2025/02/22(土) - 18:24
開発に4000時間を充てて生み出されたフルクラムのフラッグシップロードホイール、SPEED 42。乗り心地までも数値化するR&Dプロセスから誕生した新型リム、ハブ、スポークで、エアロと剛性、耐久性が向上した次世代モデルをテストした。
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フルクラム SPEED 42
イタリアのホイールブランド、フルクラムが放つロードレース用フラッグシップモデル「SPEED」シリーズ。長年、3K織カーボンの独特な見た目で存在感を放ってきたSPEEDシリーズが、UDカーボンを採用する新世代へと変革を遂げている。
フルクラムの新時代到来を告げる新型SPEEDは見た目の変化だけにあらず。実に4000時間もの時間が研究開発に充てられており、開発プロセスそのものの刷新、ラボでの入念な分析、風洞や実地テストを経て、従来モデルを凌駕する性能を手に入れている。
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テクノロジーの細かい記述もレーザーで施されている
新しい開発プロセスでは、ハンドリングや反応性に加えて「乗り心地」を数値化する手法を採用。ホイール重量や回転慣性、曲げ剛性、ねじり剛性、ホイールから散逸するエネルギーなどを細かく測定し、ホイールを多角的な評価が可能となった。これによりコーナリング時のホイールの挙動を緻密に分析でき、SPEED 42は旧モデルと比べ、ハンドリング性能で最大17%もの向上を達成。
新型ではリム、スポーク、ハブの全てを新設計とし、飛躍的な進化を実現させている。リムは最高グレードのUDカーボンであるFF100を採用。お馴染みのMoMagテクノロジーで、リムベッドにニップルホールを設けないことで、高い剛性と強度を確保した。
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フランジを拡大し、ボディをシェイプアップさせたハブ
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独自のエアロスポークが採用されている
スポークには、エアロダイナミクスを追求した新開発の「エアロダイナミック・フラット・スポーク」を採用。ストレートプルとエアロブレードを組み合わせた形状で、24本のスポークを2to1のパターンで組み上げる。スポーク同士が接触を避ける設計と、ニップルとリムの接合部に特殊なプラスチック製サポートを配することで、ホイールシステム全体の耐久性も大幅に向上させた。ハブは、フランジ径を40%拡大しつつ、ボディサイズを10%スリム化。ねじれ剛性を維持したままエアロ効率を高めるという、現代のロードレースに相応しい進化を遂げている。
新型SPEEDシリーズは、42mmと57mmの2種のリムハイトを用意。今回は42mmハイトのモデルをなるしまフレンドの小畑郁がテストする。28mm幅のタイヤを装着した際にエアロ、転がり抵抗、快適性を発揮するように作られた、フルクラムの最新作の実力に迫る。
ーインプレッション by 小畑郁(なるしまフレンド)
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「性能だけではなく安心感もあるホイール」小畑郁(なるしまフレンド)
SPEED 42はどのような場面で使いやすいリムハイトかつ1,400g台の重量で、バランスの取れた特性を持っています。より軽量なホイールも存在しますが、それらはスピードの伸びが物足りない場合もあります。SPEED 42では適度な重量設定によって、丈夫さや安心感を求めつつ、性能とのバランスを考えた結果が反映されていると思いました。
かつては軽量ホイールを作っていたブランドもプロレースで壊れる経験を経て、耐久性とエアロがあるホイール開発に移行してきた経緯があります。フルクラムも同じような時代を経ているので、際立つスペックではないものの安心感のあるホイールには仕上げられていると思います。
もしヒルクライムが念頭にあるサイクリストであるならば、フルクラムのSPEED 25やカンパニョーロのHyperon Ultraが選択肢に挙がりますが、どこでも使えるホイールを探しているのであればSPEED 42が適しています。新型でエアロが強化されたのは、軽量ホイールとの使い分けを考えているのかもしれませんね。
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「フルクラムのラインアップで一本だけ選ぶのであれば、オールラウンドに使えるこのホイールがおすすめ」小畑郁(なるしまフレンド)
剛性感は非常にバランスが良く、カチカチに固すぎることもなく、かといって柔らかすぎることもありません。ハブもカップアンドコーン式のUSBで、調整しやすさや、回転の良さは文句のつけどころがありません。この部分だけで選んでもらいたいと思うほどですよ。
SPEED 42が良いホイールというのは間違いありません。フルクラムのラインアップで一本だけ選ぶのであれば、オールラウンドに使えるこのホイールがおすすめです。
フルクラム SPEED 42
タイプ:2WAY-FIT
重量:1,410g
リム素材:カーボン(FF100)
リム:DIMF
リムハイト:42mm
リム内幅:23mm
スポーク数:24本
スポーク:ステンレススチール、ダブルバテッド、ストレートプル
ベアリング:USB
フリーハブ:HG11、XDR、N3W
税込価格:446,600円
インプレッションライダープロフィール
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小畑郁(なるしまフレンド) 小畑郁(おばたかおる)
圧倒的な知識量と優れた技術力から国内No.1メカニックとの呼び声高い、なるしまフレンドの技術チーフ。勤務の傍ら精力的に競技活動を行っており、ツール・ド・おきなわ市民210kmでは2010年に2位、2013年と2014年に8位に入った他、国内最高峰のJプロツアーではプロを相手に多数の入賞経験を持つ。2020年以来、ベルマーレレーシングチームの一員として国内レースを走る。
