2010/08/21(土) - 07:20
2010年8月20日、エネコ・ツアー(UCIプロツアー)第3ステージが行なわれ、石畳の急坂を含むコースで終盤に抜け出したコース・ムーレンハウト(オランダ、ラボバンク)とトニ・マルティン(ドイツ、チームHTC・コロンビア)が逃げ切った。ステージ優勝はムーレンハウト。総合リーダージャージはマーティンの手に。
レース序盤に逃げグループを形成したエンリーコ・ガスパロット(イタリア、アスタナ)ら photo:Cor Vosベルギーのロンセをスタート/ゴールとする192.6kmで行なわれたエネコ・ツアー第3ステージ。選手たちが走るのはいわゆるフランドル地方で、レベルグ、オウデ・クワレモント、クルイスベルグなど、ワンデークラシック名物の石畳の急坂がいくつも設定されている。
そのコースはさながら難易度を落とした縮小版ロンド・ファン・フラーンデレン。総合成績の行方を占う重要なステージだけに、レースは序盤からアタックが繰り返された。
先頭グループを形成したコース・ムーレンハウト(オランダ、ラボバンク)やエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ) photo:Cor Vosアタックを成功させ、逃げグループを形成したのは、前日のステージ優勝者アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)やエンリーコ・ガスパロット(イタリア、アスタナ)ら。しかしラボバンクがコントロールするメイン集団は、1回目のオウデ・クワレモント(ラスト58km地点)通過後すぐに逃げを吸収してしまう。
その後もアタックは止まず、続くモン・サン・ローラン(ラスト40km地点)の上りでディフェンディングチャンピオンのエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)がアタック。これにマルティンやムーレンハウト、サイモン・ゲスク(ドイツ、スキル・シマノ)が合流し、先頭グループを形成した。
協力して逃げるコース・ムーレンハウト(オランダ、ラボバンク)とトニ・マルティン(ドイツ、チームHTC・コロンビア) photo:Cor Vosしかしこの動きはモン・デルゼル(ラスト32km地点)で集団に引き戻されてしまう。ここから諦めずにカウンターアタックを仕掛けたムーレンハウトにマルティンが反応する形で2名が先行。後続が躊躇した隙を突いて、ムーレンハウトとマルティンがリードを広げた。
その時点で30名弱に絞られていたメイン集団はムーレンハウトとマルティンを追いきれず、2人の逃げ切りが成功。ムーレンハウトがステージ優勝、ライバルたちを1分24秒引き離すことに成功したマルティンが総合リーダージャージを獲得した。
ステージ優勝を飾ったコース・ムーレンハウト(オランダ、ラボバンク) photo:Cor Vosムーレンハウトは今シーズン限りでの現役引退を表明している36歳。過去に2度オランダチャンピオンに輝いているベテランがそのポテンシャルの高さを見せつけた。ムーレンハウトはレース公式サイトの中で「今日は総合有力選手たちの闘いになると予想していたので、勝利の可能性は低いと思っていた。今日の結果が最終日まで響くと思う」とコメントしている。
リーダージャージに袖を通したマルティンは総合争いにおいて一歩リード。最終日に16.9kmの個人タイムトライアルが設定されていることから、マルティンがこのまま総合リードをキープして総合優勝に輝く可能性は高い。
リーダージャージに袖を通したトニ・マルティン(ドイツ、チームHTC・コロンビア) photo:Cor Vos「レースリーダーになったことに少し驚いている。良いポジションで上りをこなしていて、ムーレンハウトがアタックしたから付いていったんだ。ステージ優勝が欲しい彼と、総合リードを広げたい自分の利害が一致して、協力してペースを上げた。パーフェクトな展開だったよ。これからは総合リードを守る立場だ。出来ることなら総合優勝を飾りたい」。マルティンはチーム公式サイトの中でそう語っている。
ディフェンディングチャンピオンのボアッソンは終盤にかけて単独で追走する動きを見せたが、結局1分24秒遅れの集団内でゴール。総合トップのマルティンから1分28秒遅れの総合4位につけている。
レース展開ならびに選手コメントはレース公式サイトより。
エネコ・ツアー2010第3ステージ結果
1位 コース・ムーレンハウト(オランダ、ラボバンク) 4h35'51"
2位 トニ・マルティン(ドイツ、チームHTC・コロンビア)
3位 アラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ) +1'24"
4位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
5位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
6位 セップ・ファンマルケ(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
7位 ゴルカ・イサギーレ(スペイン、エウスカルテル)
8位 ホセイバン・グティエレス(スペイン、ケースデパーニュ)
9位 セルゲイ・ラグティン(ウズベキスタン、ヴァカンソレイユ)
10位 ステイン・ファンデンベルグ(ベルギー、カチューシャ)
個人総合成績
1位 トニ・マルティン(ドイツ、チームHTC・コロンビア) 13h45'31"
2位 コース・ムーレンハウト(オランダ、ラボバンク) +10"
3位 スヴェイン・タフト(カナダ、ガーミン・トランジションズ) +1'26"
4位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ) +1'28"
5位 ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク) +1'32"
6位 リッチー・ポルト(オーストラリア、サクソバンク) +1'35"
7位 クリスティアン・クネース(ドイツ、チームミルラム) +1'37"
8位 ドミニク・コルニュ(ベルギー、スキル・シマノ) +1'39"
9位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +1'42"
10位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック) +1'43"
スプリント賞
ロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)
新人賞
トニ・マルティン(ドイツ、チームHTC・コロンビア)
チーム総合成績
ラボバンク
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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そのコースはさながら難易度を落とした縮小版ロンド・ファン・フラーンデレン。総合成績の行方を占う重要なステージだけに、レースは序盤からアタックが繰り返された。
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その後もアタックは止まず、続くモン・サン・ローラン(ラスト40km地点)の上りでディフェンディングチャンピオンのエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)がアタック。これにマルティンやムーレンハウト、サイモン・ゲスク(ドイツ、スキル・シマノ)が合流し、先頭グループを形成した。
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その時点で30名弱に絞られていたメイン集団はムーレンハウトとマルティンを追いきれず、2人の逃げ切りが成功。ムーレンハウトがステージ優勝、ライバルたちを1分24秒引き離すことに成功したマルティンが総合リーダージャージを獲得した。
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リーダージャージに袖を通したマルティンは総合争いにおいて一歩リード。最終日に16.9kmの個人タイムトライアルが設定されていることから、マルティンがこのまま総合リードをキープして総合優勝に輝く可能性は高い。
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ディフェンディングチャンピオンのボアッソンは終盤にかけて単独で追走する動きを見せたが、結局1分24秒遅れの集団内でゴール。総合トップのマルティンから1分28秒遅れの総合4位につけている。
レース展開ならびに選手コメントはレース公式サイトより。
エネコ・ツアー2010第3ステージ結果
1位 コース・ムーレンハウト(オランダ、ラボバンク) 4h35'51"
2位 トニ・マルティン(ドイツ、チームHTC・コロンビア)
3位 アラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ) +1'24"
4位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
5位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
6位 セップ・ファンマルケ(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
7位 ゴルカ・イサギーレ(スペイン、エウスカルテル)
8位 ホセイバン・グティエレス(スペイン、ケースデパーニュ)
9位 セルゲイ・ラグティン(ウズベキスタン、ヴァカンソレイユ)
10位 ステイン・ファンデンベルグ(ベルギー、カチューシャ)
個人総合成績
1位 トニ・マルティン(ドイツ、チームHTC・コロンビア) 13h45'31"
2位 コース・ムーレンハウト(オランダ、ラボバンク) +10"
3位 スヴェイン・タフト(カナダ、ガーミン・トランジションズ) +1'26"
4位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ) +1'28"
5位 ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク) +1'32"
6位 リッチー・ポルト(オーストラリア、サクソバンク) +1'35"
7位 クリスティアン・クネース(ドイツ、チームミルラム) +1'37"
8位 ドミニク・コルニュ(ベルギー、スキル・シマノ) +1'39"
9位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +1'42"
10位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック) +1'43"
スプリント賞
ロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)
新人賞
トニ・マルティン(ドイツ、チームHTC・コロンビア)
チーム総合成績
ラボバンク
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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