集団スプリントで決着したイタリアのワンデーレース、コッパ・ベルノッキ。今年6月のフランス選手権を制し、グラベルレースでも結果を残すドリアン・ゴドン(デカトロンAG2Rラモンディアール)が勝利した。



157名が出場したコッパ・ベルノッキ photo:CorVos

5日後に行われるイル・ロンバルディアと同じ、イタリア北西部ロンバルディア州のレニャーノを舞台としたのがワンデーレースのコッパ・ベルノッキ(UCI1.Pro)だ。短い急坂を含むコースを8周しつつ、平坦路にフィニッシュするため、イル・ロンバルディアの前哨戦とは言えない構図。そのためクライマーやパンチャーではなく、スプリントを得意とする選手たちが集った。

初開催が1924年まで遡り今年で106回目を迎えた大会は、序盤にイーサン・ヘイター(イギリス、スーダル・クイックステップ)ら5名が逃げグループを形成した。メイン集団はヴィスマ・リースアバイクやジェイコ・アルウラーが先導し、残り64km地点で早くも吸収する。そのカウンターでアレッサンドロ・コーヴィ(イタリア、UAEチームエミレーツXRG)とクイン・シモンズ(アメリカ、リドル・トレック)の2名が飛び出した。

逃げ吸収後にプロトンを飛び出したクイン・シモンズ(アメリカ、リドル・トレック) photo:CorVos

共に実力があり、パンチャータイプと似た脚質の先頭2名はローテーションを回しながらフィニッシュまでの距離を消化した。周回コースを終えた終盤に一気に差が縮まったものの、粘り続け、残り400mでようやくスプリンターチームが2名を捉える展開に。そして地元イタリア籍のプロチーム、ポルティ・ビジットマルタのトレインを先頭に最終ストレートに突入した。

絶好の位置からスプリントを開始したジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア、ポルティ・ビジットマルタ)だったが、その背後から同時にドリアン・ゴドン(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール)とトビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、ピクニック・ポストNL)が踏み込んだ。ロナルディが伸び悩む一方、スピードに乗ったゴドンとアンドレースンがフィニッシュラインを目掛けてハンドルを投げる。写真判定の結果、フランス王者のゴドンに軍配が上がった。

アンドレースンに競り勝ったドリアン・ゴドン(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール) photo:CorVos

コッパ・ベルノッキ2025表彰台:2位アンドレースン、1位ゴドン、3位ロナルディ photo:CorVos

23歳の伸び盛りのアンドレースンを退け、勝利した29歳のゴドン。「シーズン終盤にイタリアで行われる、丘の含まれたワンデーレースは大好きだ。前のレースからの疲れはあったものの、徐々に調子が上がっていき、チームとして僕のスプリントで勝負すると決めた。ナンス・ペテルスらチーム総出で逃げを追いかけてくれたおかげだ」とコメントした。

ゴドンは今年6月のフランス選手権ロードレースで初優勝を飾り、その2週間前にフランスで行われたUCIグラベルワールドシリーズで優勝している。来年は3年契約でイネオス・グレナディアーズへ移籍することが決まっている。
コッパ・ベルノッキ2025結果
1位 ドリアン・ゴドン(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール) 4:13:09
2位 トビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、ピクニック・ポストNL)
3位 ジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア、ポルティ・ビジットマルタ)
4位 アンドレア・ラッカーニ(イタリア、スーダル・クイックステップ)
5位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos