9月27、28日に行われたiRC白馬グラベルミーティング。ウインターリゾートとして有名な白馬村を舞台に開催される今年が2回目となるイベントに自転車ジャーナリストの安井行生さんが小学4年生の息子さんと一緒に親子で参加。その体験レポートをお届けします。



グラベルソファで息子と一緒に撮ってもらった。へのへのもへじ案山子がいい感じ

「ただいま」。まだ2回目なのに、そう言いたくなるイベント。どこか懐かしく、アットホームな雰囲気がそのような心情にさせるのだろう。白馬グラベル、正式名称は「iRC TIRE 白馬グラベルミーティング」。メイン会場はキャンプ、各種スポーツ、BBQ、釣りなどが楽しめる「白馬グリーンスポーツの森」だ。

メイン会場はスポーツやキャンプ、BBQ、釣りなどが楽しめる「白馬グリーンスポーツの森」

日本でもグラベルイベントが増えてきたが、「もっと長く」「もっとハードに」というエクストリーム系チャレンジ系になりがちだ。もちろんそれはそれで楽しいし、そういうイベントでしか得られないものもあるだろう。

しかし白馬グラベルは違う。「スポーツバイク初心者がグラベルという遊びにはまるきっかけになるイベント」というコンセプトを掲げているからだ。特別協賛となるiRCも、グラベルタイヤを製造するメーカーとして「ここ日本でグラベル文化を根付かせたい」という想いがある。このイベントの特徴は次のとおり。

・2日間にわたって行われる
・1日目と2日目では違うコースとなり、2日間の総走行距離は約50km/総獲得標高は750m
・物足りないという参加者向けにはエクストラコースが用意される
・メイン会場には地元に根差した多くのイベントブース/飲食ブースを設置
・「MTBショー」「豚の丸焼き」「乗馬体験」「洗車体験」などのコンテンツが用意され、ライド後も楽しめる


コースはグラベル率約35~40%で、日本のグラベルイベントとしてはかなりハードルが低い。主催者曰く「おじいちゃんと小学生の孫が一緒にeバイクと20インチのキッズバイクで走れるようなコース」を目指したという。

今年はくっきりと見えた白馬岳。地名としては「はくば」だが、この白馬岳だけは「しろうま」と読む

舞台は長野県の北西に位置する白馬村。村から見える山肌の雪模様が馬に見えたことからその山を白馬岳と呼ぶようになり、それがいつしか村名になった。長野オリンピックの会場となったことでも有名で、スキーのジャンプ台は遠くからでも見える村のシンボルだ。

そんな白馬グラベルミーティング、昨年はiRCに招待していただき、息子(当時小3)と一緒に参加し、親子そろって思う存分楽しんだ。それは、グラベル好きのいちサイクリストとしても、親としても、お世辞抜きで最高の体験となった(昨年のレポートはこちら

↑で書いた「人生最良の記憶」というタイトルは、誇張でもなんでもなく、大真面目に付けたものだ。

昨年の白馬グラベルが終わってすぐ、息子は「来年も来る」と言い、今年の夏休みには何度も「白馬のってまだ?」と尋ねてきた。もちろん今年も出たいと思っていたので、シクロワイアードから参加レポートの依頼があったときは小躍りをしつつ快諾した。

会場にはメーカーのブースも多数出展され、賑わっていた
ライド前に愛車の記念撮影



2日間のイベントで、初日の会場オープンは10時、ライドスタートは12時と、当日入りでも余裕のあるスケジュール。2日目は7時半開場、9時ライドスタート、14時にイベント終了と、自転車イベントにありがちな「暗いうちに出発し、寝不足のまま走り、体力を使い果たしたヘロヘロ状態で帰りの渋滞に巻き込まれる」というドタバタ感がない。

参加者のバイクやスタイルは様々。小径車の方も
ウェアおそろいのグループやチームでの参加も



昨年は曇り空が多く、それはそれで風流だったのだけど、今年はすっきりと晴れた。初秋ならではの澄んだ朝の空気が、くっきりとした雲の影を山肌に刻んでいる。一週間ほど前までは天気予報が雨マークを表示していたので、「晴れて本当によかった…」というスタッフの皆さんの安堵の表情がまず印象的だった。

ライド前にみんなで朝ヨガ。「これが自転車イベント?」という雰囲気だ

ライド前にみんなで朝ヨガだ。「これが自転車イベント?」という雰囲気がいい。会場にはメーカーのブースも多数出展して賑やか。チームでの参加も多いし、小径車で参加される方もいる。他のイベントにないほど色んなスタイルがあって、見ているだけで楽しい。

会場内で使えるイベントチケット。ライドの前後にブースの飲食やイベント体験を楽しめる

エントリー費には会場内で使えるイベントチケットが計7枚含まれており、ライドの前後にブースの飲食やイベント体験を楽しめる仕組みだ。

美しい田園風景の中を走る

ゆるいイベントとはいえ、スタート時にはカウントダウンが行われて気分が高揚する。走り出すと空は高く、白馬岳は聳え、稲穂は黄金に輝く。まるで自転車に乗るために神様が用意してくれたかのような快晴だ。イベントの性格を反映して難易度は低い。オフロードとはいえ走りやすいルートが選んである。

手に入れたばかりの26インチMTBにご満悦の息子。パパは無事走ってくれるか心配だ

今年、息子はかの名車リッチーP-23で参加した。これはシクロワイアード綾野編集長から譲っていただいたもの(詳しくは輪郭ブログに書いた

身長130cmにはフレームサイズがやや大きいので白馬に投入するか迷っていたが、息子は「新しい自転車で走る!」と言ってきかないのでリッチーで出走した。26インチなのでタイヤがあるか不安だったが、iRCがミブロXというトレイル向けタイヤをまだ作ってくれていた。

筆者はダボスのD-604(左)で参加。右のD-604は、BMXエリートライダーにしてiRCスタッフの瀬古遥加さんの愛車

パパはダボスのD-604(写真左)で参加。色違いでもう1本欲しいと思っているくらいに気に入っている。今年の白馬ではD-604を何台か見かけた。右のD-604は、BMXのトップアスリートにしてiRCスタッフでもある瀬古遥加さんの愛車だ。

白馬は道も素晴らしい。ライド中は「この道、最高」「ここも最高」「おぉー最高!」と、何度も「最高」が口をついて出る。映えスポットを見つけては、記念写真。なかなか進まない。

仲間たちとダブルトラックを行く

白馬は道も素晴らしい。ライド中は何度も「最高!」が口をついて出る
中盤に登場したスパイスポイントの一つ、スキー場の下り。息子は歓声とも悲鳴ともつかない声を上げながらも無事にクリア



ダボスD-604仲間、オーストリッチを製作するアズマ産業の伊美哲也さん。業界人にも白馬グラベルファンは多い

そんな緩いイベントではあるが、ときどきスパイスのようなセクションが出現し、ベテランを満足させつつ、ビギナーをチャレンジに誘う。

中盤に登場したスパイスポイントの一つが、スキー場の下り。息子は歓声とも悲鳴ともつかない声を上げながら無事にクリア。後になって「あそこの下り、ヤバかったね!」と目をキラキラさせながら話していた。

白馬の美しい景色の中にグラベルソファが出現する。ここで写真を撮るのはお約束

白馬の美しい景色の中に、突如グラベルソファが出現する。そこに集う参加者たちの「写真撮りますよ」「ありがとうございます!」という暖かい交流がそこかしこで見られた。今年はこのソファが増え、計4箇所に。へのへのもへじの案山子がいい感じだ。

なぜかここでは顔出しNG? 昨年のレポートを読んでくださった方に「去年はちゃんと靴脱いでたのに・笑」とツッコまれる

白馬はエイドステーションも魅力の一つ。地元の食材を使った美味を楽しめる。長野オリンピックのクロスカントリースキー競技会場として使用された白馬クロスカントリー競技場(スノーハープ)に設けられた第1エイドでは五平餅とミニトマトをいただく。甘じょっぱくて美味しかった。

白馬はエイドステーションも魅力の一つ。地元の食材を使った美味を楽しめる

第2エイドでは白馬農場の食材を用いた「農かふぇ」のオリジナルジェラートをいただく

第2エイドは白馬農場の食材を用いた「農かふぇ」のオリジナルジェラート。これも美味しかった。

1日目の最後には、昨年と同じ川沿いのご褒美ダウンヒル。後立山連峰をバックに、ススキの間を駆け下りる。 ゴール直前には「白馬の白馬」とすれ違った。

ご褒美ダウンヒル。後立山連峰をバックに、ススキの間を駆け下りる

ゴール直前、「白馬の白馬」とすれ違った!

走り終えてもイベントは終わらない。まず、白馬の精肉店「大国屋」の社長が6時間をかけてじっくりと焼き上げた豚の丸焼きが待っている。去年もいただいたが、柔らかくて脂まで甘くて、今年も変わらず美味しかった。

白馬の精肉店「大国屋」の社長が6時間をかけてじっくりと焼き上げた豚の丸焼き

豚に加えてBBQプレートもあり、クレープもあり、麺類もあり、ハンバーガーありフランクフルトありと、おなかが一杯になる
ライドを終え、親子でBBQプレートをパクつく



豚に加えてBBQプレートもあり、クレープもあり、麺類もあり、ハンバーガーありフランクフルトありと、おなかが一杯になる。ちなみによっぽど贅沢をしない限りチケットのみで満喫できる。現地で財布を開くことはさほどなかった。

ラバッジョの洗車ブースが今年も出現。洗車専用軽トラが大活躍していた

昨年も大好評だったラバッジョの洗車ブースが今年も出現。お馴染みの消防車は残念ながら電装系のトラブルにより引退となってしまったため、今年は洗車専用軽トラが大活躍。NIPPOの専属メカニックとしてジロ・デ・イタリアにも帯同したラバッジョ代表・福井響さんの軽妙なトークも相まって、今年も大人気だった。ちなみにラバッジョとはイタリア語で「洗車場」という意味だ。

iRCブースでは、展示された多数のタイヤを前にあーでもないこーでもないとタイヤ談議に花が咲く
メーカーブースでも担当者と参加者がじっくりと話し込む場面がみられた



参加者150人程度のこじんまりとしたイベントなので、「列に並ぶ」とか「長時間待つ」というストレスがほとんどない。メーカーブースでも担当者と参加者がじっくりと話し込む場面が多くみられた。iRCブースでは、展示された多数のタイヤを前に、あーでもないこーでもないとタイヤ談議に花が咲く。

有薗啓剛さんと守上大輔さんによるMTBパフォーマンス・ユニット“K&D”が驚愕のパフォーマンスショーを繰り広げた

夕方、有薗啓剛さんと守上大輔さんによるMTBパフォーマンス・ユニット“K&D”が、自転車を駆使した驚愕のパフォーマンスを繰り広げた。自転車トライアル元世界チャンピオンのテクニックと、シルク・ドゥ・ソレイユやマッスルミュージカルなどエンタテインメント界仕込み(?)のトーク術で、会場が爆笑に包まれた。ちなみに何人かはちょっと踏まれていた。

パパとお揃いのKABA(北アルプス自転車協議会)Tシャツを着たちびっこライダーも会場を闊歩する
BBQプレートとビールを片手に夫婦でのんびり



会場は18時まで空いているので走り終わったらみんなでダラダラする。この雰囲気が最高だ

会場は18時まで空いているので、走り終わったらみんなでダラダラする。この雰囲気が最高だ。

1日目の最後は豪華景品が当たる抽選会で大いに盛り上がった。投宿したホテルにはテラスがあり、そこからは満点の星空が見えた。息子は人生で初めて天の川を見て感動していた。

夜は豪華景品が当たる抽選会で大いに盛り上がった




2日目

前日の終盤に下った道を上る。昨日はパパと2人だったのに、今日は新しい友達と3人で走る

2日目は初日にも勝る快晴で、白馬岳が頂上まで綺麗に見えた。地元の方にお聞きすると、「ここまで綺麗に見えることは珍しい」とのこと。

親子ライダーがJR大糸線の線路を渡る

昨日のライドとダラダラタイムで仲良くなった参加者たちは、和気あいあいとスタート。もちろん2日目は初日とは違うコース。事前にコースデータが公開され、紙のマップも配られるが、各所にマーシャルの方が立っており、看板も多いので迷うことはない。

最初に前日の終盤に下った道を上る。昨日はパパと2人だったのに、今日は新しい友達と3人で走る息子。

映えスポットな貯木場を見つけて記念写真

それにしても、昨年に比べて子供の参加者が増えたように感じる。一年目から子連れで参加して親子共々素晴らしい経験をした身としては、「そうそう、白馬グラベルは親子で楽しむのも最高なんだよ!」と言いたい。

ライドの途中、素晴らしい景色に思わず立ち止まる

息子も今年の白馬グラベルで新しい友達が2人(埼玉から参加した松本兄弟)もでき、2日目のライドは松本・安井ファミリーのグループで走ることとなった。昨年よりキッズが多くなった気がする。

白馬村のシンボル、スキージャンプ競技場を眺める。ちょうど練習風景が見れた

JR大糸線の線路を渡り、白馬村のシンボルの、ノーマルヒルとラージヒル用のジャンプ台が並ぶ競技場の脇も通る。ちょうとジャンプの練習をしていた。

白馬はちょうど稲刈りの時期。作業の中をグラベルライダーが行く

大粒のナガノパープル、クイーンルージュ、シャインマスカット。これがびっくりするほどおいしい

子供たちも美味しいぶどうをあっという間に完食!

