世界選の準備レースでイタリアチームの主将ポッツァートが勝利

9月26日（日）にオーストラリアで開催されたヘラルド・サン・クラシック（ナショナルイベント）で、フィリッポ・ポッツァート（イタリア）が優勝。ロード世界選手権を1週間後に控えたテストレースで、イタリアチームがその力を見せつけた。

レース前に話し込むフィリッポ・ポッツァート（イタリア）、ファビアン・カンチェラーラ（スイス）、ベルンハルト・アイゼル（オーストリア） photo:Riccardo Scanferla「ロード世界選手権ではもっと厳しい闘いになるよ。個人的にも、そんな簡単に手に入る勝利は望んでいない」。勝利したポッツァートは1週間後の本戦に向けて気合いを入れる。

この日のレースで、ポッツァートはファビアン・カンチェラーラ（スイス）、マチェイ・ボドナール（ポーランド）、カルロス・オヤルスン（チリ）と一緒に4名の逃げグループを形成。その中から飛び出し、ボドナールを振り切って勝利した。

「コアラ注意」 photo:Riccardo Scanferlaロード世界選手権のメイン会場ジーロングから70kmほど離れたバララットで開催されたヘラルド・サン・クラシック。127kmのレースには、イタリアチームを始め、多くのナショナルチームが出場した。UCIレースではないため、ナショナルジャージで走る選手と所属チームジャージで走る選手が混在した。

ポッツァートの優勝とカンチェラーラの4位という結果は、全長262.7kmで行なわれる翌週の本戦に向けての布石だ。カンチェラーラは4勝目が懸かった個人タイムトライアル（木曜日）にも出場する。

マチェイ・ボドナール（ポーランド）を振り切ってゴールするフィリッポ・ポッツァート（イタリア） photo:Riccardo Scanferla「少し疲れた状態での出場だった。レース会場まで自走で来たから、実際には225kmのレースを走ったようなもの。本戦に近いテストが出来たよ」。5月のジロ・デ・イタリアでのステージ優勝以降、勝利から遠ざかっていたポッツァート。レース後に更に40kmを走り、走行距離を本戦に合わせた。

イタリアチームはこの日から故フランコ・バッレリーニ監督に捧げるホワイトジャージを着てレースに出場。ピュアスプリンターを省いたことが波紋を呼んでいるイタリアチームにとって、この勝利は良い起爆剤になるはずだ。

表彰台、左から2位マチェイ・ボドナール（ポーランド）、優勝フィリッポ・ポッツァート（イタリア）、3位カルロス・オヤルスン（チリ） photo:Riccardo Scanferlaイタリアチームの前に立ちはだかるライバルとして注目を集めるマーク・カヴェンディッシュ（イギリス）はこの日のレースに出場せず。イタリアチームとの対決は1週間後にお預けとなった。

イギリスチームはジーロング近郊でのトレーニングライドに集中。カヴェンディッシュはチームメイトのジェレミー・ハントとともに5時間のライドをこなした。もう一人のチームメイトであるデーヴィット・ミラーは、木曜日の個人タイムトライアルに向けた準備段階に入っている。ミラーはロードレースでカヴェンディッシュのアシストとして働くことになる。

この日の午前中に行なわれたエリート女子レースは、トリキシ・ヴォラック（ドイツ）が優勝を飾っている。


エリートレース結果
1位　フィリッポ・ポッツァート（イタリア）　　3h01'09"
2位　マチェイ・ボドナール（ポーランド）
3位　カルロス・オヤルスン（チリ）
4位　ファビアン・カンチェラーラ（スイス）　　　　+02"
5位　アレクサンドル・クリストフ（ノルウェー）　　+20"
6位　ジョヴァンニ・ヴィスコンティ（イタリア）
7位　シルヴェスタ・ヤニシェフスキー（ポーランド）
8位　デニス・コスティウク（ウクライナ）
9位　ダニエル・ショルン（オーストリア）
10位　ミカル・ゴラス（ポーランド）

text:Gregor Brown in Geelong, Australia
translation:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla