2025/04/08(火) - 08:21
全6日間のイツリア・バスクカントリーが開幕し、初日の個人タイムトライアルは3位までが1秒以下という僅差の戦いに。マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、スーダル・クイックステップ)がアルメイダらを退け、初日勝者に輝いた。

ジュリアン・アラフィリップ(フランス、チューダー・プロサイクリング) photo:Itzulia Basque Country 
クイン・シモンズ(アメリカ、リドル・トレック) photo:Itzulia Basque Country

バスケットボールのアリーナをスタートするヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
ロンド・ファン・フラーンデレンの熱戦から一夜明けた4月7日、スペイン北部のバスク地方でイツリア・バスクカントリー(UCIワールドツアー)が開幕した。全6日間のステージレースは、バスク特有の短く急勾配の山岳が毎ステージ登場するクライマーズレース。そのためスタートリストにピュアスプリンターの名前はなく、オールラウンダーやクライマー、パンチャーが多く集結した。
前年の総合優勝者であるフアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツXRG)は不出場したものの、チームはジョアン・アルメイダ(ポルトガル)を中心にマルク・ソレル(スペイン)やイサーク・デルトロ(メキシコ)と強力メンバーを揃える。またレッドブル・ボーラ・ハンスグローエは2022年の覇者ダニエル・マルティネス(コロンビア)をエースに据えた。

トップタイムを叩き出したマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos
大会初日は2年連続となった個人タイムトライアル。バスク州の州都であるビトリアに設定された16.5kmコースは序盤の3級山岳アルツビアガ(距離900m/平均2.4%)を除き平坦路。角度の厳しいコーナーが連続するテクニカルなレイアウトで、スモークが焚かれたバスケットボールアリーナ「フェルナンド・ブエサ・アリーナ」をスタートする粋な演出の中、168名の選手たちが順番に走り出した。
3番手だったイーサン・ヘイター(イギリス、スーダル・クイックステップ)が、18分43秒のトップタイムをマークしてホットシートに腰掛ける。元イギリスTT王者のタイムを更新したのは、共に今年チームに加入したマキシミリアン・シャフマン(ドイツ)。序盤からハイスピードで進んだシャフマンは3級山岳でのトップタイムで駆け上がり、そのまま高出力で踏み続けた。
最終左コーナーでのコースミスもありながら、ヘイターを6秒更新する18分37秒でフィニッシュ。チームメイトを上回り、後続の選手たちの走りを待った。

振るわなかったエンリク・マス(スペイン、モビスター) photo:CorVos

僅差で迫ったフロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
その後は地元スペイン注目のエンリク・マス(モビスター)が走り出すが、毎年課題とされるTTの改善は見られず、トップから1分10秒遅れの区間63位でレースを終える。そしてレッドブル・ボーラ・ハンスグローエの総合エース候補であるフロリアン・リポヴィッツ(ドイツ)は、シャフマンに0.76秒迫るタイムでフィニッシュ。そして総合優勝の本命かつ、ステージ優勝の有力候補であるアルメイダは、フロント62Tのビッグギヤをつけてスタートした。
3級山岳こそ7秒遅れ(全体の15番目)と抑え気味で入ったアルメイダだが、後半に猛チャージした結果シャフマンと同タイムの18分37秒でフィニッシュ。しかし、シャフマンの方が0.54秒速かったため僅差でステージ優勝に輝いた。

僅かに及ばなかったジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) photo:Itzulia Basque Country

復帰した古巣に勝利をもたらしたマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos
6年所属したレッドブルを離れ、久々に復帰したスーダルに勝利をもたらしたシャフマン。「再びワールドツアーで勝てたなんて信じられない。ハイスピードかつ、息を取り戻す区間の少ない厳しいコースだった。全力を尽くし、4度目の出場で得られたこの成功がとても嬉しい。久々に戻ってきた僕を、チームが暖かく歓迎してくれたおかげだよ」と、3位までの差が1秒以下という僅差の勝負を制したシャフマンは喜んだ。



ロンド・ファン・フラーンデレンの熱戦から一夜明けた4月7日、スペイン北部のバスク地方でイツリア・バスクカントリー(UCIワールドツアー)が開幕した。全6日間のステージレースは、バスク特有の短く急勾配の山岳が毎ステージ登場するクライマーズレース。そのためスタートリストにピュアスプリンターの名前はなく、オールラウンダーやクライマー、パンチャーが多く集結した。
前年の総合優勝者であるフアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツXRG)は不出場したものの、チームはジョアン・アルメイダ(ポルトガル)を中心にマルク・ソレル(スペイン)やイサーク・デルトロ(メキシコ)と強力メンバーを揃える。またレッドブル・ボーラ・ハンスグローエは2022年の覇者ダニエル・マルティネス(コロンビア)をエースに据えた。

大会初日は2年連続となった個人タイムトライアル。バスク州の州都であるビトリアに設定された16.5kmコースは序盤の3級山岳アルツビアガ(距離900m/平均2.4%)を除き平坦路。角度の厳しいコーナーが連続するテクニカルなレイアウトで、スモークが焚かれたバスケットボールアリーナ「フェルナンド・ブエサ・アリーナ」をスタートする粋な演出の中、168名の選手たちが順番に走り出した。
3番手だったイーサン・ヘイター(イギリス、スーダル・クイックステップ)が、18分43秒のトップタイムをマークしてホットシートに腰掛ける。元イギリスTT王者のタイムを更新したのは、共に今年チームに加入したマキシミリアン・シャフマン(ドイツ)。序盤からハイスピードで進んだシャフマンは3級山岳でのトップタイムで駆け上がり、そのまま高出力で踏み続けた。
最終左コーナーでのコースミスもありながら、ヘイターを6秒更新する18分37秒でフィニッシュ。チームメイトを上回り、後続の選手たちの走りを待った。


その後は地元スペイン注目のエンリク・マス(モビスター)が走り出すが、毎年課題とされるTTの改善は見られず、トップから1分10秒遅れの区間63位でレースを終える。そしてレッドブル・ボーラ・ハンスグローエの総合エース候補であるフロリアン・リポヴィッツ(ドイツ)は、シャフマンに0.76秒迫るタイムでフィニッシュ。そして総合優勝の本命かつ、ステージ優勝の有力候補であるアルメイダは、フロント62Tのビッグギヤをつけてスタートした。
3級山岳こそ7秒遅れ(全体の15番目)と抑え気味で入ったアルメイダだが、後半に猛チャージした結果シャフマンと同タイムの18分37秒でフィニッシュ。しかし、シャフマンの方が0.54秒速かったため僅差でステージ優勝に輝いた。


6年所属したレッドブルを離れ、久々に復帰したスーダルに勝利をもたらしたシャフマン。「再びワールドツアーで勝てたなんて信じられない。ハイスピードかつ、息を取り戻す区間の少ない厳しいコースだった。全力を尽くし、4度目の出場で得られたこの成功がとても嬉しい。久々に戻ってきた僕を、チームが暖かく歓迎してくれたおかげだよ」と、3位までの差が1秒以下という僅差の勝負を制したシャフマンは喜んだ。
イツリア・バスクカントリー2025第1ステージ結果
1位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、スーダル・クイックステップ) | 18:37 |
2位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) | |
3位 | フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | イーサン・ヘイター(イギリス、スーダル・クイックステップ) | +0:06 |
5位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:10 |
6位 | イラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +0:11 |
7位 | ヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:12 |
8位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) | |
9位 | ブリュノ・アルミライユ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール) | +0:13 |
10位 | マイケル・レオナード(カナダ、イネオス・グレナディアーズ) | +0:15 |
個人総合成績
1位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、スーダル・クイックステップ) | 18:37 |
2位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) | |
3位 | フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:01 |
4位 | イーサン・ヘイター(イギリス、スーダル・クイックステップ) | +0:06 |
5位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:10 |
6位 | イラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +0:11 |
7位 | ヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:12 |
8位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) | |
9位 | ブリュノ・アルミライユ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール) | +0:13 |
10位 | マイケル・レオナード(カナダ、イネオス・グレナディアーズ) | +0:16 |
その他の特別賞
ポイント賞 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、スーダル・クイックステップ) |
山岳賞 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、スーダル・クイックステップ) |
ヤングライダー賞 | マイケル・レオナード(カナダ、イネオス・グレナディアーズ) |
チーム総合成績 | スーダル・クイックステップ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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