日本自転車競技連盟、及び公益財団法人JKAは、山﨑賢人と小原佑太がトラック競技から引退することを報告した。両選手は2025年12月31日をもって、本人の希望によりトラック競技の強化指定選手から外れ、今後は競輪選手として活動を継続するという。



山崎賢人と小原佑太の引退式 photo:Satoru Kato

2024年のトラック世界選手権のケイリン競技で優勝し、日本に37年ぶりのアルカンシェルをもたらした山﨑賢人。そしてチームスプリントを筆頭に活躍してきた小原佑太。日本短距離界の中心を担ってきた2人がトラック競技から退き、今後は競輪選手としての活動に専念することが発表された。

なお、競技引退に関する記者会見は2025年12月22日に都内で実施されており、今回の発表はプレスリリースに掲載されたコメントを正式に伝えるものとなる。

山﨑賢人「世界選手権ケイリン金メダルが、競技人生で最も印象に残っている」

2024年の世界選手権、ケイリン競技でアルカンシエルを獲得した山﨑賢人 photo:JCF

山﨑賢人選手は会見で、ナショナルチームに初めて参加した当時を振り返りながら、次のように語っている。「最初にナショナルチームに参加した頃は、脇本さんや新田さんといった東京オリンピックを目指す選手たちがいました。右も左もわからないような状態でチームに入っていき、先輩たちを追いかける立場でしたが、チームや皆様のサポートのおかげで、ここまで来ることができました」。

競技人生で最も印象に残っている出来事として挙げたのは、2024年世界選手権ケイリンでの金メダル獲得だった。「なかなか結果が出ない時期も続きましたが、応援してくださる方々に支えられ、勝っても負けても背中を支えてもらえたことで競技に集中できました。本当に感謝しています」今後については、「これからは競輪選手として、日本一を目指していきます」と、新たな目標を口にしている

小原佑太「自転車競技が、自分の世界を広げてくれた」

2024年の世界選手権、チームスプリントで銅メダルを獲得した小原佑太 photo:Satoru Kato

一方、小原佑太選手は、自転車競技との出会いが自身の人生を大きく変えたと語った。「高校生の時に自転車競技と出会いました。それまでは引っ込み思案で、人と話すことも苦手でしたが、自転車競技を通して多くの方と出会い、世界観が変わりました」。

日本代表としてオリンピックの舞台に立てたことにも触れつつ、現在の日本トラックチームについては「次のオリンピックでメダルを獲得できる位置にいる」と語り、後進への期待をにじませた。「チームのメンバーに引退を伝えてからも、なかなか実感が湧かなかったのですが、この場でようやく実感し始めています。今後もナショナルチームへの応援、サポートをよろしくお願いします」と、感謝の言葉で会見を締めくくっている

text:So Isobe