2011年4月2日、オランダでヘル・ファン・ヘット・メルヘラント(UCI1.1)が開催され、ピム・リヒハルト(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)が優勝。7年連続出場の土井雪広(スキル・シマノ)は17位。宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)はリタイアに終わった。

オランダ・リンブルグ地方の丘陵地帯を駆け抜けるオランダ・リンブルグ地方の丘陵地帯を駆け抜ける photo:Cor Vosヘル・ファン・ヘット・メルヘラントはオランダ内陸部のリンブルグ地方を舞台にしたワンデーレース。丘陵地帯を縫うように走るコースは同地方で開催される「アルデンヌ・クラシック」さながら。

レースはフィリッポ・サヴィーニ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)とヨハネス・フレーリンガー(ドイツ、スキル・シマノ)の2名が逃げる展開。メイン集団はその人数を絞り込みながら2名を追走。ゴール前でサヴィーニとフレーリンガーを封じ込め、石畳の登りスプリントでピム・リヒハルト(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)が勝利した。

両手を挙げてゴールするピム・リヒハルト(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)両手を挙げてゴールするピム・リヒハルト(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) photo:Cor Vosチームメイトのサイモン・ゲスク(ドイツ)を4位に送り込んだスキル・シマノの土井は17位。全日本チャンピオンの宮澤はDNFという結果に。

「今年は本気で個人としてもチームとしても、勝ちを意識したレース展開に持ち込もうと動いていたと語るのは、7年連続の出場の土井。「身体もクラシックに向け極限まで絞っているから、登りも軽いし、動きたいところで身体が動く。でも最後の石畳でサイモンは伸びずに4位。僕はあれた石畳の影響で、パワーは出てるのに、トラクションがかけられず、加速できずに17位でゴール。個人の過去最高位更新はできたが、チームとして勝てなかったことが残念だ」と悔しさを滲ませながら振り返る。

土井は4月17日にオランダで開催されるUCIワールドツアーのアムステル・ゴールドレースへの出場が決定。オランダ最大のレースを走るオランダチームのベストメンバーに選出された。「ベストメンバーに選ばれたことに喜び半分大きなプレッシャーも半分。逃げを打つか、最後の勝負に残れるように走るのか、まだまだわかりませんが、被災者へのエールを送るつもりで全身全霊戦います」と語った。

ヘル・ファン・ヘット・メルヘラント2011
1位 ピム・リヒハルト(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)          5h00'39"
2位 フェデリーコ・カヌーティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
3位 サミュエル・ドゥムラン(フランス、コフィディス)
4位 サイモン・ゲスク(ドイツ、スキル・シマノ)
5位 マルチェッロ・パヴァリン(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)
6位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)
7位 エドウィグ・カマーツ(ベルギー、ランドバウクレジット)
8位 ティエリー・ウポン(フランス、スキル・シマノ)
9位 バート・デワール(ベルギー、ランドバウクレジット)
10位 デーヴィッド・タナー(オーストラリア、サクソバンク・サンガード)
17位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)
DNF 宮澤崇史(日本、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos