ではほぼ一団となり下りへ。この下りで集団が崩壊、落車もあってミゲール・ルビアーノ・チャベス(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)が先行、追走は4名に。さらに20人ほどの集団が追う。
先頭はNIPPO、2番手単独もNIPPO、次の4人にもNIPPOが一人で、この時点でNIPPOのワン・ツー・スリーを予感させる。どこからでも一人でも仕掛けることのできる強さはまさに別格だ。
先頭の2人は40秒ほどの差があったが、千枚田下りを経て合流。先頭2人と後続15名ほどに。最後の千枚田を先頭2人がクリア、下りへ。後続は1分差で9人となりラスト16kmへ。16kmで1分差は厳しく、先頭の2人も踏み続けて差はほとんど縮まらずにゴールへ。
最後はバリアーニが先に出てステージ優勝。そして3位集団の頭はマキシミリアーノ・リケーゼ(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)が取り、NIPPOはワン・ツー・スリーを達成した。
まさに格の違いとはこのこと。走るステージが明らかに違う。世界レベルの力を前にして、日本人選手はだれも届かなかった。同チームの佐野淳哉はチャベスらとともに3位集団にいたが、札立峠の下りで他選手の巻き添えで落車。そこから復帰のために力を使い、その後の千枚田上りでは下から仕掛けて単独で越えて下ったが、その先で日本人選手らの集団に吸収されて、結果11位に。
「淳哉の落車がなければもうひと展開できたはず。先頭2人が当初ばらばらだったのも効率の悪いこと」と表彰台を独占してもなお、まだ足りなかったと大門監督は言う。佐野の3位以上の成績はあったはずだ。
序盤の若手2人の逃げも気持ちいいものだった。昨年は同じチームの組み合わせで選手が違った(鈴木譲と内間康平)。また増田の怪我からの短期間での復帰も嬉しいところ。そしてNIPPOの外国人選手の強さはもちろんだが、そこに佐野がいること、そして西谷も山岳コースでの適性を見せ、それぞれに収穫のあったところだろう。
翌第3ステージは太地半島周回コース。ジェットコースターコースは過去に逆転劇を何度も生み出してきた。その差は50秒。大雨の天気予報だが、逆転の可能性を信じたアタックに期待したい。
結果 第2ステージ 熊野山岳コース 109.3km
1位 フォルトゥナート・バリアーニ(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)2時間49分58秒
2位 ミゲール・ルビアーノ・チャベス(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)
3位 マキシミリアーノ・リケーゼ(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)+50秒
4位 西谷泰治(愛三レーシングチーム)+52秒
5位 福島晋一(トレンガヌ・サイクリングチーム)
6位 青柳憲輝(シマノレーシング)
7位 ジェイ・クロフォード(ジャイアント・ケンダ・サイクリングチーム)
8位 品川真寛(愛三レーシングチーム)
9位 ユン・イン・ホン(香港チーム)
10位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
個人総合時間賞 第2ステージ終了時点
1位 フォルトゥナート・バリアーニ(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)5時間27分31秒
2位 ミゲール・ルビアーノ・チャベス(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)+04秒
3位 西谷泰治(愛三レーシングチーム)+50秒
4位 マキシミリアーノ・リケーゼ(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)+50秒
5位 品川真寛(愛三レーシングチーム)+57秒
6位 福島晋一(トレンガヌ・サイクリングチーム)+59秒
7位 ジェイ・クロフォード(ジャイアント・ケンダ・サイクリングチーム)+1分00秒
8位 ユン・イン・ホン(香港チーム)+1分01秒
9位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)+1分02秒
10位 佐野淳哉(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)+1分18秒
個人総合ポイント賞
1位 西谷泰治(愛三レーシングチーム)39点
2位 ミゲール・ルビアーノ・チャベス(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)34点
3位 福田真平(愛三レーシングチーム)32点
個人総合山岳賞
1位 フォルトゥナート・バリアーニ(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)17点
2位 ミゲール・ルビアーノ・チャベス(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)15点
3位 山本元喜(鹿屋体育大学)7点
団体総合時間賞
1位 ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO 6時間23分42秒
2位 シマノレーシングチーム +5分33秒
3位 愛三レーシングチーム +8分22秒
photo&text:高木秀彰
5月28日(土)、ツール・ド・熊野第2ステージ熊野山岳コースが行われた。大きな上りは3回、千枚田を2回、札立峠を1回上る109.3km。朝から雨模様で特に下り区間のテクニックが重要なステージになった。
熊野市内のリゾート施設「熊野倶楽部」をスタートした選手たちは、熊野市街地をパレード走行。雨にもかかわらずたくさんの人たちが表に出て手を振る。地元に根付いていることを感じさせる光景だ。
正式スタートが切られていくつかアタックがあり、西薗良太(シマノレーシング)と伊丹健治(チームブリヂストン・アンカー)が抜け出す。伊丹はやがて下がり、メイン集団から山本元喜(鹿屋体育大学)が単独抜け出して西薗に合流。そこから千枚田上りを経て40km強を2人で逃げ続ける。
次の難所、札立峠上り口で逃げていた2人が吸収され、代わってフォルトゥナート・バリアーニ(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)がアタック、差を広げる。後続は札立峠頂上ではほぼ一団となり下りへ。この下りで集団が崩壊、落車もあってミゲール・ルビアーノ・チャベス(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)が先行、追走は4名に。さらに20人ほどの集団が追う。
先頭はNIPPO、2番手単独もNIPPO、次の4人にもNIPPOが一人で、この時点でNIPPOのワン・ツー・スリーを予感させる。どこからでも一人でも仕掛けることのできる強さはまさに別格だ。
先頭の2人は40秒ほどの差があったが、千枚田下りを経て合流。先頭2人と後続15名ほどに。最後の千枚田を先頭2人がクリア、下りへ。後続は1分差で9人となりラスト16kmへ。16kmで1分差は厳しく、先頭の2人も踏み続けて差はほとんど縮まらずにゴールへ。
最後はバリアーニが先に出てステージ優勝。そして3位集団の頭はマキシミリアーノ・リケーゼ(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)が取り、NIPPOはワン・ツー・スリーを達成した。
まさに格の違いとはこのこと。走るステージが明らかに違う。世界レベルの力を前にして、日本人選手はだれも届かなかった。同チームの佐野淳哉はチャベスらとともに3位集団にいたが、札立峠の下りで他選手の巻き添えで落車。そこから復帰のために力を使い、その後の千枚田上りでは下から仕掛けて単独で越えて下ったが、その先で日本人選手らの集団に吸収されて、結果11位に。
「淳哉の落車がなければもうひと展開できたはず。先頭2人が当初ばらばらだったのも効率の悪いこと」と表彰台を独占してもなお、まだ足りなかったと大門監督は言う。佐野の3位以上の成績はあったはずだ。
序盤の若手2人の逃げも気持ちいいものだった。昨年は同じチームの組み合わせで選手が違った(鈴木譲と内間康平)。また増田の怪我からの短期間での復帰も嬉しいところ。そしてNIPPOの外国人選手の強さはもちろんだが、そこに佐野がいること、そして西谷も山岳コースでの適性を見せ、それぞれに収穫のあったところだろう。
翌第3ステージは太地半島周回コース。ジェットコースターコースは過去に逆転劇を何度も生み出してきた。その差は50秒。大雨の天気予報だが、逆転の可能性を信じたアタックに期待したい。
結果 第2ステージ 熊野山岳コース 109.3km
1位 フォルトゥナート・バリアーニ(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)2時間49分58秒
2位 ミゲール・ルビアーノ・チャベス(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)
3位 マキシミリアーノ・リケーゼ(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)+50秒
4位 西谷泰治(愛三レーシングチーム)+52秒
5位 福島晋一(トレンガヌ・サイクリングチーム)
6位 青柳憲輝(シマノレーシング)
7位 ジェイ・クロフォード(ジャイアント・ケンダ・サイクリングチーム)
8位 品川真寛(愛三レーシングチーム)
9位 ユン・イン・ホン(香港チーム)
10位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
個人総合時間賞 第2ステージ終了時点
1位 フォルトゥナート・バリアーニ(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)5時間27分31秒
2位 ミゲール・ルビアーノ・チャベス(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)+04秒
3位 西谷泰治(愛三レーシングチーム)+50秒
4位 マキシミリアーノ・リケーゼ(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)+50秒
5位 品川真寛(愛三レーシングチーム)+57秒
6位 福島晋一(トレンガヌ・サイクリングチーム)+59秒
7位 ジェイ・クロフォード(ジャイアント・ケンダ・サイクリングチーム)+1分00秒
8位 ユン・イン・ホン(香港チーム)+1分01秒
9位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)+1分02秒
10位 佐野淳哉(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)+1分18秒
個人総合ポイント賞
1位 西谷泰治(愛三レーシングチーム)39点
2位 ミゲール・ルビアーノ・チャベス(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)34点
3位 福田真平(愛三レーシングチーム)32点
個人総合山岳賞
1位 フォルトゥナート・バリアーニ(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)17点
2位 ミゲール・ルビアーノ・チャベス(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)15点
3位 山本元喜(鹿屋体育大学)7点
団体総合時間賞
1位 ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO 6時間23分42秒
2位 シマノレーシングチーム +5分33秒
3位 愛三レーシングチーム +8分22秒
photo&text:高木秀彰
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