2011/05/05(木) - 01:20
イギリス発のサイクリングブランド、Rapha(ラファ)が神宮前に期間限定のポップアップストアをオープンした。洗練されたブランドイメージを持つRaphaのショップは注目度大。4月29日にオープンしたばかりの店舗を、訪ねてみた。
Rapha Cycle Club Tokyoの入り口は、「本当にここから入っていいの?」と思ってしまう門構え。神宮前のお洒落なカフェ「おまもり原宿」の3Fがショップになっているため、このカフェレストランの店内を通って、階段を上ってはじめてRapha(ラファ)の世界に辿りつくというワケ。場所自体は、表にスタッフのものともお客さんのものともつかない自転車が立てかけられているのですぐにわかるはず。
食欲をそそる香りただようフロアを上って3Fに至ると、そこにはバリエーション豊かなRaphaのラインナップがびっしり。色とりどりのジャージ、サイズの揃ったビブショーツ、タウン用のカジュアルウェア、色とりどりのレディースライン…。ウェアだけでなく、本棚には大判の写真集や、雑誌、CDなどが並んでいる。思い思いにショッピングが楽しめそうだ。
Raphaはなかなか実物を店舗で見ることのできないブランドだ。というのも、取り扱っているショップは日本国内で数店舗だけ。注文はカスタマー自身がインターネットを通して、というのが基本だからだ。便利なウェブショッピングは、反面で実物を見ることができないというデメリットも。そのためRaphaでは購入後のサイズ交換や修理などを無償で承っている。アフターサービスの質がウェブでの買い物に安心を与えるというわけだ。
しかしウェアを着てサイズ感を確かめたり、あれやこれと着比べてみるのは楽しいもの。ブランド側としては実店舗でカスタマーとコミュニケーションをとりながら販売することで、ウェブ上では伝えられなかったブランドの理念や製品の特徴をダイレクトに反映できるメリットもある。
しかし、このRapha Cycle Club TokyoをただRaphaの製品が売っているだけのお店だとするのは、本質を見損なっている。製品の販売と同じく重点を置いているのはRaphaらしい様々なイベントの開催だ。
サイクリングを楽しむ総合空間としての「サイクル・クラブ」
Raphaの期間限定ポップアップストアCycle Clubの名前からもわかるように、ショップ色よりもイベントを含んだ総合的なサイクリング空間の創出がRaphaの本願だ。Rapha Cycle Club Tokyoのディレクションを行うRapha Japanの矢野大介さんは店舗をサイクリングの文化発信の場に位置づける。
「Raphaが立ち上がって間もない頃から、ロンドン本社からは『いずれはカフェをやりたい』という言葉がささやかれていました。その後Raphaも成長を遂げ、今ならできるだろうと実現したのが昨年のロンドンとニューヨークにオープンしたCycle Clubです。でも商品を売るだけならどこでもやっているコンセプトショップになる。だから販売だけにこだわらず、Raphaの価値観をいろんなカタチで表せる場、そしてサイクリスト同士が居合わせて情報をシェアするための場所として日常的に使える場所を作ろうと。
自転車に乗っているときはソーシャルスポーツとして人と人がつながれる楽しさがあります。でも自転車に乗っていないときの楽しみ方が、なかなか無い。乗り終わったら家に帰る、乗るときだけ仲間と合う、というパターンが多いのではないでしょうか。そこで乗っていなくても人と人がつながれる自転車の楽しみを味わえる場が必要だと考えたんです。なのでイベント、レースの鑑賞会や写真展、ムービーナイトが重要になってきます。Raphaのアイテムにつくタグのミニストーリーや、写真集、今年のパリ〜ルーベでのコラボレーションなど製品単位でやっていたことが、どんどん別の形になっていると言うことです。
年に一度ツール・ド・フランスがあるからイベントをしよう、というのでも製品を売るためのイベントをしようとしているのではなくて、サイクリングの文化を創造して高めること、それがブランドの価値を高めることになると思っています。サイクリングの何に注目しているか、ということを表すには手に持てる商品だけでは伝え切れないんです。その意味で、Rapha Cycle Clubは絶好の場所になるはずです。」
確かに店内を見渡してみると、ウェアやアクセサリーだけでなく、大型書籍や店内で流れているCDなど、様々なアイテムが並んでいる。今後ジロ・デ・イタリアの開催とともに、店内にはシクロワイアードでもお馴染みのフォトグラファー、辻啓のフォト・オブ・ザ・デイとして一日一枚の写真が展示される予定だと言う。
ふと内装に目を凝らすと、ジロに合わせたさまざまなデザインをみつけることができる。心憎く、また小洒落たセンスはRaphaならでは。確かにウェアだけでなく、注目したいところがたくさんある。店内をくまなく見ていくと、ふと気になるのは4Fへと続く階段。4Fには何が待っているのだろうか?
イベントの場となる4Fラウンジは間もなくオープン!
4F階段上には、「Coming Soon」の文字。ここはラウンジスペースとして、Rapha Cycle Club Tokyoが企画する様々なイベントの会場となるのだという。準備中のところを少しだけみせてもらったが、大きなガラス張りの机とロゴ入りのイスが並び、スクリーンプロジェクタが稼働の時を今かと待っていた。
5月8日(日)にオープンするこのラウンジスペース、最初のイベントはジロ・デ・イタリアの生中継公開放送だ。スポーツ専門CSチャンネルのJ SPORTSとの協力のもと、ジロ期間中は毎夜ステージ生放送を壁面の大画面で見ることができるという。入場は無料だと言うから、家や職場が近く出なくてもちょっと立ち寄ってみたくなる。ジロにあわせて3Fフロアではカフェスペースがオープン予定で、サイクリスト必見のカプチーノや、Raphaオリジナルラベルワイン(!)を買ってラウンジで楽しみながら観戦もできるとのこと。
矢野さん曰く、「J SPORTSのおかげで欧州の主要ロードレースが生で見られる。これはすごい幸せなことなんです。例えばアメリカでは、あれだけ有名な選手が多くいるにも関わらず生放送はツールだけ。ジロは録画放送だったりする。ジロとカリフォルニア、スイスとドーフィネのダブルヘッダーまで放送するJ SPORTSの努力には頭が下がり、だからこそ協力してもらいたかったんです」。
このラウンジでは、ジロの放送だけでなく、さまざまなイベントが企画されている。普段はフリー無線LANの飛ぶラウンジとして息抜きや仲間との談笑、あるいは仕事の打ち合わせにと自由に使ってもらいたいとのこと。企画されているのは以下のイベント。詳細はお問い合わせとのことだ。
・J-Sportsレースビューイング(ジロ、ドフィネ、スイス、ツール)
・デイリーレースレポート
・トウキョウ・ファステスト・メカニック・コンテスト
ピンクレンチを手にするのは誰だ?
※ 完成したハンドメイドのスペシャルバイクはチャリティーオークションにかけられる
<東日本大震災チャリティーオークション>
・アンディ・ハンプステンのサイン入りRapha Hampstenジャージ&ガヴィア峠ポスター
・2011パリ・ルーべメンバーのサイン入りTeam Skyジャージ
・チームメンバーのサイン入りRapha Condor Sharpジャージ など
・ムービーナイト
・Giro d'Italia フォト・オブ・ザ・デイ by 辻啓
・2010 Giro d'Italiaフォト・ギャラリー by 辻啓
・Tour de Franceフォト・ギャラリー by 和田 やずか
・ティモシー・エベレスト ビスポークテーラーデモ
・2011シクロクロスプレビュー
・Rapha 2011秋冬ライナップ発表会
・Rapha四列島Rideギャラリー
・メッセンジャー・デリバリー by Courier
ジロに始まり、ツール・ド・フランス最終日に閉店
ジロ・デ・イタリアに始まるRapha Cycle Club Tokyoは期間限定のポップアップストア。閉店はツール・ド・フランスの最終日、7月24日(日)だ。世界最高峰のレースの余韻とともに、店舗もクローズする。
5月8日のラウンジオープンで店舗としての完成型をみるRapha Cycle Club Tokyo。だが、Rapha Cycle Clubとしての完成は数多のイベントを通じて訪れるサイクリストたちとの相互交流によってなされることになりそうだ。7月24日の閉店まで、何度も足を運んではその変化を楽しんでみたい。どんな盛り上がりを見せるのか、要注目だ。
Rapha Cycle Club Tokyo
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-29-3 おまもり原宿 3-4F
電話番号:03-3478-6118
営業時間:12:00〜21:00(レース生放送時はレース終了まで)
定休日:毎週水曜日※
※ただしジロ、ツールの開催期間中(5月11日/18日/25日、7月6日/13日/20日)は20時からオープンし、レース生放送を開催
Rapha Cycle Club Tokyoの入り口は、「本当にここから入っていいの?」と思ってしまう門構え。神宮前のお洒落なカフェ「おまもり原宿」の3Fがショップになっているため、このカフェレストランの店内を通って、階段を上ってはじめてRapha(ラファ)の世界に辿りつくというワケ。場所自体は、表にスタッフのものともお客さんのものともつかない自転車が立てかけられているのですぐにわかるはず。
