イタリアンシューズブランドであるノースウェーブから新たに生まれ変わったレーシングシューズのRevolutionが登場。ワイドモデルが追加され 、快適性と剛性をより高いレベルで融合させたセカンドグレードをテストしていく。



ノースウェーブ Revolution(White/Black) photo:Michinari TAKAGI

多くのプロライダーに愛用されるレーシングシューズブランド、ノースウェーブ。そのラインアップの中でもレーシングモデルの一つとして用意されるRevolutionがフルモデルチェンジを果たした。

前作から多くの部分が改良されている中で、最も大きな変更点は新開発のカーボンソール。前作はペダルエリアのみカーボンだったアウトソールだったが、新たに広範囲にカーボンを用いた「モーフ・カーボンコンポジットソール」を搭載し、より高いペダリング効率を実現した。

最大15までとなるノースウェーブのアウトソール剛性指数において、前作の12から1段階アップし、「13」をマーク。フラッグシップモデルのExtreme Pro 3などに搭載されているユニディレクショナル・カーボンアウトソールに次ぐ、ハイパフォーマンスソールとして、その性能に磨きをかけた。

広範囲にカーボンを用いたモーフ・カーボンコンポジットソールを搭載 photo:Michinari TAKAGI

剛性指数が13と快適性とパフォーマンスのバランスが良い photo:Michinari TAKAGI
シューズのタンにはメッシュ素材を採用 photo:Michinari TAKAGI

つま先にエアインテイクを配置し、通気性に優れる photo:Michinari TAKAGI

アッパーのしなやかさには定評のあった前作だが、今回のモデルチェンジでは更に柔らかくなったPUシンセティックレザーと通気性に優れたエアネットメッシュを組み合わせることで、より足にフィットする柔軟性の高いアッパーに仕上げられている。そこに、オリジナルの「SLW3ダイヤル」を上下に2個配置することで、非常に優れたフィット感を実現した。

柔らかくなったPUシンセティックレザーと通気性に優れたエアネットメッシュを組み合わせたアッパーを採用 photo:Michinari TAKAGI
アッパーには2つのSLW3ダイヤルを搭載 photo:Michinari TAKAGI


ヒールの内側はシリコングリップが備わり、踵のホールド感がアップ photo:Michinari TAKAGI

アッパーの前方と側面の5カ所のエリアにはパンチング加工を施し、シューズのタンにはメッシュ素材を採用。そして、アウトソールのつま先にエアインテイクと土踏まずの部分に配置したエアダクトによって、優れた通気性を発揮する。

また、別売のアダプターを使用することでワフー/スピードプレイペダルのクリートを直接取り付けられる構造になっており、ダイレクトな踏み心地を実現可能になっているのもポイントだ。

アウトソールとペダルのハイトを縮めることができるKIT NW SPEEDPLAY/Wahoo ADAPTOR対応 photo:Michinari TAKAGI


ノースウェーブ Revolution(Black/White) photo:Michinari TAKAGI
ノースウェーブ Revolution(Light Grey/Sage) photo:Michinari TAKAGI



サイズは36~45まで展開され、ハーフサイズは40.5と41.5、42.5の3サイズが展開される。さらに、ノースウェーブのミドルグレードとしては約8年ぶりにワイドフィットが加わったことも大きなニュースだ。

カラーはシンプルなBlack/WhiteとWhite/Blackに加え、Light Grey/Sage、White/Red Fluoの4色が展開されている。価格は33,000円(税込)で、取り扱いはウインクレル。それでは編集部インプレッションに移っていこう。



―編集部インプレッション

ノースウェーブ RevolutionをインプレッションするのはCW編集部の高木 photo:Gakuto Fujiwara

今回、ノースウェーブ RevolutionをインプレッションするのはCW編集部の高木。足のサイズは27.0cm、普段のレースやトレーニングで着用しているシューズのジャイアントやシマノ、スペシャライズドでは42サイズ、ジロを履く場合は43サイズ、スニーカーでは27.0~27.5cmを選択している。

