自転車用品の総合ディストリビューターであるフカヤが、第60回を迎える展示会を開催した。ダボスやギザロなどのオリジナルブランドに加え、国内外から数多くのブランドを取り揃える同社の注目製品を紹介しよう。



ダボスD-604バージョン2に新色追加

数多くのショップスタッフが集まった第60回フカヤサイクルフェア

名古屋に拠点を構える自転車用品総合問屋のフカヤが毎年年始に開く大展示会「フカヤサイクルフェア」が今年も開催。60回目となる今回も数多くのプロショップからスタッフが吹上ホールに集った。

フカヤの展示会の中心的存在となるのが、ダボスやギザロといったオリジナルバイクブランド。様々なモデルが揃うラインアップで注目されバイクがD-604だ。ネオランドナーという新しいコンセプトを掲げ、未舗装路を走ることだけに主眼を置かず、グラベルライドをツーリングの一部として舗装路と未舗装路を自由に繋いでライドを楽しんでもらいたいという想いから生まれたバイクだ。

ダボスのD-604 Ver.2の新色モスグレーが登場した

フォグブルーという渋いカラーが採用されている
フカヤの展示会ではダボスなどの完成車イメージが湧きやすい



かつてのランドナーに近い遊び方をリブートしたD-604には、モスグレーとフォグブルーの2色が追加されることが発表された。従来のD-604はトレンドのポップなカラーが採用されてきたが、明るめの色彩ではなく落ち着いた色味を求める方の要望を受ける形で、今回のニューカラーがチョイスされた。

コロンビアのフルオーダーフレームビルダー、スカラブサイクルズでは「Ready to Paint(RTP)」プログラムが開始された。昨年のショーからフカヤの取り扱いが開始されたフルオーダーのブランドだが、RTPではサイズ(ジオメトリー)とペイントパターンがあらかじめ設定されることとなった。

コロンビアのスカラブサイクルはこのハンドペイントが特徴だが、シンプルなRTPがスタートする

ペイントパターンはソリッド、グラディエント、オーキットの3種類。カラーを指定すると約1ヶ月でデリバリーされるプログラムとなっており、フルオーダーに敷居が高いと感じて敬遠するユーザーも検討しやすい。スカラブの特徴的なグラフィカルなハンドペイントなども魅力的だが、コロンビア発のブランドがより身近に感じられるだろう。

セッレイタリアは定番SLRをリニューアル

セッレイタリアのSLRがモデルチェンジ。フルラインアップが並べられた

セッレイタリアからはの定番サドル「SLR」シリーズがモデルチェンジを果たした。これまでレール素材がモデル名に含まれていたが、エリート、アドバンといったグレード表記に変更され、製品ラインナップが整理された。

SLRはニュートラルな座面形状を持つモデルで、メーカーとしても最もレーシング用途に推奨するサドルと位置づけられている。セッレイタリアはSLR、FLITE、NOVUSといったモデルでそれぞれ座面形状(ニュートラル、フラット、ウェーブド)を使い分けているが、最もニュートラルなSLRが今後の主力となるだろう。

NOVUSのヌバックモデルがコラボモデルとして登場

ライドオアシスの手頃なサドルがラインアップされた

フカヤとのコラボレーションモデルとして、FLITEをはじめとした定番モデルのヌバックレザーバージョンが展開される。メーカー側がヌバックを強く推していることもあり、コラボレーションモデルでの採用が実現した。クラシカルなフレームに現代的な座り心地のサドルを合わせたいというニーズに応える製品として登場予定だ。

また、フカヤはオリジナルブランドのライドオアシスとして4種類のサドルを発表した。そのうちの3種類は3,000円代の価格設定が行われ(ショートノーズは7,000円代)、サドル交換を気軽に行えるラインアップとなっている。これはスポーツバイク初心者が自分に合うサドルを見つけてもらいたいというフカヤの想いが反映されており、さらにパフォーマンスを追求したいならばセッレイタリアなどを選べるフカヤのラインアップを強化する存在だ。

クオックやジュインテックなど多彩なラインアップ

クオックはレーサー向けのハイエンドから、シンプルなモデルまで揃う

ジュインテックからバーディ用のクランクやローターなども新たにラインアップされている
ブロンプトンのGライン用のカスタムパーツも登場



シューズブランドのクオックでは、37サイズまでサイズ展開が拡大される。これまで38サイズが最小だったため、足のサイズが小さい女性ユーザーにも対応できるようになる。履き心地と耐久性、メンテナンス性で高い評価を得ており、シンプルなデザインも人気のクオックの情報はぜひチェックしてもらいたい。

ジュインテックからは、ブロンプトンGライン用のパーツとして、キックスタンド、ヘッドパーツ、ステムキャップ、リアサスペンションのテンション調整ユニットなどが追加された。また、バーディ用のクランクやローターなども新たにラインアップされている。秋の展示会では展示されなかったアイテムも含め、小径車カスタムの選択肢が広がっている。

ミノウラから3本ローラー限定復刻やトレーナー用タイヤなど

アップローラーが特別カラーで復刻する

自転車の保管にぴったりなサイクルロッジも復活する予定だ
バイクタワーはディスプレイにぴったりだ


メンテナンススタンドに新色が追加される

国内ブランドの取り扱いが充実しているフカヤの中でも代表的な存在であるミノウラ。同社からは、かつて販売していた幅20cmのコンパクトな3本ローラー「アップローラー」が限定復刻される。通常の40cm幅のモッズローラーに慣れたユーザーには20cm幅で十分という発想から、数年前に販売されていた製品だ。今回は金色のスペシャルエディションとして復活し、オーストリッチ製のキャリングバッグが付属する予定だ。

また、モッズローラーにオールブラックのカラーバリエーションが追加される。これまでR700シリーズでオールブラックは展開されていたが、ミノウラの定番として定着しているモッズローラーでの展開となる。チタンドラムに比べてサンドブラックのローラーは静粛性が高く、室内トレーニング環境の改善に寄与するという、機能美のあるローラー台に仕上げられている。

トレーナー用タイヤとして、パナレーサーとのコラボ商品「イレーサー」がリニューアルされる。従来の溝付きホワイトタイヤから、スリックタイプのトレーナー専用コンパウンドに変更され、静粛性と耐久性が向上。

ローラー専用タイヤERASERがモデルチェンジ

参考出品として、かつてミノウラがラインアップしていた縦置き型の保管用スタンド「サイクルロッジ」も展示された。製品の復刻版で、現代的にアップデートされている。乗らない自転車を保管する際、タイヤを地面に接地させたままだとサイドウォールのひび割れなどトラブルの原因となるため、リムに引っ掛けて保管できる本製品への期待は高い。

メンテナンススタンドでは、DS-30シリーズに新色が追加される。ミノウラのスタンドは固定式の開き幅を採用しており、ボルト止めタイプに見られる経年劣化による開きの問題が発生しないことがメリットだ。

シマノの注目はQ'AUTO ギザロGA-30に搭載したモデルが追加販売

Q'AUTOを搭載したGA-30も追加で生産されるという

シマノのQ’AUTOも注目の存在だ

シマノもフカヤ取り扱いブランドの中では見逃せない。シマノは2025年にXTR、DEORE XT、DEOREの無線変速を発表しており、やはりその注目度は非常に高く、数多くのスタッフがシマノブースで足を止めた。

さらに、新型のSPDクリートは登場以来、絶大な人気を誇るという。従来クリートとの互換性を保ちつつ、容易なステップインを実現しており、レーサーから気軽なサイクリング派ライダーまで恩恵を受けられるクリートに仕上がっている。ブースでテストすることもでき、こちらも試したスタッフは数多かったようだ。

