UAEチームエミレーツXRGが合宿を行うスペインで記者会見を開き、主要選手のレーススケジュールを明らかにした。タデイ・ポガチャル(スロベニア)が今年2位だったパリ〜ルーベに再挑戦し、ジョアン・アルメイダ(ポルトガル)はツール・ド・フランスには出場せず、ジロ・デ・イタリアとブエルタ・ア・エスパーニャでの総合優勝を目指す。



ベニドルムで行われているトレーニング合宿 photo:UAE Team Emirates - XRG

2025年シーズンに史上最多の97勝をマークしたUAEチームエミレーツXRG。UCI(国際自転車競技連合)のチームランキングでも3年連続の首位を達成したチームが、スペイン東部のベニドルムで行っているトレーニング合宿中に記者会見を開き、2026年シーズンの大まかなスケジュールを発表した。

ツール・ド・フランスで4度目の総合優勝に輝き、ロード世界選手権で連覇を達成したタデイ・ポガチャル(スロベニア)の予定は今年と大差なく、3月のストラーデ・ビアンケからシーズンインする予定だ。モニュメント(5大クラシック)で未勝利のミラノ〜サンレモに加え、「ツールをもう1勝するより勝ちたい」と語るパリ〜ルーベには、今年2位だった悔しさを晴らすべく出場する。

今年と異なるのは、クリテリウム・デュ・ドーフィネ(来季はツール・オーヴェルニュ・ローヌ・アルプに改称)ではなく、いずれもスイスのステージレースであるツール・ド・ロマンディとツール・ド・スイスに出場すること。理由はいずれも未出場のレースだからだろう。

デザインがマイナーチェンジされた新ジャージに身を包んだアルメイダら photo:UAE Team Emirates - XRG

ポガチャルの予定以上に驚きだったのは、チームのもう1人の総合エース、ジョアン・アルメイダ(ポルトガル)がツールに出場しないことだ。アルメイダはその理由を「タデイ(ポガチャル)がグランツールを勝つために、必ずしも僕が必要だとは思わない。分かれて走った方が、チーム全体として結果や勝利を最大化できる」とコメント。「全てが上手く行けば(総合優勝を)狙えると思っている。僕より強い選手はいるが、必ずしも最強の選手が勝つわけではない」と自信を語った。

アルメイダのグランツールでの最高順位は、今年のブエルタでの総合2位。ジロでも2023年の総合3位を最高に、これまで3度のトップ10入りを果たしている。

チームではこれまでフアン・アユソ(スペイン)も総合エースの一角を担ってきたが、来年リドル・トレックへ移籍する。また今年のジロで総合2位とブレイクしたイサーク・デルトロ(メキシコ)は、UAEツアーで総合エースを務め、ポガチャルと共にクラシックレースを転戦後、ツールに出場する予定で、山岳アシストとしての活躍が期待される。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos