日本チームの幻の勝利だった。ニセコで開催されているUCIグランフォンド世界選手権2種目はチームリレー。4人の選手が交替しながら走る周回レースで、大前翔が最終ゴールスプリントを制してトップフィニッシュしたが、レース後に審判から失格を告げられる。繰り上げ優勝はこの競技の強豪国ポーランドの手へ。

ジャパンチーム1 photo:Makoto AYANO

ジャパンチーム3 photo:Makoto AYANO 
直前になって急遽出場することが決まったというジャパンチーム4 photo:Makoto AYANO
チームリレーは28日(金)の15時から1時間弱のコース試走を経て16時のスタート。倶知安駅に近い東急コミュニティアリーナ周辺の道路を使った1.9kmの周回がレースコースだ。

ジャパンチーム2とイヴァン・バッソ photo:Makoto AYANO
チームリレーとは、4人の選手が3周づつ走り、リレーでつなぐ12周回のレースとなる。男女混合で4名の選手を揃えるチーム編成のルールは次の通りだ。
1. 年齢を問わない男子選手1名
2. 年齢を問わない女子選手1名
3. 40歳以上の男子または女子選手1名
4. 50歳以上の男子または女子選手1名

号砲と共にスタート photo:Satoru Kato
各チームメンバーの走行順はチームが自由に決定でき、それがチームリレーにおける戦術の一部となる。参加上限は25チームで、当初は各国1チームとなるが、25に達しない場合は各国2チーム目の参加が認められる。その際は開催国が優先され、その後は抽選となる。

序盤、大柄な海外選手に混じってジャパンチーム2の森廣真奈が走る photo:Satoru Kato
各チームはレース前に選手の走行する順を決め、選手A-B-C-Dの順で走行する。各選手はコース3周を走り、離脱する。その選手がフィニッシュラインを通過した後に待機エリアに居る次走者が出走する。コミッセールはリレーの手順を監視するだけで、各選手には周回数を正しくカウントする責任があり、正しいタイミングでスタートしなければならない。

ライン通過後の交替出走を念押しするアーウィン・フェルベッケン氏 photo:Makoto AYANO 
待機エリアでは白線内にバイクを収めて交代のタイミングを測る photo:Makoto AYANO
以上のルールに沿って4人の選手が交替しながらひとり3周づつ、合計12周を走った後の順位で争うことになる。年齢や性別の違う選手を組み合わせることで個々のペースが異なるため、走行順を戦略的に組み立てる必要がある。複数チームエントリー国はポーランドが6、カナダ2、ドイツ2、カナダ3、日本が4チーム。最終的には25チームが出走することになったが、日本の4チーム目は他国のDNS(出走取りやめ)があったことで、レース日直前になって出場が可能になったという。

第2走の山本敦が追い上げていく photo:Makoto AYANO 
レース後半、ジャパンチーム2の高岡亮寛が乗る先頭集団が形成される photo:Satoru Kato
昨年のオーストラリア開催のグランフォンド世界選でのこの種目の出場経験者によって組まれた「日本チーム2」のメンバーは、高岡亮廣、大前翔、森廣真奈、山本敦の4人。第1走が森廣、2走が山本、3走が高岡、4走が大前の出走順でレースを進める。構成としては後半にかけて追い上げ、スプリント力がある大前で勝負に持ち込む作戦だった。

1周1.9kmに20mほどの高低差があるチームリレーのコース photo:Satoru Kato
後半に向けて絞り込まれていく大集団。オランダやスロベニア、ポーランド、ドイツ、フランス、オーストラリアら強豪国に、日本も割って入った。第3走の高岡の調子が良く、2周目と3周目の登りではアタックをかけ、さらに人数を絞り込む動きを仕掛ける。3周目を終える高岡が7人の先行グループの先頭でフィニッシュラインを通過し、大前が待機エリアから出走していく。このタイミングがレース後にクレームの対象となった。

第3走終了時にはスプリントのちバイク投げで先頭フィニッシュした高岡亮廣 photo:Makoto AYANO 
第4走の大前翔が待機エリアから飛び出していく photo:Makoto AYANO
第4走の大前も好調で、スロベニア、カナダ、オランダ、オーストラリア、フランスの6人グループを率いて2周目へ。そして最終周回の4周目へは後ろから追いついたポーランドを含めた7人で最終周回へ。最後は6人のスプリントへと持ち込まれることに。

先行するポーランドを追い抜く豪快なスプリントを見せた大前翔 photo:Makoto AYANO

ゴールスプリントを制した大前翔が雄叫びを上げる photo:Makoto AYANO
最終コーナーはポーランドの選手がトップで進入。大前は番手の理想的ポイションにつけてコーナーをクリアすると、フィニッシュに向けてスプリントを爆発させた。雄叫びを上げてトップでフィニッシュした大前。日本チームの優勝に会場に大歓声が沸き、盛り上がった。

勝利を信じて円団で歓喜するジャパンチーム2 photo:Makoto AYANO 
一時は日本チームすべてで歓喜したが photo:Makoto AYANO

UCI審判から手順違反を動画で指摘される photo:Makoto AYANO
ところがしばらくの歓喜の時間を経て、日本の選手たちに告げられたのは失格。高岡から大前への選手交代の「手順違反」。高岡がフィニッシュラインを通過する前に、大前の前輪はラインを越えて動きだしていたという。
他チームが動画をもとにクレームをつけたことによる審議だったという。日本側にも問題となった選手交替の一部始終を動画撮影していたクルーがいたため、その動画をもって日本チーム2の選手たちは審判へと談判に向かったが、その間に表彰式は執り行われてしまった。

表彰式 左から2位フランス、優勝ポーランド、3位カナダ photo:Satoru Kato
繰り上げで優勝となったのはこれまでの世界選チームリレーで連覇しているポーランド。2位フィニッシュから3連覇への繰り上げ勝利となった。2位はフランス、3位はカナダ。レースが終わってみれば、公式リザルト上では日本を含めて7チームが失格となっている。
優勝チームとなったポーランド1の女子選手アリーナ・ミルカは言う。「チームリレーとしてはとても難易度が高いコースでした。でも私たちチームはベストを尽くすことができた。戦略的に走れたことも勝因です。ポーランドチームは過去2勝していることで、チームリレーは今選手の間でとても人気があるんです。ですから国内でも選抜メンバーでチームリレーのトレーニングを重ねてきました。日本チームの今回のことは残念ですが、また来年、世界選手権の場で日本チームと競い合えることを楽しみにしています」。

失格を告げられ失望の表情を浮かべるジャパンチーム2 photo:Makoto AYANO
幻の勝利となってしまったチームリレー。一時は勝利に歓喜した日本チームの失意は大きかった。しかしこの日もっとも強いチームであったことは紛れもない事実だ。チームリレー経験者を含まないメンバー構成だったジャパンチーム4は10位、ジャパンチーム3は14位、ジャパンチーム1は16位だった。
選手たちは明日の土曜は休養日として日曜のグランフォンド/メディアフォンドに備える。
UCIグランフォンド世界選手権2026ニセコ チームリレー結果
1位 ポーランド1 32'32"
2位 フランス1 +0"
3位 カナダ3 +0"
text&photo:Makoto AYANO



チームリレーは28日(金)の15時から1時間弱のコース試走を経て16時のスタート。倶知安駅に近い東急コミュニティアリーナ周辺の道路を使った1.9kmの周回がレースコースだ。

チームリレーとは、4人の選手が3周づつ走り、リレーでつなぐ12周回のレースとなる。男女混合で4名の選手を揃えるチーム編成のルールは次の通りだ。
1. 年齢を問わない男子選手1名
2. 年齢を問わない女子選手1名
3. 40歳以上の男子または女子選手1名
4. 50歳以上の男子または女子選手1名

各チームメンバーの走行順はチームが自由に決定でき、それがチームリレーにおける戦術の一部となる。参加上限は25チームで、当初は各国1チームとなるが、25に達しない場合は各国2チーム目の参加が認められる。その際は開催国が優先され、その後は抽選となる。

各チームはレース前に選手の走行する順を決め、選手A-B-C-Dの順で走行する。各選手はコース3周を走り、離脱する。その選手がフィニッシュラインを通過した後に待機エリアに居る次走者が出走する。コミッセールはリレーの手順を監視するだけで、各選手には周回数を正しくカウントする責任があり、正しいタイミングでスタートしなければならない。


以上のルールに沿って4人の選手が交替しながらひとり3周づつ、合計12周を走った後の順位で争うことになる。年齢や性別の違う選手を組み合わせることで個々のペースが異なるため、走行順を戦略的に組み立てる必要がある。複数チームエントリー国はポーランドが6、カナダ2、ドイツ2、カナダ3、日本が4チーム。最終的には25チームが出走することになったが、日本の4チーム目は他国のDNS(出走取りやめ)があったことで、レース日直前になって出場が可能になったという。


昨年のオーストラリア開催のグランフォンド世界選でのこの種目の出場経験者によって組まれた「日本チーム2」のメンバーは、高岡亮廣、大前翔、森廣真奈、山本敦の4人。第1走が森廣、2走が山本、3走が高岡、4走が大前の出走順でレースを進める。構成としては後半にかけて追い上げ、スプリント力がある大前で勝負に持ち込む作戦だった。

後半に向けて絞り込まれていく大集団。オランダやスロベニア、ポーランド、ドイツ、フランス、オーストラリアら強豪国に、日本も割って入った。第3走の高岡の調子が良く、2周目と3周目の登りではアタックをかけ、さらに人数を絞り込む動きを仕掛ける。3周目を終える高岡が7人の先行グループの先頭でフィニッシュラインを通過し、大前が待機エリアから出走していく。このタイミングがレース後にクレームの対象となった。


第4走の大前も好調で、スロベニア、カナダ、オランダ、オーストラリア、フランスの6人グループを率いて2周目へ。そして最終周回の4周目へは後ろから追いついたポーランドを含めた7人で最終周回へ。最後は6人のスプリントへと持ち込まれることに。


最終コーナーはポーランドの選手がトップで進入。大前は番手の理想的ポイションにつけてコーナーをクリアすると、フィニッシュに向けてスプリントを爆発させた。雄叫びを上げてトップでフィニッシュした大前。日本チームの優勝に会場に大歓声が沸き、盛り上がった。



ところがしばらくの歓喜の時間を経て、日本の選手たちに告げられたのは失格。高岡から大前への選手交代の「手順違反」。高岡がフィニッシュラインを通過する前に、大前の前輪はラインを越えて動きだしていたという。
他チームが動画をもとにクレームをつけたことによる審議だったという。日本側にも問題となった選手交替の一部始終を動画撮影していたクルーがいたため、その動画をもって日本チーム2の選手たちは審判へと談判に向かったが、その間に表彰式は執り行われてしまった。

繰り上げで優勝となったのはこれまでの世界選チームリレーで連覇しているポーランド。2位フィニッシュから3連覇への繰り上げ勝利となった。2位はフランス、3位はカナダ。レースが終わってみれば、公式リザルト上では日本を含めて7チームが失格となっている。
優勝チームとなったポーランド1の女子選手アリーナ・ミルカは言う。「チームリレーとしてはとても難易度が高いコースでした。でも私たちチームはベストを尽くすことができた。戦略的に走れたことも勝因です。ポーランドチームは過去2勝していることで、チームリレーは今選手の間でとても人気があるんです。ですから国内でも選抜メンバーでチームリレーのトレーニングを重ねてきました。日本チームの今回のことは残念ですが、また来年、世界選手権の場で日本チームと競い合えることを楽しみにしています」。

幻の勝利となってしまったチームリレー。一時は勝利に歓喜した日本チームの失意は大きかった。しかしこの日もっとも強いチームであったことは紛れもない事実だ。チームリレー経験者を含まないメンバー構成だったジャパンチーム4は10位、ジャパンチーム3は14位、ジャパンチーム1は16位だった。
選手たちは明日の土曜は休養日として日曜のグランフォンド/メディアフォンドに備える。
UCIグランフォンド世界選手権2026ニセコ チームリレー結果
1位 ポーランド1 32'32"
2位 フランス1 +0"
3位 カナダ3 +0"
text&photo:Makoto AYANO
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