年末の平塚競輪場でのKEIRINグランプリシリーズ開催に先駆け、12月19日(金)、賞金ランキングトップの古性優作や佐藤水菜をはじめ、男子9名、ガールズ7名の出場選手達がGRAND NIKKO TOKYO DAIBAに集い、共同記者会見と前夜祭が行われた。会見では、選手達が車番ごとの大会特別ユニフォームを着て登壇。この1年を振り返りつつ、大会への準備状況も含めた抱負を語った。



はじめにガールズグランプリの出場を決めた7選手が、車番と名前を呼ばれながら登場。それぞれが記者の質問に応じた。尾崎睦と坂口楓華は、競輪祭女子王座戦での落車後の経過についても語った。1番車は、年内4つのガールズGI全てを制し、年間グランドスラムを達成した佐藤水菜。

なお、来年からガールズもグランプリ出場選手は、男子同様にその証である特別ユニフォームを着て1年を走る。また、ガールズグランプリ優勝者には「Queen of Keirin」と入ったユニフォームと、年間通して1番車として走る権利も与えられる。

記者会見場に揃ったガールズグランプリ2025出場選手達 photo: Yuichiro Hosoda
1番車・佐藤水菜(神奈川) photo: Yuichiro Hosoda


2番車・児玉碧衣(福岡) photo: Yuichiro Hosoda
3番車・久米詩(静岡) photo: Yuichiro Hosoda


1番車・佐藤水菜(神奈川)

今年はグランプリスラムを達成出来て、結果を出せた。競技でも2回めのアルカンシェルを獲得することが出来て、自分自身の成長も含め、すごくいい1年、順調に行き過ぎた1年でした。競輪祭が終わってからは、通常トレーニングに戻って、しっかり練習出来ています。グランプリでは自分のタイミングを見て、しっかり仕掛けたいと思います。

2番車・児玉碧衣(福岡)

通常開催での優勝は何度かあったんですけど、GIでは全然結果が出ていない1年でした。ただ、練習方法を今年から変えて、しっかり1日1日練習を行ってきているところを含めると、気持ち的にもしっかり続いてきています。競輪祭で優勝出来ずに終わって、新車(ブリヂストンTS9。これまではTR9)に乗ろうと決めた。(今は)新車に乗って練習しています。この1年で一番いいレースが出来るように頑張りたいです。

3番車・久米詩(静岡)

GI優勝はないのですが、去年より自分の中で成長出来ている部分があるので、それを引き続き伸ばせていけたら良いなと思っている。もう少し結果がついて来たら良いのかなと。(競輪祭女子王座戦の後は)レース間隔が空きすぎるのがあまり好きではないので、レースを走りました。練習はいつも通りしていて、追い込み期間を作ったりだとか、ピーキングをしています。今年で一番いい自分を見せられるように頑張りたいです。

4番車・梅川風子(東京) photo: Yuichiro Hosoda
5番車・尾崎睦(神奈川) photo: Yuichiro Hosoda


4番車・梅川風子(東京)

学びの多い1年でした。変化が大きかった1年ですし、練習方法、トレーニングの組み方や道具の面などをしっかり見つめ直して、自分がそういう事をしなくちゃいけないのだと言うことを学んだ。今はレースは休ませてもらって、練習に集中する形で、グランプリに向けてトレーニングしています。体調も大丈夫。自分のしたい走りをして、優勝出来ることが一番だと思うので、その走りを追い求めて、当日は走りたいです。

5番車・尾崎睦(神奈川)

平塚のGPに向けて、何かを変えなきゃいけないと思っていたところに、きっかけをくれた仲間がいて、しっかりとそこについていって、今までの中では一番充実していました。競輪祭女子王座戦の落車の怪我は擦過傷程度で、11月後半から12月前半にかけて練習メニューは考えてやりましたけど、その後はしっかりと計画通りにやって来られた。いい機会だと思ってレースは休ませてもらい、練習させてもらってます。これからもします。優勝して平塚のお客さんを沸かせられるように走りたいと思います。

6番車・坂口楓華(愛知) photo: Yuichiro Hosoda
7番車・山原さくら(山口) photo: Yuichiro Hosoda


6番車・坂口楓華(愛知)

