2010年10月7日、イタリア中部のトスカーナ州で第58回コッパ・サバティーニ(UCI1.1)が開催。世界選手権から帰国したばかりのジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)らを破ったリカルド・リッコ(イタリア、ヴァカンソレイユ)が優勝を飾った。

メイン集団のペースを上げるISD・ネーリメイン集団のペースを上げるISD・ネーリ photo:Riccardo Scanferla今年で開催58回目を迎えるコッパ・サバティーニ。コースは21.5kmの大周回を7周と、12.2kmの小周回を4周。最後はピサ近郊のピッチョリに向かって、高低差70mを駆け上がってゴールとなる。

レースは序盤からアレッサンドロ・プローニ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)ら4名が逃げたが、ゴール40km手前で吸収。小周回でジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ)らがアタックを仕掛けるも、決定的な逃げにはならない。

攻撃を仕掛けるジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)攻撃を仕掛けるジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ) photo:Riccardo Scanferla最後は40名ほどの小集団がゴールに向かう上りに突入。世界選手権から帰国したばかりのヴィスコンティのアタックは決定力を欠き、上りスプリントで飛び出したリッコが勝利。チームメイトのマルコ・マルカート(イタリア)が2位に入った。

リッコは先月チェラミカ・フラミニアからヴァカンソレイユに移籍。すでにシーズン6勝を飾っており、これが新チームでの初勝利にあたる。

ガッツポーズでゴールするリカルド・リッコ(イタリア、ヴァカンソレイユ)ガッツポーズでゴールするリカルド・リッコ(イタリア、ヴァカンソレイユ) photo:Riccardo Scanferla現在イタリア国内では、CONI(イタリア五輪委員会)のアンチドーピング検察を務めるエットーレ・トッリ氏の「自転車競技にはドーピングが深くはびこっている」という発言が波紋を広げている。

この日優勝したリッコは、1週間前に家宅捜索を受けるなど、未だにドーピング疑惑を完全に払拭出来ていない。リッコはレース後のインタビューで「(トッリ氏の発言に対して)怒りを感じている。自分を信じているくれているヴァカンソレイユのために、何としても今日は勝ちたかった」と語っている。

レース展開ならびに選手コメントはガゼッタ紙より。


コッパ・サバティーニ2010結果
1位 リカルド・リッコ(イタリア、ヴァカンソレイユ)           4h18'15"
2位 マルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ)
3位 レオナルド・ベルタニョッリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)
4位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)
5位 スタフ・シェイリンクス(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
6位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
7位 ヴィデ・アポローニオ(イタリア、サーヴェロ・テストチーム)
8位 アレクサンドル・ボチャロフ(ロシア、カチューシャ)
9位 シモーネ・ストルトーニ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
10位 アレッサンドロ・ベルトリーニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)

text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla