2010/08/25(水) - 16:40
イタリア・シチリア出身のヴィンチェンツォ・ニーバリ(リクイガス)はチームリーダーとしてブエルタ・ア・エスパーニャに挑む。目標はもちろんグランツール初制覇。グランツールで主役になる素質をもつニーバリに、イタリア在住ジャーナリストのグレゴー・ブラウンが迫る。
“メッシーナ海峡のサメ(出身地に由来)”と呼ばれる現在25歳のニーバリは、2008年のツール・ド・フランスで総合18位、2009年大会で総合7位。着実にその力を伸ばしている。
今年はジロ・デ・イタリアでステージ初優勝を飾るとともに総合3位フィニッシュ。更にツアー・オブ・スロベニアで総合優勝を果たし、8月21日にイタリアで開催されたトロフェオ・メリンダで優勝した。
「自分にとっての転機は2009年だったと思う。7月のツールで総合7位に入り、自分がトップライダーの一員であることをようやく実感したんだ。3週間を通して走りは安定していたし、以前と比べてミスも少なかった。でもまだまだ成長の余地は残されている。何しろ僕はまだ25歳だから」。ニーバリはガゼッタ紙の中でそう語っている。
今年リクイガスはジロ・デ・イタリア開幕前に大きな作戦変更を強いられた。イヴァン・バッソ(イタリア)とダブルエースを組む予定だったフランコ・ペッリツォッティ(イタリア)が、開幕1週間前にUCI(国際自転車競技連合)バイオロジカルパスポートの血液データに基づく検査結果によってレース出場停止状態に。
リクイガスはペッリツォッティの代役として急遽ニーバリをジロに出場させ、ツールを欠場させることを決めた。
ニーバリはジロで総合3位という好成績を残しただけでなく、アゾーロの山岳ステージで独走勝利を飾り、ドロミテやアルプスの山岳でバッソを強力にサポートした。チームタイムトライアルでのステージ優勝にも貢献したことは言うまでもない。更にそこで獲得したマリアローザを3日間着用した。
2年連続で出場していたツールを欠場したニーバリはブエルタ初出場。同年代のロマン・クロイツィゲル(チェコ)と一緒にダブルエースを組む。もちろん総合優勝候補の一角だ。
「ブエルタでは総合成績を狙っていく。総合成績で出遅れた場合はステージ優勝を狙う。プレッシャーは感じていないよ。ジロと同じように、観念にとらわれることなく自然な走りを見せたい。チームリーダーとして挑むグランツールは初めてだ。山岳コースをあまり知らないのでアドリブが要求される」
2006年にチームに合流したニーバリは、すでに2012年まで契約を更新。少なくともあと2年間はリクイガスジャージで走る。一方、ダブルエースを組むクロイツィゲルにとって、今年のブエルタはリクイガスジャージで走る最後のグランツール。クロイツィゲルはアルベルト・コンタドール(スペイン)に代わるチームリーダーとしてアスタナチームへの移籍が決まっている。
ブエルタでニーバリとクロイツィゲルの活躍を支えるのは、ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア)、マウロ・フィネット(イタリア)、ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア)、ロベルト・キセロフスキー(クロアチア)、ファビオ・サバティーニ(イタリア)、イヴァン・サンタロミータ(イタリア)、フレデリック・ヴィレムス(ベルギー)の7名。総合優勝を目指す2人の前には、過去に2度総合優勝しているデニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)や、シュレク兄弟(ルクセンブルク、サクソバンク)が立ちはだかる。
text:Gregor Brown
photo&translation:Kei Tsuji
“メッシーナ海峡のサメ(出身地に由来)”と呼ばれる現在25歳のニーバリは、2008年のツール・ド・フランスで総合18位、2009年大会で総合7位。着実にその力を伸ばしている。
今年はジロ・デ・イタリアでステージ初優勝を飾るとともに総合3位フィニッシュ。更にツアー・オブ・スロベニアで総合優勝を果たし、8月21日にイタリアで開催されたトロフェオ・メリンダで優勝した。
「自分にとっての転機は2009年だったと思う。7月のツールで総合7位に入り、自分がトップライダーの一員であることをようやく実感したんだ。3週間を通して走りは安定していたし、以前と比べてミスも少なかった。でもまだまだ成長の余地は残されている。何しろ僕はまだ25歳だから」。ニーバリはガゼッタ紙の中でそう語っている。
今年リクイガスはジロ・デ・イタリア開幕前に大きな作戦変更を強いられた。イヴァン・バッソ(イタリア)とダブルエースを組む予定だったフランコ・ペッリツォッティ(イタリア)が、開幕1週間前にUCI(国際自転車競技連合)バイオロジカルパスポートの血液データに基づく検査結果によってレース出場停止状態に。
リクイガスはペッリツォッティの代役として急遽ニーバリをジロに出場させ、ツールを欠場させることを決めた。
ニーバリはジロで総合3位という好成績を残しただけでなく、アゾーロの山岳ステージで独走勝利を飾り、ドロミテやアルプスの山岳でバッソを強力にサポートした。チームタイムトライアルでのステージ優勝にも貢献したことは言うまでもない。更にそこで獲得したマリアローザを3日間着用した。
2年連続で出場していたツールを欠場したニーバリはブエルタ初出場。同年代のロマン・クロイツィゲル(チェコ)と一緒にダブルエースを組む。もちろん総合優勝候補の一角だ。
「ブエルタでは総合成績を狙っていく。総合成績で出遅れた場合はステージ優勝を狙う。プレッシャーは感じていないよ。ジロと同じように、観念にとらわれることなく自然な走りを見せたい。チームリーダーとして挑むグランツールは初めてだ。山岳コースをあまり知らないのでアドリブが要求される」
2006年にチームに合流したニーバリは、すでに2012年まで契約を更新。少なくともあと2年間はリクイガスジャージで走る。一方、ダブルエースを組むクロイツィゲルにとって、今年のブエルタはリクイガスジャージで走る最後のグランツール。クロイツィゲルはアルベルト・コンタドール(スペイン)に代わるチームリーダーとしてアスタナチームへの移籍が決まっている。
ブエルタでニーバリとクロイツィゲルの活躍を支えるのは、ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア)、マウロ・フィネット(イタリア)、ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア)、ロベルト・キセロフスキー(クロアチア)、ファビオ・サバティーニ(イタリア)、イヴァン・サンタロミータ(イタリア)、フレデリック・ヴィレムス(ベルギー)の7名。総合優勝を目指す2人の前には、過去に2度総合優勝しているデニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)や、シュレク兄弟(ルクセンブルク、サクソバンク)が立ちはだかる。
text:Gregor Brown
photo&translation:Kei Tsuji
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