すごく苦しい1年ではあったのですけど、新しい事にたくさん挑戦することができて、メンタル面もすごく成長しているなと感じられたので、すごく充実した1年だった。落車の影響は結構あって、頭を少し縫ってしまって、3週間くらい抜糸に時間かかってしまい、その間練習が出来ていなかったので、レースも行きたかったし、準備もバッチリしたかったのですが、そこに関しては、新しいことにチャレンジして、前向きに取り組んで来られた。

今は走れる状態に戻っていますし、あとは気持ちだなと思ってるので、なんとか1日1日丁寧に残り時間準備して挑みたいと思います。(体調は)問題ないです。無心で頑張ります。

7番車・山原さくら(山口)

去年の後半に(高知から)移籍して、今年丸1年、山口で腰を据えて練習させてもらい、新しい気持ちで気を引き締めて頑張れた1年でした。前回(競輪祭女子王座戦)のレースは結果が出なかったんですけど、逆にそれで火が付いて、練習出来ていると思います。自分の走りをして、優勝目指して頑張ります。

腕組みをしながら笑顔を向けるガールズグランプリ2025の出場選手達 photo: Yuichiro Hosoda



ガールズのフォトセッションを終え、続いて今年最後の大一番、KEIRINグランプリの出場選手達がステージに現れた。注目の車番は、地元神奈川の郡司浩平が1番車となり、賞金ランキング1位の古性優作は9番車へと収まった。最大勢力の4車となる近畿は、並びが現時点では決まっておらず、会見の最後には古性がそれをネタに変えて、会場の笑いを誘う場面も見られた。

男子は昨年リニューアルされたS級S班のレーサーパンツのデザインがアップデート。黒い部分の面積が増え、赤とのコントラストがより強まり、引き締まった印象になった。

KEIRINグランプリ2025出場選手達が記者会見場に出揃う photo: Yuichiro Hosoda
1番車・郡司浩平(神奈川) photo: Yuichiro Hosoda


2番車・寺崎浩平(福井) photo: Yuichiro Hosoda
3番車・眞杉匠(栃木) photo: Yuichiro Hosoda


1番車・郡司浩平(神奈川)

GIで結果が出せずに、自分の中でふがいない悔しい1年だったが、こうして最後にグランプリに出られるチャンスをもらえたので、しっかり結果を残したい。競輪祭が終わってから少し体調を崩してしまった面もあったんですけど、また整えて、グランプリもあるが、その先も見据えて練習出来ている。残り少ないが、グランプリに向けてやっていきたい。本番では1枠の利を活かして考えて走りたいですし、単騎でもしっかりチャンスを見て走りたいです。

2番車・寺崎浩平(福井)

今年当初はGIの決勝に確定板に乗るのが目標だったんですけど、それを全日本選抜で達成して(2着)、いよいよタイトル争いが出来る脚力とかがついて来たなと。今年は勝負の年だと思いましたし、近畿のラインのおかげでオールスターを取ることが出来ました。それをしっかりグランプリで恩返し出来たらなと思っています。

競輪祭後には熱を出して体調を崩してしまったが、そこでしっかり休みをとってリセットして、合宿もあり質のいい練習が出来ているので、あとはグランプリに向けて最後しっかり調整したい。(近畿の)並びは決まってないですが、2番車ですし、そこを考えて走りたい。

3番車・眞杉匠(栃木)

GIも獲れず、1年を通して納得の行くレースがあまり出来なかった1年でした。しっかりグランプリを優勝して1年を締めくくりたい。競輪祭を終えてからはいつも通りだったんですけど、日数が空いていたので、関東の若手で集まって充実した練習が出来た。(昨年のグランプリと同じく)今年も4番車かなと思ったんですけど、3番車だったので、与えられた場所で、自力で頑張ります。

4番車・南修二(大阪) photo: Yuichiro Hosoda
5番車・吉田拓矢(茨城) photo: Yuichiro Hosoda


4番車・南修二(大阪)