ギザロのアルミロード「GA-30」に自動変速システムQ'AUTOを搭載したモデルも注目を集めている。初回入荷分はすでに売り切れとなってしまっていたが、初夏に追加生産分が入荷される予定だ。また、Q'AUTO自体に触れたことがない方のための試乗機会も検討しているとのこと。自動変速という新たなテクノロジーは実際に体感してもらいたいプロダクトの筆頭だ。

カブトやキャットアイなど日本ブランドにも注目

カブトは新作のFALUXをリリースした
待望のGLOSBEの最新作が登場した


SPEED EDGEシリーズも引き続き注目製品だ
iRCのBOKEN PROは性能に定評があるという



他にもカブトやiRC、パナレーサーなどの日本のサイクリストに馴染み深いブランドも数多く取り扱う。カブトは新モデルのFALUXやGLOSBE NTなど今春から発売開始されるプロダクトの紹介を行い、iRCはBOKEN PROやSPEED EDGEなど意欲作をアピールした。

キャットアイのブースも注目度が高い存在だ。SNSで話題になったリアライト用のサドルレールマウントは既に欠品になるほどの人気製品となった。あらゆるサイクリストに恩恵がある製品だが、ドロッパーシートポストを活用しているライダーはぜひチェックしてもらいたい。

今回の展示会ではNETWORKシリーズの実際の使われ方を聞くことができた

サドルレール用のマウントは人気で欠品中とのこと

またライト同士の連携機能が特徴のNETWORKシリーズは、専用アプリでのカスタマイズが魅力と改めてアピール。ユーザーの中にはライトの連携ではなく、モードカスタマイズが気に入り購入された方もいるのだとか。そんなカスタマイズについてサポートライダーの三船雅彦さんに使い方を聞いた。

「気に入っている点はアプリでいろんな設定がカスタマイズできることです。キャットアイのフロントライトは強・中・弱の点灯と、2種類の点滅パターンが設定されているんですけど、点滅は使わないのでオフにしています。点灯も6段階でカスタムできるようになっていて、最弱を設定しています。長時間ライド用にランタイムを伸ばしたいことと、スピード域も遅いため、弱くても十分対応できます。もし、明るい光が欲しいときは、電源ボタンをダブルクリックして最強にジャンプする機能を使っています」と三船さんはいう。さらに「モードを一つずつ変更していると、点滅を挟むことになって、一瞬だけ周りが見えない瞬間もあるので、点灯だけで使えるのは便利です」とも。

三船雅彦さんも来場し、ショップスタッフらと交流した

リアライトもモードを取捨選択を行なっているという
三船さんはNETWORKアプリでシンプルな設定にしているという



さらに三船さんの知人の例も紹介してくれた。「モードチェンジは強>中>弱の順番に設定されていますが、カスタム機能を使うと弱>中>強の順番に変えているそうです。それぞれの使い方に合わせたカスタマイズができることが最大の魅力だと感じます」と締め括った。

サプリメントや補給食ブランドも充実

スクラッチラボは果物だけを使いすっきりとした味に仕上げている
スクラッチラボにはグミも用意されている


ウィンゾーンのEAAはしっかりと味付け、飲みやすさを追求している
ウィンゾーンのエナジージェル



フカヤはサプリメントや補給食ブランドも数多く扱っており、江崎グリコのパワープロダクションや、大正製薬のリポビタン For Sportsが用意されている。また、新規ブランド「スクラッチラボ」の販売も開始しており、ブースでは水で溶かすタイプの粉末状スポーツドリンクや、エナジーチュー(グミ)の試飲も行っていた。このブランドは人工甘味料を使わずに、果物のみで味付けすることが特徴。そのため甘すぎず、サラッと飲めたため、夏場で甘いものが喉を通らない時に活躍してくれそうだ。

