2010/08/24(火) - 11:20
ロードレース界を代表するステージレーサーとして活躍しているアンディとフランクのシュレク兄弟(ルクセンブルク、サクソバンク)。しかし2人は未だにグランツールで勝利したことが無い。グランツール最終戦ブエルタ・ア・エスパーニャに兄弟揃って出場する2人に、グレゴー・ブラウンが迫る。
「まず第一に、今年のツール・ド・フランスで疲労は貯まっていない。何しろ序盤ステージでリタイアしたからね。ツール開幕時と同じコンディションであれば、ブエルタで派手なショーを見せる自信がある」。兄フランクはル・コティディアン紙の中でそう語っている。
弟アンディは2年連続でツール総合2位に入ったが、ブエルタでは兄フランクをアシストする予定だ。フランクのグランツール最高成績は2009年のツール総合5位。今年ルクセンブルクチャンピオンに輝いたフランクは、アンディのアシストとしてツールに出場するも、4日目のパヴェで落車し、鎖骨を骨折してレースを去ってしまう。
フランクの不安要素、それはツール後のレース出場の少なさだ。鎖骨骨折からの復帰後、フランクはヴァッテンフォール・サイクラシックスしか走っていない。
「確かにブエルタ前に1レースしか走っていないというのは理想的な状況ではない。レース序盤は少しレーススピードに付いていけないかもしれない」。サクソバンクのビャルヌ・リース監督もフランクの調整不足を認めている。
「だがそんな状況でも彼はバッチリ調子を合わせてくるだろう。彼は経験豊かな選手だ。自分が出場するレースにどうやって調整を合わすべきかを心得ている」。
ブエルタ制覇を目指すフランクの前に立ちはだかるのは、同じくツールで結果を残せなかった選手や、ツールに出場出来なかった選手。いずれもモチヴェーション高くブエルタに挑むはずだ。
深夜のチームタイムトライアルで開幕するブエルタには、6つの頂上ゴール、1つの個人タイムトライアルが設定されている。かつてのフランクにとってタイムトライアルは鬼門だった。しかし近年は大幅な改善を見せており、その証拠に今年のツール・ド・スイスでは最終個人TTで逆転総合優勝を果たした。
フランクにとっての朗報は、本格的な頂上ゴールが前半ステージに設定されていないこと。最初の頂上ゴールは第11ステージのアンドラ。それまでのステージでフランクが調子を上げることが出来れば、続くペーニャ・カバルガ、ラゴス・デ・コバドンガ、アルト・デ・コトベジョの3連続頂上ゴールで総合首位に躍り出る可能性は高い。最後の頂上ゴールは最終日前日のボラ・デル・ムンドだ。
シュレク兄弟にとって最も脅威になるのは、最近チームジェオックスへの移籍を発表したデニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)や、ツールをパスしたヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)だろう。中でもメンショフは過去にブエルタで2度総合優勝を飾っており、昨年ジロ初制覇。今年ツールを自己最高の総合3位で終えた。ニーバリはアンディと同年代の若きオールラウンダーであり、今年ジロでステージ2勝を飾るとともに総合3位に入った。
フランクは先日結婚式を挙げたばかり。ブエルタで新婚パワーが炸裂するか?ブエルタ制覇を果たすことが出来れば、シュレク兄弟はリース監督に最高の置き土産を残すことになる。来シーズン、シュレク兄弟はルクセンブルクの新チームでエースを担う予定だ。
text:Gregor Brown
translation:Kei Tsuji
「まず第一に、今年のツール・ド・フランスで疲労は貯まっていない。何しろ序盤ステージでリタイアしたからね。ツール開幕時と同じコンディションであれば、ブエルタで派手なショーを見せる自信がある」。兄フランクはル・コティディアン紙の中でそう語っている。
弟アンディは2年連続でツール総合2位に入ったが、ブエルタでは兄フランクをアシストする予定だ。フランクのグランツール最高成績は2009年のツール総合5位。今年ルクセンブルクチャンピオンに輝いたフランクは、アンディのアシストとしてツールに出場するも、4日目のパヴェで落車し、鎖骨を骨折してレースを去ってしまう。
フランクの不安要素、それはツール後のレース出場の少なさだ。鎖骨骨折からの復帰後、フランクはヴァッテンフォール・サイクラシックスしか走っていない。
「確かにブエルタ前に1レースしか走っていないというのは理想的な状況ではない。レース序盤は少しレーススピードに付いていけないかもしれない」。サクソバンクのビャルヌ・リース監督もフランクの調整不足を認めている。
「だがそんな状況でも彼はバッチリ調子を合わせてくるだろう。彼は経験豊かな選手だ。自分が出場するレースにどうやって調整を合わすべきかを心得ている」。
ブエルタ制覇を目指すフランクの前に立ちはだかるのは、同じくツールで結果を残せなかった選手や、ツールに出場出来なかった選手。いずれもモチヴェーション高くブエルタに挑むはずだ。
深夜のチームタイムトライアルで開幕するブエルタには、6つの頂上ゴール、1つの個人タイムトライアルが設定されている。かつてのフランクにとってタイムトライアルは鬼門だった。しかし近年は大幅な改善を見せており、その証拠に今年のツール・ド・スイスでは最終個人TTで逆転総合優勝を果たした。
フランクにとっての朗報は、本格的な頂上ゴールが前半ステージに設定されていないこと。最初の頂上ゴールは第11ステージのアンドラ。それまでのステージでフランクが調子を上げることが出来れば、続くペーニャ・カバルガ、ラゴス・デ・コバドンガ、アルト・デ・コトベジョの3連続頂上ゴールで総合首位に躍り出る可能性は高い。最後の頂上ゴールは最終日前日のボラ・デル・ムンドだ。
シュレク兄弟にとって最も脅威になるのは、最近チームジェオックスへの移籍を発表したデニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)や、ツールをパスしたヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)だろう。中でもメンショフは過去にブエルタで2度総合優勝を飾っており、昨年ジロ初制覇。今年ツールを自己最高の総合3位で終えた。ニーバリはアンディと同年代の若きオールラウンダーであり、今年ジロでステージ2勝を飾るとともに総合3位に入った。
フランクは先日結婚式を挙げたばかり。ブエルタで新婚パワーが炸裂するか?ブエルタ制覇を果たすことが出来れば、シュレク兄弟はリース監督に最高の置き土産を残すことになる。来シーズン、シュレク兄弟はルクセンブルクの新チームでエースを担う予定だ。
text:Gregor Brown
translation:Kei Tsuji
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