2011/04/15(金) - 10:40
パヴェ(石畳)のクラシック、ロンド・ファン・フラーンデレンとパリ~ルーベで使用されるプロ選手たちのバイクは特別仕様だ。悪路からくる振動を減衰させ、トラブルを防ぐ工夫はメカニシャンたちの腕の見せ所だ。レース前のバイクピットを徹底取材した。
チームスカイ
フアンアントニオ・フレチャ(スペイン)らが乗るのはピナレロのパヴェ専用モデルとも言えるKOBH60.1。ドグマの兄弟モデルで、振動吸収性を付加した設計になっている。タイヤクリアランスも28Cタイヤに対応している。チームスカイはシマノDi2を標準装備して走る。タイヤにFMBのパヴェスペシャル、リムはアンブロシオのクラシックなチューブラーリム「ネメシス」を使用する選手が多い。
レオパード・トレック
ファビアン・カンチェラーラ(スイス)が乗るトレック・マドン6.9SSLは通常のロードレースを闘うバイクであることから、トレックのバイクがいかに振動吸収性に対して自信があるかが伺える。リアエンドがスチール削り出しの丈夫なワンオフものに交換されている。スプロケットにアルテグラを使用するのは、減りを嫌ってのことか?チタン製フリーは砂にまみれた際の「ゴリつき」があるためだろうか? ロックリングも廉価モデルのものが使用され、確実な締め付けを重視している。
カンチェラーラのバイクには好みの問題でメカニカルタイプのシフティングシステムが使用される。また、軽量化のためにYUMEYAのゴールドボルト、アウターケーブル類がインストールされる。ホイールはボントレガーのXXXライト、タイヤはFMBの27mmの太さのパリ~ルーベスペシャル。
ソール・ソジャサン
エースのアルノー・コワイオ(フランス)が乗るのはRXRだが、他のメンバーはVXRSワールドスターにカンティブレーキがつくスペシャルモデルを使用していた。いずれもワンオフと思われるモデル。かつてトム・ボーネンやヨハン・ムセーウが駆ってパリ~ルーベを制しているタイムには隠れたノウハウが豊富だ。
ホイールはノーマルチューブラーリム。タイヤはパナレーサーがスペシャルで用意したパヴェ用モデルだ。
ガーミン・サーヴェロ
ヨハン・ファンスーメレンの勝利でパリ~ルーベに3勝(オグレディ、カンチェラーラ)したことになるサーヴェロR3。振動吸収性に優れたロードモデルは山岳でも使用される軽量モデルで、いかにオールラウンドな使用に対応するバイクであるかが実証されたことになる。
ホイールにはマヴィック・コスミックのワンオフと思われるカーボンディープホイールがセットされる。タイヤはもっとも使用率が高いFMBパリ~ルーベスペシャル。3Tのハンドルセット上には当然ガーミンのEDGE500コンピュータが使用される。なおヨハン・ファンスーメレンの走行データがガーミンConnect上に公開されている。
アージェードゥーゼル
今回の参加チーム中でもっともメカニック的な工夫が少なかったのがアージェードゥーゼルだ。通常ロードモデルのKOUTA KOM EVOに乗り、ホイールはレイノルズMV-T。タイヤにはミシュランのプロ用特別供給モデルの「サービスクルス」がセットされる。
カチューシャ
カチューシャはドイツブランドのフォーカスに乗るが、パリ~ルーベのエースバイクに採用されたのはIZALCOでなく、セカンドモデルのCAYOだ。耐久性と振動吸収性に優れる点が採用の理由だろう。レイフ・ホステやフィリッポ・ポッツァートがCAYOに乗るが、IZALCOをチョイスする選手も。おそらくはパヴェ区間以前の舗装区間でのアシストを重視したチョイスだろう。ホイールはVISIONのカーボンディープからアルミリムまで、様々なタイプを選手の好みに応じてチョイス。
オメガファーマ・ロット
オメガファーマ・ロットが乗るのはドイツのCANYON(キャニオン)。インターネット上でユーザーに直接販売されるバイクブランドだ。選手によってエアロモデルの新型と通常使用されるSLXを使い分ける。ユニークなのはクラシックシリーズのレース名をフレームにあしらった特別ペイントモデル。
BMCレーシングチーム
BMCレーシングチームが乗るのはもちろんスイスメイドのBMCだ。すべての選手がSLR01に乗る。アレッサンドロ・バッラン(イタリア)、ジョージ・ヒンカピー(アメリカ)、マヌエル・クインツィアート(イタリア)ら多くの選手が生き残るチームの活躍がマシンの優秀性も実証している。
ホイールはイーストンのカーボンディープリムに、スペシャル仕様のノーロゴのタイヤがセットされる。イーストンのハンドル&ステムセットはあえてアルミ製のEA70&90がチョイスされる。
レディオシャック
レディオシャックは通常のロードモデル、マドン6.9SSLを使用する。選手によってはハンドルを高くセットするために新品フォークに差し替えてコラムを高く残してカットして使用する選手もいた。ホイールはノーマルアルミリムに、チャレンジ製のパリ~ルーベタイヤを使用する。
クイックステップ
クイックステップはエディメルクスの通常のロードモデルEMX-5を使用。写真はエースのトム・ボーネン(ベルギー)のバイクだ。ホイールはノーマルスポーク組のアンブロシオ・ネメシスを使用し、タイヤにはヴィットリア・スペシャルパヴェを使用する。ボーネンのインナーは46Tに換装されていた。チェーンサックのトラブルに見舞われたが、このバイクにはチェーンウォッチャーが装備されていた。
モビスター
モビスターもシームスカイ同様にピナレロのパヴェ専用モデルとも言えるKOBH60.1に乗る。コンポはカンパニョーロの電動スーパーレコードが使用されている。バッテリーパックは振動に耐えるようにビニールテープで補強固定されていた。バネスト、ケースデパーニュ時代からの標準装備であるカンパニョーロ・バルセロナチューブラーリムを使用する。
リクイガス・キャノンデール
リクイガス・キャノンデールが乗るのはキャノンデールのコンフォートモデルであるSYNAPSE(シナプス)。振動吸収性を高め、コンフォートなポジションをもたらす設計だ。しかし選手のポジションに対応するために長め・低めのステムがセットされる。ホイールはノーマルスポーク組のモデルが使用されている。タイヤはFMBだ。
ユーロップカー
ユーロップカーはコルナゴのシクロクロスモデルであるスーパープレスティージュを使用する。もちろんカンティブレーキ仕様で、担ぐための補助ループがフレーム三角にあるのはご愛嬌だ。ホイールはカンパニョーロボーラワンを使用している。
photo&text:Makoto.AYANO
チームスカイ
フアンアントニオ・フレチャ(スペイン)らが乗るのはピナレロのパヴェ専用モデルとも言えるKOBH60.1。ドグマの兄弟モデルで、振動吸収性を付加した設計になっている。タイヤクリアランスも28Cタイヤに対応している。チームスカイはシマノDi2を標準装備して走る。タイヤにFMBのパヴェスペシャル、リムはアンブロシオのクラシックなチューブラーリム「ネメシス」を使用する選手が多い。
レオパード・トレック
ファビアン・カンチェラーラ(スイス)が乗るトレック・マドン6.9SSLは通常のロードレースを闘うバイクであることから、トレックのバイクがいかに振動吸収性に対して自信があるかが伺える。リアエンドがスチール削り出しの丈夫なワンオフものに交換されている。スプロケットにアルテグラを使用するのは、減りを嫌ってのことか?チタン製フリーは砂にまみれた際の「ゴリつき」があるためだろうか? ロックリングも廉価モデルのものが使用され、確実な締め付けを重視している。
カンチェラーラのバイクには好みの問題でメカニカルタイプのシフティングシステムが使用される。また、軽量化のためにYUMEYAのゴールドボルト、アウターケーブル類がインストールされる。ホイールはボントレガーのXXXライト、タイヤはFMBの27mmの太さのパリ~ルーベスペシャル。
ソール・ソジャサン
エースのアルノー・コワイオ(フランス)が乗るのはRXRだが、他のメンバーはVXRSワールドスターにカンティブレーキがつくスペシャルモデルを使用していた。いずれもワンオフと思われるモデル。かつてトム・ボーネンやヨハン・ムセーウが駆ってパリ~ルーベを制しているタイムには隠れたノウハウが豊富だ。
ホイールはノーマルチューブラーリム。タイヤはパナレーサーがスペシャルで用意したパヴェ用モデルだ。
ガーミン・サーヴェロ
ヨハン・ファンスーメレンの勝利でパリ~ルーベに3勝(オグレディ、カンチェラーラ)したことになるサーヴェロR3。振動吸収性に優れたロードモデルは山岳でも使用される軽量モデルで、いかにオールラウンドな使用に対応するバイクであるかが実証されたことになる。
