2025/03/31(月) - 08:24
20.6kmの独走を成功させたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が2勝目をゲット。ボルタ・ア・カタルーニャ第7ステージで、逆転から自身2度目の総合優勝に輝いた。

大会最終日に臨んだプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:A.S.O.

ボルタ・ア・カタルーニャ第7ステージ コースプロフィール image:A.S.O. 強風により僅か28kmのレースとなった混沌のステージから一夜明け、ボルタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)は第7ステージを迎えた。第104回大会を締めくくるのは、最終日のお馴染みであるバルセロナを巡る周回コース。前半の平坦路を進み、2級山岳モンジュイックの丘(距離2.7km/平均4.7%)を含むコースを6周する88.2kmのショートステージだ。
総合首位フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツXRG)と2位プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)との差は1秒。3位のエンリク・マス(スペイン、モビスター)でも22秒差と展開次第では総合順位のシャッフルもあり得るステージは、晴天の午前10時55分にスタート。逃げが形成される前に、集団は最初の中間スプリントに向かった。

バルセロナで行われたボルタ・ア・カタルーニャ最終日 photo:A.S.O.
ニコ・デンツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)のリードアウトからスプリントしたログリッチは、先頭通過で3秒のボーナスタイムを獲得。デンツがそのまま2位通過したため、3位通過のアユソは1秒しか得られず、レースは序盤にしてログリッチが総合首位に浮上した。
そして周回コースのスタート地点であり、フィニッシュ地点である2度目の中間スプリントで総合首位争いの第2ラウンドが行われた。今度はアユソがポイントを潰しにきたデンツを退けトップ通過。ログリッチが3位通過だったため、総合順位はスタート前の状態(アユソの1秒リード)に戻った。

激しい中間スプリント争いを繰り広げたログリッチとアユソ photo:A.S.O.
総合首位争いがひと先ず決着したプロトンからは、リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)が最初の2級山岳で仕掛ける。しかしレッドブルとUAEが互いの動きをチェックし合う緊張状態が続いたため、カラパスはすぐに引き戻される。そして集団はひと塊のまま4回目の2級山岳に入り、ここからログリッチが仕掛けた。
「2度目の中間スプリントで再逆転され、仕掛けるしか選択肢がなかった」とレース後に語ったログリッチに、「調子が良くなかった」と言うアユソはついて行けない。そのまま得意のタイムトライアルポジションに入ったログリッチはリードを徐々に拡げ、後続では前日勝者クイン・シモンズ(アメリカ、リドル・トレック)とサイモン・イェーツ(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)の2名が追いかける。しかし、ログリッチは20.6kmを単独のまま走りきった。

残り20.6kmで単独先頭に立ったプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:A.S.O.

独走勝利から逆転の総合優勝に輝いたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:A.S.O.
2度の2級山岳モンジュイックの丘でもペースが落ちることなく、ローレンス・デプルス(ベルギー、イネオス・グレナディアーズ)ら後続を14秒差で振り切ったログリッチ。大観衆の前で両手を広げ、圧巻の独走から今大会2勝目と共に、逆転の総合優勝を決めた。
「今大会の総合争いは僅差の戦いとなった。独走できる脚があり、またチームも素晴らしい走りでアシストしてくれた。大会を心から楽しむことができたよ」と総合優勝に加え、ポイント賞と山岳賞も手に入れたログリッチは喜んだ。
一方、ヤングライダー賞を得ながらも総合逆転を許したアユソ。「大会を通して激しい戦いが続き、レッドブルがスマートなレースを見せた。今日はログリッチが一番強い選手だった。だから彼の勝利を祝福したい」とコメントしている。
激闘を繰り広げたログリッチとアユソは、共に5月9日開幕のジロ・デ・イタリアで再び相まみえる予定だ。

ボルタ・ア・カタルーニャ2025総合表彰台:2位アユソ、1位ログリッチ、3位マス photo:A.S.O.


