2010/10/13(水) - 07:04
ツアー・オブ・ハイナン第2ステージ。ビーチリゾート三亜をスタートして、内陸の五指山へ向かう2つの山岳ポイントを含む167.5kmレースは、集団スプリントのすえヴァレンティン・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)が優勝した。日本勢は西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)が僅差で2位。ゴール後に悔しさを滲ませた。
本格的なラインレースがスタートしたツアー・オブ・ハイナン。第2ステージは昨日周回レースを行った島南部の三亜をスタートしたあと海沿いに北上する。
3級の山岳ポイントを通過し、陵水から内陸に入って島の最高峰五指山をめぜす167.5kmのコースレイアウトだ。ゴール手前20km地点にある高低差300mほどの2級山岳もレースの要となる。
スタートしたのは10:00。序盤は緩やかなペースでレースが進む。最初に集団から飛び出したのは、ハヴィ・フィトリアント(インドネシア、ポリゴン・スイート・ナイス)。独走のまま最初の3級山岳ポイントを越えると、その後ステファン・コーネン(ドイツ、ディフェルダンジュ)が先行する。
しかし、それも最後の山岳の上りで集団に吸収される。上りでの集団はアスタナがおもにコントロールし、結果的に大集団のままでゴールを迎えた。僅差のスプリントを制して両手を挙げたのはイグリンスキーだった。
今回、ロシアナショナルチームと非常にジャージが似ている愛三チーム。集団内で彼らを捜すのは至難の技とも言えるのだが、このゴールスプリントにおいては、遠くからでもしっかりと愛三チームのジャージを認識することができた。
ゴールラインから見て集団の左側に西谷、中央に盛一大だ。そして急加速したのは西谷だった。左から中央に寄るような形で勢いのあるイグリンスキーに迫り、両者ほぼ横一線に並んでゴールラインを通り抜けた。
選手たちの話を聞くと、残り1km地点で綾部勇成(愛三)を含む3選手が先行し、残り500mでイラン人や盛が飛び出すとラインが割れた。そして一斉に広がるようにしてゴールスプリントが掛かったのだという。僅差でステージ優勝を逃した西谷の表情が悔しさで歪む。
西谷泰治のコメント
「今日は勝つつもりでスプリントをしました。でも左側に気配を感じて……。残り1kmまで、チームメイトの動きは完璧でした。あとは自分が勝つだけなのに、勝てなかったことは悔しい。ゴール前が思っていたよりも上りだったのも悔しいですね。
このコースを知っていたら、かけるタイミングを遅くしたし、ギヤもあと1枚軽くてもよかったと思う。今日は勝ちたい気持ちが先行してしまって焦っていました。それが結果的に自分が前に出る時間を長くしてしまいました」
リーダージャージを獲得したヴァレンティン・イグリンスキー
「すべてのチームメイトがサポートしてくれてベストなコンディションでの勝利だった。ハイナンは4回目の参戦。このままジャージをキープしたいと思う」
明日の第3ステージは、今大会最高カテゴリーである1級山岳を含む山岳コース。逃げが決まるのか、またしても集団でのスプリントになるのか? 現在西谷がトップから4秒遅れの2位、盛が10秒遅れの5位と総合上位に食い込んでいる。一方で、有力視されていたアレクサンドル・ヴィノクロフは登坂区間で遅れ、現在トップから2分30秒遅れの89位に後退している。
ツアー・オブ・ハイナン2010第2ステージ結果
1位 ヴァレンティン・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ) 4h28'23"
2位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシングチーム)
3位 ジョニー・ウォーカー(オーストラリア、フットオン・セルベット)
9位 盛一大(日本、愛三工業レーシングチーム)
32位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)
36位 綾部勇成(日本、愛三工業レーシングチーム) +06"
80位 福田真平(日本、愛三工業レーシングチーム) +2'20"
98位 鈴木謙一(日本、愛三工業レーシングチーム)
個人総合成績
1位 ヴァレンティン・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ) 6h00'00"
2位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシングチーム) +04"
3位 ジョニー・ウォーカー(オーストラリア、フットオン・セルベット) +06"
5位 盛一大(日本、愛三工業レーシングチーム) +10"
22位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)
34位 綾部勇成(日本、愛三工業レーシングチーム) +16"
75位 福田真平(日本、愛三工業レーシングチーム) +2'30"
87位 鈴木謙一(日本、愛三工業レーシングチーム)
アジア最高位
ヴァレンティン・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)
ポイント賞