なるしまフレンド神宮店(レコメンドショップページ)
なるしまフレンド HP
text:Gakuto Fujiwara
photo:Makoto AYANO、Naoki Yasuoka
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イタリアのホイールブランド、フルクラムが放つロードレース用フラッグシップモデル「SPEED」シリーズ。長年、3K織カーボンの独特な見た目で存在感を放ってきたSPEEDシリーズが、UDカーボンを採用する新世代へと変革を遂げている。
フルクラムの新時代到来を告げる新型SPEEDは見た目の変化だけにあらず。実に4000時間もの時間が研究開発に充てられており、開発プロセスそのものの刷新、ラボでの入念な分析、風洞や実地テストを経て、従来モデルを凌駕する性能を手に入れている。
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新しい開発プロセスでは、ハンドリングや反応性に加えて「乗り心地」を数値化する手法を採用。ホイール重量や回転慣性、曲げ剛性、ねじり剛性、ホイールから散逸するエネルギーなどを細かく測定し、ホイールを多角的な評価が可能となった。これによりコーナリング時のホイールの挙動を緻密に分析でき、SPEED 42は旧モデルと比べ、ハンドリング性能で最大17%もの向上を達成。
新型ではリム、スポーク、ハブの全てを新設計とし、飛躍的な進化を実現させている。リムは最高グレードのUDカーボンであるFF100を採用。お馴染みのMoMagテクノロジーで、リムベッドにニップルホールを設けないことで、高い剛性と強度を確保した。
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スポークには、エアロダイナミクスを追求した新開発の「エアロダイナミック・フラット・スポーク」を採用。ストレートプルとエアロブレードを組み合わせた形状で、24本のスポークを2to1のパターンで組み上げる。スポーク同士が接触を避ける設計と、ニップルとリムの接合部に特殊なプラスチック製サポートを配することで、ホイールシステム全体の耐久性も大幅に向上させた。ハブは、フランジ径を40%拡大しつつ、ボディサイズを10%スリム化。ねじれ剛性を維持したままエアロ効率を高めるという、現代のロードレースに相応しい進化を遂げている。
新型SPEEDシリーズは、42mmと57mmの2種のリムハイトを用意。今回は42mmハイトのモデルをなるしまフレンドの小畑郁がテストする。28mm幅のタイヤを装着した際にエアロ、転がり抵抗、快適性を発揮するように作られた、フルクラムの最新作の実力に迫る。
ーインプレッション by 小畑郁(なるしまフレンド)
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SPEED 42はどのような場面で使いやすいリムハイトかつ1,400g台の重量で、バランスの取れた特性を持っています。より軽量なホイールも存在しますが、それらはスピードの伸びが物足りない場合もあります。SPEED 42では適度な重量設定によって、丈夫さや安心感を求めつつ、性能とのバランスを考えた結果が反映されていると思いました。
かつては軽量ホイールを作っていたブランドもプロレースで壊れる経験を経て、耐久性とエアロがあるホイール開発に移行してきた経緯があります。フルクラムも同じような時代を経ているので、際立つスペックではないものの安心感のあるホイールには仕上げられていると思います。
もしヒルクライムが念頭にあるサイクリストであるならば、フルクラムのSPEED 25やカンパニョーロのHyperon Ultraが選択肢に挙がりますが、どこでも使えるホイールを探しているのであればSPEED 42が適しています。新型でエアロが強化されたのは、軽量ホイールとの使い分けを考えているのかもしれませんね。
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剛性感は非常にバランスが良く、カチカチに固すぎることもなく、かといって柔らかすぎることもありません。ハブもカップアンドコーン式のUSBで、調整しやすさや、回転の良さは文句のつけどころがありません。この部分だけで選んでもらいたいと思うほどですよ。
SPEED 42が良いホイールというのは間違いありません。フルクラムのラインアップで一本だけ選ぶのであれば、オールラウンドに使えるこのホイールがおすすめです。
フルクラム SPEED 42
タイプ:2WAY-FIT
重量:1,410g
リム素材:カーボン(FF100)
リム:DIMF
リムハイト:42mm
リム内幅:23mm
スポーク数:24本
スポーク:ステンレススチール、ダブルバテッド、ストレートプル
ベアリング:USB
フリーハブ:HG11、XDR、N3W
税込価格:446,600円
インプレッションライダープロフィール
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圧倒的な知識量と優れた技術力から国内No.1メカニックとの呼び声高い、なるしまフレンドの技術チーフ。勤務の傍ら精力的に競技活動を行っており、ツール・ド・おきなわ市民210kmでは2010年に2位、2013年と2014年に8位に入った他、国内最高峰のJプロツアーではプロを相手に多数の入賞経験を持つ。2020年以来、ベルマーレレーシングチームの一員として国内レースを走る。
なるしまフレンド神宮店(レコメンドショップページ)
なるしまフレンド HP
text:Gakuto Fujiwara
photo:Makoto AYANO、Naoki Yasuoka
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