白馬はちょうど稲刈りの時期。農作業の中を走り抜けて行く。第一エイドには大粒のぶどう(ナガノパープル、クイーンルージュ、シャインマスカット)。これがびっくりするほどおいしく、子供たちもあっという間に完食していた。

川沿いのフラットグラベルは走りやすかった

1日目は白馬グリーンスポーツパークから南下し、田園風景の中の農道や里山の林道を走るコースだったが、2日目は反対に村の北側をぐるりと走る。ちなみに、オプションコース込みだと、1日目は30km/480mアップ、2日目は28km/580mアップとなる。

見下ろすグラベルを走る仲間たちを撮る!

昨年は一心不乱にカエル探しに没頭していた息子。今年はトンボの捕獲に熱中しており、「全然成長してないやん……」と心配にもなるが、ライドに出てみれば昨年はどうしても上れなかった坂をあっさりと乗車でクリアし、体力面の成長を実感する。もちろん機材の進化(20インチのキッズバイク→26インチの本格MTB)も大きいが。

オフロードの走り方を教えながら、スタッフがキッズグループを先導する

ルートにはときどき本格的なトレイルも現れる。キッズグループを先導するスタッフが、オフロードのこなし方を教えながら走ってくれる。上級者にとってはコースは短くてイージーだが、1周で物足りなかった人は2周走ったそうだ。

まるで日本昔ばなしの風景を行く親子サイクリスト

ライドの途中、まるで日本昔ばなしに出てくるような素晴らしい景色に思わず立ち止まる。写真は今回のベストビューの一つ。グラベルを走るのも楽しいが、ここでしか見られない景色を楽しめるのもこのイベントのいいところ。

地元のりんごジュースとおやきがふるまわれた。田舎の風景のなかで素朴な味が口に広がる

最後のエイドステーションでは、地元のりんごジュースとおやきがふるまわれる。田舎の風景のなかで、素朴な味が口に広がる。エイドのボランティアスタッフは地元の白馬マウンテンバイククラブの若手だった。

白馬マウンテンバイククラブのボランティア。「写真とります!」はグッドアイディア
今年はキッズバイクがたくさんだった



息子は友人と3人揃って見事に完走。「来年も3人で出よう!」と約束を交わしていた。背中は泥はねでいっぱいだが、めいっぱい楽しんだ証拠。ママにはパパから謝っておく。

息子は友人と3人そろって見事に完走。「来年も3人で出よう!」と約束を交わしていた

2日目は走り終えてもまだ昼過ぎ。今日もライド後はイベントチケットで栄養補給。ランチはチケット1枚+400円ほどで食べられるジャークチキン弁当にした。これもまた驚くほど美味い。他にも麺類あり、コーヒーあり、アルコールありと、エイドステーションも含めると走ってる時間より飲み食いしている時間のほうが長いかも。

2日目のランチに食べたジャークチキン弁当。驚くほど美味しかった

最後のライダーが帰ってきた。みんなが拍手で迎える暖かいイベントだ

親子での参加も多かったし、最後のライダーが帰ってきたら、みんなが拍手で迎える。暖かいイベントだ。

会場のキャンプ場周辺では、白馬育ちの道産子・白馬のかえでちゃんにも乗ることができるし、iRCブースではタイヤを使った輪投げチャレンジができる。豪華賞品がもらえるだけあってみんな顔がマジだ。

乗馬体験では白馬育ちの道産子、白馬のかえでちゃんに乗れる

iRCブースではタイヤを使った輪投げチャレンジができる。豪華賞品がもらえるだけあってみんな顔がマジ

白馬村のゆるキャラ、ヴィクトワール・シュヴァルブラン・村男III世と息子

白馬村公式ゆるキャラの名前は「ヴィクトワール・シュヴァルブラン・村男III世」。白馬にスキーが伝来して100年を記念してペガサス座流星群からやってきたそうだが、クレープのクリームを口に付けたままの息子に顔真似されていた。

iRCのグラベルタイヤ、BOKENシリーズが並ぶ

iRC広報の田中さんには白馬グラベルミーティングのコースにお勧めのタイヤとセッティングを聞いてみた。
田中さん:「いろんな路面を楽しみたいならBOKEN DOUBLECROSSの42C(写真手前)。空気圧は1.7くらいでしょう。サイドカットするような場所もないので、ライトでもノーマルでもどちらでもいいと思います。速く走りたいならBOKEN PLUSですが、このイベントの走り方は自由。参加者のみなさんにゆだねられています。ゆっくり走るのなら、ぶっちゃけなんでもいいです(笑)」とのこと。

