2010/08/30(月) - 10:58
今年で開催27回目を迎えるシマノスズカロード。その最高峰のレースがシマノ鈴鹿国際ロードレースだ。海外招待選手と国内招待選手を多数迎え、ハイレベルな闘いが繰り広げられる。勝負はゴールスプリントに持ち込まれ、初来日のロバート・ワグナー(ドイツ、スキル・シマノ)が優勝。スキルシマノは連覇を達成した。
すべてのロードレーサーたちの夏祭り、シマノ鈴鹿ロードのメインイベントがシマノ鈴鹿国際ロードだ。レベルの高いJCF共催レースであり、今年も海外からもシマノがスポンサードする招待チームが来日した。
昨年に続いてオランダよりスキル・シマノ、近年連続出場のヴァン・ヴリエ、スウェーデンよりサイクレル・シティチームが出場。
昨年クーン・デコルトが優勝を飾ったスキル・シマノは、ケニーロバート・ファンヒュンメル(オランダ)、ロバート・ワグナー(ドイツ)、ロビン・シャイニョー(オランダ)、ダヴィ・デルー(フランス)という豪華メンバーで臨む。
2009年ツール・ド・フランスでお馴染みの存在となったエーススプリンターのファンヒュンメル、バイエルン・ルントファートでもスプリント勝利を挙げているワグナー、そして2009年ツールを率いたイワン・スペーケンブリンクゼネラルマネジャーも来日した。
国内招待チームは愛三工業レーシング、ブリヂストンアンカー、マリックスパワータグ・コラテック、チームNIPPO、宇都宮ブリッツェンら。そしてホストチームとなるのはもちろんシマノレーシング。これに国内最高レベルのホビーレーサーが加わり、F-1サーキットを舞台にハイスピードの闘いを繰り広げる。
スタートと同時にファーストアタックをかけたのは澤田賢匠(マトリックスパワータグ)これに辻善光(宇都宮ブリッツェン)が合流。集団はこれを見送り、落ち着きを見せる。
いつもならスタートと同時に数えきれないアタックが連続する展開になるこのレースも、今年は関西を襲った今年一番の猛暑が最大の敵だった。アスファルトが溶けるような照り返しのなか、集団の動きはいつもの活発さが見られない。
2周目、代わって飛び出すのは真鍋和幸(マトリックス)と辻貴光(CIERVO奈良)。しかしこれもほどなく吸収。
3周目、ペースが上がり、有力選手たちの逃げグループを作ろうという動きがようやく出てきた。しかしそれを尻目に再び澤田賢匠(マトリックスパワータグ)が逃げる。そして伊丹健治(アンカー)が合流。大集団と20秒の差をもって逃げる。
その後方で集団が一気に活性化。30名ほどのグループがスピードを上げてメイン集団を分断。海外勢やシマノレーシング、国内有力選手をを含むグループが抜け出しに成功した。
6周目。この集団はさらに人数を絞ろうとスピードを上げてセレクションに入る。残り20kmを切って集団は20人に。
そこから畑中勇介がアタックし、独走する。畑中は後続を15秒ほど離して1周を逃げきる。先頭グループの先頭には愛三工業レーシングが集まり、ハイペースを作りシマノ勢に抵抗を見せる。
残り2周、スキル・シマノのエースであると思われていたスプリンターのファンヒュンメルが真鍋和幸(マトリックス)と一緒に飛び出し、逃げに入る。集団スプリントに持ち込めば優勝の堅いファンヒュンメルだが、どうやらこの日のスキル・シマノのエースは他の選手であることがこの時点で分かった。
シマノ勢以外のチームが逃げを追うために脚を使い、ファンヒュンメルを捉えた。勝負はラスト1周へ。。スピードの上がる先頭グループからさらに時速50kmで抜け出したのは日本の誇るスピードマン、盛一大(愛三工業レーシング)だった。
盛は姿勢を低くしたクラウチングスタイルでハイスピードを保って逃げ続けるが、スキルシマノ、そしてヴァンヴリエらが集団を牽引し、残り2キロで盛を捉える。
勝負は例年通りゴールスプリントに持ち込まれたが、早めのスプリントで伸びを見せたのはロバート・ワグナー(スキル・シマノ)だった。2位は山本雅道(ブリヂストンアンカー)、3位は向川尚樹(マトリックスパワータグ)だった。