食欲をそそる香りただようフロアを上って3Fに至ると、そこにはバリエーション豊かなRaphaのラインナップがびっしり。色とりどりのジャージ、サイズの揃ったビブショーツ、タウン用のカジュアルウェア、色とりどりのレディースライン…。ウェアだけでなく、本棚には大判の写真集や、雑誌、CDなどが並んでいる。思い思いにショッピングが楽しめそうだ。
Raphaはなかなか実物を店舗で見ることのできないブランドだ。というのも、取り扱っているショップは日本国内で数店舗だけ。注文はカスタマー自身がインターネットを通して、というのが基本だからだ。便利なウェブショッピングは、反面で実物を見ることができないというデメリットも。そのためRaphaでは購入後のサイズ交換や修理などを無償で承っている。アフターサービスの質がウェブでの買い物に安心を与えるというわけだ。
しかしウェアを着てサイズ感を確かめたり、あれやこれと着比べてみるのは楽しいもの。ブランド側としては実店舗でカスタマーとコミュニケーションをとりながら販売することで、ウェブ上では伝えられなかったブランドの理念や製品の特徴をダイレクトに反映できるメリットもある。
しかし、このRapha Cycle Club TokyoをただRaphaの製品が売っているだけのお店だとするのは、本質を見損なっている。製品の販売と同じく重点を置いているのはRaphaらしい様々なイベントの開催だ。
サイクリングを楽しむ総合空間としての「サイクル・クラブ」
Raphaの期間限定ポップアップストアCycle Clubの名前からもわかるように、ショップ色よりもイベントを含んだ総合的なサイクリング空間の創出がRaphaの本願だ。Rapha Cycle Club Tokyoのディレクションを行うRapha Japanの矢野大介さんは店舗をサイクリングの文化発信の場に位置づける。
「Raphaが立ち上がって間もない頃から、ロンドン本社からは『いずれはカフェをやりたい』という言葉がささやかれていました。その後Raphaも成長を遂げ、今ならできるだろうと実現したのが昨年のロンドンとニューヨークにオープンしたCycle Clubです。でも商品を売るだけならどこでもやっているコンセプトショップになる。だから販売だけにこだわらず、Raphaの価値観をいろんなカタチで表せる場、そしてサイクリスト同士が居合わせて情報をシェアするための場所として日常的に使える場所を作ろうと。
自転車に乗っているときはソーシャルスポーツとして人と人がつながれる楽しさがあります。でも自転車に乗っていないときの楽しみ方が、なかなか無い。乗り終わったら家に帰る、乗るときだけ仲間と合う、というパターンが多いのではないでしょうか。そこで乗っていなくても人と人がつながれる自転車の楽しみを味わえる場が必要だと考えたんです。なのでイベント、レースの鑑賞会や写真展、ムービーナイトが重要になってきます。Raphaのアイテムにつくタグのミニストーリーや、写真集、今年のパリ〜ルーベでのコラボレーションなど製品単位でやっていたことが、どんどん別の形になっていると言うことです。
年に一度ツール・ド・フランスがあるからイベントをしよう、というのでも製品を売るためのイベントをしようとしているのではなくて、サイクリングの文化を創造して高めること、それがブランドの価値を高めることになると思っています。サイクリングの何に注目しているか、ということを表すには手に持てる商品だけでは伝え切れないんです。その意味で、Rapha Cycle Clubは絶好の場所になるはずです。」
確かに店内を見渡してみると、ウェアやアクセサリーだけでなく、大型書籍や店内で流れているCDなど、様々なアイテムが並んでいる。今後ジロ・デ・イタリアの開催とともに、店内にはシクロワイアードでもお馴染みのフォトグラファー、辻啓のフォト・オブ・ザ・デイとして一日一枚の写真が展示される予定だと言う。
ふと内装に目を凝らすと、ジロに合わせたさまざまなデザインをみつけることができる。心憎く、また小洒落たセンスはRaphaならでは。確かにウェアだけでなく、注目したいところがたくさんある。店内をくまなく見ていくと、ふと気になるのは4Fへと続く階段。4Fには何が待っているのだろうか?
