ツアー・オブ・カリフォルニア2011第2ステージは、季節外れの大雪で中止になった第1ステージに続き天候不良のためスタート地点とコースが急遽変更となった。雨模様になった集団スプリントを、マシュー・ゴス(オーストラリア、HTC・ハイロード)やペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)を交わした23歳のベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)が制した。

当初中間スプリントポイントになる予定だったネバダシティをスタートしてサクラメント市内へ向かい、3.2kmの周回コースを3周回する122.8kmの短縮コースでレースは行われた。急遽の変更にも関わらず、地元の人々の理解や協力により、12時15分(現地時間)に無事、1日遅れで2011年のツアー・オブ・カリフォルニアがスタートした。

スタート前のリクイガス・キャノンデールの選手達スタート前のリクイガス・キャノンデールの選手達 photo : CorVosステージ優勝を狙うペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)ステージ優勝を狙うペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) photo : CorVos

スタートを待つラボバンクの選手達スタートを待つラボバンクの選手達 photo : CorVosスタート前に談笑するイェンス・フォイクト(ドイツ、レオパード・トレック)とグリシャ・ニアマン(ドイツ、ラボバンク)スタート前に談笑するイェンス・フォイクト(ドイツ、レオパード・トレック)とグリシャ・ニアマン(ドイツ、ラボバンク) photo : CorVos


急遽スタート地点となったネバダシティだが、地元の人々も多く駆けつけ賑わった急遽スタート地点となったネバダシティだが、地元の人々も多く駆けつけ賑わった photo : CorVos前日のレースがキャンセルとなったおかげで、脚がフレッシュな選手達は次々とアタックをかけるが、スプリントによるステージ優勝を狙うチームが、なかなかそれを許さない。そんな中、このレースでの活躍をスポンサーにアピールをしたい、プロコンチネンタルチームやコンチネンタルチームから4名の逃げが決まる。

逃げた4名は、ラスロ・ボドロギ(フランス、チームタイプ1)、ティモン・ゼウベアト(ドイツ、チームネットアプ)、ベン・ジャックメイン(アメリカ、ビッセル)、ジェイムズ・ドリスコール(アメリカ、ジェイミス・シャッターホーム)。
チームレディオシャックのトレックには、先日ジロ・デ・イタリアのレース中になくなったワウテル・ウェイラント(ベルギー、レオパード・トレック)への追悼ペイント(WW 108 チームレディオシャックのトレックには、先日ジロ・デ・イタリアのレース中になくなったワウテル・ウェイラント(ベルギー、レオパード・トレック)への追悼ペイント(WW 108 photo : CorVosゴールまで70kmを残したところで、集団とのタイム差は5分に開くが、そこからは追走が始まり徐々に間隔は詰まっていく。

残り15km、タイム差10秒と捕まる寸前になったところで、4人の中からゼウベアトとジャックメインの2人が飛び出す。最後まで逃げ続けたジャックメインが残り13kmで捕まると、ガーミン・サーヴェロやHTC・ハイロードが集団を高速で牽引する。

レースはサクラメント市内のゴールゲートを通過し、そこからは同じコースを3周回する。残り2周のところで局所的に降り出した雨のため路面が滑りやすくなり、集団は速度を落として走行。チームスパイダーテックも一時先頭に立つが、すぐにフアンホセ・アエド(アルゼンチン)擁するサクソバンクやHTC・ハイロードに取って代わられる。そしてチームスカイの強力な列車が速度を上げる中、ペーター・サガン(スロバキア)を勝たせたいリクイガス・キャノンデールも集団先頭まであがってくる。

ゴール前、各チームのスプリンターが一斉に仕掛ける。右からケビン・ラコンブ(カナダ、チームスパイダーテック)、左からマシュー・ゴス(オーストラリア、HTC・ハイロード)、後ろからペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)らが上がってくる横一線のスプリントのなか、グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド、チームスカイ)から発射されたチームスカイのベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)が勝利、チームの献身的な牽引に報いる形となった。

スウィフトは一昨年カチューシャでプロデビューしたまだ23歳の若者だ。ツアー・ダウンアンダーでステージ2勝、ブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオン第5ステージツール・ド・ロマンディ第5ステージに続き、既に今期5勝目となり、今後の成長にますます期待がかかる。
前年のサガンに続き、ツアー・オブ・カリフォルニアでのブレイクとなるか。

集団スプリントを制した23歳のベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)集団スプリントを制した23歳のベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ) photo : CorVos

ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)は若干23歳の若手スプリンターだベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)は若干23歳の若手スプリンターだ (c)team skyツアー・オブ・カリフォルニア2011第2ステージ結果
1位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ) 2h47'12"
2位 ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)
3位 マシュー・ゴス(オーストラリア、HTC・ハイロード)
4位 ケビン・ラコンブ(カナダ、チームスパイダーテック)
5位 フアンホセ・アエド(アルゼンチン、チームサクソバンク)
6位 アレハンドロ・アルベルト・ボラホ(アルゼンチン、ジェイミス・シャッターホーム)
7位 トル・フースホフト(ノルウェー、ガーミン・サーヴェロ)
8位 タイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング)
9位 オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)
10位 ショーン・ミルン(アメリカ、ケンダ・5アワーエナジープロ)

個人総合成績
1位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ) 2h47'12"
2位 ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)
3位 マシュー・ゴス(オーストラリア、HTC・ハイロード)
4位 ケビン・ラコンブ(カナダ、チームスパイダーテック)
5位 フアンホセ・アエド(アルゼンチン、チームサクソバンク)
6位 アレハンドロ・アルベルト・ボラホ(アルゼンチン、ジェイミス・シャッターホーム)
7位 トル・フースホフト(ノルウェー、ガーミン・サーヴェロ)
8位 タイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング)
9位 オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)
10位 ショーン・ミルン(アメリカ、ケンダ・5アワーエナジープロ)

スプリント賞
ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)

新人賞(1988年1月1日以降生まれが対象)
ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)

敢闘賞
ジェイムズ・ドリスコール(アメリカ、ジェイミス・シャッターホーム)

photo:CorVos
text:Alisa.Okazaki