2011/04/03(日) - 17:12
金曜日にレオパード・トレックのステイ先のコルトレイクのホテルで行われた記者会見より。出場する全チームメイトが並んだが、質問はカンチェラーラに集中した。先週土曜日のE3プライス・フラーンデレンの見事な勝ちっぷりから、「頭抜けた優勝候補」との声が高いが?
-- 誰もが皆「絶対唯一の優勝候補だ」というけれど、プレッシャーとはどう対峙している? それでナーバスになったりはしない?
カンチェラーラ: 僕はこのとおり、すごく落ち着いている。人はすべてのプレッシャーを僕の両肩に載せようとするけど、僕の肩は広くて大きいんだ(笑)。
今ここにこんなにも自分が強いと感じていて、しかもディフェンディングチャンピオンでナンバーワンの優勝候補であるなんてことは、めったにあることじゃない。僕には準備ができている。世界の皆が僕が強いということ、そして準備が出来ていることも知っている。引き下がる理由はない。
すべてのプレッシャーを味方に付けるのは簡単だ。なぜならそれが土曜のレース(E-3プライス・フラーンデレンで独走勝利した)をみてのことだと思うから、それを「祝福」と取ればいいだけのこと。
でも日曜のレースでどうするべきかは僕は知っている。一番のクエスチョンマークは、土曜の僕が果たして100%の力だったかということ。その答えは僕だけが知っている。他の誰も知ることはできない。チームメイトを除いては。
-- 昨年との違いは?
カンチェラーラ: 一番の違いは、僕が昨年このレースに勝ったということ。僕はもっと自分にプレッシャーを掛けなきゃいけないのかもしれない。でも落ち着いている。
まだ勝ったことのない選手が挑んでくるだろう。また勝ちたいとカムバックを狙う選手もいる。でもそれが僕にとってはいいほうに働く。
ディフェンディングチャンピオンとしてレースをスタートするのはいつもハードだ。僕は勝つためにブルージュをスタートする。リーダーとしてスタートするわけじゃない。ディフェンディングチャンピオンはすべての動きを厳しくチェックされる。つねに見られて、動けばすべて「危険な動きじゃないのか?」って。レースをもっと難しくする。
チームは準備万端だ。ここ数日レースでしたこと、ここ数週トレーニングでしたこと。チーム皆がすべきことをして準備ができてリラックスしている。自信をつけている。戦術は固めたし、ハードなレースとハードな練習をこなしてきたんだ。
デザートに最後に軽く砂糖を振るだけの状態だ。すると美味しくなる。やるべきことをやった一日の終わりには、素敵なデザートが待っている。
-- ボーネンがヘント~ウェヴェルヘムで勝った映像は観た? 土曜のE3は君が勝ったけど、日曜はトムが勝った。
カンチェラーラ: そのシーンは家でテレビで観たんだ。日曜はレースのことだけを考えるのはよそうと思っていたから、最後の1kmのダイジェスト映像だけを観た。トムはいいスプリントをしていたね。
僕は土曜のレースで僕に大事だと思うことをした。トムは彼にとって大事だと思うことをした。
僕は(E3プライスフラーンデレンで)実感を掴んだ。人々はなにか特別なものを観たと思うよ。
-- 土曜のレースの後はどうしていたのか?
カンチェラーラ: 先の数日は家にいてくつろいでいた。自分のトレーニングをしてマッサージを受けて、シーズン最初の期間で100%に仕上がることを確かめていた。家族と過ごし、子供と遊び、楽しんだ。この時期スイスで過ごしたのはあまりないこと。あっという間に日が過ぎた。先週よりもずっとフレッシュになった。もっとも大事なことだ。
レースの数日前であっても自転車競技は人生の全てじゃない。ゆっくり座って普通の人間としてのバッテリーを充電することはいいことだと思う。人が準備をするときによく言う「エンジンの空吹かし」よりも。
-- レースで避けたい「悪いシナリオ」とは、どんなものだろう?
僕は自分にとって完璧なシナリオを用意している。しかし最悪の事態は、逃げグループが出来たとする。しかし僕を引き上げることを好としない他のチームの誰もがその逃げを追わないことだ。でもそれは彼らにとっても勝負を捨てることを意味する。サプライズウィナーが生まれるだろう。人々がサプライズウィナーの誕生を望んでいるとは僕は思わないよ。
もし彼らが対自分だけのレースをするならば、彼らもレースを捨てることになる。彼らが僕ひとりだけを相手にレースをするなら、間違った戦術を取らざるをえないし、間違ったレースをすることになる。彼らだって勝つためにレースをスタートするんだ。
僕にとっては「なるようになる」だ。僕は先週見せたように前から飛び出すことも後ろから飛び出すことも知っている。ひとりになったとき何をすべきか、前者も後者も知っている。
僕はいくつもの異なったシナリオを書ける。何が起こっても完璧なシナリオが書ける自信がある。すべての状況に対応する術を知っているから。
それでもレースを決めるのは一日のことでしかない。レースの前までに何をしたかが重要。あとは260kmが決めるだけ。
カンチェラーラのバイクのセッティング
ホテルではメカニシャンがパヴェ対策を施したバイクのセッティングに追われていた。カンチェラーラはチーム標準のシマノDi2を避け、あえてメカニカルタイプ(ワイヤー引き)のSTIレバーを使用することに決めた。これは先週のE3プライス・フラーンデレンでもテスト済みで、シフト操作のフィーリングが好みのノーマルバージョンを選んだとのことだ。
また、タイヤには27Cの太さのFMB製極太チューブラータイヤを使用する。おそらくシルク(絹)コードだと思われるケーシングが非常にしなやかだ。チーム全員がこれを使用する。また、カンチェラーラのマシンにのみシマノYUMEYAのゴールドメッキパーツなどがインストールされる予定だ。これはシマノ・ヨーロッパのアイデアで軽量化を狙ってのことだという。
text&photo Makoto.AYANO
-- 誰もが皆「絶対唯一の優勝候補だ」というけれど、プレッシャーとはどう対峙している? それでナーバスになったりはしない?
