山本幸平のTeam Titan FXが挑んだMTBステージレース”ケープエピック”。前半は序盤こそ順調だったが連日のトラブルでトップと20分差に順位を落とした。しかし粘り強く走り、後編戦のクィーンステージでは勝負に出た。まさに「逆境からの逆襲」。第4〜第7ステージの闘いをレポートする。

第4ステージ前夜は荒天が予想されていたものの一転して美しい朝日の中でのスタート ©RainedUpon Media
Stage 4 見事な復活 3位表彰台に
第4ステージ前夜は荒天が予想されていたものの、当日は一転して美しい朝日の中でのスタートとなり、絶好のコンディションでレースが行われた。そしてまさに「一日で流れは変わる」ことを証明する一日となった。
この日も序盤にハキムにパンクが発生し、再びタイムを失う展開となった。一時は11位まで順位を落としながらも徐々にペースを上げ、着実に順位を挽回。最終給水ポイントでは4位まで浮上していた。

ハキムにパンク発生 修理してからはリカバリーの走りを強いられる ©RainedUpon Media
そしてラストは全力勝負。山本とハキムは力強いスプリントを見せ3位でフィニッシュ。見事に表彰台獲得となった。この結果は、ここまで続いていた不運を跳ね返すチームの強さと粘りを象徴するものとなった。
総合は14位へと順位を上げた。そして何より、この日の走りは「まだ終わっていない」という強いメッセージだった。逆襲はここからだ。

ラストではスプリントを見せ3位でフィニッシュ ©RainedUpon Media
山本「ここ3日間は3ステージ連続でパンクと苦しい展開でしたが、今日ようやく努力が結果につながった」
ハキム「今日は脚の調子が良かった。パンクのため後半は少し抑えながら走りましたが、全体的には良い走りができた」
Stage5 クイーンステージで躍進 総合トップ10への復帰

大会最大の難関とされる第5ステージに向かう朝。精神集中だ ©RainedUpon Media
大会最大の難関とされるこの日は、距離134km・獲得標高2750mのクイーンステージ。総合順位を大きく左右する重要なステージだ。自分たちのペースを守りながら確実に順位を上げる戦略で臨んだ。

134km・獲得標高2750mの第5ステージへと向かう ©RainedUpon Media
山本とハキムは序盤の50kmを集団で走り、その後はリズムを保ちながら着実に順位を上げていった。給水ポイントごとに10位 → 8位 → 8位 → 7位 と順位を上げ、最後はスプリントで 5位フィニッシュ。この結果、総合順位は9位(+5)に。トップ10復帰を果たした。

粘り強く順位を上げた末に最後はスプリントで5位フィニッシュ ©RainedUpon Media
山本「これまで以上に自分たちを追い込み、完全に疲れました。リアッドが素晴らしい走りをしてくれたのが本当に良かった」
ハキム「もう完全に力を使い切りました。残り2ステージに向けて、まずはしっかり休んで回復したい」

レース後、トップ10復帰に安堵する山本幸平 ©RainedUpon Media 
総合9位で表彰台にも上がれた ©RainedUpon Media
残りは2ステージ。すべてのチームが全力で挑む最終局面へと突入する。
Stage 6 MTBの聖地で2位。総合6位へ浮上

Stage-6 76km・獲得標高2450mの難コースに挑む ©RainedUpon Media
前夜、ハキムが軽い発熱の症状を見せたことで不安もあったが、レース当日朝にはしっかりと回復し、スタートラインに立った。この日の76km・獲得標高2450mのコースはクロスカントリータイプの脚質のライダーに適したレイアウトであり、山本とハキムにとってチャンスとなるステージだった。

難易度の高いコースで2人のテクニックが光る ©RainedUpon Media
二人はスタートから先頭付近でレースを展開。序盤の登りでトップ勢がペースを上げるなかでも無理に追いすぎることなく、自分たちのリズムを守りながら安定した走りを続けた。終始トップグループの中で位置をキープし、最後は力強い走りでフィニッシュ。見事2位表彰台を獲得した。総合順位ではTeam Titan FXは6位に浮上。トップ4も視野に入る位置まで一気に戻してきた。

