ジャパンカップを走った海外チームのバイクを紹介する。今回はEFエデュケーション・イージーポスト、コフィディス、イスラエル・プレミアテック、そしてノボ ノルディスク。ツールで投入された特別カラー、コスパを狙ったアッセンブルなど、各チームのセットアップに注目。



EFエデュケーション・イージーポスト:キャノンデール SuperSix EVO

アレックス・ボーダン(フランス、EFエデュケーション・イージーポスト)のキャノンデール SuperSix EVO photo:So Isobe

ジャパンカップ連覇を目指して来日したEFエデュケーション・イージーポストは、今年もキャノンデールのハイエンドモデルであるSuperSix EVOを駆る。色合いの異なるピンクを組み合わせたバイクとチームキットはプロトンの内の注目の的。フレームにはLAB71のネームが記されているが、実際はHi-MODグレードだ。

コンポーネントはシマノDURA-ACEを基本としつつ、サポートを受けるFSA/ヴィジョン製品を多用する。FSAのPOWERBOX K-FORCEクランクセットや、今年のストラーデビアンケから実戦投入されたヴィジョンのMetron RSホイールセットを使う。登坂対策でホイールはペア重量1,290gを誇る45 RSで揃えていた。組み合わせるタイヤは長らくパートナーシップを組むヴィットリアのCORSA PRO TLRで、幅は30c。同社のインサート「Air Liner」を投入していることも特徴で、チームカラーと揃いのマックオフのチューブレスバルブをセットする。

フィジークのVENTO ARGO 00 ADAPTIVEサドル photo:So Isobe
選手全員がmomoデザインとキャノンデールが協業開発した専用ハンドルを使用 photo:So Isobe


シマノDURA-ACEを基本に、FSAのPOWERBOX K-FORCEクランクセットを組み合わせる photo:So Isobe

数シーズン前はFSA/ヴィジョンのハンドルを使っていたが、現在はmomoデザインとキャノンデールが協業開発した専用ハンドルに切り替え済み。エースナンバーを付けたアレックス・ボーダン(フランス)はワフー/スピードプレイのエアロペダルや、フィジークのVENTO ARGO 00 ADAPTIVEサドルをバイクに組み合わせていた。



コフィディス:ルック 795 Blade RS(ツール・ド・フランス特別モデル)

ヨン・イサギレ(スペイン、コフィディス)のルック 795 Blade RS。特別なIconic Black Radialデザインだ photo:So Isobe

バスクの旗が描かれたライダーネーム photo:So Isobe
他メンバーの795 Blade RSは通常の白ベース photo:So Isobe



ジャパンカップ連続出場中のコフィディスが駆るのはルックのエアロモデルである795 Blade RS。多くのメンバーが白地にモンドリアンカラーの795に乗っていたが、注目はエースのヨン・イサギレ(スペイン)のバイク。黒地のこの795は、今年のツール・ド・フランスを走るメンバーに供給された特別な「Iconic Black Radial」デザインだ。

「フランス古典庭園のシンメトリーな美しさと幾何学的な精密さにインスパイアされた(公式HPより)」のモンドリアンデザインに組み合わせるのは、カンパニョーロのSUPER RECORDコンポーネントとBORA ULTRA WTOホイール。他選手は先代モデルのSUPER RECORD WRLを使用していたが、イサギレだけはサムシフターが復活した新型Super Record 13をアッセンブルするなど、まさにエース選手らしい機材待遇だ。

イサギレのみ新型のSuper Record 13を使用 photo:So Isobe

3Dプリント製のチタンディレイラーハンガー photo:So Isobe
サムシフターが復活したエルゴパワー photo:So Isobe



タイヤはヴィットリアのCORSA PRO TLRで、幅は28c。もちろんルックの新型KEO BLADEペダルや、専用開発のCOMBO AEROハンドルバーを組み合わせる。リアディレイラーハンガーは3Dプリンターで出力したと思われるチタン製。こちらもイサギレだけ、メインバイクだけの特別仕様だった。



イスラエル・プレミアテック:ファクター OSTRO VAM

サイモン・クラーク(オーストラリア、イスラエル・プレミアテック)のファクター OSTRO VAM photo:So Isobe

イスラエル・プレミアテックからは、年明けすぐに母国オーストラリアで開催されるツアー・ダウンアンダーとカデルエヴァンス・グレートオーシャンレースで引退を迎えるサイモン・クラークのバイクを紹介する。モデルはイスラエルのメインモデルであるOSTRO VAMで、今年のツール・ド・フランスで実戦投入され話題をさらった超エアロモデルは持ち込まれていなかった。

ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ2回、ツール・ド・フランスでステージ1回の優勝経験を持つベテランは、慎重175cmで52サイズに乗る。ファクター傘下であるブラックインク製の一体型ハンドルのステム長は140mmで、幅は380mm(唯一140mmが存在するAB02ハンドル)。かなり内側に倒したSTIレバーが特徴的だ。

クラークはステム140mm/幅380mmのブラックインクハンドルを使用 photo:So Isobe

コンチネンタルのGRAND PRIX 5000TT TRタイヤ(28mm) photo:So Isobe
スペアバイクとして一般発売カラーのOSTROも用意されていた photo:So Isobe



EF勢と同じく、シマノのDURA-ACEを基本としながらもFSAのクランクセット(POWERBOX K-FORCE/クランク長165mm)を組み合わせる。ホイールはOSTROと同時にデビューしたブラックインクの「48/58」。タイヤはコンチネンタルのGRAND PRIX 5000TT TR(28mm幅)。



チーム ノボ ノルディスク:アルゴン18 SUM PRO

ノボ ノルディスクのアルゴン18 SUM PRO photo:So Isobe

選手全員が一型糖尿病患者で構成され「糖尿病と共に生きる人々を勇気づけ、治療に積極的に取り組み、それぞれの人生の目標に向けて生きていくことを応援する」というミッションを掲げて走るチーム ノボ ノルディスクは今年で10回連続参加。バイクは2022年からパートナーシップを組むカナダのアルゴン18で、フラッグシップモデルのSUM PROを選手全員が使用していた。

ただし選手6人中で4人が昨年カラーのSUM PROを使用。「もう何万キロ走ってるのか分からないよ」とはチームメカの談。コンポーネントとホイールはシマノDURA-ACEで揃えているが、一部選手は4iiiiのパワーメーター付きULTEGRAクランクを(ブランドロゴを隠して)使用していた。

コックピット周りはデダ。一体型のALANERA RSハンドルを使う選手が多かった photo:So Isobe

4iiiiのパワーメーター付きUltegraクランク photo:So Isobe
デダの樹脂製ボトルケージ「GABBIA」を使う photo:So Isobe



ハンドルはステム一体型のデダ ALANERA RSがメインで、別体型のステム/ハンドルを使用する選手も。サドルはセラサンマルコの各種モデル、タイヤはヴィットリアのCORSA PRO TLR(28c)。カーボン製ボトルケージを使うチームが多いが、ノボはデダの樹脂製モデル「GABBIA」で揃えていた。

text&photo:So Isobe

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