ツアー・オブ・カリフォルニア第6ステージの個人TTは、TTスペシャリストのデービッド・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)が、この地の個人TTで過去3勝をあげているリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック)を14秒上回りった。

トップタイムのデービッド・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)トップタイムのデービッド・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ) (c)CorVos個人総合争いにおいて重要な意味を持つ個人タイムトライアル。デンマーク調の色合い濃い街並みのソルバングをスタート&ゴール地点とする起伏のあるコースで行われた。

ここは2007年から2009年までの3年連続で個人タイムトライアルが行われていた街。リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック)にとっては、個人TTの3年連続ステージ優勝と、ツアー・カリ3連覇を決めた幸運の場所だ。レディオシャックにとってもUSポスタル時代から春先のトレーニングキャンプを行う場所。この街の郊外のアップダウンに富んだコースが採用された。

コースは全長24㎞と短いが起伏の厳しいもの。前半の3分の2にあたる中間計測地点までは上り基調、ゴールまでの3分の1がダウンヒルとなる。
当日の天候は晴れ。2009年大会の開催時は2月だったためコンディションは違うが、アメリカ人選手とアメリカ系チームにとっては知り尽くしたコースでもある。

トップタイムをたたき出したのはTTスペシャリストのデービッド・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ) 。2位リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、チームレディオシャック)に14秒の差をつけ、平均時速47.3㎞/hで駆け抜けた。
ザフリスキーのカリフォルニアでのステージ優勝は昨年の第3ステージに次ぐ通算2勝目。しかし個人TTでは初のステージ優勝だ(2009年まではライプハイマーに、2010年はトニ・マルティンとマイケル・ロジャースに敗れている)。

昨年大会を総合2位で終えているザフリスキーだが、第4ステージで遅れているため、このタイムをもってしても総合15位どまり。トップ10には入れなかった。

ザフリスキーに14秒遅れのタイムで2位となったのは中間計測地点でトップタイムを出していたリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、チームレディオシャック)。ザブリスキーとの明暗を分けたのはダウンヒルのスピードとテクニック、そして体調の仕上がりだった。

リーダージャージのクリストファー・ホーナー(アメリカ、チームレディオシャック)は51秒遅れの6位にとどめ、チームメイトのライプハイマーに38秒差をもって引き続きリーダーの座に留まる。

リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、チームレディオシャック)は2位に終わるリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、チームレディオシャック)は2位に終わる (c)CorVos驚きの3位 タジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、チームHTC・コロンビア)驚きの3位 タジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、チームHTC・コロンビア) (c)CorVos
クリストファー・ホーナー(アメリカ、チームレディオシャック)は6位のタイムクリストファー・ホーナー(アメリカ、チームレディオシャック)は6位のタイム (c)CorVosローリー・サザーランド(オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア)は総合を3位に上げるローリー・サザーランド(オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア)は総合を3位に上げる (c)CorVos


デービッド・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)は子どもと一緒にポディウムへ上がったデービッド・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)は子どもと一緒にポディウムへ上がった (c)CorVosザフリスキーのコメント
最後の数キロは向かい風だと知っていたから、ハードに踏み込んだ。体調はそれほどスーパーだとは感じていなかったが、いいライドができた。ここ(ソルバング)でのTTでは今までで一番いい走りだった。無線がなかったから自分の走りをした。それがうまくいった。

ライプハイマーのコメント
デイブ(ザブリスキー)は「スーパー・ファースト」だったね。5月は(以前勝った2月とは)ちょっと勝手が違ったね。道路はよく舗装されていたけど、もっといい風が吹くと思っていた。今日はコースレコードを出して優勝するつもりだったんだけど...。

総合成績トップ10で若干のシャッフルがあった。ローリー・サザーランド(オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア)は9位のタイムながら総合5位から3位へジャンプアップ。
アメリカ期待の若手、タジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、チームHTC・コロンビア)はザフリスキーから40秒遅れで3位のタイムをマークし、総合を10位から6位まで一気に上げることに成功している。

ツアー・オブ・カリフォルニアは残り2ステージ。明日第7ステージは総合成績を大きく決する標高2000m近い山岳フィニッシュ。第8ステージは逃げに適したアップダウンコースの中級山岳ステージだ。まだまだシャッフルの可能性は残されている。

リーダージャージ維持のクリストファー・ホーナー(アメリカ、チームレディオシャック)リーダージャージ維持のクリストファー・ホーナー(アメリカ、チームレディオシャック) (c)CorVos各賞ジャージの選手たち各賞ジャージの選手たち (c)CorVos


ツアー・オブ・カリフォルニア2011第6ステージ結果

1位 デービッド・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ) 30'36"
2位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、チームレディオシャック)+14"
3位 タジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、チームHTC・コロンビア)+40"
4位 ペーター・ヴェリトス(スロバキア、HTCハイロード)+"48
5位 マーティン・チャリンギ(オランダ、ラボバンク)+49"
6位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、チームレディオシャック)+51"
7位 ヤコブ・フルグサング(デンマーク、レオパード・トレック)+53"
8位 ジェレミー・ヴェンネル(ニュージーランド、ビッセル)+59"
9位 ローリー・サザーランド(オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア)
10位 クリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)+1'1"


個人総合成績
1位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、チームレディオシャック) 17h17'01"
2位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、チームレディオシャック) +0'38"
3位 ローリー・サザーランド(オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア)+1'38"
4位 クリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ) +1'39"
5位 トーマス・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ) +1'44"
6位 タジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、チームHTC・コロンビア)+1'54"
7位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、レオパード・トレック)+2'26"
8位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・サーヴェロ) +2'27"
9位 ローレンス・テンダム(オランダ、ラボバンク) +2'43"
10位 アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)+2'54"

スプリント賞
ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)

山岳賞
ジョナサン・パトリック・マカーティー(アメリカ、チームスパイダーテック)

新人賞(1988年1月1日以降生まれが対象)
タジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、チームHTC・コロンビア)


text:Makoto.AYANO
photo:CorVos