たくさんの方のおかげで、グランプリを走れるようになったので、しっかり頑張りたいと思います。1年通して、本当に近畿の仲間に支えられて、ここに来られたと思っている。合宿もあってしっかりトレーニング出来たので、あとは体調を崩さないように気を付けたい。(並びについては)与えられたところで、しっかり頑張りたいです。

5番車・吉田拓矢(茨城)

こうして眞杉くんと一緒にグランプリを走れるようになって嬉しいです。1年頑張ったご褒美だと思って楽しみたい。5年ぶりにGIを取れて、充実した1年でした。競輪祭後に少し練習を緩めて、そこから合宿だったりいい練習を積めて、そこから戻して、本番にいい調子で持って来られるようにしたい。(5番車の)黄色は好きな色なので、嬉しいですね。眞杉くんの番手で頑張ります。

6番車・阿部拓真(宮城) photo: Yuichiro Hosoda
7番車・脇本雄太(福井) photo: Yuichiro Hosoda


6番車・阿部拓真(宮城)

まさか自分がこの舞台に立てるとは思ってなかったので、びっくりして緊張もしていますけど、与えられてもらったチャンスを活かして、それを掴めるように頑張りたい。今年も落車から始まり、落車が多かったが、心折らさず、やることをやって来れたからこういうチャンスをもらって掴めたのかなと。

競輪祭が終わり、すぐグランプリが決まったと言うことで、気を緩めずにしっかりトレーニングして来られた。いわき平を練習で貸してもらって、今後も貸してもらいながら、万全の状態で臨みたい。圧倒的な6番車(競輪で不利な車番)だと思うので(笑)、自分としては嬉しいくらい。(並びは)きっちり考えて、しがない自在選手ですけども、競輪祭で(吉田)拓也にお世話になったりもして、答えが出ていない部分もあるが、前検日までにしっかり答えを出したいと思ってます。

7番車・脇本雄太(福井)

近畿のみんなに助けてもらった1年だったと思っています。感謝しながらグランプリを一生懸命頑張りたい。今年は後ろに回ることも増えて、近畿の仲間たちが支えてくれた1年だった。それに自分自身も応えないといけないなと思った1年。

寬仁親王牌のアクシデントで肘の手術をして、その後2週間ほどまともに動けなくてトレーニングも全然出来なかったんですけど、競輪祭のちょっと前くらいから自転車乗れるようになって、そこから練習して、合宿もあったりして、福井競輪場は改修工事中で室内トレーニングがメインなんですけど、しっかり調整しています。

7番車はタイトルもとれた車番で、縁起がいいと思っている。近畿の並びについては僕自身の状態もあって、(近畿の)3人には申し訳ないことをしているんですが、グランプリの前日までにはしっかり答えを出したい。

8番車・嘉永泰斗(熊本) photo: Yuichiro Hosoda
9番車・古性優作(大阪) photo: Yuichiro Hosoda


8番車・嘉永泰斗(熊本)

初出場なので、しっかり優勝出来るよう頑張りたい。前半戦はあまり良くなかったんですけど、8月くらいから徐々に感覚がよくなってきて、その結果としてやっと取れたGIだった。(今も)徐々に良くなっている感じもあるので、ブレずに頑張ります。

競輪祭が終わって、ちょっと体調を崩したんですけど、その後はいつもと変わらず練習出来ています。もう少し時間があるので、しっかり調整できたら。車番に関しては決められた位置なので。自分は単騎になると思うので、しっかりチャンスを狙っていきたいです。

9番車・古性優作(大阪)

ふがいない1年間だったんですけど、近畿の人達に支えられた。いろんな人への感謝を持ってしっかり走りたい。近畿の仲間に支えてもらえないと本当にどうしようもなかった。一走一走がむしゃらに走っても結果が全然ついてこなくて納得行かなかったんですけど、また頑張ります。

競輪祭後は計画的に体調崩しましたし、計画的にトレーニング出来ているので、いいかなと思います。近畿の並びは決まっていないんですけど、南さんが先頭でやりたいと言ってるのを必死に止めているところです(会場笑)。