総合首位フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツXRG)と2位プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)との差は1秒。3位のエンリク・マス(スペイン、モビスター)でも22秒差と展開次第では総合順位のシャッフルもあり得るステージは、晴天の午前10時55分にスタート。逃げが形成される前に、集団は最初の中間スプリントに向かった。

ニコ・デンツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)のリードアウトからスプリントしたログリッチは、先頭通過で3秒のボーナスタイムを獲得。デンツがそのまま2位通過したため、3位通過のアユソは1秒しか得られず、レースは序盤にしてログリッチが総合首位に浮上した。
そして周回コースのスタート地点であり、フィニッシュ地点である2度目の中間スプリントで総合首位争いの第2ラウンドが行われた。今度はアユソがポイントを潰しにきたデンツを退けトップ通過。ログリッチが3位通過だったため、総合順位はスタート前の状態(アユソの1秒リード)に戻った。

総合首位争いがひと先ず決着したプロトンからは、リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)が最初の2級山岳で仕掛ける。しかしレッドブルとUAEが互いの動きをチェックし合う緊張状態が続いたため、カラパスはすぐに引き戻される。そして集団はひと塊のまま4回目の2級山岳に入り、ここからログリッチが仕掛けた。
「2度目の中間スプリントで再逆転され、仕掛けるしか選択肢がなかった」とレース後に語ったログリッチに、「調子が良くなかった」と言うアユソはついて行けない。そのまま得意のタイムトライアルポジションに入ったログリッチはリードを徐々に拡げ、後続では前日勝者クイン・シモンズ(アメリカ、リドル・トレック)とサイモン・イェーツ(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)の2名が追いかける。しかし、ログリッチは20.6kmを単独のまま走りきった。


2度の2級山岳モンジュイックの丘でもペースが落ちることなく、ローレンス・デプルス(ベルギー、イネオス・グレナディアーズ)ら後続を14秒差で振り切ったログリッチ。大観衆の前で両手を広げ、圧巻の独走から今大会2勝目と共に、逆転の総合優勝を決めた。
「今大会の総合争いは僅差の戦いとなった。独走できる脚があり、またチームも素晴らしい走りでアシストしてくれた。大会を心から楽しむことができたよ」と総合優勝に加え、ポイント賞と山岳賞も手に入れたログリッチは喜んだ。
一方、ヤングライダー賞を得ながらも総合逆転を許したアユソ。「大会を通して激しい戦いが続き、レッドブルがスマートなレースを見せた。今日はログリッチが一番強い選手だった。だから彼の勝利を祝福したい」とコメントしている。
激闘を繰り広げたログリッチとアユソは、共に5月9日開幕のジロ・デ・イタリアで再び相まみえる予定だ。

ボルタ・ア・カタルーニャ2025第7ステージ
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | 1:58:27 |
2位 | ローレンス・デプルス(ベルギー、イネオス・グレナディアーズ) | +0:14 |
3位 | レナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー、ロット) | |
4位 | ドリアン・ゴドン(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール) | +0:19 |
5位 | シルヴァン・モニケ(ベルギー、コフィディス) | |
6位 | ロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア、XDSアスタナ) | |
7位 | コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) | |
8位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) | |
9位 | アクセル・ローランス(フランス、イネオス・グレナディアーズ) | |
10位 | ルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ) | |
34位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツXRG) |
個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | 24:46:21 |
2位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツXRG) | +0:28 |
3位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | +0:53 |
4位 | ミケル・ランダ(スペイン、スーダル・クイックステップ) | +0:54 |
5位 | レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス) | +1:00 |
6位 | ローレンス・デプルス(ベルギー、イネオス・グレナディアーズ) | +1:20 |
7位 | エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | +1:31 |
8位 | レナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー、ロット) | +1:33 |
9位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) | +1:46 |
10位 | リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) | +1:59 |
その他の特別賞
ポイント賞 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) |
山岳賞 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) |
ヤングライダー賞 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツXRG) |
チーム総合成績 | ヴィスマ・リースアバイク |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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