ライド後はみんなでビール! 「ゆるいフェス」のような雰囲気は2日目も

ライド後はみんなでビール! 走り終わった後に食べて飲んでみんなでおしゃべりをするという、自転車イベントというより「ゆるいフェス」のような雰囲気は2日目も続いた。

オッツォで参加されたこの方はオーダーでバックポケット付きのジャケットを作ったそうだ

キャンプ泊で参加していたサイクルハウスミカミの三上和志店長。一緒に走ったお客さん(左)は「無事に走り切れました!」と喜びを爆発させていた

日本でもグラベルイベントが増えてきた。どのイベントにもその土地の魅力があり、違う楽しさがある。ビギナー向けのショートコースが設定されるイベントも多いが、この白馬グラベルのように「最初から最後まで全部ゆるい」というイベントは稀だ。しかし、ところどころに短い激坂やシングルトラックがあり、満足度は高い。最高の景色と道は、ベテランの心も満たしてくれる。

親子での参加も多かった

ライドの前後には地元の人々の温かいもてなしや、地元食材のグルメを堪能でき、仲間や家族とともにゆったりとした時間が流れる。「ノリ悪いぜ」というような押しつけ感も無いから、一人芝生の上でぼ〜っとしていてもいい。

息子さん(右)は輪投げチャレンジでBOKENタイヤをゲットしたが、パパにプレゼントするとか!

終わりが近づいた頃、ある女性の参加者が「明日は絶対白馬ロスだわ〜」とつぶやいていた。白馬グラベルミーティングを堪能した参加者は、全員同じ気持ちかもしれない。

来年は9月26・27日に行われる。また白馬で会いましょう。

インタビュー
イベント企画・田中国大さん(iRCタイヤ広報)


イベント企画・田中国大さん(iRCタイヤ広報)
第一回が終わってから今日までの一年間、白馬の皆さんとほぼ毎月打ち合わせをし、準備を進めてきました。このイベントの難しいところは、この時期に稲の刈り入れの繁忙期を迎えることです。それによって走れない場所もありましたが、地元の理解を得てなんとかいいコースができたと思います。

昨年に比べてお子さんの参加者も増えましたね。今年、私はお子さんのアテンドをしながら走ったんですが、最初の頃はすぐに下りて押していたのに、後半になると乗車が難しいところでもチャレンジをするようになり、20kmほどの短いコースのなかでも成長が見られたのが印象的でした。お母さんもそこに驚いておられました。

白馬にはもっといいコースがたくさんあるので、来年以降はさらに魅力的なコースを作って、参加者の皆さんに走っていただきたいと思っています。そういう意味ではまだまだ成長できるイベントです。iRCとしてもこのイベントは大事に育てていくつもりです。

大会実行委員長・原知義さん(白馬MTBクラブ/北アルプス自転車協議会)

大会実行委員長・原知義さん(白馬MTBクラブ/北アルプス自転車協議会)
一週間ほど前は天気予報が微妙だったのですが、結果的に2日間とも最高の快晴になってくれて、皆さんにスッキリと晴れた白馬の山々を見てもらえたのが嬉しいです。農繁期で通れないところがあるなか、今年はどうしてもスキー場のハードな上りが避けられませんでしたが、来年以降はできるだけハードルを下げ、もっと簡単に楽しく走れるコースにしたいと思います。

初回の去年はなかなかエントリーが埋まらず焦りましたが、今年は早く定員に達してくれて安心しました。この白馬グラベルミーティングが初めての自転車イベントというお子さんも多く、「自転車って楽しい!」と思ってくれると嬉しいですね。

このイベントは「もっと速く」「もっとハードに」ではなく、「自転車って楽しい」「また家族で来たい」と思ってもらえることを目指しています。そのコンセプトは今後も変えずに継続していきます。来年は地域の方々との連携を深め、もっと魅力的なコースにするつもりです。

来年もiRC TIRE 白馬グラベルミーティングで会いましょう!


text : 安井行生
photo:今田イマオ、タナカミズト、henry brant、北川大介、安井行生


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