プロドムがアルプス最終日に逃げ切り勝利　ストーラーが意地の逆転総合優勝

全5日間で争われたツアー・オブ・ジ・アルプスの最終日は、ニコラ・プロドム（フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール）とセクサスが逃げ切りからワンツーフィニッシュ。マイケル・ストーラー（オーストラリア、チューダー・プロサイクリング）がアレンスマンを引き離し、逆転の総合優勝に輝いた。

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新城幸也（ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ）の今季ヨーロッパ初戦となったツアー・オブ・ジ・アルプス（UCI2.Pro）は、4月25日にその最終第5ステージが行われた。112.2kmというショートコースは序盤に1級山岳を越え、その後カテゴリーのつかない山岳をクリア。そしてフィニッシュ地点から約10km地点に1級山岳が待ち受ける。

76kmの独走で勝利と総合首位奪取に成功したテイメン・アレンスマン（オランダ、イネオス・グレナディアーズ）と、2位マイケル・ストーラー（オーストラリア、チューダー・プロサイクリング）との差はわずか11秒。新城と石橋学（JCLチーム右京）を含む80名がスタートし、最終日であることもあり、序盤からアタック合戦が繰り広げられた。

山岳賞ジャージを着るフィンレー・ピカリング（イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス）や40歳のヤコブ・フルサン（デンマーク、イスラエル・プレミアテック）を含む15名の逃げグループが形成される。メイン集団はイネオス・グレナディアーズがコントロール。昨日の雨から一転、乾いた路面で逃げ集団は2分45秒前後のリードをキープし、逃げ切りの可能性を残したまま順調にフィニッシュを目指した。

残り32km地点に頂上の来るカテゴリーのつかないバンベルクの登りに入ると、プロトンではフロリアン・リポヴィッツ（ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ）と共にストーラーが加速。もちろんこの動きにはアレンスマンが追従し、総合逆転を防ぎにいく。しかしストーラーはアレンスマンを引き離し、逃げ集団から降りてきたルーカス・エリクソン（スウェーデン、チューダー・プロサイクリング）も合流してペースを作った。

レース先頭では逃げグループが人数を減らしながら最終1級山岳に突入する。頂上まで残り1.6km、フィニッシュまで11km地点でポール・セクサス（フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール）が単独先頭に立つと、頂上手前でチームメイトのニコラ・プロドム（フランス）が合流。2名はそのまま後続を突き放し、プロドムを先頭にワンツーフィニッシュを決めた。

プロ1年目の18歳セクサスに譲られる形で、嬉しいプロ初勝利を飾った28歳のプロドム。「長きに渡り待ち望んだプロ初勝利。その喜びをポールを分かち合える素晴らしい瞬間だ。今大会を締めくくる最高の勝利となった」と勝利を喜んだ。

一方、チームメイトの力も借りながらアレンスマンを突き放したストーラーは、1分20秒遅れの区間8位でフィニッシュ。アレンスマンはそこから1分44秒遅れだったため、ストーラーが再逆転で総合優勝に輝いた。

また石橋は68位、新城は70位で共に厳しい5日間レースを完走している。