2011/05/03(火) - 17:25
ロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ)は、5月のジロ・デ・イタリアで初のグランツール総合優勝への意欲を抑えはじめた。アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)が参戦するためだ。
「もちろん勝ちたいよ」とクロイツィゲルは言う。「誰だって勝ちたい。でも、コンタドールがいるなら、2位争いになりそうだ」。
コンタドールはツール・ド・フランスで3度総合優勝し、2008年には残りの2つのグランツール(ジロ・デ・イタリアとブエルタ・ア・エスパーニャ)で総合優勝している。コンタドールが今年のジロ・デ・イタリア出場を決めた背景には、ドーピング問題で2年間レースに出場できなくなる可能性があるからだ。
CAS(スポーツ仲裁裁判所)はコンタドールの訴訟について、6月に裁定を下す予定だ。コンタドールは昨年のツール・ド・フランス期間中にクレンブテロールの陽性反応が出たものの、今年2月にRFEC(スペイン自転車競技連盟)によって無罪となった。だがUCI(国際自転車競技連合)は、この決定についてCASに提訴した状態だ。
現在、コンタドールのレース出場への制限はなく、ジロ・デ・イタリアで総合優勝の本命として、クロイツィゲルやミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)やヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)と並んで、その名前があがっている。
「ヴィンチェンツォはやっかいだが、もっとも危険とは思わない。だけど、コンタドールは……勝つためにジロに来るからね」。
戦いに備え、クロイツィゲルはトレーニングとレースに励んでいる。さんざんだった3月のパリ〜ニース以来、2〜3キログラム減量した。4月24日のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュの後、5月7日にジロ・デ・イタリアが始まるまでに、彼はトリノでさらに0.5キログラムの減量を目指す。
その効果も出ている。ジロ・デル・トレンティーノ最終ステージ、マドンナ・ ディ・カンピーリオの山頂ゴールで優勝を飾った。リエージュ〜バストーニュ〜リエージュではフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)ら3人を追走して4位。4月26日から5月1日にかけておこなわれたツール・ド・ロマンディでは、エースのアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン)のアシストに徹し、ジロに向けて巧く力をセーブした。
「シーズン前半戦を評価するのは、ジロ・デ・イタリアの後だ。ここにすべてを賭けている」とクロイツィゲルは言う。
「他の選手たちはジロでの勝利を狙いに行だろう。僕のジロでの目的はいい結果を残すためだ。なにが起こるかわからないからね。総合優勝を狙える選手が、勝たない可能性もあるんだ」
クロイツィゲルは月曜日に休息を取り、ジロ・デ・イタリアに向けたトレーニングを終える。火曜日には第15ステージのガルデッチャ/ヴァル・ディ・ファッサ、木曜日には最終日前日となる第20ステージのフィネストレ峠、レース中の2回目の休息日には第16ステージ(山岳タイムトライアル)のネヴェガルで、それぞれ試走する予定だ。なお、第9ステージのエトナ山の試走は、アスタナのトレーニングキャンプ中に終えている。
「3日連続の山岳ステージ——グロースグロックナー、ガルデッチャ、それにゾンコランが、一番厳しいステージになると思う」
この3日間は、クロイツィゲルがコンタドールのさらなるグランツール総合優勝を阻む機会が持てるかの最大の勝負どころでもあるのだ。
text:Gregor Brown
translation:Seiya Yamasaki
「もちろん勝ちたいよ」とクロイツィゲルは言う。「誰だって勝ちたい。でも、コンタドールがいるなら、2位争いになりそうだ」。
コンタドールはツール・ド・フランスで3度総合優勝し、2008年には残りの2つのグランツール(ジロ・デ・イタリアとブエルタ・ア・エスパーニャ)で総合優勝している。コンタドールが今年のジロ・デ・イタリア出場を決めた背景には、ドーピング問題で2年間レースに出場できなくなる可能性があるからだ。
CAS(スポーツ仲裁裁判所)はコンタドールの訴訟について、6月に裁定を下す予定だ。コンタドールは昨年のツール・ド・フランス期間中にクレンブテロールの陽性反応が出たものの、今年2月にRFEC(スペイン自転車競技連盟)によって無罪となった。だがUCI(国際自転車競技連合)は、この決定についてCASに提訴した状態だ。
現在、コンタドールのレース出場への制限はなく、ジロ・デ・イタリアで総合優勝の本命として、クロイツィゲルやミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)やヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)と並んで、その名前があがっている。
「ヴィンチェンツォはやっかいだが、もっとも危険とは思わない。だけど、コンタドールは……勝つためにジロに来るからね」。
戦いに備え、クロイツィゲルはトレーニングとレースに励んでいる。さんざんだった3月のパリ〜ニース以来、2〜3キログラム減量した。4月24日のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュの後、5月7日にジロ・デ・イタリアが始まるまでに、彼はトリノでさらに0.5キログラムの減量を目指す。
その効果も出ている。ジロ・デル・トレンティーノ最終ステージ、マドンナ・ ディ・カンピーリオの山頂ゴールで優勝を飾った。リエージュ〜バストーニュ〜リエージュではフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)ら3人を追走して4位。4月26日から5月1日にかけておこなわれたツール・ド・ロマンディでは、エースのアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン)のアシストに徹し、ジロに向けて巧く力をセーブした。
「シーズン前半戦を評価するのは、ジロ・デ・イタリアの後だ。ここにすべてを賭けている」とクロイツィゲルは言う。
「他の選手たちはジロでの勝利を狙いに行だろう。僕のジロでの目的はいい結果を残すためだ。なにが起こるかわからないからね。総合優勝を狙える選手が、勝たない可能性もあるんだ」
クロイツィゲルは月曜日に休息を取り、ジロ・デ・イタリアに向けたトレーニングを終える。火曜日には第15ステージのガルデッチャ/ヴァル・ディ・ファッサ、木曜日には最終日前日となる第20ステージのフィネストレ峠、レース中の2回目の休息日には第16ステージ(山岳タイムトライアル)のネヴェガルで、それぞれ試走する予定だ。なお、第9ステージのエトナ山の試走は、アスタナのトレーニングキャンプ中に終えている。
「3日連続の山岳ステージ——グロースグロックナー、ガルデッチャ、それにゾンコランが、一番厳しいステージになると思う」
この3日間は、クロイツィゲルがコンタドールのさらなるグランツール総合優勝を阻む機会が持てるかの最大の勝負どころでもあるのだ。
text:Gregor Brown
translation:Seiya Yamasaki
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