イベントの場となる4Fラウンジは間もなくオープン!
4F階段上には、「Coming Soon」の文字。ここはラウンジスペースとして、Rapha Cycle Club Tokyoが企画する様々なイベントの会場となるのだという。準備中のところを少しだけみせてもらったが、大きなガラス張りの机とロゴ入りのイスが並び、スクリーンプロジェクタが稼働の時を今かと待っていた。
5月8日(日)にオープンするこのラウンジスペース、最初のイベントはジロ・デ・イタリアの生中継公開放送だ。スポーツ専門CSチャンネルのJ SPORTSとの協力のもと、ジロ期間中は毎夜ステージ生放送を壁面の大画面で見ることができるという。入場は無料だと言うから、家や職場が近く出なくてもちょっと立ち寄ってみたくなる。ジロにあわせて3Fフロアではカフェスペースがオープン予定で、サイクリスト必見のカプチーノや、Raphaオリジナルラベルワイン(!)を買ってラウンジで楽しみながら観戦もできるとのこと。
矢野さん曰く、「J SPORTSのおかげで欧州の主要ロードレースが生で見られる。これはすごい幸せなことなんです。例えばアメリカでは、あれだけ有名な選手が多くいるにも関わらず生放送はツールだけ。ジロは録画放送だったりする。ジロとカリフォルニア、スイスとドーフィネのダブルヘッダーまで放送するJ SPORTSの努力には頭が下がり、だからこそ協力してもらいたかったんです」。
このラウンジでは、ジロの放送だけでなく、さまざまなイベントが企画されている。普段はフリー無線LANの飛ぶラウンジとして息抜きや仲間との談笑、あるいは仕事の打ち合わせにと自由に使ってもらいたいとのこと。企画されているのは以下のイベント。詳細はお問い合わせとのことだ。
・J-Sportsレースビューイング(ジロ、ドフィネ、スイス、ツール)
・デイリーレースレポート
・トウキョウ・ファステスト・メカニック・コンテスト
ピンクレンチを手にするのは誰だ?
※ 完成したハンドメイドのスペシャルバイクはチャリティーオークションにかけられる
<東日本大震災チャリティーオークション>
・アンディ・ハンプステンのサイン入りRapha Hampstenジャージ&ガヴィア峠ポスター
・2011パリ・ルーべメンバーのサイン入りTeam Skyジャージ
・チームメンバーのサイン入りRapha Condor Sharpジャージ など
・ムービーナイト
・Giro d'Italia フォト・オブ・ザ・デイ by 辻啓
・2010 Giro d'Italiaフォト・ギャラリー by 辻啓
・Tour de Franceフォト・ギャラリー by 和田 やずか
・ティモシー・エベレスト ビスポークテーラーデモ
・2011シクロクロスプレビュー
・Rapha 2011秋冬ライナップ発表会
・Rapha四列島Rideギャラリー
・メッセンジャー・デリバリー by Courier
ジロに始まり、ツール・ド・フランス最終日に閉店
ジロ・デ・イタリアに始まるRapha Cycle Club Tokyoは期間限定のポップアップストア。閉店はツール・ド・フランスの最終日、7月24日(日)だ。世界最高峰のレースの余韻とともに、店舗もクローズする。
5月8日のラウンジオープンで店舗としての完成型をみるRapha Cycle Club Tokyo。だが、Rapha Cycle Clubとしての完成は数多のイベントを通じて訪れるサイクリストたちとの相互交流によってなされることになりそうだ。7月24日の閉店まで、何度も足を運んではその変化を楽しんでみたい。どんな盛り上がりを見せるのか、要注目だ。
Rapha Cycle Club Tokyo
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-29-3 おまもり原宿 3-4F
電話番号:03-3478-6118
営業時間:12:00〜21:00(レース生放送時はレース終了まで)
定休日:毎週水曜日※
※ただしジロ、ツールの開催期間中(5月11日/18日/25日、7月6日/13日/20日)は20時からオープンし、レース生放送を開催
フォトギャラリー
Amazon.co.jp
ジロ・デ・イタリア 2008 スペシャルBOX [DVD]
ジェイ・スポーツ