ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)の春のクラシックシーズンが幕を閉じた。最終戦となったアムステルゴールドレースは4位。未勝利で終わりながらも、次なる目標であるジロ・デ・イタリアへと視線を移す。

アムステルゴールドレースで4位と表彰台を逃したワウト・ファンアールト(ベルギー) photo:CorVos
誰も予想しなかった勝者が生まれたオランダ最大のワンデーレース、アムステルゴールドレース。そこでファンアールトは独走態勢に入ったタデイ・ポガチャル(スロベニア)を見送り、遅れて追走集団を飛び出したレムコ・エヴェネプール(ベルギー)も、「あそこからポガチャルに追いつけるとは思っていなかった」と静観した。
その結果、34秒遅れでやってきた追走集団の先頭でフィニッシュ。表彰台には届かなかったものの、4位という結果には「今日得た感触には満足している」と前向きなコメントを残している。
勝利なき安定感も、拭えぬ怪我の影響
3月から始まったファンアールトのクラシックシーズンの成績を振り返ると、その安定感は確かに際立っている。
オムロープ・ヘットニュースブラット:11位
クールネ~ブリュッセル~クールネ:75位
E3サクソ・クラシック:15位
ドワルス・ドール・フラーンデレン:2位
ロンド・ファン・フラーンデレン:4位
パリ〜ルーベ:4位
ブラバンツ・ペイル:2位
アムステルゴールドレース:4位

ドワルス・ドール・フラーンデレンでパウレスに敗れたファンアールト photo:CorVos 
クラシック・ブルッヘ〜デパンヌでもエヴェネプールに惜敗 photo:CorVos

パリ〜ルーベでは常に追走を強いられた photo:CorVos
しかし常に上位争いに加わりながらも、シーズンインから出場した14レースで未勝利。特に3対1と数的有利を作りながらもニールソン・パウレス(アメリカ)に敗れたドワルス・ドール・フラーンデレンや、ブラバンツ・ペイルでのエヴェネプールに対する敗戦は、2021年ツール・ド・フランスのシャンゼリゼでスプリント勝利を飾った実力を考えると、懸念材料と言える。
本人やチームは言及しないものの、昨年9月のブエルタ・ア・エスパーニャ第16ステージでの落車による膝の怪我は、今季の走りに影響を与えている可能性は否定できない。その実、ファンアールトには落車による傷跡が残っている。

膝に傷跡残るワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
それでもファンアールト自身は、アムステルゴールドレースの後「良い感触で走ることができた」と、クラシックシーズン全体に対して前向きな感想を述べた。この「良い感触」とは、マイケル・マシューズ(オーストラリア)といったスプリント巧者を退け、4位争いを制したことで得られたものであり、今後のレースに向けた自信に繋がっているのかもしれない。
「少し休んで身体のバッテリーを回復させ、その後にジロに向けた準備を進めたい」と語るファンアールト。5月9日に開幕するジロ・デ・イタリアへの初出場が予定されており、そこでシーズン初勝利、そして記念すべきプロ通算50勝目を狙うことになる。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

誰も予想しなかった勝者が生まれたオランダ最大のワンデーレース、アムステルゴールドレース。そこでファンアールトは独走態勢に入ったタデイ・ポガチャル(スロベニア)を見送り、遅れて追走集団を飛び出したレムコ・エヴェネプール(ベルギー)も、「あそこからポガチャルに追いつけるとは思っていなかった」と静観した。
その結果、34秒遅れでやってきた追走集団の先頭でフィニッシュ。表彰台には届かなかったものの、4位という結果には「今日得た感触には満足している」と前向きなコメントを残している。
勝利なき安定感も、拭えぬ怪我の影響
3月から始まったファンアールトのクラシックシーズンの成績を振り返ると、その安定感は確かに際立っている。
オムロープ・ヘットニュースブラット:11位
クールネ~ブリュッセル~クールネ:75位
E3サクソ・クラシック:15位
ドワルス・ドール・フラーンデレン:2位
ロンド・ファン・フラーンデレン:4位
パリ〜ルーベ:4位
ブラバンツ・ペイル:2位
アムステルゴールドレース:4位



しかし常に上位争いに加わりながらも、シーズンインから出場した14レースで未勝利。特に3対1と数的有利を作りながらもニールソン・パウレス(アメリカ)に敗れたドワルス・ドール・フラーンデレンや、ブラバンツ・ペイルでのエヴェネプールに対する敗戦は、2021年ツール・ド・フランスのシャンゼリゼでスプリント勝利を飾った実力を考えると、懸念材料と言える。
本人やチームは言及しないものの、昨年9月のブエルタ・ア・エスパーニャ第16ステージでの落車による膝の怪我は、今季の走りに影響を与えている可能性は否定できない。その実、ファンアールトには落車による傷跡が残っている。

それでもファンアールト自身は、アムステルゴールドレースの後「良い感触で走ることができた」と、クラシックシーズン全体に対して前向きな感想を述べた。この「良い感触」とは、マイケル・マシューズ(オーストラリア)といったスプリント巧者を退け、4位争いを制したことで得られたものであり、今後のレースに向けた自信に繋がっているのかもしれない。
「少し休んで身体のバッテリーを回復させ、その後にジロに向けた準備を進めたい」と語るファンアールト。5月9日に開幕するジロ・デ・イタリアへの初出場が予定されており、そこでシーズン初勝利、そして記念すべきプロ通算50勝目を狙うことになる。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
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