第6ステージを2位でフィニッシュ! 2人には喜びが溢れる ©RainedUpon Media
山本「今日は本当にいい走りができた。チームとしても非常に良かった。リアッドの走りを見て、将来アジアから世界チャンピオンを育てたいというDream Beyond Bordersの想いがより強くなりました」
ハキム「昨日の疲れや体調もあったがしっかり回復できた。幸平さんといい連携で走れて、間違いなくこれまでで一番いいレースだった。あと1ステージ、何が起こるかわかりません」
Stage7 最終ステージを総合5位でフィニッシュ 見事な逆襲劇

第7ステージ 南アフリカの大自然を走る ©RainedUpon Media
逆境からの逆襲。前日のステージ2位で勢いを取り戻したTeam Titan FXは総合6位からさらなる上位進出を狙って最終ステージに臨んだ。第3ステージのトラブルにより1時間以上の遅れを喫していたことを考えると、ここまでトップ10に戻してきたこと自体が驚異的な結果だった。それでもチームはさらに上を目指した。

乾いた大地を走るハキムと山本 息のあった走りだ ©RainedUpon Media
最終ステージは距離こそ短いものの、勝負を分ける登りが組み込まれたタフなレイアウト。スタート直後からトップ勢が激しく動き、終始緊張感のある展開となった。上位争いは拮抗し、わずかな差が順位を分ける状況。その中で山本とハキムは最後まで息の合った走りを見せ5位でフィニッシュ。そして総合順位は総合5位(+1)に。

5位でフィニッシュ。総合も5位に ©RainedUpon Media
大会前に掲げた3つの目標に対して、全ステージ完走・総合トップ10以内(総合5位)・表彰台獲得(表彰台3回=2位×2回、3位×1回)で、完全達成だ。
山本「今日は全力を出したが脚が残っていなかった。それでもこれがベストでした。19位から5位まで戻せたことは素晴らしいと思います」
ハキム「昨日の疲れもあり厳しい一日だったが、5位は良い結果。チームとして乗り越えられたこと、そして総合トップ5で終えられたことに満足しています」

走り終えてお互いを称え合う山本幸平とリアッド・ハキム ©RainedUpon Media
8日間を通じて、Team Titan FXは2位を2回、3位を1回記録し、世界最高峰の舞台で確かな存在感を示した。40歳の山本と27歳のハキム。日本とシンガポールという異なるバックグラウンドを持つ2人が、南アフリカの大地で共に戦い抜いたこの挑戦は、単なるレース結果にとどまらない。
世界最高峰のマウンテンバイク・ステージレース、Absa Cape Epic 2026 において、山本幸平/リアッド・ハキム(Team Titan FX)は、Elite Menに次ぐ第2カテゴリーのOpen Menクラスで総合5位という成績で8日間の戦いを終えた。

メダルを手に走り終えてお互いを称え合う山本幸平とリアッド・ハキム ©RainedUpon Media
順調なスタート。予期せぬトラブル。そして粘り強い逆襲。それは、数々の試練を乗り越えた「逆境からの逆襲」の物語だった。
text:Kazuaki Takabatake
photo:RainedUpon Media

Stage 4 見事な復活 3位表彰台に
第4ステージ前夜は荒天が予想されていたものの、当日は一転して美しい朝日の中でのスタートとなり、絶好のコンディションでレースが行われた。そしてまさに「一日で流れは変わる」ことを証明する一日となった。
この日も序盤にハキムにパンクが発生し、再びタイムを失う展開となった。一時は11位まで順位を落としながらも徐々にペースを上げ、着実に順位を挽回。最終給水ポイントでは4位まで浮上していた。

そしてラストは全力勝負。山本とハキムは力強いスプリントを見せ3位でフィニッシュ。見事に表彰台獲得となった。この結果は、ここまで続いていた不運を跳ね返すチームの強さと粘りを象徴するものとなった。
総合は14位へと順位を上げた。そして何より、この日の走りは「まだ終わっていない」という強いメッセージだった。逆襲はここからだ。

山本「ここ3日間は3ステージ連続でパンクと苦しい展開でしたが、今日ようやく努力が結果につながった」
ハキム「今日は脚の調子が良かった。パンクのため後半は少し抑えながら走りましたが、全体的には良い走りができた」
Stage5 クイーンステージで躍進 総合トップ10への復帰

