欧州開催の女子ワールドツアー最終戦、シマック・レディースツアーが開幕。オランダを駆け抜ける平坦レースの初日にロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)が圧勝。キャリア通算111勝目を手に入れた。

エリーザ・バルサモ(イタリア)を主軸に据えるリドル・トレック photo:Simac Ladies Tour
オランダで開幕した女子ワールドツアーのステージレースが「シマック・レディースツアー」。1998年にスタートした歴史ある6日間レースであり、平坦なオランダだけに本格山岳ステージはなく、土曜日に行われる10kmの個人タイムトライアルを除いてほぼ毎日集団スプリントが予想されている。
それだけに出場選手もスプリンター揃い。最強スプリンターとして名を馳せるロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)を筆頭に、元世界女王のエリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)、パリ五輪のマディソン金メダリストであるキアラ・コンソンニ(イタリア、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)といったスピード自慢が顔を揃えた。スプリント力で頭一つ抜けるウィーベスに対し、他チームがどう対抗するかに注目だ。

30km地点から逃げたマルゴー・ヴィジー(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)とファイファー・ジョルジ(イギリス、ピクニック・ポストNL)。最後まで逃げ続け、スプリントで4&5位に食い込んだ photo:Simac Ladies Tour

リドル・トレックがメイン集団をコントロール。レース中盤まで積極的にアタックを続けた photo:Simac Ladies Tour
9月2日の初日は、ロード世界選手権の舞台ともなったルーヴェンを発着とする周回コース。アップダウンと石畳を含む短い周回コースを11周回する全長81.3kmのショートステージで、中盤からアタックが続く忙しない展開となった。
積極的に動いたのはリドル・トレックとヴィスマ・リースアバイクだった。マルゴー・ヴィジー(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)が残り35km地点でアタックし、合流してきたファイファー・ジョルジ(イギリス、ピクニック・ポストNL)と共に2人逃げ。僅か30秒ほどのリードしか得られなかったものの、集団の追走ペースが揃わないことも手伝って残り4kmでも20秒リードを残していた。
2人は残り1km地点でもまだ5秒以上のリードを保っていたものの、残り300-400mの鋭角な最終コーナー手前でスプリントに向けて勢いづく集団が合流。ラインが交錯して失速する他選手を尻目に、ヴィジー、ジョルジ、ウィーベス、バルサモと発射台役のクララ・コッポニ(フランス)だけがスムーズにコーナーを抜けて加速する。タイミングを見計らったウィーベスの爆発的な加速に、バルサモを含む全員が対応できなかった。

後続を大きく突き放して勝利したロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) photo:Simac Ladies Tour

幸先良く大会1勝目を掴んだロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) photo:Simac Ladies Tour
バルサモを5車身以上突き放す異次元のスプリントで大本命ウィーベスが圧勝。リーダージャージに袖を通すとともに、キャリア通算勝利数を111に伸ばした。
「チームの連携は良好だったものの、最終コーナーでようやく逃げ集団に追いつくというギリギリの状況。リードアウトも一人しかいなかったけれど、混戦の最終局面では十分だったし良い位置まで連れて行ってもらえた。世界選手権にも出場したことがあるからルーヴェンのコースはよく知っていたし、美しいクリテリウムスタイルのレースだった。本当に楽しかった。この調子が今後も続けば嬉しい」と語るウィーベス。ボーナスタイムを積み重ねた状態でタイムトライアルに挑み、総合優勝を持ち帰ることが最終目標とも話している。

オランダで開幕した女子ワールドツアーのステージレースが「シマック・レディースツアー」。1998年にスタートした歴史ある6日間レースであり、平坦なオランダだけに本格山岳ステージはなく、土曜日に行われる10kmの個人タイムトライアルを除いてほぼ毎日集団スプリントが予想されている。
それだけに出場選手もスプリンター揃い。最強スプリンターとして名を馳せるロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)を筆頭に、元世界女王のエリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)、パリ五輪のマディソン金メダリストであるキアラ・コンソンニ(イタリア、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)といったスピード自慢が顔を揃えた。スプリント力で頭一つ抜けるウィーベスに対し、他チームがどう対抗するかに注目だ。