また、筆者の足は土踏まずのアーチは高め、親指の厚みがあり、母指球から小指球まで幅があるため、横幅が広めのブランドのシューズとの相性が良い。

レギュラーフィット(左)とワイドフィット(右)の両方を試してみたが、ワイドな足ではあるもののレギュラーフィットで良さそうだ photo:Michinari TAKAGI

今回はテストした時期が冬であり、夏用ソックスと比べると厚みがあるウールソックスを履いていたため、43サイズがちょうど良い。レギュラーフィットとワイドフィットの両方を試してみたところ、幅広足ではあるもののレギュラーフィットがしっくりくるサイズ感だった。

より足幅がある方や、外反母趾などでシューズと足が干渉して痛みを感じるといった場合には、ワイドフィットという選択肢が用意されているのは嬉しいだろう。また、ロングライド時にライド後半に足がむくんできても圧迫感は少ないはず。
足の甲を左右から包み込むようにアッパーが締め上がっていく photo:Gakuto Fujiwara

ダイヤルの側面には凹凸があり、指が引っかけやすく操作しやすい photo:Gakuto Fujiwara

シューズに足を通して、ノースウェーブオリジナルのSLW3ダイヤルを締め込んでいくと、足の甲を左右から包み込むようにアッパーが締め上げられていく。一般的なスチールワイヤーではなく、ダイニーマ繊維のワイヤーを使用していることもあり、強めに絞め込んでも足あたりが柔らかいため、不快感が少ないのはノースウェーブならではだ。

ダイヤルの側面には凹凸があり、指が引っかけやすく操作しやすい。とくに、ロングフィンガーグローブを装着する時期には、そのありがたみは感じやすい。ダイヤルの側面のレバーを押し込めばワンクリックずつ緩められ、レバーを引き上げれば一気に緩めることが可能。走行中の調整しやすさとシューズの脱ぎやすさを両立した構造もポイントだ。

アウトソールの剛性感は固すぎないため、つかれにくいのが特徴 photo:Gakuto Fujiwara

さて、実際に漕ぎ出してみる。前作のペダルエリアのみカーボンのアウトソールではペダル部分に集中して剛性を感じていたが、新たに広範囲にカーボンを用いたコンポジットソールになったことで、アウトソール全体で踏力を受け止めているような感覚に。

アウトソールの剛性感は固すぎない塩梅で、適度にソールが撓るため、疲れにくい印象だ。快適性も確保しつつ、スプリントで思いっきり踏み込んでもよじれることはなく、しっかりとパワーを伝達する性能にも優れていると感じた。

パワー伝達性能にも優れている photo:Gakuto Fujiwara

基本的にはシューズカバーを用いるような冬場のテストだっただけに、通気性に関しては正確に評価しがたいところはご承知おきいただきたい。ただ、撮影時にシューズ単体で走った際には、かなりの冷気が足を刺すように感じられたことは記しておく。

そして、洗練されたデザインもこのシューズの魅力の一つ。今回テストしたBlack/Whiteはホワイトをメインカラーにヒールの部分にブラックのラインにブランドのロゴが入る。このカラーを反転したWhite/Blackもシンプルで、どんなウェアやバイクにも合わせやすい。Light Grey/Sageはライトグレーをメインにミントグリーンやライトイエローの差し色が入るおしゃれなカラーリングで、他のブランドではなかなか見ない色使いが魅力的でもある。

レースシーンや週末サイクリングにも使いやすいシューズ photo:Gakuto Fujiwara

シンプルなシルエットの中に堅実な走行性能を秘めたRevolution。アウトソールとアッパーの変更によりレーシーなライダーの要求を満たしつつ、ワイドフィットの登場でより幅広い人のニーズにも応えるシューズへと進化を果たした。ノースウェーブロードシューズの世界観を知るには、うってつけの一足だ。



ノースウェーブ Revolution
サイズ:36、37、38、39、40、40.5、41、41.5、42、42.5、43、44、45
カラー:Black/White、Light Grey/Sage、White/Black、White/Red Fluo
価格:33,000円 (税込)

ノースウェーブ Revolution WIDE
サイズ:37、38、39、40、40.5、41、41.5、42、42.5、43、44、45
カラー:White/Black
価格:33,000円(税込)