湿度が高く、立っているだけでめまいのするような猛暑のなかの闘いだった。優勝したワグナーはチームピットに戻って座り込むと、動けない状態になってしまう。熱中症だ。誰の呼びかけにも返事さえできず、ただ水を掛けてもらいながら回復を待つ。ワグナーは表彰式が始まってもまだ動けず、代わりにチームメイトが表彰台に立つという異例の事態に。
そして表彰が終わりかけた頃、ようやく回復したワグナーが表彰台に来てチームメイトからジャージを受け取り、観衆の前に立った。
スズカには初出場のワグナーは喜びの表情で表彰台に立った。「たった58kmのレースなのに、非常に厳しいレースだった。日本のライダーが強いのに驚いた。この2日間、人、サイクリストが多くて本当に驚いてばかりだった。日本は空手と相撲の国だと聞いていたのに、なかなかどうして、自転車の国でもあると思った。今日はたくさんの観客の皆さんの声が力になった」と語った。
ワグナーは来季スキル・シマノを離れ、アンディ&フランク・シュレク兄弟のいるルクセンブルクの新チームに移籍することが決まっている。
レースを終えての選手たちの声は、いずれもこの日のレースが過酷な熱射のなかで厳しかったことをうかがわせてくれた。熱中症や脱水との闘いで、スピード以上に天候が選手たちを苦しめたようだった。
1位 ロバート・ワグナー(ドイツ、スキル・シマノ) 1:18:28.70 平均44.50km/h
2位 山本雅道(ブリヂストンアンカー)
3位 向川尚樹(マトリックスパワータグ)
4位 品川真寛(愛三工業レーシング)
5位 福田真平(愛三工業レーシング)
6位 鈴木真理(シマノレーシング)
7位 井上和郎(チームNIPPO)
8位 辻善光(宇都宮ブリッツェン)
9位 小室雅成(湘南ベルマーレ)
10位 山下貴宏(マトリックスパワータグ)
国際ロード全リザルト(シマノイベントホームページ
国際ロード以外のシマノ鈴鹿ロードレースの模様は追ってお伝えします。お楽しみに。
photo&text:Makoto.AYANO
すべてのロードレーサーたちの夏祭り、シマノ鈴鹿ロードのメインイベントがシマノ鈴鹿国際ロードだ。レベルの高いJCF共催レースであり、今年も海外からもシマノがスポンサードする招待チームが来日した。
昨年に続いてオランダよりスキル・シマノ、近年連続出場のヴァン・ヴリエ、スウェーデンよりサイクレル・シティチームが出場。
昨年クーン・デコルトが優勝を飾ったスキル・シマノは、ケニーロバート・ファンヒュンメル(オランダ)、ロバート・ワグナー(ドイツ)、ロビン・シャイニョー(オランダ)、ダヴィ・デルー(フランス)という豪華メンバーで臨む。
2009年ツール・ド・フランスでお馴染みの存在となったエーススプリンターのファンヒュンメル、バイエルン・ルントファートでもスプリント勝利を挙げているワグナー、そして2009年ツールを率いたイワン・スペーケンブリンクゼネラルマネジャーも来日した。
国内招待チームは愛三工業レーシング、ブリヂストンアンカー、マリックスパワータグ・コラテック、チームNIPPO、宇都宮ブリッツェンら。そしてホストチームとなるのはもちろんシマノレーシング。これに国内最高レベルのホビーレーサーが加わり、F-1サーキットを舞台にハイスピードの闘いを繰り広げる。
スタートと同時にファーストアタックをかけたのは澤田賢匠(マトリックスパワータグ)これに辻善光(宇都宮ブリッツェン)が合流。集団はこれを見送り、落ち着きを見せる。
いつもならスタートと同時に数えきれないアタックが連続する展開になるこのレースも、今年は関西を襲った今年一番の猛暑が最大の敵だった。アスファルトが溶けるような照り返しのなか、集団の動きはいつもの活発さが見られない。
2周目、代わって飛び出すのは真鍋和幸(マトリックス)と辻貴光(CIERVO奈良)。しかしこれもほどなく吸収。
3周目、ペースが上がり、有力選手たちの逃げグループを作ろうという動きがようやく出てきた。しかしそれを尻目に再び澤田賢匠(マトリックスパワータグ)が逃げる。そして伊丹健治(アンカー)が合流。大集団と20秒の差をもって逃げる。
その後方で集団が一気に活性化。30名ほどのグループがスピードを上げてメイン集団を分断。海外勢やシマノレーシング、国内有力選手をを含むグループが抜け出しに成功した。
6周目。この集団はさらに人数を絞ろうとスピードを上げてセレクションに入る。残り20kmを切って集団は20人に。
そこから畑中勇介がアタックし、独走する。畑中は後続を15秒ほど離して1周を逃げきる。先頭グループの先頭には愛三工業レーシングが集まり、ハイペースを作りシマノ勢に抵抗を見せる。
残り2周、スキル・シマノのエースであると思われていたスプリンターのファンヒュンメルが真鍋和幸(マトリックス)と一緒に飛び出し、逃げに入る。集団スプリントに持ち込めば優勝の堅いファンヒュンメルだが、どうやらこの日のスキル・シマノのエースは他の選手であることがこの時点で分かった。
シマノ勢以外のチームが逃げを追うために脚を使い、ファンヒュンメルを捉えた。勝負はラスト1周へ。。スピードの上がる先頭グループからさらに時速50kmで抜け出したのは日本の誇るスピードマン、盛一大(愛三工業レーシング)だった。
盛は姿勢を低くしたクラウチングスタイルでハイスピードを保って逃げ続けるが、スキルシマノ、そしてヴァンヴリエらが集団を牽引し、残り2キロで盛を捉える。
勝負は例年通りゴールスプリントに持ち込まれたが、早めのスプリントで伸びを見せたのはロバート・ワグナー(スキル・シマノ)だった。2位は山本雅道(ブリヂストンアンカー)、3位は向川尚樹(マトリックスパワータグ)だった。
湿度が高く、立っているだけでめまいのするような猛暑のなかの闘いだった。優勝したワグナーはチームピットに戻って座り込むと、動けない状態になってしまう。熱中症だ。誰の呼びかけにも返事さえできず、ただ水を掛けてもらいながら回復を待つ。ワグナーは表彰式が始まってもまだ動けず、代わりにチームメイトが表彰台に立つという異例の事態に。
そして表彰が終わりかけた頃、ようやく回復したワグナーが表彰台に来てチームメイトからジャージを受け取り、観衆の前に立った。
スズカには初出場のワグナーは喜びの表情で表彰台に立った。「たった58kmのレースなのに、非常に厳しいレースだった。日本のライダーが強いのに驚いた。この2日間、人、サイクリストが多くて本当に驚いてばかりだった。日本は空手と相撲の国だと聞いていたのに、なかなかどうして、自転車の国でもあると思った。今日はたくさんの観客の皆さんの声が力になった」と語った。
ワグナーは来季スキル・シマノを離れ、アンディ&フランク・シュレク兄弟のいるルクセンブルクの新チームに移籍することが決まっている。
レースを終えての選手たちの声は、いずれもこの日のレースが過酷な熱射のなかで厳しかったことをうかがわせてくれた。熱中症や脱水との闘いで、スピード以上に天候が選手たちを苦しめたようだった。
1位 ロバート・ワグナー(ドイツ、スキル・シマノ) 1:18:28.70 平均44.50km/h
2位 山本雅道(ブリヂストンアンカー)
3位 向川尚樹(マトリックスパワータグ)
4位 品川真寛(愛三工業レーシング)
5位 福田真平(愛三工業レーシング)
6位 鈴木真理(シマノレーシング)
7位 井上和郎(チームNIPPO)
8位 辻善光(宇都宮ブリッツェン)
9位 小室雅成(湘南ベルマーレ)
10位 山下貴宏(マトリックスパワータグ)
国際ロード全リザルト(シマノイベントホームページ
国際ロード以外のシマノ鈴鹿ロードレースの模様は追ってお伝えします。お楽しみに。
photo&text:Makoto.AYANO
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