2025年、春のクラシックシーズンが終わり、自転車ロードレース界はジロ・デ・イタリアから始まるグランツールのシーズンへと移行する。その前に、タデイ・ポガチャルとマチュー・ファンデルプールが主役となった激動のクラシックシーズンを振り返る。

リエージュで3度目の優勝を決めたタデイ・ポガチャル(スロベニア) photo:CorVos
春のクラシックを締めくくるリエージュ〜バストーニュ〜リエージュでの表彰式直前、3位に入ったベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)が優勝したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)に対し、「君はいつ引退するの?」と質問。それにポガチャルが「2030年まで契約はあるから、それまではたぶん…」と返すシーンが、SNSを中心に話題となった。
ヒーリーがそんなジョークを言いたくなるほど2025年の春は、世界王者であるポガチャルが常に中心人物であり続けた。
ポガチャルとファンデルプールが、今春示した存在感

ロンドでポガチャルのアタックに食らいつくファンデルプール photo:CorVos
前年2024年のポガチャルはジロ出場を控えていたこともあり、ストラーデビアンケとミラノ〜サンレモ、そしてリエージュの3レースのみに出場していた。しかし対照的に今年は2月のUAEツアーからコンディションを作り始め、ストラーデビアンケで自身3度目の優勝を飾ったのを皮切りに、春のクラシックシーズンを席巻したのだ。
しかし、そんなポガチャルも初制覇を狙うミラノ〜サンレモではマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)の前に敗れた。ポッジオで仕掛けたポガチャルはファンデルプールを引き離すことはできず、フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)を含む3名でのスプリントへ。その結果、ファンデルプールが自身2度目の"ラ・プリマヴェーラ"制覇を果たしたのだ。

ロンドを制したマチュー・ファンデルプール(オランダ) photo:CorVos
ファンデルプールは直後のE3サクソ・クラシックで勝利を重ねる。続くロンド・ファン・フラーンデレンではポガチャルに敗れたものの、次戦のパリ〜ルーベでは見事にポガチャルを下し雪辱を果たす。この春の主要クラシックで4戦3勝という高い勝率でクラシックシーズンを終えた。
「北の地獄」で見せたポガチャルの適応力

コーナーで曲がりきれず、落車したタデイ・ポガチャル(スロベニア) photo:CorVos
2025年のクラシックシーズンで、一番の驚きはポガチャルが重量級クラシックレーサーの牙城であるパリ〜ルーベで2位に入ったことだろう。確かに同じ石畳レースであるロンドを2023年に制し、また今年もライバルのファンデルプールを引き離し、18kmもの独走勝利を飾ってはいた。しかし石畳の難易度が格段に異なる「北の地獄」でポガチャルは、落車がありながらもファンデルプールと互角に渡り合い、見事2位で初出場のレースを終えたのだ。

パリ〜ルーベで表彰台に上がったポガチャルとファンデルプール photo:CorVos

この春を未勝利で終えたワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
一方、昨年は怪我で不本意なシーズンを送ったワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)は今年、常にトップ5でフィニッシュしながらも、未勝利で終える悔しい結果となった。ドワルス・ドール・フラーンデレンでは3対1という数的有利な状況を作りながらも、脚の痙攣によってスプリントでニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)に敗北。
ロンドとパリ〜ルーベではそれぞれ4位に終わり、ブラバンツ・ペイルでは復帰初戦のレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)に、またもやスプリントで屈した。
エヴェネプール復帰とスケルモースによる金星

アムステルゴールドレースで金星を掴んだマティアス・スケルモース(デンマーク) photo:CorVos
フランドルクラシックから、よりクライマーやパンチャーが活躍するアムステルゴールドレース、ラ・フレーシュ・ワロンヌ、そしてリエージュを含む「アルデンヌクラシック3連戦」がスタート。昨年12月の怪我から復帰したエヴェネプールが合流し、その初戦アムステルゴールドレースでは、ポガチャルとエヴェネプールという二大巨頭を、マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)が破り、大きな金星を上げた。
そしてラ・フレーシュ・ワロンヌはポガチャルがその実力を遺憾なく発揮して勝利。続くリエージュも圧倒的な独走で連勝を飾り、クラシックシーズンを締めくくった。

リエージュ〜バストーニュ〜リエージュで3度目の優勝を果たしたタデイ・ポガチャル(スロベニア) photo:CorVos
石畳からアルデンヌまで、あらゆるタイプのレースで主役となったポガチャル。対するファンデルプールも驚異的な勝率でモニュメントを制覇。2人の主役が、来るグランツールでどんな活躍を見せてくれるのだろうか。

春のクラシックを締めくくるリエージュ〜バストーニュ〜リエージュでの表彰式直前、3位に入ったベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)が優勝したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)に対し、「君はいつ引退するの?」と質問。それにポガチャルが「2030年まで契約はあるから、それまではたぶん…」と返すシーンが、SNSを中心に話題となった。
ヒーリーがそんなジョークを言いたくなるほど2025年の春は、世界王者であるポガチャルが常に中心人物であり続けた。
ポガチャルとファンデルプールが、今春示した存在感

前年2024年のポガチャルはジロ出場を控えていたこともあり、ストラーデビアンケとミラノ〜サンレモ、そしてリエージュの3レースのみに出場していた。しかし対照的に今年は2月のUAEツアーからコンディションを作り始め、ストラーデビアンケで自身3度目の優勝を飾ったのを皮切りに、春のクラシックシーズンを席巻したのだ。
しかし、そんなポガチャルも初制覇を狙うミラノ〜サンレモではマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)の前に敗れた。ポッジオで仕掛けたポガチャルはファンデルプールを引き離すことはできず、フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)を含む3名でのスプリントへ。その結果、ファンデルプールが自身2度目の"ラ・プリマヴェーラ"制覇を果たしたのだ。

ファンデルプールは直後のE3サクソ・クラシックで勝利を重ねる。続くロンド・ファン・フラーンデレンではポガチャルに敗れたものの、次戦のパリ〜ルーベでは見事にポガチャルを下し雪辱を果たす。この春の主要クラシックで4戦3勝という高い勝率でクラシックシーズンを終えた。
「北の地獄」で見せたポガチャルの適応力

2025年のクラシックシーズンで、一番の驚きはポガチャルが重量級クラシックレーサーの牙城であるパリ〜ルーベで2位に入ったことだろう。確かに同じ石畳レースであるロンドを2023年に制し、また今年もライバルのファンデルプールを引き離し、18kmもの独走勝利を飾ってはいた。しかし石畳の難易度が格段に異なる「北の地獄」でポガチャルは、落車がありながらもファンデルプールと互角に渡り合い、見事2位で初出場のレースを終えたのだ。


一方、昨年は怪我で不本意なシーズンを送ったワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)は今年、常にトップ5でフィニッシュしながらも、未勝利で終える悔しい結果となった。ドワルス・ドール・フラーンデレンでは3対1という数的有利な状況を作りながらも、脚の痙攣によってスプリントでニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)に敗北。
ロンドとパリ〜ルーベではそれぞれ4位に終わり、ブラバンツ・ペイルでは復帰初戦のレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)に、またもやスプリントで屈した。
エヴェネプール復帰とスケルモースによる金星

フランドルクラシックから、よりクライマーやパンチャーが活躍するアムステルゴールドレース、ラ・フレーシュ・ワロンヌ、そしてリエージュを含む「アルデンヌクラシック3連戦」がスタート。昨年12月の怪我から復帰したエヴェネプールが合流し、その初戦アムステルゴールドレースでは、ポガチャルとエヴェネプールという二大巨頭を、マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック)が破り、大きな金星を上げた。
そしてラ・フレーシュ・ワロンヌはポガチャルがその実力を遺憾なく発揮して勝利。続くリエージュも圧倒的な独走で連勝を飾り、クラシックシーズンを締めくくった。

石畳からアルデンヌまで、あらゆるタイプのレースで主役となったポガチャル。対するファンデルプールも驚異的な勝率でモニュメントを制覇。2人の主役が、来るグランツールでどんな活躍を見せてくれるのだろうか。
2025年春のクラシックレース結果一覧
オムロープ・ヘットニュースブラット | セーアン・クラーウアナスン(デンマーク) |
ストラーデビアンケ | タデイ・ポガチャル(スロベニア) |
ミラノ〜サンレモ | マチュー・ファンデルプール(オランダ) |
クラシック・ブルッヘ〜デパンネ | フアン・モラノ(コロンビア) |
E3サクソ・クラシック | マチュー・ファンデルプール(オランダ) |
ヘント〜ウェヴェルヘム | マッズ・ピーダスン(デンマーク) |
ドワルス・ドール・フラーンデレン | ニールソン・パウレス(アメリカ) |
ロンド・ファン・フラーンデレン | タデイ・ポガチャル(スロベニア) |
パリ〜ルーベ | マチュー・ファンデルプール(オランダ) |
アムステルゴールドレース | マティアス・スケルモース(デンマーク) |
ラ・フレーシュ・ワロンヌ | タデイ・ポガチャル(スロベニア) |
リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ | タデイ・ポガチャル(スロベニア) |
*太字はモニュメント(5大クラシック)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
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