登坂構成が一部変更され、難易度が増した第112回リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ。3年連続4度目の優勝を狙うタデイ・ポガチャル(スロベニア)に対し、レムコ・エヴェネプール(ベルギー)はどう対抗するか。また勢いに乗る新星ポール・セクサス(フランス)など、有力選手とコース詳細を紹介する。

今年もレース序盤に設定されるコート・ド・サンロシュ photo:CorVos
2月より始まった春のクラシックシーズンを締めくくるのは、今年もリエージュ〜バストーニュ〜リエージュだ。「La Doyenne(ラ・ドワイエンヌ=最古参)」の愛称で親しまれる、1892年に初開催されたワンデーレースは、モニュメント(5大クラシック)の1つであると共に、アムステルゴールドレースとラ・フレーシュ・ワロンヌからなる「アルデンヌ3連戦」の最後を飾る。
コースはその名の通り、ベルギー東部のワロン地方にあるリエージュからバストーニュを目指し、11箇所に及ぶ登りを越えながらリエージュに帰ってくる259.5km。獲得標高差が4,100mを超える厳しいレイアウトのなかでも、レースが動くであろうと予想されるのは、エディ・メルクスの記念碑が建てられた最大勾配17%の名物坂コート・ド・ストック(距離1km/平均12.5%)やコート・ド・ラ・ルドゥット(距離1.6km/平均9.4%)、そして最後のラ・ロッシュ・オ・フォーコン(距離1.3km/平均11%)だ。
今年はコート・ド・ラ・ルドゥットの2つ手前にコル・デュ・マキザール(距離2.4km/平均5.7%)が加わり、難易度がさらに増している。

リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ2026 image:A.S.O.
特に2022年から4年連続で決定的な動きが生まれているのは、今年は残り34km地点に設定される最後から3つ目のコート・ド・ラ・ルドゥット。昨年は頂上手前800m地点からタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)が飛び出し、35kmの独走で大会連覇を達成した。
再びポガチャルの独走となるか

金髪から色を戻し、短く刈り上げてきたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos
基本的な構図は昨年と変わらず、ポガチャルのアタックにレムコ・エヴェネプール(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が食らいつけるか。相違点はそこに、フランス期待の19歳ポール・セクサス(フランス、デカトロンCMA CGM)がどう絡むかだ。
3月7日のストラーデビアンケ以降、ワンデーレースのみの出場となっている世界王者ポガチャルは、ここまで4戦3勝とキャリアハイといえる好調ぶり。直近のパリ〜ルーベではワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)との一騎打ちスプリントで敗れたが、本来得意とするアップダウンのリエージュで死角は一切見当たらない。
また昨年、最終発射台を務めたパヴェル・シヴァコフ(ロシア)を含め、鎖骨骨折から復帰したベルギー王者ティム・ウェレンスも揃う充実の布陣。事前インタビューでは「ルーベ後は十分な休息を取ることができた。セクサスは勢いに乗っているし、リエージュはレムコに適したレース。その他にも注意するべき選手はたくさんいる」と語っており、繰り返しになるが、付け入る隙が見当たらない。
エヴェネプールとセクサスは牙城を崩せるか

レムコ・エヴェネプール(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
ポガチャルの3連覇を止める可能性が最も高いのは、アムステルゴールドレースで初優勝を飾ったエヴェネプールだろう。「残り94km地点から来る1つ目の丘からレースは厳しくなるだろう。そして今年もラ・ルドゥットが勝負所となるはず。そこまでに脚を温存し、スマートな走りで勝利を狙いたい」とエヴェネプールはコメント。脇を固めるのはジャイ・ヒンドレー(オーストラリア)にダニエル・マルティネス(コロンビア)と、UAEに引けを取らない戦力で3度目の優勝を目指す。
そして今春、最大の注目選手となっているのがフランスの新星セクサスだ。その活躍をワールドツアーに絞って言えば、ストラーデビアンケで2位に入り、イツリア・バスクカントリーではステージ3勝で総合優勝と大暴れ。そして圧巻だったのはラ・フレーシュ・ワロンヌで、最大勾配26%の激坂「ユイの壁」で強豪たちを振り切り、初優勝を飾った。懸念点を挙げるならUAEとレッドブルよりは劣るチーム力だが、コート・ド・ラ・ルドゥットでの動きに注目が集まる。

ラ・フレーシュ・ワロンヌで史上最年少の優勝者となったポール・セクサス(フランス、デカトロンCMA CGM) photo:CorVos

ツアー・オブ・ジ・アルプスで復活勝利を飾ったトーマス・ピドコック(イギリス、ピナレロQ36.5プロサイクリング) photo:CorVos
2023年に2位と優勝に迫ったのはトーマス・ピドコック(イギリス、ピナレロQ36.5プロサイクリング)。3月のボルタ・ア・カタルーニャでは落車で右膝を負傷したものの、直近のツアー・オブ・ジ・アルプスではステージ優勝を挙げて復調を示した。しかし直前のインタビューでは「カタルーニャ以前の状態からはほど遠く、スタート地点に立てるだけで嬉しい」とコメントしている。
他にはマティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)やロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJユナイテッド)、マウロ・シュミット(スイス、ジェイコ・アルウラー)などアルデンヌクラシックで好調の選手たちに注目。またチームの戦力ではサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア)にペリョ・ビルバオ(スペイン)、アントニオ・ティベーリ(イタリア)を揃えるバーレーン・ヴィクトリアスも勝負に絡んでくる可能性は高い。

2月より始まった春のクラシックシーズンを締めくくるのは、今年もリエージュ〜バストーニュ〜リエージュだ。「La Doyenne(ラ・ドワイエンヌ=最古参)」の愛称で親しまれる、1892年に初開催されたワンデーレースは、モニュメント(5大クラシック)の1つであると共に、アムステルゴールドレースとラ・フレーシュ・ワロンヌからなる「アルデンヌ3連戦」の最後を飾る。
コースはその名の通り、ベルギー東部のワロン地方にあるリエージュからバストーニュを目指し、11箇所に及ぶ登りを越えながらリエージュに帰ってくる259.5km。獲得標高差が4,100mを超える厳しいレイアウトのなかでも、レースが動くであろうと予想されるのは、エディ・メルクスの記念碑が建てられた最大勾配17%の名物坂コート・ド・ストック(距離1km/平均12.5%)やコート・ド・ラ・ルドゥット(距離1.6km/平均9.4%)、そして最後のラ・ロッシュ・オ・フォーコン(距離1.3km/平均11%)だ。
今年はコート・ド・ラ・ルドゥットの2つ手前にコル・デュ・マキザール(距離2.4km/平均5.7%)が加わり、難易度がさらに増している。

特に2022年から4年連続で決定的な動きが生まれているのは、今年は残り34km地点に設定される最後から3つ目のコート・ド・ラ・ルドゥット。昨年は頂上手前800m地点からタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)が飛び出し、35kmの独走で大会連覇を達成した。
再びポガチャルの独走となるか

基本的な構図は昨年と変わらず、ポガチャルのアタックにレムコ・エヴェネプール(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が食らいつけるか。相違点はそこに、フランス期待の19歳ポール・セクサス(フランス、デカトロンCMA CGM)がどう絡むかだ。
3月7日のストラーデビアンケ以降、ワンデーレースのみの出場となっている世界王者ポガチャルは、ここまで4戦3勝とキャリアハイといえる好調ぶり。直近のパリ〜ルーベではワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)との一騎打ちスプリントで敗れたが、本来得意とするアップダウンのリエージュで死角は一切見当たらない。
また昨年、最終発射台を務めたパヴェル・シヴァコフ(ロシア)を含め、鎖骨骨折から復帰したベルギー王者ティム・ウェレンスも揃う充実の布陣。事前インタビューでは「ルーベ後は十分な休息を取ることができた。セクサスは勢いに乗っているし、リエージュはレムコに適したレース。その他にも注意するべき選手はたくさんいる」と語っており、繰り返しになるが、付け入る隙が見当たらない。
エヴェネプールとセクサスは牙城を崩せるか

ポガチャルの3連覇を止める可能性が最も高いのは、アムステルゴールドレースで初優勝を飾ったエヴェネプールだろう。「残り94km地点から来る1つ目の丘からレースは厳しくなるだろう。そして今年もラ・ルドゥットが勝負所となるはず。そこまでに脚を温存し、スマートな走りで勝利を狙いたい」とエヴェネプールはコメント。脇を固めるのはジャイ・ヒンドレー(オーストラリア)にダニエル・マルティネス(コロンビア)と、UAEに引けを取らない戦力で3度目の優勝を目指す。
そして今春、最大の注目選手となっているのがフランスの新星セクサスだ。その活躍をワールドツアーに絞って言えば、ストラーデビアンケで2位に入り、イツリア・バスクカントリーではステージ3勝で総合優勝と大暴れ。そして圧巻だったのはラ・フレーシュ・ワロンヌで、最大勾配26%の激坂「ユイの壁」で強豪たちを振り切り、初優勝を飾った。懸念点を挙げるならUAEとレッドブルよりは劣るチーム力だが、コート・ド・ラ・ルドゥットでの動きに注目が集まる。


2023年に2位と優勝に迫ったのはトーマス・ピドコック(イギリス、ピナレロQ36.5プロサイクリング)。3月のボルタ・ア・カタルーニャでは落車で右膝を負傷したものの、直近のツアー・オブ・ジ・アルプスではステージ優勝を挙げて復調を示した。しかし直前のインタビューでは「カタルーニャ以前の状態からはほど遠く、スタート地点に立てるだけで嬉しい」とコメントしている。
他にはマティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)やロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJユナイテッド)、マウロ・シュミット(スイス、ジェイコ・アルウラー)などアルデンヌクラシックで好調の選手たちに注目。またチームの戦力ではサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア)にペリョ・ビルバオ(スペイン)、アントニオ・ティベーリ(イタリア)を揃えるバーレーン・ヴィクトリアスも勝負に絡んでくる可能性は高い。
リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ歴代優勝者
| 2025年 | タデイ・ポガチャル(スロベニア) |
| 2024年 | タデイ・ポガチャル(スロベニア) |
| 2023年 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー) |
| 2022年 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー) |
| 2021年 | タデイ・ポガチャル(スロベニア) |
| 2020年 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア) |
| 2019年 | ヤコブ・フルサン(デンマーク) |
| 2018年 | ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク) |
| 2017年 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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