日本ナショナルチームが参戦中のツール・ド・ラヴニール。2日目は集団スプリントで決着し、橋川丈(愛三工業レーシング)と鎌田晃輝(JCL TEAM UKYO/日本大学)、岩村元嗣(早稲田大学)が後半の山岳を耐えて集団フィニッシュしている。



大会二日目を迎えた日本ナショナルチームのメンバー photo:Japan Cycling Federation / Sonoko Tanaka

リーダージャージを着るポール・セクサス(フランス)。デカトロンAG2Rラモンディアールに所属する photo:Japan Cycling Federation / Sonoko Tanaka

ヨーロッパプロ入りに直結する、歴史ある若手登竜門レースとして知られるツール・ド・ラヴニール。前日にプロローグを終えた第1ステージは、アルプス山麓のアオストから大都市リヨンの北部を抜ける大会最長距離、189kmの平坦ステージだ。

平坦とはいっても終盤にかけて登坂区間が増え、156km地点で3級山岳を越えなくては勝負に絡めない。ステージ狙いに戦略を定め、まずは逃げに乗ることを目標に据えた日本ナショナルチームを含むプロトンがスタートを切った。

強豪国がコントロールするプロトンは3級山岳通過後に2名逃げを引き戻し、ダウンヒルを飛ばしてゴールスプリントへ。ステージ優勝を挙げたのは21歳のノア・ホッブス(イギリス)。普段はEFエデュケーション・イージーポストの育成チームで走る、ロード/トラック兼業スピードマンで、今季アンダーカテゴリーで6勝を挙げている選手だ。

ゴール勝負を制したノア・ホッブス(イギリス)。EFエデュケーションの育成チームメンバーだ photo:Japan Cycling Federation / Sonoko Tanaka

54位でフィニッシュした橋川丈(愛三工業レーシング) photo:Japan Cycling Federation / Sonoko Tanaka
中盤の落車で傷を作った林原聖真(明治大学/群馬グリフィン) photo:Japan Cycling Federation / Sonoko Tanaka



日本チームの最上位は集団内に残った橋川丈(愛三工業レーシング)で、鎌田晃輝(JCL TEAM UKYO/日本大学)も同じ集団でフィニッシュしている。以下はJCF(日本自転車競技連盟)のデイリーレポートからの抜粋だ。

「日本チームは序盤から逃げに乗るべく果敢に動いたが、複数名のアタックは強豪国がコントロールする集団に容認されなかった。終盤の山岳で、メイン集団には橋川丈、鎌田晃輝、岩村元嗣が残り、体調が万全ではない岩村は献身的な走りで2選手をサポートした。わずかな中切れで、集団内に7秒のタイム差が付いてしまったが、橋川と鎌田はメイン集団から7秒差でフィニッシュし、岩村もそのあとに続いた。

登りで遅れてしまった渡辺一気、中盤に落車した林原聖真、勝負所の登りでパンクに見舞われた望月蓮にとっては厳しいレースとなったが、遅れながらも無事にフィニッシュ。林原は掌に傷を負ったが、幸い大事には至らず、日本チームは再び集中して明日のステージに挑む」。
ツール・ド・ラヴニール2025第1ステージ結果
1位 ノア・ホッブス(イギリス) 4:14:45
2位 ダヴィデ・ドナーティ(イタリア)
3位 セサル・マシアス(メキシコ)
54位 橋川丈(愛三工業レーシング) +0:07
95位 鎌田晃輝(JCL TEAM UKYO/日本大学)
105位 岩村元嗣(早稲田大学) +1:15
129位 渡辺一気(京都産業大学) +7:51
135位 林原聖真(明治大学/群馬グリフィン) +10:39
137位 望月蓮(Team Buffaz Gestion de Patrimoine) +10:39
text:So Isobe
photo:Japan Cycling Federation / Sonoko Tanaka