日本新薬が展開するウィンゾーンは、苦味が気になるEAAを飲みやすくした製品を展開。こちらはマスカットやライチの風味を強くつけることで、ゴクゴクと飲めてしまうEAAを実現している。実際に飲んでみてもドリンクはサッと喉を通ってしまい、苦味を我慢することは一切なかった。ハイポトニック飲料として設計されており、運動中に摂取することが適しているため、この飲みやすさはアドバンテージとなってくれそうだ。岩塩も配合されており、ミネラルも補給可能なのも嬉しい。

前田製菓のWAY TO GOはお馴染みのプロダクトだ

あたり前田のクラッカーでも親しまれている前田製菓もフカヤの展示会に出展。前田製菓はスポーツ振興にも力を入れており、関西シクロクロスやジャーナリスト小俣雄風太さんが主宰のArenberg Podcastのツール企画"Daily Tour"へのサポートでもお馴染みだ。そんな前田製菓といえば、ハイプロテインクッキーのWAY TO GOがスポーツ向けの定番。今では5種類のフレーバーが展開されるようになったが、一番の人気はファーストプロダクトのゆず味なのだとか。美味しく食べれるクッキーのため、ぜひ試してもらいたい。

京都の和菓子屋さん、鼓月が展開するスポーツ補給食のアンパワーもフカヤが取り扱う。アンパワーは自社で炊き上げた餡子を使い、ベーシックモデルとカフェインモデルを作り上げる。それほどまでに美味しさにこだわって作っているという。また白餡ベースのジェル補給食アンパワーバナナもおすすめだ。夏場は冷凍庫で冷やしておくと、いい感じで食べれるのだとか。補給食の定番とも言える羊羹のスポーツ向け製品にも注目だ。

自家製餡でおいしさを追求したアンパワー


アクセサリーやコラボレーション製品も充実

東京ベル製作所とコラボしたクマ鈴も登場
日東とコラボしたトップキャップが登場



今回の展示会ではコラボ製品もお披露目された。東京ベル製作所とのコラボでは、ワンタッチで消音にできるクマ鈴「森の鈴」をベースにダボスのブランドロゴをプリント。D-604などでグラベルを楽しむときにぴったりだ。また、60回目の展示会を記念して、日東とのコラボレーションによるトップキャップが製作された。カラーは2色展開となる。

昔のポスターと製品が並べられた

ショップスタッフからは懐かしいという声も聞かれた

今回の展示会では、ミノウラの歴史を感じる特別展示も行われた。ここではかつてのカタログや製品のアーカイブがズラリと並べられ、ミノウラの歴史とプロダクトの変遷を目の当たりにすることができた。来場したショップスタッフの中には、昔のことを思い出す良い機会となった方もいたようだ。

またディーラー向け展示会前日には、2回目となるユーザー向け展示会も開催された。15時から19時までの開催で、多くの参加者が最後まで残り、各メーカーとじっくり対話する姿が見られた。一般的な大型イベントと異なり、来場者数が限られているため、メーカーとユーザーが密にコミュニケーションできる貴重な機会となっている。このユーザー向け展示会では各メーカーの思いをユーザー側から直接聞ける機会として、双方から高い評価を得ている。

平日開催にもかかわらず休暇を取って参加するユーザーのモチベーションは非常に高く、来場者数も昨年より多かったのだとか。ユーザーにとってもメーカーにとっても、そして販売店にとっても多くの情報を手に入れられる展示会となっていた。

ミシュランマンもショップスタッフを迎えた

ぬい活用のポシェットも作っているという
スミスの限定モデルにも注目だ


マカレスのデザイン入りモデルは今後登場予定だ
マカレスには野球バット用も登場する


保湿性が非常に高いリドフのシャワーワイプスは注目製品の一つだ

シェイクスはブラケットと同じ素材のバーテープを発表
踵のホールドにフォーカスしたソックスも用意されている


ブロンプトンもお馴染みのブランドだ

ウルフトゥースから話題のCLIKバルブがリリースされている
スパカズのバーテープは定番の存在だ


オリジナルの法被を着用して迎えてくれた


Report:Gakuto Fujiwara
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