ホイールにはマヴィック・コスミックのワンオフと思われるカーボンディープホイールがセットされる。タイヤはもっとも使用率が高いFMBパリ~ルーベスペシャル。3Tのハンドルセット上には当然ガーミンのEDGE500コンピュータが使用される。なおヨハン・ファンスーメレンの走行データがガーミンConnect上に公開されている。
アージェードゥーゼル
今回の参加チーム中でもっともメカニック的な工夫が少なかったのがアージェードゥーゼルだ。通常ロードモデルのKOUTA KOM EVOに乗り、ホイールはレイノルズMV-T。タイヤにはミシュランのプロ用特別供給モデルの「サービスクルス」がセットされる。
カチューシャ
カチューシャはドイツブランドのフォーカスに乗るが、パリ~ルーベのエースバイクに採用されたのはIZALCOでなく、セカンドモデルのCAYOだ。耐久性と振動吸収性に優れる点が採用の理由だろう。レイフ・ホステやフィリッポ・ポッツァートがCAYOに乗るが、IZALCOをチョイスする選手も。おそらくはパヴェ区間以前の舗装区間でのアシストを重視したチョイスだろう。ホイールはVISIONのカーボンディープからアルミリムまで、様々なタイプを選手の好みに応じてチョイス。
オメガファーマ・ロット
オメガファーマ・ロットが乗るのはドイツのCANYON(キャニオン)。インターネット上でユーザーに直接販売されるバイクブランドだ。選手によってエアロモデルの新型と通常使用されるSLXを使い分ける。ユニークなのはクラシックシリーズのレース名をフレームにあしらった特別ペイントモデル。
BMCレーシングチーム
BMCレーシングチームが乗るのはもちろんスイスメイドのBMCだ。すべての選手がSLR01に乗る。アレッサンドロ・バッラン(イタリア)、ジョージ・ヒンカピー(アメリカ)、マヌエル・クインツィアート(イタリア)ら多くの選手が生き残るチームの活躍がマシンの優秀性も実証している。
ホイールはイーストンのカーボンディープリムに、スペシャル仕様のノーロゴのタイヤがセットされる。イーストンのハンドル&ステムセットはあえてアルミ製のEA70&90がチョイスされる。
レディオシャック
レディオシャックは通常のロードモデル、マドン6.9SSLを使用する。選手によってはハンドルを高くセットするために新品フォークに差し替えてコラムを高く残してカットして使用する選手もいた。ホイールはノーマルアルミリムに、チャレンジ製のパリ~ルーベタイヤを使用する。
クイックステップ
クイックステップはエディメルクスの通常のロードモデルEMX-5を使用。写真はエースのトム・ボーネン(ベルギー)のバイクだ。ホイールはノーマルスポーク組のアンブロシオ・ネメシスを使用し、タイヤにはヴィットリア・スペシャルパヴェを使用する。ボーネンのインナーは46Tに換装されていた。チェーンサックのトラブルに見舞われたが、このバイクにはチェーンウォッチャーが装備されていた。
モビスター
モビスターもシームスカイ同様にピナレロのパヴェ専用モデルとも言えるKOBH60.1に乗る。コンポはカンパニョーロの電動スーパーレコードが使用されている。バッテリーパックは振動に耐えるようにビニールテープで補強固定されていた。バネスト、ケースデパーニュ時代からの標準装備であるカンパニョーロ・バルセロナチューブラーリムを使用する。
リクイガス・キャノンデール
リクイガス・キャノンデールが乗るのはキャノンデールのコンフォートモデルであるSYNAPSE(シナプス)。振動吸収性を高め、コンフォートなポジションをもたらす設計だ。しかし選手のポジションに対応するために長め・低めのステムがセットされる。ホイールはノーマルスポーク組のモデルが使用されている。タイヤはFMBだ。
ユーロップカー
ユーロップカーはコルナゴのシクロクロスモデルであるスーパープレスティージュを使用する。もちろんカンティブレーキ仕様で、担ぐための補助ループがフレーム三角にあるのはご愛嬌だ。ホイールはカンパニョーロボーラワンを使用している。
photo&text:Makoto.AYANO
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