大会最大の難関とされるこの日は、距離134km・獲得標高2750mのクイーンステージ。総合順位を大きく左右する重要なステージだ。自分たちのペースを守りながら確実に順位を上げる戦略で臨んだ。

山本とハキムは序盤の50kmを集団で走り、その後はリズムを保ちながら着実に順位を上げていった。給水ポイントごとに10位 → 8位 → 8位 → 7位 と順位を上げ、最後はスプリントで 5位フィニッシュ。この結果、総合順位は9位(+5)に。トップ10復帰を果たした。

山本「これまで以上に自分たちを追い込み、完全に疲れました。リアッドが素晴らしい走りをしてくれたのが本当に良かった」
ハキム「もう完全に力を使い切りました。残り2ステージに向けて、まずはしっかり休んで回復したい」


残りは2ステージ。すべてのチームが全力で挑む最終局面へと突入する。
Stage 6 MTBの聖地で2位。総合6位へ浮上

前夜、ハキムが軽い発熱の症状を見せたことで不安もあったが、レース当日朝にはしっかりと回復し、スタートラインに立った。この日の76km・獲得標高2450mのコースはクロスカントリータイプの脚質のライダーに適したレイアウトであり、山本とハキムにとってチャンスとなるステージだった。

二人はスタートから先頭付近でレースを展開。序盤の登りでトップ勢がペースを上げるなかでも無理に追いすぎることなく、自分たちのリズムを守りながら安定した走りを続けた。終始トップグループの中で位置をキープし、最後は力強い走りでフィニッシュ。見事2位表彰台を獲得した。総合順位ではTeam Titan FXは6位に浮上。トップ4も視野に入る位置まで一気に戻してきた。

山本「今日は本当にいい走りができた。チームとしても非常に良かった。リアッドの走りを見て、将来アジアから世界チャンピオンを育てたいというDream Beyond Bordersの想いがより強くなりました」
ハキム「昨日の疲れや体調もあったがしっかり回復できた。幸平さんといい連携で走れて、間違いなくこれまでで一番いいレースだった。あと1ステージ、何が起こるかわかりません」
Stage7 最終ステージを総合5位でフィニッシュ 見事な逆襲劇

逆境からの逆襲。前日のステージ2位で勢いを取り戻したTeam Titan FXは総合6位からさらなる上位進出を狙って最終ステージに臨んだ。第3ステージのトラブルにより1時間以上の遅れを喫していたことを考えると、ここまでトップ10に戻してきたこと自体が驚異的な結果だった。それでもチームはさらに上を目指した。

最終ステージは距離こそ短いものの、勝負を分ける登りが組み込まれたタフなレイアウト。スタート直後からトップ勢が激しく動き、終始緊張感のある展開となった。上位争いは拮抗し、わずかな差が順位を分ける状況。その中で山本とハキムは最後まで息の合った走りを見せ5位でフィニッシュ。そして総合順位は総合5位(+1)に。

大会前に掲げた3つの目標に対して、全ステージ完走・総合トップ10以内(総合5位)・表彰台獲得(表彰台3回=2位×2回、3位×1回)で、完全達成だ。
山本「今日は全力を出したが脚が残っていなかった。それでもこれがベストでした。19位から5位まで戻せたことは素晴らしいと思います」
ハキム「昨日の疲れもあり厳しい一日だったが、5位は良い結果。チームとして乗り越えられたこと、そして総合トップ5で終えられたことに満足しています」

8日間を通じて、Team Titan FXは2位を2回、3位を1回記録し、世界最高峰の舞台で確かな存在感を示した。40歳の山本と27歳のハキム。日本とシンガポールという異なるバックグラウンドを持つ2人が、南アフリカの大地で共に戦い抜いたこの挑戦は、単なるレース結果にとどまらない。
世界最高峰のマウンテンバイク・ステージレース、Absa Cape Epic 2026 において、山本幸平/リアッド・ハキム(Team Titan FX)は、Elite Menに次ぐ第2カテゴリーのOpen Menクラスで総合5位という成績で8日間の戦いを終えた。

順調なスタート。予期せぬトラブル。そして粘り強い逆襲。それは、数々の試練を乗り越えた「逆境からの逆襲」の物語だった。
text:Kazuaki Takabatake
photo:RainedUpon Media