ヴァレンティン・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)
山岳賞
アルカイス・ドゥーラン(スペイン、フットオン・セルベット)
text&photo:Sonoko Tanaka
本格的なラインレースがスタートしたツアー・オブ・ハイナン。第2ステージは昨日周回レースを行った島南部の三亜をスタートしたあと海沿いに北上する。
3級の山岳ポイントを通過し、陵水から内陸に入って島の最高峰五指山をめぜす167.5kmのコースレイアウトだ。ゴール手前20km地点にある高低差300mほどの2級山岳もレースの要となる。
スタートしたのは10:00。序盤は緩やかなペースでレースが進む。最初に集団から飛び出したのは、ハヴィ・フィトリアント(インドネシア、ポリゴン・スイート・ナイス)。独走のまま最初の3級山岳ポイントを越えると、その後ステファン・コーネン(ドイツ、ディフェルダンジュ)が先行する。
しかし、それも最後の山岳の上りで集団に吸収される。上りでの集団はアスタナがおもにコントロールし、結果的に大集団のままでゴールを迎えた。僅差のスプリントを制して両手を挙げたのはイグリンスキーだった。
今回、ロシアナショナルチームと非常にジャージが似ている愛三チーム。集団内で彼らを捜すのは至難の技とも言えるのだが、このゴールスプリントにおいては、遠くからでもしっかりと愛三チームのジャージを認識することができた。
ゴールラインから見て集団の左側に西谷、中央に盛一大だ。そして急加速したのは西谷だった。左から中央に寄るような形で勢いのあるイグリンスキーに迫り、両者ほぼ横一線に並んでゴールラインを通り抜けた。
選手たちの話を聞くと、残り1km地点で綾部勇成(愛三)を含む3選手が先行し、残り500mでイラン人や盛が飛び出すとラインが割れた。そして一斉に広がるようにしてゴールスプリントが掛かったのだという。僅差でステージ優勝を逃した西谷の表情が悔しさで歪む。
西谷泰治のコメント
「今日は勝つつもりでスプリントをしました。でも左側に気配を感じて……。残り1kmまで、チームメイトの動きは完璧でした。あとは自分が勝つだけなのに、勝てなかったことは悔しい。ゴール前が思っていたよりも上りだったのも悔しいですね。
このコースを知っていたら、かけるタイミングを遅くしたし、ギヤもあと1枚軽くてもよかったと思う。今日は勝ちたい気持ちが先行してしまって焦っていました。それが結果的に自分が前に出る時間を長くしてしまいました」
リーダージャージを獲得したヴァレンティン・イグリンスキー
「すべてのチームメイトがサポートしてくれてベストなコンディションでの勝利だった。ハイナンは4回目の参戦。このままジャージをキープしたいと思う」
明日の第3ステージは、今大会最高カテゴリーである1級山岳を含む山岳コース。逃げが決まるのか、またしても集団でのスプリントになるのか? 現在西谷がトップから4秒遅れの2位、盛が10秒遅れの5位と総合上位に食い込んでいる。一方で、有力視されていたアレクサンドル・ヴィノクロフは登坂区間で遅れ、現在トップから2分30秒遅れの89位に後退している。
ツアー・オブ・ハイナン2010第2ステージ結果
1位 ヴァレンティン・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ) 4h28'23"
2位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシングチーム)
3位 ジョニー・ウォーカー(オーストラリア、フットオン・セルベット)
9位 盛一大(日本、愛三工業レーシングチーム)
32位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)
36位 綾部勇成(日本、愛三工業レーシングチーム) +06"
80位 福田真平(日本、愛三工業レーシングチーム) +2'20"
98位 鈴木謙一(日本、愛三工業レーシングチーム)
個人総合成績
1位 ヴァレンティン・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ) 6h00'00"
2位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシングチーム) +04"
3位 ジョニー・ウォーカー(オーストラリア、フットオン・セルベット) +06"
5位 盛一大(日本、愛三工業レーシングチーム) +10"
22位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)
34位 綾部勇成(日本、愛三工業レーシングチーム) +16"
75位 福田真平(日本、愛三工業レーシングチーム) +2'30"
87位 鈴木謙一(日本、愛三工業レーシングチーム)
アジア最高位
ヴァレンティン・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)
ポイント賞
ヴァレンティン・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)
山岳賞
アルカイス・ドゥーラン(スペイン、フットオン・セルベット)
text&photo:Sonoko Tanaka
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