9月2日の初日は、ロード世界選手権の舞台ともなったルーヴェンを発着とする周回コース。アップダウンと石畳を含む短い周回コースを11周回する全長81.3kmのショートステージで、中盤からアタックが続く忙しない展開となった。
積極的に動いたのはリドル・トレックとヴィスマ・リースアバイクだった。マルゴー・ヴィジー(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)が残り35km地点でアタックし、合流してきたファイファー・ジョルジ(イギリス、ピクニック・ポストNL)と共に2人逃げ。僅か30秒ほどのリードしか得られなかったものの、集団の追走ペースが揃わないことも手伝って残り4kmでも20秒リードを残していた。
2人は残り1km地点でもまだ5秒以上のリードを保っていたものの、残り300-400mの鋭角な最終コーナー手前でスプリントに向けて勢いづく集団が合流。ラインが交錯して失速する他選手を尻目に、ヴィジー、ジョルジ、ウィーベス、バルサモと発射台役のクララ・コッポニ(フランス)だけがスムーズにコーナーを抜けて加速する。タイミングを見計らったウィーベスの爆発的な加速に、バルサモを含む全員が対応できなかった。


バルサモを5車身以上突き放す異次元のスプリントで大本命ウィーベスが圧勝。リーダージャージに袖を通すとともに、キャリア通算勝利数を111に伸ばした。
「チームの連携は良好だったものの、最終コーナーでようやく逃げ集団に追いつくというギリギリの状況。リードアウトも一人しかいなかったけれど、混戦の最終局面では十分だったし良い位置まで連れて行ってもらえた。世界選手権にも出場したことがあるからルーヴェンのコースはよく知っていたし、美しいクリテリウムスタイルのレースだった。本当に楽しかった。この調子が今後も続けば嬉しい」と語るウィーベス。ボーナスタイムを積み重ねた状態でタイムトライアルに挑み、総合優勝を持ち帰ることが最終目標とも話している。
シマック・レディースツアー2025第1ステージ
1位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) | 1:58:25 |
2位 | エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック) | |
3位 | クララ・コッポニ(フランス、リドル・トレック) | |
4位 | ファイファー・ジョルジ(イギリス、ピクニック・ポストNL) | |
5位 | マルゴー・ヴィジー(フランス、ヴィスマ・リースアバイク) | |
6位 | マリア・コンファロニエーリ(イタリア、ウノエックス・モビリティ) | |
7位 | シャリ・ボサイツ(ベルギー、AGインシュランス・スーダル) | |
8位 | リリー・ウィリアムズ(アメリカ、ヒューマンパワードヘルス) | |
9位 | レティツィア・ボルゲージ(イタリア、EFエデュケーション・オートリー) | |
10位 | キャット・ファーガソン(イギリス、モビスター) |
個人総合成績
1位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) | 1:58:15 |
2位 | エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック) | +0:04 |
3位 | クララ・コッポニ(フランス、リドル・トレック) | +0:06 |
4位 | ファイファー・ジョルジ(イギリス、ピクニック・ポストNL) | +0:10 |
5位 | マルゴー・ヴィジー(フランス、ヴィスマ・リースアバイク) | |
6位 | マリア・コンファロニエーリ(イタリア、ウノエックス・モビリティ) | |
7位 | シャリ・ボサイツ(ベルギー、AGインシュランス・スーダル) | |
8位 | リリー・ウィリアムズ(アメリカ、ヒューマンパワードヘルス) | |
9位 | レティツィア・ボルゲージ(イタリア、EFエデュケーション・オートリー) | |
10位 | キャット・ファーガソン(イギリス、モビスター) |
その他の特別賞
ポイント賞 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) |
ヤングライダー賞 | キャット・ファーガソン(イギリス、モビスター) |
チーム総合成績 | リドル・トレック |
text:So Isobe
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