集団スプリントで決着したUAEツアー第7ステージは、ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)が今大会3勝目をマーク。イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG)がスポンサーの前で総合優勝を決めた。



ザイード国立博物館で行われたチームプレゼンテーション photo:UAE Tour

イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG)のジュベルハフィート独走勝利から一夜明けた2月22日、UAEツアー(UCIワールドツアー)は最終日である第7ステージを迎えた。舞台はアラブ首長国連邦の首都アブダビ。防波堤を兼ねた人工の沿岸、アブダビ・ブレイクウォーターにフィニッシュする149kmの平坦ステージだ。

ザイード国立博物館で行われたチームプレゼンテーションを終え、アクチュアルスタート直後にレムコ・エヴェネプール(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)がアタックした。しかし2分25秒遅れの総合10位のエヴェネプールによる動きは、総合首位デルトロが自ら封じ込む。その後もアタックが続き、最初の20分の平均時速は60km/h以上。目を見張るスピードでレースが進んだ。

この日もUAEのナショナルカラーが空を彩った photo:UAE Tour

5名が逃げ集団を形成した photo:UAE Tour

その攻防の末、形成されたのはダーン・ホーレ(オランダ、デカトロンCMA CGM)を含む5名の逃げ。この日が27歳の誕生日であるホーレはオランダのタイムトライアル王者であると共に、リドル・トレックに所属していた昨年のジロ・デ・イタリアの個人TTで区間優勝した実力者。ロレンツォ・ミレージ(イタリア、モビスター)なども入った逃げ集団は、横風による混沌の展開を望んでいたものの、強風がメイン集団を襲うことはなかった。

逃げを捉え、アブダビ・ブレイクウォーターを巡るプロトン photo:UAE Tour

プロトンはアマヌエル・ゲブレイグザビエル(エリトリア、リドル・トレック)が中心となり、タイトなコントロールを見せた。そのためタイム差は広がらず、2分を超えることもないまま推移した。そして残り2km地点で逃げを吸収。スプリンターを擁する各チームによる激しい位置取り争いが始まるなか、リドル・トレックは早めにアシストを使い切り、残り500m地点で早くも単独となったジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)はモダンアドベンチャープロサイクリングによるトレインの背後についた。

その後、ウノエックス・モビリティの隊列に乗り換えたミランは、緩い左コーナーのアウト側でスプリントを開始。向かい風を受けながら踏み続け、その圧倒的なスピードでアーランド・ブリクラ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)らライバルたちをねじ伏せた。

スプリント勝利したジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) photo:CorVos

今大会3勝し、ポイント賞ジャージを獲得したジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) photo:UAE Tour

149kmコースを3時間以下で走り切り、大会新記録となる平均時速が50km/hを超える高速レースを制したミラン。今大会3勝目、そしてプロ通算30勝目を「勝利でUAEツアーを締めくくることができて本当にうれしい。昨年もあと一歩のところまで迫っていた。昨年のスプリントでの経験を少し活かすことができた」と喜んだ。

そして総合優勝は、トップ集団と同タイムでフィニッシュしたイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG)の手に。「素晴らしいチームのおかげでこの夢が実現した。レースを通して多くを学び、その努力が報われた。リーダージャージを着てアブダビの街に入っていくのは最高の気分だった」とコメントしたデルトロ。「この後は目標としているストラーデビアンケとティレーノ~アドリアティコに向けて準備を進めていく。焦らず、段階を踏みながら調子を上げていきたい」と語った。

総合優勝した総合優勝したイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG) photo:UAE Tour
UAEツアー2026第7ステージ結果
1位 ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) 2:56:48
2位 アーランド・ブリクラ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)
3位 サム・ウェルスフォード(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)
4位 イーサン・ヴァーノン(イギリス、NSNサイクリングチーム)
5位 マッテオ・マルチェッリ(イタリア、XDSアスタナ)
6位 マディス・ミケルス(エストニア、EFエデュケーション・イージーポスト)
7位 ヘルベン・テイッセン(ベルギー、アルペシン・プレミアテック)
8位 ルカ・メズゲッツ(スロベニア、ジェイコ・アルウラー)
9位 ライリー・ピックレル(カナダ、モダンアドベンチャープロサイクリング)
10位 ダニエル・スケール(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)
個人総合成績
1位 イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG) 21:10:30
2位 アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) +0:20
3位 ルーク・プラップ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) +1:14
4位 アロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ) +1:25
5位 フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM) +1:34
6位 レナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ) +1:44
7位 デレク・ジーウェスト(カナダ、リドル・トレック) +1:47
8位 ヨルゲン・ノードハーゲン(ノルウェー、ヴィスマ・リースアバイク) +1:55
9位 トビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) +2:08
10位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +2:25
その他の特別賞
ポイント賞 ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
ヤングライダー賞 イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG)
チーム総合成績 UAEチームエミレーツXRG
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, UAE Tour