カンチェラーラ: 僕はこのとおり、すごく落ち着いている。人はすべてのプレッシャーを僕の両肩に載せようとするけど、僕の肩は広くて大きいんだ(笑)。
今ここにこんなにも自分が強いと感じていて、しかもディフェンディングチャンピオンでナンバーワンの優勝候補であるなんてことは、めったにあることじゃない。僕には準備ができている。世界の皆が僕が強いということ、そして準備が出来ていることも知っている。引き下がる理由はない。
すべてのプレッシャーを味方に付けるのは簡単だ。なぜならそれが土曜のレース(E-3プライス・フラーンデレンで独走勝利した)をみてのことだと思うから、それを「祝福」と取ればいいだけのこと。
でも日曜のレースでどうするべきかは僕は知っている。一番のクエスチョンマークは、土曜の僕が果たして100%の力だったかということ。その答えは僕だけが知っている。他の誰も知ることはできない。チームメイトを除いては。
-- 昨年との違いは?
カンチェラーラ: 一番の違いは、僕が昨年このレースに勝ったということ。僕はもっと自分にプレッシャーを掛けなきゃいけないのかもしれない。でも落ち着いている。
まだ勝ったことのない選手が挑んでくるだろう。また勝ちたいとカムバックを狙う選手もいる。でもそれが僕にとってはいいほうに働く。
ディフェンディングチャンピオンとしてレースをスタートするのはいつもハードだ。僕は勝つためにブルージュをスタートする。リーダーとしてスタートするわけじゃない。ディフェンディングチャンピオンはすべての動きを厳しくチェックされる。つねに見られて、動けばすべて「危険な動きじゃないのか?」って。レースをもっと難しくする。
チームは準備万端だ。ここ数日レースでしたこと、ここ数週トレーニングでしたこと。チーム皆がすべきことをして準備ができてリラックスしている。自信をつけている。戦術は固めたし、ハードなレースとハードな練習をこなしてきたんだ。
デザートに最後に軽く砂糖を振るだけの状態だ。すると美味しくなる。やるべきことをやった一日の終わりには、素敵なデザートが待っている。
-- ボーネンがヘント~ウェヴェルヘムで勝った映像は観た? 土曜のE3は君が勝ったけど、日曜はトムが勝った。
カンチェラーラ: そのシーンは家でテレビで観たんだ。日曜はレースのことだけを考えるのはよそうと思っていたから、最後の1kmのダイジェスト映像だけを観た。トムはいいスプリントをしていたね。
僕は土曜のレースで僕に大事だと思うことをした。トムは彼にとって大事だと思うことをした。
僕は(E3プライスフラーンデレンで)実感を掴んだ。人々はなにか特別なものを観たと思うよ。
-- 土曜のレースの後はどうしていたのか?
カンチェラーラ: 先の数日は家にいてくつろいでいた。自分のトレーニングをしてマッサージを受けて、シーズン最初の期間で100%に仕上がることを確かめていた。家族と過ごし、子供と遊び、楽しんだ。この時期スイスで過ごしたのはあまりないこと。あっという間に日が過ぎた。先週よりもずっとフレッシュになった。もっとも大事なことだ。
レースの数日前であっても自転車競技は人生の全てじゃない。ゆっくり座って普通の人間としてのバッテリーを充電することはいいことだと思う。人が準備をするときによく言う「エンジンの空吹かし」よりも。
-- レースで避けたい「悪いシナリオ」とは、どんなものだろう?
僕は自分にとって完璧なシナリオを用意している。しかし最悪の事態は、逃げグループが出来たとする。しかし僕を引き上げることを好としない他のチームの誰もがその逃げを追わないことだ。でもそれは彼らにとっても勝負を捨てることを意味する。サプライズウィナーが生まれるだろう。人々がサプライズウィナーの誕生を望んでいるとは僕は思わないよ。
もし彼らが対自分だけのレースをするならば、彼らもレースを捨てることになる。彼らが僕ひとりだけを相手にレースをするなら、間違った戦術を取らざるをえないし、間違ったレースをすることになる。彼らだって勝つためにレースをスタートするんだ。
僕にとっては「なるようになる」だ。僕は先週見せたように前から飛び出すことも後ろから飛び出すことも知っている。ひとりになったとき何をすべきか、前者も後者も知っている。
僕はいくつもの異なったシナリオを書ける。何が起こっても完璧なシナリオが書ける自信がある。すべての状況に対応する術を知っているから。
それでもレースを決めるのは一日のことでしかない。レースの前までに何をしたかが重要。あとは260kmが決めるだけ。
カンチェラーラのバイクのセッティング
ホテルではメカニシャンがパヴェ対策を施したバイクのセッティングに追われていた。カンチェラーラはチーム標準のシマノDi2を避け、あえてメカニカルタイプ(ワイヤー引き)のSTIレバーを使用することに決めた。これは先週のE3プライス・フラーンデレンでもテスト済みで、シフト操作のフィーリングが好みのノーマルバージョンを選んだとのことだ。
また、タイヤには27Cの太さのFMB製極太チューブラータイヤを使用する。おそらくシルク(絹)コードだと思われるケーシングが非常にしなやかだ。チーム全員がこれを使用する。また、カンチェラーラのマシンにのみシマノYUMEYAのゴールドメッキパーツなどがインストールされる予定だ。これはシマノ・ヨーロッパのアイデアで軽量化を狙ってのことだという。
text&photo Makoto.AYANO
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