スタート直後に大規模落車が発生し、石橋学(チーム右京)がリタイアしたツアー・オブ・ジ・アルプス3日目。トーマス・ピドコック(イギリス、ピナレロQ36.5プロサイクリング)が、初日に敗れたトンマゾ・ダティ(イタリア、チーム右京)を退け、区間優勝を果たした。



総合首位のジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:Tour of the Alps

4月22日に行われたツアー・オブ・ジ・アルプス(UCI2.Pro)第3ステージは、コース前半に1級山岳を越えるレイアウト。その後は下りと平坦路を経て2級山岳を登り、カテゴリーのつかない2つの丘を越えたのち、下りと平坦路を経てフィニッシュするコースだ。

この日はスタートから僅か3km地点で約30名が絡む大規模落車が発生した。これに唯一の日本人選手である石橋学(チーム右京)が巻き込まれ、その石橋を含む8名がリタイア。また、総合首位ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)の重要な山岳アシストであり、U23の世界王者で育成チームに所属するロレンツォ・フィン(イタリア)も手首を骨折し、棄権している。

逃げ集団を形成したサム・オーメン(オランダ、リドル・トレック)とダレン・ラファーティー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト) photo:Tour of the Alps

レースはニュートラルを挟んで再開され、サム・オーメン(オランダ、リドル・トレック)とダレン・ラファーティー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)がエスケープ。それを追うメイン集団ではピナレロQ36.5プロサイクリングやレッドブル・ボーラ・ハンスグローエが牽引し、途中のアタック合戦はどれも成功しない。逃げの2名が粘りを見せ、最後の丘を越えてもなお先頭に立ち続けた。

しかしトーマス・ピドコック(イギリス、ピナレロQ36.5プロサイクリング)が得意の下り区間でプロトンの先頭に立ち、追走のスピードを一気に上げる。フィニッシュまで続く平坦路に入ると、クリス・ハーパー(オーストラリア、ピナレロQ36.5プロサイクリング)がピドコックのために牽引。そして残り3.8km地点で2名は捉えられ、勝負は総合勢を含む約40名による集団スプリントへ持ち込まれた。

残り150mから始まる最終ストレート手前の直角右コーナーを前に、ピドコックが再び先頭へ。そのままスプリントを開始したピドコックは、すぐに後方を振り返り、背後につくエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)を確認。さらに初日勝者であるトンマゾ・ダティ(イタリア、チーム右京)も食らいつくなか、ピドコックが先頭でフィニッシュラインを通過した。

ダティを退け、スプリント勝利したトーマス・ピドコック(イギリス、ピナレロQ36.5プロサイクリング) photo:CorVos

今季3勝目をマークしたトーマス・ピドコック(イギリス、ピナレロQ36.5プロサイクリング) photo:Tour of the Alps

ワールドチームを上回るチーム力を見せつけ、初日に敗れたダティとベルナルを退けたピドコック。「最良のコンディションではなかったが、自分たちのメンタリティ通り100%を出し切った。最後はスプリントの開始が早すぎたとも思ったが、後ろを見て背後についていたのがエガン(ベルナル)だったので、そのまま踏み続けた。怪我もあったので、この勝利は本当に嬉しい」と、喜びを語った。
ツアー・オブ・ジ・アルプス2026第3ステージ結果
1位 トーマス・ピドコック(イギリス、ピナレロQ36.5プロサイクリング) 4:23:24
2位 トンマゾ・ダティ(イタリア、チーム右京)
3位 エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)
4位 ルカ・パレッティ(イタリア、バルディアーニCSF・7サベール)
5位 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
6位 ショーン・クイン(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)
7位 クリス・ハミルトン(オーストラリア、ピクニック・ポストNL)
8位 ヤコブ・オムルゼル(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)
9位 フロリアン・ストーク(ドイツ、チューダープロサイクリング)
10位 ベン・オコーナー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)
個人総合成績
1位 ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) 11:13:06
2位 テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) +0:04
3位 エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) +0:06
4位 マッティア・ガッフーリ(イタリア、ピクニック・ポストNL)
5位 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +0:10
6位 マティス・ロンデル(フランス、チューダープロサイクリング) +0:19
7位 ヤコブ・オムルゼル(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) +0:29
8位 クリス・ハーパー(オーストラリア、ピナレロQ36.5プロサイクリング)
9位 アレックス・トリオ(イタリア、バルディアーニCSF・7サベール)
10位 マイケル・ストーラー(オーストラリア、チューダープロサイクリング)
その他の特別賞
ポイント賞 トーマス・ピドコック(イギリス、ピナレロQ36.5プロサイクリング)
山岳賞 エマヌエル・ツァンゲルレ(オーストリア、チーム・フォアアールベルク)
ヤングライダー賞 ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
チーム総合成績 レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, Tour of the Alps

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