ガッツポーズでKEIRINグランプリ2025出場選手達が記念撮影に応じる photo: Yuichiro Hosoda



ファンと共に盛り上がった前夜祭

共同記者会見と各媒体の個別取材を終えると、18時からは事前の抽選により選ばれたファンの人達を招き、前夜祭が催された。今年の来場者は関係者300名、一般500名の計800名。湘南乃風のHAN-KUNがオープニングを飾り、ユニフォームからスーツに着替えた選手達が登場すると、会場からは大きな拍手と歓声が沸き起こった。

宴の最中には選手へのインタビューや抽選会も行われ、終盤には出場選手を題材にしたクイズコーナーも。バンク内では火花を散らすライバルと言う枠を超え、和やかな表情の選手達の姿を見ることが出来た。

ロビーに飾られたKEIRINグランプリ2025出場選手のパネル photo: Yuichiro Hosoda
ヤンググランプリとガールズグランプリの出場選手達のパネルが並んだロビーの一角 photo: Yuichiro Hosoda


前夜祭のオープニングアクトを務めた湘南乃風のHAN-KUN photo: Yuichiro Hosoda

郡司浩平と古性優作、東西2人のライバルが笑顔で肩を組み登場 photo: Yuichiro Hosoda

バックボタンの付いた特徴的なスーツをアピールする尾崎睦 photo: Yuichiro Hosoda
中野浩一さんの奥様に借りたと言う指輪を見せる佐藤水菜。「ずっと気付きませんでしたね〜」とイジり、中野さんもタジタジ photo: Yuichiro Hosoda


今年引退したガールズレーサー・日野未来さんと、平塚競輪アンバサダーの篠原愛さんもプレゼンターとして登壇 photo: Yuichiro Hosoda
選手も参加したクイズコーナーでは眞杉匠の「実は〇〇に弱い…」など、選手にまつわる設問が次々と出題された(答えは4番) photo: Yuichiro Hosoda


この他、12月28日(日)開催のヤンググランプリも先に車番が発表されている。12月29日(月)ガールズグランプリ、12月30日(火)KEIRINグランプリの出走表と合わせ、以下を参照頂きたい。
ヤンググランプリ2025 想定番組表
車番 選手名 年齢 所属 級班 出場回数
1 西田優大 28 123期 広島 S2 初出場
2 篠田幸希 26 123期 群馬 S2 初出場
3 中石湊 21 125期 北海道 S2 初出場
4 松崎広太 26 123期 茨城 S2 初出場
5 阿部英斗 21 125期 福岡 S2 初出場
6 栗山和樹 28 125期 岐阜 S2 初出場
7 黒瀬浩太郎 25 123期 広島 S2 初出場
8 梶原海斗 26 123期 福岡 S2 初出場
9 森田一郎 24 125期 埼玉 S2 初出場
ガールズグランプリ2025 想定番組表
車番 選手名 年齢 所属 級班 出場回数(GP、FII含む)
1 佐藤水菜 27 114期 神奈川 L1 3年連続6回目
2 児玉碧衣 30 108期 福岡 L1 10年連続10回目
3 久米詩 26 116期 静岡 L1 2年ぶり2回目
4 梅川風子 34 112期 東京 L1 2年ぶり5回目
5 尾崎睦 40 108期 神奈川 L1 2年連続5回目
6 坂口楓華 28 112期 愛知 L1 3年連続4回目
7 山原さくら 33 104期 山口 L1 3年ぶり6回目
KEIRINグランプリ2025 想定番組表
車番 選手名 年齢 所属 級班 出場回数
1 郡司浩平 35 99期 神奈川 SS 2年連続6回目
2 寺崎浩平 31 117期 福井 S1 初出場
3 眞杉匠 26 113期 栃木 SS 3年連続3回目
4 南修二 44 88期 大阪 S1 初出場
5 吉田拓矢 30 107期 茨城 S1 4年ぶり2回目
6 阿部拓真 35 107期 宮城 S1 初出場
7 脇本雄太 36 94期 福井 SS 4年連続7回目
8 嘉永泰斗 27 113期 熊本 S1 初出場
9 古性優作 34 100期 大阪 SS 5年連続5回目
text&photo: Yuichiro Hosoda