キャノンデールのアドベンチャーグラベルバイク、Topstone Carbonが第3世代へとフルモデルチェンジ。40mmにストロークアップしたLeftyサスペンションと、KingPinを積極的に動かすためにリファインされたフレーム形状によりアグレッシブなライドを叶える究極のグラベルマシンに仕上げられている。



フルモデルチェンジを遂げたTopstone Carbon(サイズ47)。40mm化したLeftyフォークを中心に各部をアップデートした photo:So Isobe

キャノンデールほどグラベルカテゴリーに本気なブランドも無いだろう。先に発表されていたグラベルレースバイク「SuperX(スーパーエックス)」に続き、本日3月11日にはアドベンチャーグラベルバイク「Topstone Carbon(トップストーン カーボン)」のフルモデルチェンジがリリース。これによってキャノンデールはアンバウンドグラベルや世界選手権に代表されるレースモデルと、トレイルユースも含めて走りを楽しむファン/アドベンチャーモデルの両カテゴリーを一気に世代交代させたことになる。

Topstone Carbonは、グラベルユースに最適化されたLefty Oliver(レフティオリバー)サスペンションを装備して衝撃を与えたSlate(スレート)の直系進化モデル。フルカーボンフレームを得たことでLeftyサスと積極的にリアバックをしならせる「KingPin(キングピン)」でのフルサス化を叶え、2020年デビューの初代、700cホイールを得て走行性能を引き上げた第2世代(2022年)と矢継ぎ早にアップデートを重ねてきた。

第3世代となったTopstone Carbonのテーマはライドキャパシティの向上だ。Lefty Oliverは従来の30mmから40mmへとストロークアップし、各部のフレーム形状をリファインすることで積極的にKingPinを動かす仕様に。新型SuperXがスピードを身に付けたのならば、新型Topstone Carbonはもっと遊べる仕様に。レースとアドベンチャー。対極を成す2モデルがグラベルバイクの地平線を押し広げる。

驚くほど薄いトップチューブ後端やシートチューブ。KingPinをしなやかに動かすためのアップデートだ photo:So Isobe

最大30mmのフレックスを叶えるKingPinシステム。先述の通りフレームデザインの軽量によってよりスムーズな動きを手に入れた
TopstoneたらしめるLefty Oliverサスペンション。30mmから40mmへとストロークアップを果たした



先述の通りLefty Oliverサスペンションは40mmストロークを持つ第2世代に。10mm+と共にダンパーの刷新によってサスペンション自体の初期の動き出しを和らげることで、従来モデルよりも積極的に路面の凹凸をカット。乗り心地はもちろんのこと、共にトレイルでの安定性とコントロール性能を引き上げている。

実車を見て気づくのが、リアホイールに合わせてベンドするシートチューブや、トップチューブ後端部分が目を疑うほど薄く仕上げられていることだ。開発陣によれば、この設計はKingPinを積極的に稼働させるための意味を持つといい、最大フレックス量は先代と同じ30mmだが、その性格は大きく違っているという。

「アウトフロントジオメトリー」を引き継ぎつつ改良。オフロードモデルのトレンドを引っ張るに相応しいジオメトリーを得ている photo:So Isobe

2025モデルから採用されたペイントスキーム。アグレッシブな走りをイメージしている
ダウンチューブのボトルケージ下にはStashPort(スタッシュポート)を装備。ポート内には専用バッグStashBag(スタッシュバッグ)を搭載する



併せてジオメトリーも大きく変化している。コーナリング性能を落とすことなく安定感を高める「アウトフロントジオメトリー」を引き継ぎつつ、スタックを長く、リーチを短く、ヘッドアングルを緩くすることで最新ムーブメントに併せて改良。また今作からはリジッドフォークを改良してLefty Oliverと同じジオメトリーとなるように配慮された。

ダウンチューブのボトルケージ下にライドの必需品を収納できるStashPort(スタッシュポート)と専用バッグStashBag(スタッシュバッグ)を標準装備する。先代モデルではダウンチューブのBB寄りに外装するシステムだったが、泥汚れのリスクを考えればどちらがベターかは明白。合計3箇所設けられたボトルケージ台座(リジッドフォークには2箇所のマウントポイント)、トップチューブバッグマウントなど、長距離のアドベンチャーライドも可能な対応力を備えている。

Acros社のIS52 ICRヘッドセットを採用することでケーブル類を内装化 photo:So Isobe

コンポーネントはダブル/シングル両対応。5種類の完成車が用意される photo:So Isobe
最高峰の2モデルにはリザーブの40|44ホイールを投入 photo:So Isobe



専用シートポストを使うSuperXと異なり、27.2mm径の内装式ドロッパーシートポストを使用可能で、フロントチェーンリングはシングルとダブルのどちらにも設定可能。リテーナー部分にケーブルを通すAcros社のIS52 ICRヘッドセットを採用することでケーブル類の内装化(Lefty搭載モデルはフロントブレーキホース外装)を叶えた。

今回リリースされる販売パッケージは合計5種類の完成車。大きく分けてLefty搭載モデル(x1)とリジッドモデル(x4)が存在し、それぞれ搭載ホイールとコンポーネントで差別化が行われている。先代モデルと違ってキャノンデール最高峰のLAB71グレードは存在せず、フレームは1種類だ。



Topstone Carbon LTD Di2
フォーク:リジッド
カラー:Mantis with Caffeine and Quicksand
サイズ:47、51、54
コンポーネント:シマノ GRX 825 DI2
ホイール:リザーブ 40|44
ハブ:DTスイス 240
税込価格:1,265,000円

Topstone Carbon Lefty AXS
フォーク:Lefty Oliver Carbon
カラー:Jet Black w/ Raw Carbon and Smoked Chrome
サイズ:47、51、54
コンポーネント:スラム Rival AXS
ホイール:リザーブ 40|44
ハブ:Lefty 50/DTスイス 370
税込価格:1,135,000円

Topstone Carbon 2 AXS
フォーク:リジッド
カラー:Spruce Green w/ Raw Carbon and Meteor Gray
サイズ:47、51、54
コンポーネント:スラム APEX AXS
税込価格:685,000円

Topstone Carbon 2 GRX
フォーク:リジッド
カラー:Tigershark w/ Jade and Orange Slice、Obsidian w/ Charcoal Gray
サイズ:47、51、54
コンポーネント:シマノ GRX 820
税込価格:660,000円

Topstone Carbon 3 GRX
フォーク:リジッド
カラー:Chalk w/ Meteor Gray、Smoke Black w/ Jet Black、Orange Slice w/ Stealth Gray
サイズ:47、51、54
コンポーネント:シマノ GRX 820/610/400
税込価格:570,000円